臨床検査技師を辞めたい!よくある理由と退職前にしておくべきことを解説!

           
編集者
本記事は転職エージェント公式サービス(ビズリーチ・マイナビ・リクルート等)のプロモーションを含みます。
ただし、当サイト内のランキングや商品(商材)の評価は、当社の調査やユーザーの口コミ収集等を考慮して作成しており、提携企業の商品(商材)を根拠なくPRするものではありません。
有料職業紹介許可番号:13-ユ-313782)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社アシロが作成しています。

医療系専門職の中で、国家資格を必要とする職種のひとつに「臨床検査技師」があります。

臨床検査技師のイメージは、安定した職業で医療に必要不可欠で、そこまで仕事はきつくないと思っている方も少なくありません。

しかし、実際にはさまざまな理由から辞めたいと感じている方もいます。

本記事では、臨床検査技師を辞めたい理由から、辞めた後の対処法までを解説します。臨床検査技師を辞めようか迷っている方だけでなく、目指している方もぜひ参考にしてみてください。

関連記事:【臨床検査技師】おすすめ転職サイト12選ランキング|口コミや評判を解説

目次

臨床検査技師の仕事内容

臨床検査技師は、医師の指示や監督のもと、データを作成して診断や治療方針に役立てるために検査をおこなう職業です。

昨今は、医療技術が発展するとともに業務が分業化され、臨床検査技師の取り扱う検査対象は多岐にわたります。

使用機器も、体表から放出される赤外線の量で皮膚表面の温度部分を表示する熱画像(サーモグラフィー)や、核磁気共鳴現象を利用して体内の内部にある情報を画像にする画像診断装置(MRI)などさまざまです。

また、輸血検査や遺伝子検査などが加わって以降、臨床検査技師はチーム医療の一員としても重要な役割を担うようになりました。

そんな臨床検査技師の仕事内容は、次の4つです。

1.検体検査

血液・尿・便などを採取して細菌やウイルス・がん細胞の有無など複数の項目によって検査し、身体機能の異常の有無を確認する。

2.生理学的検査

心電図や脳波、呼吸機能や超音波などの機器を用いて人間の身体を検査する。

3.検査試薬の管理

分析項目に沿って異なる単純試薬や試薬キット、標準物質や調整試薬、管理血清など試薬の在庫状況をチェック・管理する。

4.試薬の作製

化学的な知識によって、特別な病気の可能性がある場合や通常の検査では調べられない場合は試薬を作製する。

臨床検査技師を辞めたいと感じるよくある理由

臨床検査技師が「辞めたい」と感じるのは、どのような時でしょうか。

この章では、よくある3つの理由について紹介しましょう。

業務をこなすのがきつい

臨床検査技師が辞めたいと感じる1つ目の理由は、業務をこなすのがきついということです。

先述したように、臨床検査技師の業務は大きく4つのジャンルに分かれており、状況に応じて同時進行しながらそれぞれの仕事をこなさなければなりません。

臨床検査技師に限りませんが、繁忙期には納期が重なることもあり、いずれかのジャンルに仕事が集中してしまうこともあるでしょう。忙しい時に限って、さらに仕事が舞い込むことも少なくありません。

また、これら4つの業務は、いずれも臨床検査技師だけでなく医師や看護師が関係しているため、その関係性によっては急がなければならないケースもあるでしょう。

特に真面目で責任感の強い方は、周囲の方と連絡を取り合いながら並行して複数の業務を進めることにストレスを感じて「辞めたい」と思う方もいるようです。

給与と業務内容が合致しない

給与と業務内容が合致しないというのも、臨床検査技師を辞めたいと感じる理由のひとつです。

臨床検査技師の仕事は人の命が関わっているため、ミスは許されません。

納期に気を配りながらマルチタスクで業務を進める必要もあり、肉体的にも精神的にもかなりハードといえるでしょう。

そんな臨床検査技師の平均年収は、下記のとおりです。

年齢男性の平均年収女性の平均年収
20~24歳329.8万円317.1万円
25~29歳439.1万円403.3万円
30~34歳501.3万円443.2万円
35~39歳589.3万円482.4万円
40~44歳546.4万円491.9万円
45~49歳654.6万円548.9万円
50~54歳923.59万円587.2万円
55~59歳807.7万円659.4万円
60~64歳552.3万円461.8万円
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」

