ADHDの方は自分の得意なジャンルでは高いパフォーマンスが出せる一方、苦手分野だととたんにミスを連発してしまう経験が一度はあるのではないでしょうか。

ADHDに対して職場の理解を得られず、ストレスに苦しめられることもあるでしょう。そんなときに自分自身を責めてしまい、さらにストレスを感じている人もいるはずです。

自分を否定する必要は全くなく、今勤めている会社があなたにあっていないだけかもしれません。

ADHDの特性に理解のある職場に転職すれば、自分の得意なことに専念させてもらえる環境を整えてくれるはずです。

しかし、どうやって働きやすい職場を見つければいいのかやり方が分からない方も少なくありません。

そんな方は、一人ひとりの強みを活かせる求人を紹介してくれる転職エージェントを利用するのがおすすめです。

さらに転職エージェントは以下のサービスを受けることができます。

ADHDの方が転職を成功させるためには、知名度や年収を基準にするのではなくADHDに理解のある職場に対して、自分の強みをアピールすることです。

マンツーマンでサポートしてくれる転職エージェントを活用して、ADHDであることを気にすることなく働きやすい職場を見つけましょう。

ADHDの方におすすめの障がい者に特化した転職エージェント

早速、ADHDの方におすすめの障がい者に特化した転職エージェントを紹介します。

ただし、ここで紹介する転職エージェントはいずれも各種障害者手帳を持っていなければ登録ができない、あるいは求人への応募ができません。

障害者手帳を持っていない方は、次で紹介する総合転職エージェントを利用しましょう。

LITALICO仕事ナビ

マイナビパートナーズ紹介

マイナビパートナーズ紹介は、人材業界大手のマイナビグループが運営する転職エージェントです。

障がいの種類や特性について理解の深い専門カウンセラーが在籍。単に求人を紹介するだけでなく、自己受容に重きをおいて、適職を見つけるサポートをしてもらえます。

一人ひとりにじっくり向き合い、多様な求人紹介をおこなってもらえるのもメリットです。採用をめざすだけでなく、長い目で見て活躍できるよう、個性に合わせた求職先を提案してもらえます。

就職後のサポートがきめ細かいのも特徴。職場にスムーズになじめるようフォローアップしてもらえますし、悩みや不安がある場合には、問題解決の橋渡しとなってもらえます。

サービス名	マイナビパートナーズ紹介
運営会社	株式会社マイナビパートナーズ
公開求人数	303件
対応地域	首都圏/関西
公式サイト	https://mpt-shoukai.mynavi.jp/

dodaチャレンジ

dodaチャレンジは、2022年度厚生労働省「人材サービス総合サイト」で障がい者の転職支援数No.1になった転職エージェントです。

身体障がいや発達障がい、知的障がいなど、特性ごとの専任アドバイザーが在籍しています。そのため、、あなたの強みを活かすことが第一に考えた転職サポートを受けられます。

非公開求人を含めて求人数が豊富なため、希望にあった転職先を紹介してもらいやすいのもメリットです。入社条件などもアドバイザーから交渉してもらえます。

年収500万円以上のハイキャリア転職や地方での転職に対応しているのも嬉しいポイントです。ADHDにとらわれず、スキルや専門性を高めたい方、自分の希望するエリアで働きたい方にもおすすめです。

サービス名	dodaチャレンジ
運営会社	パーソルダイバーズ株式会社
公開求人数	1,403件
対応地域	全国
公式サイト	https://doda.jp/challenge/

ランスタッドチャレンジド

ランスタッドのチャレンジド（障がい者）転職支援サービスは、世界最大級の人材サービス企業であるランスタッド株式会社による、障がい者の方に特化した転職サービスです。

基本的なプロフィールを入力し、これまでの経験と希望職種を記載するだけで登録完了。登録は簡単ながら、充実したサポートを受けられます。

専任コンサルタントが面談から就職後の定着フォローまで一貫してサポートするので転職や新しい職場について相談しやすいというメリットがあります。親身なカウンセリングであなただけのオーダーメイド求人を提案してもらうこともできます。

