無い内定（NNT）になりやすい就活生の特徴とは？対処法や進路の選択肢を徹底解説！

内定がなかなか決まらないと「このまま就職できないのかも」と不安な気持ちが大きくなってくるでしょう。

同級生や友人が次々と内定を獲得していく中で、自分だけが取り残されているような焦りを感じる人も多いのではないでしょうか。

しかし企業から内定を獲得できていない無い内定（NNT）の状態からでも、就職活動を成功させることは可能です。

本記事では無い内定になりやすい就活生の特徴と、状況を乗り越えるための対処法を解説します。

厚生労働省が発表した最新の就職内定状況をもとに解説しますので、まだ企業から内定を獲得できていない就活生の方は、記事の内容を参考にしてください。

無い内定（NNT）とは企業から内定をもらえていない状態を指す言葉

無い内定とは、就職活動中にどの企業からも内定をもらえていない状態を指す言葉です。企業から口約束による内定を指す「内々定」と掛け合わせた造語で、インターネット上やSNSなど特定のコミュニティ内で自虐的に使われています。

無い内定の状態では就職先が未定のため、不安や焦り、プレッシャーを強く感じやすいでしょう。

内定を獲得した同級生と比較して「自分だけが取り残されている」ような孤独感を抱いたり、不採用の連絡が届くことを恐れて次の行動に踏み出せなくなったりするかもしれません。

ただし多くの就活生は、多かれ少なかれ内定が出ない時期を経験しています。現在企業から内定を獲得できていなくても、自分の状況を冷静にとらえて、行動に移すことが大切です。

25卒のリアルな状況は？最新データから見る就活の現実

厚生労働省の調査資料をもとに、25卒大学生の内定率を表にまとめました。

時期	内定率	無い内定の割合
10月1日時点	72.9％	27.1％
12月1日時点	84.3％	15.7％
2月1日時点	91.6％	8.4％
4月1日時点	98.1％	1.9％

厚生労働省の調査によると、時期が進むにつれて無い内定の割合は減少しています。この傾向は25卒だけでなく、過去10年のデータを見ても同様で、4月1日時点での内定率は95％以上を維持しています。

そのため、現在無い内定の状態でも焦る必要はありません。秋から冬にかけて内定を獲得する学生は増えていきますので、諦めずに就職活動を継続しましょう。

関連記事：秋採用での就活が厳しいといわれている理由とは？内定を獲得するためのコツを解説

無い内定（NNT）になりやすい就活生の特徴5選

無い内定になりやすい就活生の特徴を5つ紹介します。

関連記事：就活がうまくいかない人の特徴や原因11選｜内定を獲得するための対策方法を解説

大手企業ばかり志望している「ブランド信者タイプ  」

大手企業は応募者が多く競争率も激しいため、内定獲得の難易度は高いです。給与や労働条件の良さや、大手企業で働くブランドを求めていると、無い内定になる可能性は高まります。

もちろん大手企業への就職は魅力的ですが、企業選びの視野を広げることも検討してください。

中小企業やベンチャー企業は、大手企業では経験できないような裁量権の大きい仕事を任されるチャンスがあるからです。また、大手企業と比べて選考プロセスが柔軟な場合も少なくないため、内定を獲得できる可能性は高くなるでしょう。

自分が将来どのような働き方をしたいのかを整理して、企業規模にこだわらず就職活動を進めてください。

企業研究が不十分な「下調べ不足タイプ」

あまり下調べをしない企業研究が不十分な就活生は、無い内定になりやすい傾向があります。なぜなら企業研究が不十分だと、面接官から「志望度が低い」「入社への熱意が感じられない」と評価され、内定獲得が難しくなるからです。