ちなみに、日経転職版の大卒年収調査によれば、2023年度の男性20代の平均年収は504.4万円、女性は399.6万円、全体の平均年収は459.1万円でした。

臨床検査技師の年収は、大卒の平均年収とくらべてけっして高いとはいえません。

国家試験に合格して専門的な仕事に就き、膨大な業務量を抱えていることを考慮すれば、むしろ低いといってもよいでしょう。

もちろん、年月をかけてキャリアや実績を積んだ50代になれば、それなりの額を支給されるようになります。

しかし、雑務も多く、上司や先輩から数多くの仕事を振られる若い世代の臨床検査技師のなかには、専門性を伴い業務量も多い割に収入が少ないと感じる方もいるでしょう。

当直に入って特別手当を得るという方法もありますが、シフトによっては希望が通らない場合もあり、慣れないうちは夜勤がストレスになって辞めたくなることもあるようです。

出典:日経転職版「大卒年収調査2023年版」

自分を成長させたい

臨床検査技師の仕事を辞めたい理由には、自分を成長させたいというのもあります。

現職の規模や人数体制によっては、実務でスキルアップを図れない環境で働いている方もいるでしょう。

また、毎日ハードワークをこなす合間に、さらにスキルアップ・キャリアアップのために学習時間を確保するのは簡単ではありません。

臨床検査技師としての今後のキャリアパスを考慮したとき、現職では成長できないから辞めたいと思う方もいるでしょう。

臨床検査技師を辞める前にすべきこと

臨床検査技師を辞めたいと思って、後先考えず勢いに任せて辞めてしまったら後悔する可能性もあります。

この章では、臨床検査技師を辞める前にしておくべきことを紹介します。

なぜ辞めたいのかを分析する

まず最初に、なぜ辞めたいのかを分析してみましょう。

最終的に転職するにせよ、自分が辞めたいと思う理由や原因を突きとめなければ転職活動もスムーズに進みません。

臨床検査技師が辞めたいと思う理由は、千差万別です。

先述した3つのよくある理由のほかに、休日出勤や呼び出し・待機がつらくて辞めたいという方もいるでしょう。

また、日常業務に加えて学会や勉強会が多くてワークライフバランスが悪い、現職の人間関係が悪くてストレスが多い、体調を崩していることなどが原因かもしれません。

複数の原因が複雑に絡み合っている可能性もありますので、ご自身を客観的に分析して具体的な理由を明らかにすることが大切です。

分析した結果が、ご自身のなかでブレてはいけない転職の目的になるでしょう。

仕事の見方を変える

臨床検査技師を辞める前に、仕事の見方を変えるのもよいでしょう。

就職して間もない方は、上司や先輩から叱られたら自分に自信が持てなくなるものです。

また、殺伐とした現場を目の当たりにすれば、自分の思い描いていた臨床検査技師のイメージとかけ離れたように感じて続けられるか不安に思うこともあるでしょう。

このようなケースでは、ご自身がどんな臨床検査技師になりたいのかを考えながら、仕事への見方を変えることで解決できる場合があります。

たとえば、上司や先輩から注意されたり叱られたりするのは、期待されている可能性も高いのです。

新人のうちに基礎をきちんと積み、臨床検査技師としての責任を感じて欲しいと思っているのかもしれません。

何でも聞けるという新人ならではの特権を活かし、上司や先輩に仕事で失敗しないための対策を相談してみるのもおすすめです。

また、忙しく慌ただしい現場についても、時間が経つにつれて雰囲気にも慣れてくるでしょう。

自分で対応できる仕事が増えれば、活気ある職場のほうが働くモチベーションが上がることもよくあります。

期間を設けて休職する

臨床検査技師を辞めたい理由によっては、期間を設けて休職するのもおすすめです。

たとえば、残業での寝不足や休日出勤が続いて体調を崩してしまった方は、休職してゆっくり静養すれば辞めたい気持ちを解消できるでしょう。

心身ともに疲弊している状況下では、人間は適切に判断を下せないこともあります。

体調不良で転職しても、転職先の病院やクリニックがもっと忙しければ、さらに心身ともに消耗してしまうかもしれません。

期間を決めてしっかり休んで体力が回復したら、気分もリフレッシュできて新鮮な気持ちで働けるようになるでしょう。

別の仕事に転職することを検討する

別の仕事への転職も、辞める前に検討すべきでしょう。

別の仕事といっても、臨床検査技師になるために身につけた知識や職場で培ったスキルを活かせる医療系の仕事は数多くあります。

また、ポータブルスキルが高ければ異業種に転職しても即戦力になるでしょう。

臨床検査技師のほかにどんな選択肢があるのかを事前に把握することで、今後、どのような職種・業種への転職を目指すべきかという方向性も明確になります。

転職の目的やどんな仕事に就きたいかを具体的にイメージできない段階で辞めてしまうと、転職活動が長引く可能性もあり、精神的に不安になることもあるので注意しましょう。