サービス名	ランスタッド　チャレンジド （しょうがい者）転職支援サービス
運営会社	ランスタッド株式会社
公開求人数	319件
対応地域	東京/神奈川/千葉/埼玉
公式サイト	https://www.randstad.co.jp/challenged/

at GPエージェント

at GPTエージェントは、利用者満足度93%（自社アンケートに基づく）を誇る、障がい者の方に特化した転職エージェントです。20年以上のノウハウがあり、障がいの特性や配慮事項などをすべて考慮したうえで、支援してもらえます。

専任のキャリアプランナーが付き、個別面談や面接対策などの丁寧なサポートが受けられます。入社時の導入支援を含めて企業担当者と連携して調整してもらえるなど、スムーズな入社・就労をサポートしてもらえるのがメリットです。

ハイキャリアに特化した「at GPハイクラス」、自分で求人を探せる「at GP」、企業からのスカウトが届く「at GP転職スカウト」などの姉妹サイトもあり、さまざまなニーズに対応しているのも嬉しいポイントです。

サービス名	at GP転職
運営会社	株式会社ゼネラルパートナーズ
公開求人数	1,149件
対応地域	全国
公式サイト	https://www.atgp.jp/agent

エージェント・サーナ

エージェント・サーナは、障がい者の方の転職支援に特化した31年以上の実績がある転職エージェントです。企業の紹介はもちろん、面接日の設定や変更、採用条件の交渉など、必要なことは担当のキャリアアドバイザーにすべておこなってもらえます。

一番のメリットは、豊富な非公開求人を多数保有している点です。これまでの実績から信頼を積み重ね、エージェント・サーナだけに寄せられた独自の非公開求人を豊富に取り揃えています。

約60%の方が面談から2ヵ月で内定を得ているのも嬉しいポイントです。求職者に徹底的に寄り添うエージェント・サーナだからこそ、内容、結果ともに満足できるサポートを実現してもらえます。

サービス名	エージェント・サーナ
運営会社	株式会社イフ
公開求人数	非公開
対応地域	関東/関西
公式サイト	https://www.agent-sana.com/

アビリティスタッフィング

アビリティ―スタッフィングは、人材業界大手のリクルートグループが運営する精神障がいの方に特化した転職エージェントです。対象エリアは首都圏と限られているものの、サポートがきめ細やかという特徴があります。。

仕事紹介の前に登録者全員とオンライン面談が設定されます。転職への不安や疑問が解消されやすいので、安心して転職活動に励めます。

入社後から半年後の定着率が94%と高いのも特徴。精神保健福祉士などの専門スタッフからサポートしてもらえるので、就業後に悩んだり迷ったりしても相談できる環境が整っています。

サービス名	アビリティースタッフィング
運営会社	株式会社リクルートスタッフィング
公開求人数	281件
対応地域	首都圏
公式サイト	https://ability.r-staffing.co.jp/

ADHDの転職なら就労移行支援サービスもおすすめ

転職を検討しているADHDの方なら、転職エージェントだけでなく就労移行支援サービスの利用を検討してはいかがでしょうか。

就労移行支援サービスとは、病気や障がいがありながら般企業への就職を目指す人を対象に、就労に必要な知識やスキルを高めるためのサポートをする福祉サービスです。障害者手帳を持っていなくてもサービスを利用できます。

現在、就労移行支援事業所は全国におよそ3,000ヵ所以上（2020年度厚労省調査）ありますが、ここでは比較的広いエリアでサービスを提供している事業所をピックアップして紹介します。

もちろん、ここで紹介した事業所以外を選んでも構いません。就労移行支援サービスはほとんどが通所型のため、通いやすい事業所を選ぶとよいでしょう。

LITALICOワークス

サービス名	LITALICOワークス
運営会社	株式会社 LITALICO
拠点	全国120拠点
サービス内容	・就職準備 ・企業インターン ・就職活動 ・職場定着