例えば応募企業の社風や力を入れているプロジェクトなどを把握していないと、説得力のある志望動機や自己PRを伝えることはできません。

企業の公式サイトに記載されている表面的な情報しか知らないまま選考に進むと、面接官にすぐ見抜かれてしまいます。

内定獲得のためには、応募先の特徴や業界でのポジションを理解して、自分の強みと企業のニーズを結びつけてアピールするとよいでしょう。

志望動機があいまいで具体性に欠ける「自分迷子タイプ」

企業は採用時に「なぜ自社を志望したのか」を重視しているため、志望動機があいまいな応募者は内定を獲得しにくいです。

表面的な理由や、他の企業にも当てはまるような志望動機では、入社への熱意が低いと判断されてしまうでしょう。

例えば以下のような志望動機では、内定獲得は難しいかもしれません。

上記の例文はどの業界にも当てはまりやすく、具体的な仕事内容や自分の経験との結びつきがないため、あいまいな志望動機と判断されます。

志望動機を書く際は、なぜその企業でなければならないのかを、具体的に示してください。

不採用が続くとメンタルを立て直せない「ガラスのハートタイプ」

連続して不採用の連絡が続くと、就職活動に対するモチベーションの維持が難しくなります。就職活動へのモチベーションが低下すると、新しい企業への応募も少なくなり、無い内定の時期も長引いてしまうでしょう。

たとえ不採用の連絡が連続して届いても「企業との相性が良くなかっただけ」と割り切る気持ちも大切です。

信頼できる友人や大学のキャリアセンターなどに相談したり、一時的に就活から離れてリフレッシュしたりするなど、適度に休息を取り入れてメンタルを整えてください。

メンタルが弱くガラスのハートだと自覚している方は、就職活動の初期段階から、精神的なサポート体制を整えておくことをおすすめします。

定期的に相談できる相手を見つけたり、気分転換の方法をいくつか用意したりすると、不採用が続いてもひとりで抱え込まずに乗り越えられるでしょう。

就活準備のスタートが遅い「出遅れスタートタイプ」

就活準備のスタートが出遅れると、企業の情報収集や自己分析の時間を十分に確保できず、選考で不利になりやすいです。企業から内定を獲得するためには、できるだけ早く就活準備に取り掛かることが重要です。

ただし現在無い内定の状態でも、焦る必要はありません。

大学のキャリアセンターや就活サービスからサポートを受けることで、短期間でも質の高い準備を進められます。

無い内定（NNT）の状況を乗り越えるための対処法5つ

無い内定の状況を乗り越えるための対処法を紹介します。企業から内定を獲得できていない方は、以下5つの対処法をこれからの就職活動に活かしてください。

自己分析をやり直す

自己分析が不十分だと、自分の強みや価値観、就職活動の軸が明確になりにくいです。

自己分析をやり直すことで、あなたが本当に望んでいる仕事や、どのような企業で活躍できるかを理解できるでしょう。

就職活動と並行しながら、まとまった時間を確保して自己分析を進めてください。マインドマップや自己分析ツール、適性診断などを利用すると、自分の強みや価値観を深掘りできます。

自己分析で得た内容を文章にまとめておくことで、志望動機や自己PRの作成にも活用できます。

就職活動の軸を明確にする

どの企業や業界を選ぼうか迷っている方は、就職活動の軸を明確にしましょう。

就職活動の軸を明確にできると、企業選びやエントリーシートの作成、面接での受け答えに一貫性が生まれ、無い内定の状況を乗り越えやすくなります。

具体的には、自分が就職活動で優先したい条件をリストアップしてください。成長できる環境を企業に求めるのか、それともワークライフバランスを重視した働き方を希望するのかなどを書き出しましょう。

就職してから5年後、10年後の自分をイメージできると、企業に求めるものが明確になり、就職活動の軸を見つけられます。

志望動機・企業研究を見直す

なかなか内定を獲得できない方は、志望動機や企業研究の方法を見直しましょう。

志望動機があいまいで具体性に欠けると、採用担当者から「なぜ自社を志望するのか？」という疑問を持たれやすくなります。

企業は「当社を希望する理由」「入社後に何ができるのか」を具体的に知りたがっているため、企業の強みや事業内容を理解して、自分の経験やスキルをどのように貢献できるかを具体的にアピールしてください。

また、企業研究を再度やり直すことで、自分に合った企業や業界を見つけやすくなり、内定獲得の可能性を高められます。企業研究を深く進めると表面的な情報だけでなく、企業の事業戦略や文化、最近の取り組みを理解できるからです。

具体的には、以下の方法で企業研究を進めてください。

企業研究を見直すことで志望動機や自己PRがより具体的になり、面接でのアピール力が向上するでしょう。

大学のキャリアセンターに相談する

就職活動の進め方に不安があり、何から手をつければいいかわからない方は、大学のキャリアセンターに相談してください。

キャリアセンターでは以下のサポートを提供しているので、ひとりで進める就職活動に不安のある方は、積極的に活用しましょう。

キャリアセンターのサポートは、オンラインで受けられるケースも増えています。

就職活動で具体的な行動に踏み出せずにいる方は、まずキャリアセンターに相談してみましょう。

就活サービスを利用する

無い内定の期間が長く就活に対して焦りを感じている人は、就活サービスの利用を検討してください。就活サービスでは、キャリアセンターと同様に自己分析のサポートや企業選び、応募書類の添削や面接対策などの支援を受けられます。