臨床検査技師の向き・不向きとは

臨床検査技師という仕事は、病院・クリニックでの役割や専門性から向き・不向きがあります。

この章では、臨床検査技師に向いている方と向いていない方との特徴について説明します。

向いている方の特徴

臨床検査技師に向いている方の特徴は、大きく分けて3つあります。

細かい作業を得意とする方は、臨床検査技師に向いているでしょう。

毎日の業務は、試薬や検体を用いたさまざまな検査がほとんどです。

検査薬や試薬を間違えずに作業をおこなうことはもちろん、検査では細かい手順に従って結果を待たなければなりません。

細かい作業をコツコツと進められる忍耐強い方には、臨床検査技師の適性があります。

次に、コミュニケーション力の高い方も、臨床検査技師に向いているでしょう。

臨床検査技師の仕事は、医師や看護師、試薬の業者などとの連携が不可欠です。

「仕事=コミュニケーション」ともいうように、新人・ベテランに限らず積極的にコミュニケーションを図り、周囲との信頼関係を構築する必要があります。

周囲の方々にすぐになじめるような方は、臨床検査技師としての適性は高いでしょう。

臨床検査技師に向いている方の3つ目の特徴は、学習意欲が高いことです。

特殊な病気である可能性のある患者の検査では、新たに試薬を作製することもあります。

そのためには、最先端の化学的な知識を常に習得しようという強い意欲が必要です。

忙しいなかで研修や学会などにも参加し、常にご自身のスキルを磨こう・知識を増やそうという意欲の高い方は適性があるといえるでしょう。

向いていない方の特徴

臨床検査技師に向いていない方の特徴は、主に3つです。

まず1つ目の特徴として、単純作業の苦手な方は臨床検査技師に向いていないかもしれません。

検査は、非常に神経を使う必要がある一方で、毎回同じような作業の繰り返しになります。

しかも、人命が関わることも多く、ミスは許されません。

単純作業が大雑把になるような方は、臨床検査技師としてのスキルアップは難しいでしょう。

2つ目の特徴は、人とのコミュニケーションが苦手な方です。

最近は、臨床検査技師もチーム医療のメンバーの一員として参加する機会が増えました。

実際、医師や看護師などと意見交換しながら、治療や手術の方針を決定するケースも少なくありません。

患者にとって最適な方法を選択するには、互いの専門的な見地から意見を交わす必要があります。人とのコミュニケーションが苦手という方は、「報連相」から始めてみましょう。

最後に、緊急対応の苦手な方は臨床検査技師に向いていません。

実際の病院やクリニックの現場では、患者の容態の急変や機器の故障・救急搬送など、常に思いがけないトラブルの発生を想定しておく必要があります。

また、どんなに差し迫った状況下であっても、医師や看護師と同様に状況を冷静に見極め、的確に対応しなければなりません。

患者と一緒になって緊急時にパニックになってしまうような方は、さらに患者を不安にさせてしまうでしょう。

臨床検査技師の資格を活かせる選択肢3選

環境を変えて臨床検査技師をして活躍したい場合、以下のような場所で働くことができます。

クリニック

クリニックの臨床検査技師は、超音波検査、採血、心電図などの生理機能検査が主な業務です。

ほかの施設と比べて業務が多岐にわたることもないため、一つの技術に特化したい方におすすめです。

また、基本的には日勤のみとなるため、ワークライフバランスを重視したい方にも向いています。

ただし、受付や診察補助などの雑務をおこなうこともありますので、臨床検査技師の仕事以外の業務に抵抗のある方は、面接で事前に確認しておきましょう。

病院

病院に勤務する場合は、配属される科によって業務は大きく異なります。患者数も検体も多いため、幅広い知識や技術を身につけたい方にはおすすめです。

検体数が多いと多忙になりがちですが、スタッフの人数も多く休みを取りやすい環境が整っている病院も少なくありません。

病院勤務の臨床検査技師は、患者、医師、看護師などの関係者との関わりが深いため、コミュニケーション力も必要です。

病院によっては夜勤もありますので、面接で業務の幅や勤務形態を確認しておくとよいでしょう。

検査センター

検査センターでの臨床検査技師の業務は、検査機関を持たない施設から送られてきた検体を検査することです。

毎日検査をおこなうため、検査技術を身につけたい方におすすめです。

また、急患など緊急の対応もないため、黙々と仕事をおこないたい方にも向いています。

検体検査以外はおこなうことが少ないため、他の技術も身につけたい方や患者と関わっていきたいと思っている方には不向きかもしれません。

臨床検査技師の経験を活かせる異業種・異職種11選

この章では、臨床検査技師の経験を活かせる異業種・異職種11選を紹介します。

これから転職を検討したいという方は、ぜひ参考にしてください。

医療情報担当者(MR・DMR)