LITALICOワークスは、これまで1万3,000名以上の就労実績を持つ就労移行支援サービスです。就労後のサポートにも力を入れていて、職場定着率は88%を誇ります。

ビジネスマナーなどの実践的なスキルから自己理解・ストレスコントロールなど自分を深く知る手法まで幅広い内容を学べるLITALICOワークス独自のプログラムが200種以上も用意されています。。

就職支援も個人に合わせた柔軟なサポートをおこなっています。専門的なアセスメントと具体的な計画で、理想的な働き方を実現してもらえるでしょう。

公式サイト：https://works.litalico.jp/

チャレンジド・アソウ

サービス名	チャレンジド・アソウ
運営会社	株式会社チャレンジド･アソウ
拠点	大阪/名古屋/広島/福岡
サービス内容	・就労訓練 ・就労支援

チャレンジド・アソウは、就職後定着率93.1%を誇る就労移行支援サービスです。ADHDをはじめとして、精神障がいや身体障がい、知的障がい、難病など、幅広い方をサポートしていますが、特に精神障がいのある方の支援を得意としています。

パソコンやコミュニケーションスキルだけでなく、グループ企業での実習などのより実践的なカリキュラムも用意されているため、就職に必要なスキルを一通り学べます。

応募書類作成や面接練習などの選考サポートも充実。経験豊富な担当スタッフが一人ひとりの個性に合わせて最適なサポートを実施してくれるのも魅力です。

公式サイト：https://challenged.ahc-net.co.jp/

ココルポート

サービス名	ココルポート
運営会社	株式会社ココルポート
拠点	東京/神奈川/千葉/埼玉/群馬/大阪/兵庫/愛知/福岡
サービス内容	・個別訓練支援 ・就労支援 ・就職活動支援

ココルポートは、一人ひとりに合わせたカリキュラムにこだわり、徹底的な個別支援に定評のある就労移行支援サービスです。

その時々の体調や悩み、希望、職業準備段階にあわせてカリキュラムが設定されます。555種類以上の様々なプログラムだけでなく、自己学習用のeラーニングもあるため効率的に学びを深められるのがメリットです。

就職後の定着支援も手厚く、就職後約87%の方が一定期間働き続けることができています。就業後の定着支援として生活や体調などの働くための土台についても面談などでサポートがあるためでしょう。

公式サイト：https://www.cocorport.co.jp/

エンカレッジ

サービス名	エンカレッジ
運営会社	株式会社エンカレッジ
拠点	東京/大阪/京都
サービス内容	・職業訓練 ・就労支援

エンカレッジは、未経験もしくは就職歴が浅い20～30代の発達障がいの方を中心にサポートしている就労移行支援サービスです。発達障がいの方を支援して10年以上の歴史があり、就職率は95%と高い実績を誇ります。

一番の特徴は、オフィスワークの作業体験やビジネス講座などで実践的なスキルを身に着けるだけでなく自己理解を深められるプログラムが用意されている点です。これによって、自分にあった職業が見つけやすくなるでしょう。

定期的に利用者同士の交流が生まれるようなイベントが企画され、ともに頑張る仲間同士でフォローアップできるのもメリット。

公式サイト：https://app.en-courage.com/

Neuro Drive

サービス名	Neuro Drive
運営会社	パーソルダイバーズ株式会社
拠点	東京/大阪/横浜/福岡
サービス内容	高度IT専門スキルの就労支援

Neuro Driveは、AIやデータサイエンス、RPAなどの高度なIT専門スキルを身につけて就職を目指す就労移行支援サービスです。

利用者それぞれのスキルに合わせた学習計画を立てた上で、基礎はもちろん実践的なスキルを学べます。講師は現役のデータサイエンティストなどを起用。IT業界未経験者はもちろん、経験者にとってもより深い学びを得られるような厳選された講座を実施しています。

最大の特徴は、独自に開発したダブルマップ・メソッドで、企業が求めるスキルとあなたの強みの両方を可視化し、求められる力を効率よく磨けることです。IT業界で活躍してきた専門家が精査した学習内容だから、高度な専門スキルが身に付きます。