医療情報担当者(MR・DMR)は、製薬会社の代表として病院・クリニックの医師や薬剤師に医療品を販売し、医療情報を提供する職種です。

製薬業界のフロントラインで活躍できるため、患者のQOLの向上に貢献し、販売目標を達成できた時など、多くのやりがいや達成感を得られるでしょう。

医薬品や医学に関心があり、病院・クリニックへの長時間の外出や移動が気にならない方や、医療品を通した医師や看護師とのコミュニケーションが苦にならない方に向いています。

一方、一人でコツコツ作業することが得意な方や販売ノルマなど成果主義にストレスを感じる方、外出や移動を好まない方は向いていないかもしれません。

アプリケーションスペシャリスト・クリニカルスペシャリスト

アプリケーションスペシャリストは、検査機器関連企業に所属し、自社製品に関する取り扱い方や検査方法をクライアントに説明し、日常的なメンテナンスに携わる職種です。

一方、クリニカルスペシャリストは、病院やクリニックの手術に立ち会い、医療機器の特徴や操作方法などを医師や看護師に説明する業務を担います。

どちらも臨床検査技師との関わりが深く、地域の病院やクリニックを担当し定期的な巡回が必要です。

特に販売目標などを課せられることはなく、顧客満足度の向上を目標に関係部署と協働しながら業務を進めます。

また、学術的な見地から病理診断の検査項目や臨床的な価値に関する情報を提供するのも、これらの業務のひとつです。

臨床検査業界に関心があり、医療情報担当者と同様にコミュニケーション能力の高い方には向いているでしょう。

一方、外出や移動を好まない方やコミュニケーションの苦手な方は、仕事でストレスを感じる場合もあり、注意が必要です。

メディカルサイエンスリエゾン(MSL)

メディカルサイエンスリエゾン(MSL)は、日本では2010年代から採用されている新しい職種です。

実は、まだ職種自体が、日本でそれほど認知されていません。

製薬企業内の一部門に所属し、中立的な立場から医師などの専門家と医学的・科学的な視点でディスカッションをおこなう重要なポジションです。

企業規模によって異なりますが、メディカルサイエンスリエゾンは次の5つの業務を担います。

メディカルサイエンスリエゾンの主な業務
  1. 担当疾患の最新情報の収集および提供
  2. 医師等との面談や製薬に関する資料・論文等の準備
  3. 医師等との連携による医療現場におけるインサイト情報の収集
  4. 社内外の研修や勉強会の企画・運営
  5. メディカルプランの策定

メディカルサイエンスリエゾンは、医師とのコミュニケーションが多く、科学的知識も求められます。

売上ノルマのある医療情報担当者とは異なり、「患者ファースト」の中立的な立場にあるのも特徴です。

常に最新の医薬品や治療方法に関する知識を習得する必要があるため、知的好奇心があり、独学の意欲のある方に向いているでしょう。

ただし、中長期的な視点での業務も多く、短期で成果を求めるような方にはフィットしづらい職種といえます。

メディカルアフェアーズ

メディカルアフェアーズは「MA」とも呼ばれ、製薬会社に所属するのが一般的です。

主な業務は、有効な治療法のない患者のアンメットメディカルニーズをふまえ、患者や医療関係者に対しエビデンスを創出・配信し、有益な医療分野の製品開発に関する情報を提供することです。

具体的には、最新的な医学的文献の調査や分析、製品の有効性や安全性に関する情報の提供、研究者への医学的な情報の提供などになります。

メディカルアフェアーズは、患者の治療や生命に深く関わるため、高い倫理観を持ち、医学的・科学的知識を習得する学習意欲の高い方に向いている職種です。

患者や医療関係者、研究者などと幅広くコミュニケーションを図る必要もあり、対人関係を苦手とする方には向かないでしょう。

フィールドエンジニア

フィールドエンジニアは、検査機器や医療機器のトラブルの解決や定期的なメンテナンス、機器を納入する際のサポートや製品の説明などを担う職種です。

担当する各機器に関する専門的な知識を要し、担当地域の病院やクリニックを定期的に訪問することになります。

販売目標を課せられることはないものの、顧客からのトラブルシューティングや技術的なサポート、アップデートや新商品のリリースに伴う顧客や内部スタッフの研修や教育も主な業務です。

状況に応じた問題解決能力や周囲との信頼関係を構築できるコミュニケーション能力の高い方、常に新技術を学ぼうとする学習意欲の強い方に適性があります。

一方、顧客からのクレームに対応する忍耐強さや技術の変化への対応力、チームワーク制の協調性に乏しい方は厳しいでしょう。

研究開発職

研究開発職は、研究で得た知識や技術を製品化する職種です。

新商品を創出するイノベーション的な側面があり、自社の利益のために斬新なアイデアで製品化・事業化するため、ほかの職種よりも高額な年収を期待できます。

研究開発職の主な業務は、次の3つです。

研究開発職の主な業務
  1. 新しい技術や製品の開発のための既存技術に関する分析・改善
  2. 市場調査やプロジェクトの策定・管理
  3. 特許など知的財産権の管理および業界の最新トレンドの把握

研究開発というチームで作業する職業柄、協調性やコミュニケーション能力はもちろん、知的好奇心や探究心があり、じっくりとテーマに取り組む忍耐力のある方に向いています。

逆にいえば、単独作業を好み変化や新しいことを受け入れられない方や、短期間で結果や成果を出したい方には合わないかもしれません。

臨床開発モニター

臨床開発モニターは「CRA」とも呼ばれ、製薬会社の新薬開発に関わる職種です。

一般的に、新薬は治験を経て市場に流通しますが、臨床開発モニターは、市場に流通する前に新薬に関する収集データを基に薬の有効性や安全性を証明する業務を担います。

具体的には、新薬を製品化する際に「臨床開発試験(治験)」が適切に実施されているかどうかを監視しながら被験者の患者に開発中の薬を投与してデータを収集し、治験の進捗状況を管理します。

臨床開発モニターは、既存薬では治らなかった患者への新薬の投与に関わり、医師や患者から感謝されることも多く、社会貢献度の高い職種です。

投薬の経過観察やデータ収集などもあるため、常に最新技術を習得する学習意欲や細部への注意力、不具合などの問題解決能力の高い方に向いています。

一方、期限や納期に大雑把な方や、患者や医療関係者とのコミュニケーションを苦手とする方はフィックスしづらいでしょう。

治験コーディネーター

治験コーディネーターは「CRC」ともよばれ、治験をサポートする民間企業「SMO(治験施設支援機関)」に所属し、各医療機関に派遣される職種です。

このほか、治験コーディネーターには、医療機関に所属して業務をおこなう「院内治験コーディネーター」という労働形態もあります。

治験コーディネーターの主な業務内容は、「臨床開発試験(治験)」をスムーズに進めるための病院や製薬会社・被験者間での調整です。

また、医師の指示のもと、治験を実施する際に次の5つの業務をおこないます。

治験コーディネーターの主な業務
  1. 被験者への治験の説明
  2. 治験スケジュールの調整
  3. 被験者・医師・スタッフ・製薬会社間の連絡
  4. 治験データの管理・報告書の作成
  5. 臨床開発モニター(CRA)との連携

治験は、試験管・動物実験などの非臨床試験を経て、健常者を対象に臨床試験の後におこなわれるのが一般的です。

既存薬で治らなかった患者に治験を実施し、認可前に薬の効果を確認できれば新たな知識を習得し新薬の開発にも携われるため、やりがいも大きいでしょう。

マルチタスクで仕事をこなすことが苦にならず、コミュニケーション能力の高い方は、治験コーディネーターとしての高い適性があります。

胚培養士

胚培養士は、不妊治療の一環でおこなわれる体外受精(IVF)・顕微授精(ICSI)に関し、卵子・精子の結合から胚に成長するまでのプロセスをサポートする職種です。

具体的には、卵子の採取や精子の選定・受精卵の培養・胚を移植する際の適切な判断を専門的におこないます。

また、最新技術や機器を使用して胚の品質を最適化し、妊娠する確率を高めることも業務のひとつです。

細かい作業やデータを管理する高い技術力や注意力・観察力があり、生命の誕生に関わる職種としての倫理観から正しい判断を下せる方には適性があります。

一方、最新技術への興味や意欲が薄く、大雑把ですぐに結果を求めるようなタイプの方には向かないでしょう。

キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタントは、顧客の能力や興味・価値観などから適性のある職業やキャリアパスを提案する職種です。