働く上で必要なビジネススキルや先端IT職種領域での実習、就職活動支援まで徹底的にキャリア支援を実施してくれます。独自の企業ネットワークを活かして、一般ルートにはない企業の紹介を受けられるのも特徴です。

公式サイト：https://neuro-diversity.biz/

ADHDの方が転職エージェントを利用するメリット

ADHDの方が転職を成功させるためには転職エージェントの利用はマスト。精神障がいのある方向けのエージェントだけでなく、一般の転職エージェントであっても多くのメリットがあるためです。

あなたの特性を考慮した求人を紹介してもらえる

転職エージェントを利用する最大のメリットは、あなたの特性を考慮した求人を紹介してもらえる点です。

転職エージェントに登録した後は、キャリアアドバイザーと面談をおこないます。このとき、あなたについてのヒアリングがあり、これまでの経歴はもちろんのこと、あなたの能力の凹凸や得意なこと、苦手なことをしっかりと把握してもらえます。

その後は、あなたの特性を考慮したうえで求人を紹介してもらえます。あなたの特性に合った求人だからこそ、能力を最大限に活かせるはず。

今後のキャリアを一緒に考えてくれる

今後のキャリアを一緒に考えてもらえるのも、転職エージェントを利用するメリットです。

どのような仕事に就きたいか、その仕事でどのようなキャリアを描きたいかを一緒に考え、相談に乗ってもらえます。

キャリアアドバイザーは専門的な知識やスキルがありますから、あなた自身では思いつかなかったようなキャリアを提案してくれることもあるかもしれません。

将来まで見据えたキャリアを提示してもらえるのも、転職エージェントを使うべき理由です。

選考対策をしてもらえる

転職エージェントを利用することで、書類の添削や面接対策などの選考対策もしてもらえます。

書類選考をパスしなければ面接には進めません。もし、あなたに入社できるだけの実力があったとしても、書類で採用担当者に伝わらなければ意味がないのです。

転職エージェントのキャリアアドバイザーは、求人募集の背景まで理解しているので「ぜひ、会ってみたい」と思わせるような選考書類になるよう、しっかりと添削をしてくれます。

面接に苦手意識のあるADHDの方にとっては面接対策も重要です。模擬面接で練習できるだけでなく、よくある質問とその回答例なども教えてもらえるので、事前の対策がしやすくなります。

落ち着いて本番の面接に挑めますし、適切な受け答えができるようになるため、採用担当者に「ぜひ一緒に働きたい」と思わせるような面接を実現できるはずです。

条件交渉をしてもらえる

転職エージェントのキャリアアドバイザーには、企業に対して年収や入社日の調整などの条件交渉もしてもらえます。

とくに、年収交渉を依頼できるのは大きなメリットでしょう。年収交渉はシビアになりがちで、自分の希望を通すためにはノウハウが必要になります。さらに、自分自身で年収交渉をすることに引け目を感じることもあるはずです。

転職エージェントのキャリアアドバイザーは、条件交渉のノウハウがあります。安心して年収や入社日などの交渉を任せられますから、あなたが交渉のために精神的負担を感じる必要はありません。

ADHDの方が転職エージェントを利用するときの注意点

上記の通り、転職エージェントの利用には多くのメリットがあります。

とはいえ、転職エージェントを利用するだけで転職が成功するというわけではありません。いくつか注意したいポイントもあります。

希望にあわない求人にエントリーしなくてもいい

キャリアアドバイザーに紹介してもらった求人が希望に合わないなら、エントリーする必要はありません。

選考の練習や、内定獲得率を上げるといった目的で、志望度の低い求人にエントリーを勧められることがあります。目的に納得したうえでエントリーするのは構いませんが、全く魅力を感じない求人ならば、断ってかまいません。