臨床検査技師の知識やスキルを活かすというよりは、仕事への向き合い方や判断力・観察力など、ご自身のポータブルスキルを発揮することになるでしょう。

主な業務は、キャリアカウンセリングやキャリアプランの策定、面接や書類作成の対策、転職活動のサポートなどです。

従って、コミュニケーション能力や観察力・洞察力に優れた方、顧客に最適なキャリアを提案したいというホスピタリティのある方に向いています。

一方、人や物事への興味や関心が薄い方や大雑把な方、自己顕示欲の強い方はフィットしづらい職種です。

医療系メディアのライター

医療系メディアのライターは、医薬品・医療機器の開発や承認に必要な書類を作成する職種です。

広告代理店のメディカルコピーライターとは異なり、より専門的な書類作成や執筆に携わります。

具体的には、新薬開発の際、治験に必要な提出書類の作成、論文や症例報告書の執筆、薬事承認の取得に必要な申請書類の作成などが主な業務です。

医療系メディアのライターは、臨床検査技師としてのスキルや知識を活かし、自分にしかできない仕事を自分のペースで進められます。

また、レアな求人のため、企業に専属で就任できれば機密文書や社内秘に携わる機会も多く、大きな使命感も得られるでしょう。

スケジュールを調整しながら、納期に間に合うようマイペースでコツコツと作業するのが得意な方に向いています。

一方、時間意識や品質意識の低い方、計画的に物事を進めることが苦手な方には向いていないかもしれません。

臨床検査技師が転職を成功させるコツ

臨床検査技師が転職を成功させるには、コツがあります。

この章では3つのコツを紹介しますので、転職活動を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

希望条件を明確にする

まず1つ目のコツは、希望条件を明確にすることです。

臨床検査技師として転職したいのか、異職種・異業種にキャリアチェンジしたいのかということに加え、譲れない希望条件は何かを明らかにする必要があります。

これから長く勤務するうえで、「土日祝は休み」「有給休暇を取得しやすい」「年収が高い」「駅から近い」など、さまざまな希望もあるでしょう。

転職活動をスタートする前に希望条件を全て書き出し、勤務地・年収・福利厚生など項目別に優先順位をつけていくと、ご自身の譲れない条件が明確になります。

年齢やスキルにもよりますが、全ての条件に当てはまる転職先を探すのは容易ではありません。転職活動を成功させるためにも、希望条件に優先順位をつけておきましょう。

異職種・異業種に転職する場合はスキルをどう活かせるか考える

異職種・異業種の場合は、これまでに培ったスキルをどう活かせるかを考えるのも転職活動を成功させるコツのひとつです。

異職種の場合は、臨床検査技師として求められるスキルと全く同一ではないかもしれませんが、応用できるスキルも少なくありません。

たとえば、治験コーディネーターや胚培養士など、医療系の職種であれば化学的知識を活かせるでしょう。

さらに、臨床検査技師のスキルだけでなく、ご自身の持っているどんな業種や業界でも活かせる「ポータブル(持ち運べる)スキル」も活用できます。

ちなみに、厚生労働省では、ポータブルスキルを「仕事の仕方」「人との関わり方」の2つの要素で構成されると定義しています。

仕事の仕方とは、対象となる事象の課題を明らかにして計画を策定・実行することです。

たとえば、リサーチスキルや現状把握スキル・スケジューリング能力や対応力・進捗管理能力などが、これに該当します。

臨床検査技師に求められるスキルと重複しているものも多く、ご自身の高いポータブルスキルを活かせば、異職種・異業種でも十分活躍できるでしょう。

一方、人との関わり方とは、社内外での対応力や部下に対するマネジメントスキルのことです。

適切な報連相スキルなどのコミュニケーション能力、提案力やマネジメント業務における傾聴力・コーチングスキルなどは、人との関わり方のポータブルスキルです。

自分の強みとなるポータブルスキルがわかれば、転職でも活かせます。

特に、異職種・異業種への転職では、取り扱う商品やサービス、業務の進め方や取引先との関係は、臨床検査技師と大きく異なります。だからこそ、ポータブルスキルがものをいうのです。

コミュニケーション能力が高ければ、企業の営業職や企業コンサルタントなどの職種でポータブルスキルを発揮できる可能性があります。スケジューリング能力や進捗管理能力が高い方は、納期や作業工数の多い職種や業種で活躍できるでしょう。

臨床検査技師に精通したプロに相談する

臨床検査技師に精通したプロである転職エージェントに相談するというのも、転職活動を成功させるコツのひとつです。

臨床検査技師としての転職にせよ、異職種・異業種への転職にせよ、臨床検査技師の諸事情を熟知している専門家に相談すれば、転職の成功率は確実に高まります。

また、転職エージェントには、それぞれ強い業界やジャンルがあります。転職を志望する業界に特化した転職エージェントに登録すれば、希望条件に合う求人も見つかりやすいでしょう。

各登録エージェントが取り扱う非公開案件や特徴が異なるため、複数の転職エージェントに登録して選択肢の幅を広げておくのも成功させるための重要なポイントです。

ご自身に合った転職エージェントを2~3つくらい選んで登録すれば、複数のアドバイスをもらえますので、それぞれ比較しながら検討できるでしょう。

臨床検査技師の就職・転職におすすめのエージェント

この章では、臨床検査技師を辞めたい方におすすめの転職エージェントを紹介します。

リクルートエージェント

リクルートエージェント
リクルートエージェントの特徴
  • 転職成功実績は45万人以上
  • リクルートエージェントにしかない非公開求人が多数
  • 幅広い業界・職種の求人を保有