経歴やスキルで嘘はつかない

より条件の良い求人を紹介してもらおうと、経歴やスキル、取得資格などで嘘をついてはいけません。

経歴詐称が判明すると、転職エージェントの退会を迫られることもあります。経歴詐称をするような転職者を企業に紹介すると、転職エージェントが信頼を失ってしまうためです。

経歴を偽って内定を獲得できたとしても、実際の能力以上の仕事を任せられて、求められた成果が出せず、職場に居づらくなる可能性があります。また、内定後や入社後に経歴詐称が判明した場合には、内定取り消しや解雇の恐れもあります。

このように、経歴やスキルで嘘をつくことには様々なリスクが伴います。学歴や職歴は本当のことを伝えるようにしてください。

同じ求人に別の転職エージェントからエントリーしない

内定獲得の可能性を上げるために、同じ求人に別の転職エージェントからエントリーしたいと考えることもあるかもしれませんが、絶対にしてはいけません。

転職エージェントは、転職が成功したときに企業から紹介料が入る仕組みになっています。

仮に複数のエージェントから同じ求人に応募して内定が出た場合、企業側がどの転職エージェントに紹介料を払うべきかという問題が発生します。このトラブルを避けるために、転職エージェントでは通常、応募前に他の転職エージェントから応募していないか確認をとるはずです。

それにもかかわらず応募してしまうと、あなたに対しての信頼が無くなり、最悪の場合、紹介がストップされてしまいます。

企業側から自己管理能力を疑われるきっかけにもなりかねません。企業側も複数エージェントからの同時応募がNGであることは理解しています。にも関わらず重複して応募すると、自分の応募先を把握していないような人材であると判断され、選考に落とされる可能性が非常に高まります。

転職時期が決まっていないとサポートされないこともある

転職時期が明確に決まっていないと、積極的にサポートされない可能性があることも、転職エージェントを利用するときの注意点です。これも、転職エージェントが企業から紹介料を貰うビジネスモデルだからです。

「よい求人があったら転職を検討してもよい」というスタンスの人よりも、より早い時期に転職を希望する人により求人を紹介する傾向にあるのです

最初の面談では転職希望時期を聞かれます。状況を偽る必要はありませんが「3ヵ月以内に転職したい」などと具体的な時期を伝えるようにしてください。

キャリアアドバイザーとの相性が悪ければ変更を打診する

もしも担当キャリアアドバイザーとの相性があまり合わず、相談しづらかったり、サポートの内容に不満を感じたりするようであれば変更を打診しましょう。変更を伝えるのは気が引けるかもしれませんが、実際は珍しいことではありませんので、過度に心配する必要はありません。

キャリアアドバイザー本人に直接伝えても構いませんが、難しいようであればサポートセンターに連絡してみましょう。

転職エージェントを利用するときの流れ

ここでは、転職エージェントを利用する際の流れを簡単に説明します。

登録

まずは公式サイトから会員登録をしましょう。登録では名前や生年月日などの基本情報や学歴や職歴、現在の年収などを入力します。

障がい者に特化した転職エージェントの場合は、あなたの障がいの種類や障害者手帳の有無などについても入力欄があります。

多くの転職エージェントでは登録に5分もかかりません。転職エージェントは複数登録することでより幅広い求人情報を得られるため、できれば2～3社に登録するようにしましょう。

面談

次に、キャリアアドバイザーと面談をおこないます。面談の日程についてはキャリアアドバイザー側から連絡が来ることがほとんど。

面談では、次のようなことについてヒアリングがあるので、事前に準備しておくとよいでしょう。

• 転職希望時期
• 希望する職種
• 希望する業界
• 希望する年収
• これまでの経歴の深堀り
• 今後希望するキャリアプラン
• 現在持っている障がいの特徴(障がい者に特化した転職エージェントの場合)
• 業務で苦手としていること(障がい者に特化した転職エージェントの場合)
• 転職後に周囲に配慮してほしいこと(障がい者に特化した転職エージェントの場合)　など