リクルートエージェント」は、業界最多クラスの求人数が魅力の総合型転職エージェントです。

ベンチャー企業から大手企業まで、さまざまな業種の求人を取り扱っています。

非公開求人も多数保有しているため、リクルートエージェントにしかない求人にも応募できます。

こんな方におすすめ
  • 土日や平日の夜にしか転職活動できない方
  • テレワークや残業が少ない求人を探している方
  • キャリアプランを相談したい方
サービス概要
サービス名リクルートエージェント
運営会社株式会社リクルート
公開求人数485,898件
非公開求人数400,798件
対応地域東京、名古屋、大阪、福岡など全国/海外
公式サイトhttps://www.r-agent.com/
2024年11月1日時点
  • 自分に合う求人が見つかった
  • めんどくさい手続きを代行してくれる
  • 書類の添削や面接対策をしてくれる

マイナビエージェント

マイナビエージェント
マイナビエージェントの特徴
  • 転職から入社手続きまでトータルサポート
  • 大手からベンチャーまで幅広い求人を保有
  • 各業界に特化したキャリアアドバイザーがサポート

マイナビエージェント」は、転職経験のない人に特におすすめの転職エージェントです。

キャリアアドバイザーが面談をしたうえで適性に合った求人を紹介してくれるため、自分の強みを活かせる企業が見つかるでしょう。

こんな方におすすめ
  • 初めて転職活動をする方
  • 書類選考や面接対策の進め方が不安な方
  • 大手企業へ転職したい方
サービス概要
サービス名マイナビエージェント
運営会社株式会社マイナビ
公開求人数68,637件
対応地域東京、名古屋、大阪、福岡など全国/海外
公式サイトhttps://mynavi-agent.jp/
2024年11月1日時点
  • 求人情報が見やすく使いやすい
  • 求人情報の内容以上の情報を知ることができる
  • サポートが手厚く親身に対応してくれる


関連記事:マイナビエージェントの評判はひどい?口コミや利用におすすめな人を解説

ビズリーチ

ビズリーチの特徴
  • 自分でキャリアアドバイザーを選べる
  • 3人に2人が年収アップに成功
  • 自分のペースで転職活動を進められる

ビズリーチ」はレジュメ登録するだけで企業からスカウトが届く転職サービスで、自分の市場価値を客観的に判断することができます。

自分でサポートしてもらいたい担当者を選べるのもビズリーチの魅力のひとつです。

 こんな方におすすめ
  • 現職のままでいいのか不安な方
  • 転職できるのか不安な方
  • 年収アップを実現したい方
サービス概要
サービス名ビズリーチ
運営会社株式会社ビズリーチ
公開求人数140,342件
非公開求人数非公開
対応地域東京、名古屋、大阪、福岡など全国/海外
公式サイトhttps://www.bizreach.jp/
2024年11月1日時点
  • 高年収の求人情報が豊富
  • 自分の市場価値を理解できた
  • 自分でエージェントを選べる
口コミをもっと知りたい方はこちら

レバウェル医療技師

レバウェル医療技師

レバレジーズメディカルケア株式会社が運営する、医療技師業界に特化した転職エージェントです。

臨床検査技師だけでなく、ほかの技師にも特化しているため業界に精通したアドバイスがもらえます。

また、LINEでも気軽に相談ができるので、仕事をしながらの転職でも安心です。

サービス名 レバウェル医療技師
運営会社 レバレジーズメディカルケア株式会社
対応エリア 全国
公開求人数 28件
サイトURL https://iryogishi-oshigoto.jp/
2024年4月15日時点

KJB検査技師人材バンク

KJB検査技師人材バンク

こちらも医療技師に特化した転職サイトです。エージェントのレスポンスが早く、忙しく時間が取りにくい臨床検査技師にとって強い味方になります。

サービス名 KJB検査技師人材バンク
運営会社 株式会社エス・エム・エス
対応エリア 全国
公開求人数 4,718件
サイトURL https://www.jinzaibank.com/kjb
2024年4月15日時点

マイナビコメディカル

マイナビコメディカル
マイナビコメディカルの特徴
  • 医療業界に特化している
  • キャリアアドバイザーによる充実した転職支援
  • 実際に訪問して厳選した求人のみを紹介