求人紹介

面談終了後から求人紹介を受けます。紹介してもらえる求人数は、5～20件程度が一般的です。思ってもみなかった大手企業や、今まで知らなった魅力的なスタートアップなどを紹介してもらえることもあるでしょう。

また、非公開求人を紹介してもらえる可能性があります。非公開求人とは「条件がよく、応募希望者が殺到するのを避けたい」などの理由から一般には公開されていない求人のことです。

さらに、その転職エージェントにしかない、独占求人を保有していることも少なくありません。

魅力的な求人に出会うためにも複数の転職エージェントへの登録がおすすめです。

履歴書添削・面接対策

エントリーする企業が決まったら、キャリアアドバイザーから履歴書の添削や面接対策を受けます。

キャリアアドバイザーは企業の求人に、どのような背景があって、どのような人物を採用したいか把握しているため、キャリアアドバイザーからの書類添削や面接対策は重要なポイントになります。

内定・条件交渉

面接を通過したらいよいよ内定です。内定後も転職エージェントのサポートは続きます。

希望すればキャリアアドバイザーから入社日の調整や年収交渉をサポートしてもらえます。高い交渉ノウハウを持っていますので、遠慮せずに依頼してください。

ADHDの方は適職に就けば転職を繰り返さない

この記事を読んでいる方の中には、転職を繰り返してしまうことに悩んでいる方もいるのでは。

ADHDの方は能力に凹凸があり、得意なことと不得意なことの差が大きい傾向にあります。そのため、周囲の期待に反してミスが増えたり、「当たり前にできるはず」と一般的に思われてることができなかったりして、職場に居づらくなってしまうのです。

つまり、ADHDの方が転職を繰り返すのを避けるためには、自分の特性を深く理解したうえで、適職を見極めなければなりません。

そのための一歩として、ここでは、自分の特性や特徴を理解するためのポイントをまとめました。

まずはADHDの特性を理解しよう

まずは、ADHDのなかでもあなたにどのような特性があるかを理解しましょう。

ADHDには大きく分けて「不注意型」「多動・衝動型」の2種類があり、両方の特性を持ったSDHDの方もいます。

不注意型	多動・衝動型
・ケアレスミスが多い ・作業に気が散りやすい ・物忘れが激しい ・スケジュール管理が苦手 ・優先順位を整理しにくい ・整理整頓が苦手 ・興味のあることには集中しすぎる　など	・じっとしているのが苦手 ・腕や足や指を動かすことが多い ・声が大きい ・順番を待てない ・思ったことを口にする ・読書が苦手 ・思い付きで行動する　など

【参照】国立精神・神経医療研究センター病院公式サイト　

上記の特徴はADHDの特性のうちの一部でしかありません。どちらかの一方の傾向が強く出ることも、状況に応じてどちらかの傾向が出てしまうこともあります。

適職を見つけるために自己分析をしよう

このように、ADHDの特性は多岐に渡りますし、どのような特性が強く出るかは、一人ひとり異なります。

つまり、自分の適職を知るためには、まずは自己分析をする必要があるのです。

自己分析であなた自身の特性を理解できれば、強みも弱みも整理できるでしょう。その結果、特性にあった仕事も見つかりやすくなりますし、自分には合わない仕事や職場も明らかになるでしょう。

自己分析の方法

自己分析をするにはどうすればよいのでしょうか。

具体的には「自分で長所と短所を書き出す」方法と「周囲の人に聞いてみる」方法があります。

自分で長所と短所を書き出してみる

自分で長所と短所を紙などに書き出してみましょう。とはいえ、何の手がかりもなければ改めて長所と短所を見つけるのも難しいはず。

そこで、次のような質問を自分に投げかけてください。

長所を見つけるための質問	短所を見つけるための質問
・今まで褒められたことは何か ・やっていて苦手意識を持たないものは何か ・他人と比べて努力せずにできたことは何か ・ストレスを感じずに取り組めることは何か ・時間を忘れるほど集中できるものは何か　など	・苦手な作業はどういったものか ・ストレスを感じる業務は何か ・意識しないとできないことは何か ・今まで注意されたことは何か ・パニックになりやすいことは何か　など

これらの質問を自分に投げかけてみて、実際に書き出しましょう。頭の中で考えただけでは、全体を把握できません。

書き出して可視化することで、自分の特性がしっかり理解できます。紙に書くことが苦手という場合はスマホやパソコンを利用するのも手です。

周囲の人に聞いてみる

自分で考えるだけでなく、第三者に聞いてみるのも有効な手段です。

ADHD本人からすると自分の能力の凹凸が当然のことと感じてしまい、自分だけでは強みや弱みを発見できないこともあるからです。

聞いてみるのは、親や友人、同僚などできるだけあなたと接している時間が長い人の方がよいでしょう。

他人からの意見を聞き入れることに、抵抗がある方もいるかもしれません。しかし、第三者目線の意見は自己分析にとても役立ちます。

自分自身では気づかなかった長所や短所を指摘してもらえる可能性もあるでしょう。

ADHDの方に適した職業とは

自己分析が終わったら、次は自分に合った仕事を見極めましょう。自分の能力を最大限に発揮できる職業に巡り合えば、転職を繰り返すことはなくなるはずです。

ここでは、ADHDの方に適した職業の特徴をいくつか紹介します。

ただし、ここで紹介するものは一例にすぎません。また、全員に当てはまるものでもありません。あくまで参考程度にとどめてください。

１つのことに集中できる仕事

ADHDの方は優先順位をつけることが苦手で、マルチタスクを不得意とする傾向にあります。そのため、1つのことに集中できる仕事が適していることがあります。

また、ADHDの方は興味を持ったことに対してはとてつもない集中力を発揮することもあります。そのため、研究職や何かの専門家など、1つのことを深く追求する仕事が適していることもあるようです。

急かされない仕事

ADHDの方は、急かされない仕事や職場に適していることも多いようです。

これは気が散りやすい特性を持っていることがあり、急かされると思いがけないミスにつながりやすいためです。

ミスをすることで自信がなくなったり、上司から叱責を受けてストレスがたまったりすることもあるでしょう。そうなるとプレッシャーを感じて、よりミスが増えてしまうことになりかねません。

一方で、急かされることなく、一つひとつしっかりと確認できる時間があればミスを減らせる傾向にあります。急かされることなく、ゆっくりしたペースの仕事であれば、ADHDの方の適職となることもあるようです。

シフトの自由度が高い仕事

ADHDの方には、自由度が高い仕事が適職となることもあります。スケジュールを管理したり、時間を守ったり、優先順位を決めたりすることが苦手な方もいるからです。

また、ADHDの方は周囲の方に常に気を配っている一面があり、ストレスをためやすい傾向にあります。このとこから、疲れやすかったり体調不良になりやすかったりすることも多いようです。

毎日決まった時間に出勤しなければならない仕事だと、それだけでプレッシャーを感じてしまいかねません。シフトが自由であれば、体力焼力を保ちやすく、長く続けられることもあります。

創造性を活かせる仕事

ADHDの方の中には、他人にはない独特の感性やアイデア、優れたセンスを持っていることもあるようです。そういった創造性が活かせるような仕事で、高いパフォーマンスを出せる方もいます。

好きなことに高い集中力を発揮できる方や、思いついたらすぐに行動に移す方、周りと違う感性を持っている方などは、この仕事が適職の傾向にあるようです。

ADHDの方の面接のポイント｜ADHDを上手に伝えう

特性のせいで面接を苦手とするADHDの方は少なくないようです。そこで、ADHDの方が面接を上手く乗り越えるポイントについてまとめました。

なお、ここでは一般的な方法について触れています。あなたの特性に応じて、どのように面接に挑むべきか変わることがあります。面接対策については、キャリアアドバイザーのアドバイスを参考にしてください。