マイナビコメディカルは、医療職に特化した転職エージェントです。

多分野で転職を支援してきた株式会社マイナビが運営しているとあって、蓄積してきた転職ノウハウをもとに、転職活動を成功へと導いてくれます。

最大の特徴は、業界専任のキャリアアドバイザーによる充実した転職支援を受けられることです。

入念なキャリアカウンセリングから始まり、求人紹介、応募書類の添削、面接対策、条件交渉、退職交渉のアドバイス、入職後のアフターフォローまで、転職活動の工程を一つひとつ丁寧に支援してもらえます。

アドバイザーが実際に訪問して確認し、厳選した求人のみを提案してもらえるため、安心して紹介を受けられるでしょう。

数多くの公開・非公開求人の中から、希望に合う仕事を見つけられるはずです。

サービス概要
サービス名マイナビコメディカル
運営会社株式会社マイナビ
公開求人数44,412件
非公開求人数非公開
対応地域全国
公式サイトhttps://co-medical.mynavi.jp/
2024年6月3日時点

メディコ

メディコ

他の転職サイトとは異なり、「職場の口コミ」から求人を検索できる就職・転職サイトです。

10万件以上の口コミから、仕事だけでなくわかりにくい人間関係や職場環境までを見ることができます。レーダーチャートで職場の特徴も見やすくまとまっています。

サービス名 メディコ
運営会社 株式会社WILLCO
対応エリア 全国
公開求人数 3,412件
サイトURL https://medi-co.jp/
2024年4月15日時点

ジョブメドレー

ジョブメドレー

看護・介護・保育業界に特化した転職サイトです。職種で求人が分けられており、臨床検査技師を選んで探せます。

さらに、キャリアサポートを利用でき、欲しいアドバイスやサポートを自分好みに調整できるのが魅力です。

サービス名 ジョブメドレー
運営会社 株式会社メドレー
対応エリア 全国
公開求人数 1,321件
サイトURL https://job-medley.com/
2024年4月15日時点

MED×Fit(メドフィット)

MED×Fit(メドフィット)

MED×Fit(メドフィット)は医療介護に特化した転職サービスです。

職種ごとの専門性を持ったスタッフがサポートするため、より自身の悩みや希望に寄り添った提案をしてくれます。

サービス名 MED×Fit
運営会社 株式会社Genten Links
(ゲンテンリンクス)
対応エリア 全国
公開求人数 1,037件
サイトURL https://medfit.co.jp/
2024年4月15日時点

メディカル技師ワーカー

メディカル技師ワーカー

メディカル技師ワーカー は、臨床検査技師に特化した就職・転職サイトです。臨床検査技師の管理職や講師など希少な求人も取り扱っています。

非常勤やパート、派遣といったさまざまな雇用形態も扱っており、多くの選択肢から希望の求人を見つけられます。

サービス名 メディカル技師ワーカー
運営会社 株式会社トライト
対応エリア 全国
公開求人数 非公開
サイトURL https://mt-worker.com/
2024年4月15日時点

まとめ

臨床検査技師は、マルチタスクをこなすハードな職業です。職場環境や人間関係、年収などを理由に辞めたいと思っている方もいらっしゃるでしょう。

ご自身の辞めたい理由を突きとめ、辞める前にできることを実践したうえで転職すると決めたら、3つのコツを上手に取り入れながら転職活動を成功させましょう。

就職・転職エージェントを利用することで、効率よく転職活動を進めることもできます。

うまく活用して、理想のキャリアを手に入れてみましょう。

運営者情報

キャリアアップステージ」は、有料職業紹介事業許可番号13-ユ-313782)の厚生労働大臣許可を受けている株式会社アシロが運営する転職メディアです。当メディアは「コラムガイドライン」に基づき運営しています。 また、サイト内で紹介している転職支援サービスは「ランキング概要」等を基準に選定・評価しています。
会社名 株式会社アシロ(ASIRO Inc.)
2021年7月20日 東証グロース上場(7378)
URL https://asiro.co.jp/
本社所在地 160-0023
東京都新宿区西新宿6丁目3番1号
新宿アイランドウイング4F
法人番号 9011101076787
設立日 2009年11月
代表者(代表取締役社長) 中山博登
主な事業内容 HR事業、インターネットメディア事業(リーガルメディア、派生メディア)、少額短期保険事業
許認可 有料職業紹介事業(厚生労働大臣許可 許可番号13-ユ-313782)
グループ会社 株式会社アシロ少額短期保険
株式会社ヒトタス
運営者情報の詳細はこちら
  • URLcopy
CAREERUPSTAGE編集部のアバター
株式会社アシロ

CAREERUPSTAGE編集部

転職サイトやエージェントは何を選ぶかではなく、『どう使いこなすか』にフォーカスしたWEBメディア。株式会社アシロの転職メディア編集部による、転職エージェントの賢い『使い方』とキャリアアップ実現の方法論を解説。