ADHDの方が面接を苦手に感じる理由

ADHDの方が面接に苦手意識を感じる理由として次のような原因が考えられます。

• 面接で聞かれている内容が上手く把握できない
• じっとしていられず、不自然に体を動かしてしまう
• 突発的な質問に対して支離滅裂な回答をしてしまう　など

面接では、誰もがある程度緊張するものです。しかし、ADHDの方はその特性ゆえ上記のようになってしまい、面接で上手に回答できないケースも少なくありません。

たとえば、不注意型の特徴が強く出てしまった場合には、面接官の質問の意図が上手く理解できないことが多くなるでしょう。一方、多動・衝動型の特性が強く出ると不自然に体を動かしたり、突発的な質問に思い付きで回答してしまったりといったこともあるはずです。

こういった特性を面接官に誤解されてしまうと、「コミュニケーションが苦手なんじゃないだろうか」「落ち着きがない人なんだろうか」と誤解されてしまい、面接で落ちる傾向にあるのです。

ADHDであることを上手く伝えよう

ADHDであることを自分から伝えることで、かえって特性の理解をしてもらうことができ、面接を通過しやすくなる場面もあります。

障がい者の方に特化した転職エージェントを利用した場合には、一般的に障がい者枠での転職となるため、面接の時点であなたが障がい者であることを理解しています。そのため、こちらからADHDであることを先んじて伝える必要はありません。

企業側から、どのような特性があり、どういった配慮をしてほしいか質問があるはずです。

一方、一般的な転職エージェントを利用した場合は、面接ではこちらから特性について上手く伝えなければなりません。

このとき、ADHDであることを伝えるためには、次のようなポイントに気をつけるとよいでしょう。

• 障がいを原因とする苦手なことや困りごとは何か、それに自分自身でどのような対処法をもっているか
• 適切なサポートがあれば、しっかりと力を発揮できること

この章以降では、上記2つのポイントについて、簡単に見ていきます。

苦手なことや困りごととその対策を伝えよう

面接ではADHDの特性によってどういった苦手なことや困りごとがあるかを、まずは伝えましょう。

つい「○○が得意です」といったように、ADHDだからこその強みを伝えたくなるかもしれません。ただし、企業側が知りたいのは強みではなく、ADHDによってどういったことが制限されているか、それに対してどういった対処法を持っているかです。

あなたの苦手なことや困りごとについて、自分なりに工夫して対策していること伝えましょう。

あなたの特性にあった対策や工夫は人それぞれです。メモやアラームなどを利用している、ミスがないか周囲の人にチェックしてもらうなど、些細なことでも構いません。

具体的な管理方法を提示することで「この人はしっかりと自分の特性をコントロールしているんだな」と好印象を与えることにつながります。

必要なサポートを伝えよう

加えて、必要なサポートについても伝えてください。ADHDの方はその特性のために努力してもできないことがあるからです。

事前にサポートしてほしいことや配慮してほしいことを伝えておけば、入社後に力を発揮しやすい環境を整えてもらえる可能性が高まります。適切なポジションに配置してもらえることも期待できるでしょう。

このとき、必要なサポートや配慮があれば、しっかりとあなたの力が発揮できることもアピールできるとさらにベターです。職場に貢献できることが伝われば、採用担当者に「一緒に働きたい」と思ってもらえるでしょう。

ADHDの方の転職に関してよくある質問

最後に、ADHDの方の転職に関してよくある質問をまとめました。参考にしてください。

まとめ

ADHDの方におすすめの転職エージェントを紹介しました。

すでに障害者手帳をお持ちの方は、障がい者の方に特化した転職エージェントを利用するとよいでしょう。一方、持っていない方は一般的な転職エージェントを利用してください。

転職サポートだけでなく、就業に必要なスキルを身につけたい方は、転職の前に就労移行支援サービスを利用するのも一つの手です。

なお、転職エージェントは複数登録が基本です。サポート内容に違いがありますし、その転職エージェントにしかない、独自求人を取り扱っていることも少なくありません。

この記事で紹介したところで、よいなと感じた転職エージェントがあったら、2～3社程度は登録するようにしてください。