エントリーシートや履歴書を客観的な立場の方に添削してもらうと、自分では気づきにくい誤字脱字や文章同士のつながりの弱い部分を指摘してくれます。自己PRや志望動機の質が向上するため、書類選考の通過率は高くなるでしょう。

また、就活サービスには面接対策も依頼できるため、模擬面接を繰り返し実施すると、自信を持って面接に臨めるようになります。

就活のプロフェッショナルからサポートを受けたい方は、大学のキャリアセンターとあわせて就活サービスの利用がおすすめです。

以下の記事ではおすすめの就活エージェントと就活サイトを紹介していますので、あわせて読み進めてください。

無い内定（NNT）の人が内定獲得するのにおすすめの就活エージェント

無い内定の状況を乗り越えるために、以下の就活エージェントの利用をおすすめします。

ジール

キャリアスタート

ミーツカンパニー(Meets Company)

無い内定（NNT）だった場合の進路選択肢

企業から内定を獲得できないまま大学を卒業した場合でも、けっして就職への道が閉ざされるわけではありません。卒業後の進路選択肢を5つ紹介します。

既卒として就職活動を続ける

既卒とは、大学や専門学校を卒業後に一度も正社員として就職した経験がない人を指します。

既卒の場合でも、新卒と同じように就職活動を続けられます。

最近では厚生労働省が「卒業後3年以内の既卒者は新卒枠で応募受付を！」と事業者に呼びかけたこともあり、新卒枠で応募できる企業は増加中です。

ただし既卒者の就活では、社会人経験を経ている中途採用枠の人がライバルとなります。

就活の際は自己分析を丁寧に行い、あなたが新卒時よりも成長した点や、卒業後の期間で学んだスキルを具体的にアピールしましょう。

以下の記事では既卒から内定を獲得した人の体験談を紹介していますので、あわせて読み進めてください。

関連記事：既卒の就活体験談を紹介！内定を獲得した人の特徴や方法も解説

留年して新卒枠での就活に再挑戦する

大学に在籍することに抵抗がなく、経済的に余裕のある場合は、留年して再び新卒枠での就活に挑戦する選択肢もあります。

就職留年するメリットは、翌年も新卒扱いで就活できることです。

就活1年目の反省を活かして、自己分析や企業研究、面接対策などにじっくり取り組めます。インターンシップにも再び参加できるため、実務経験を積み志望企業への理解を深められるでしょう。

一方、就職留年のデメリットは、学費や生活費が追加で必要になることです。大学や住んでいる地域にもよりますが、年間100万円から200万円の費用が必要になるでしょう。

留年にかかる費用と得られるメリットを比較して、後悔のない判断をしてください。

大学院に進学して専門知識を深める

大学院では学部よりもさらに高度な専門知識や研究スキルを身につけられます。

特定の分野を深く掘り下げたい、または研究職や専門職を目指したいと考える方にとって有効な選択肢です。

例えばIT業界への就職を考えている場合、大学院でAIやデータサイエンスの知識を学ぶと、DX推進を担当できる人材として高く評価されるでしょう。

ビジネスの特定領域（マーケティング・金融など）に興味があるなら、大学院でMBA（経営学修士）を取得すると戦略立案や事業開発の仕事に就ける可能性もあります。

ただし大学院に進学すると、130万円から200万円ほどの学費が必要です。経済的な負担を考えたうえで慎重に検討してください。

アルバイトや派遣社員として社会経験を積む

正社員としての内定を獲得できなくても、アルバイトや派遣社員として働くと社会人としての経験を積めます。

例えば志望する業界や職種に関連する業務に就けば、実務経験だけでなく業界知識や人脈を広げられるでしょう。

あなたがマーケティング職を目指すのであれば、SNS運用代行やイベント運営のアルバイトをすると、実務経験を積みながら知識を深められます。

アルバイト先で高く評価されれば、そのまま正社員登用のチャンスにつながるケースも少なくありません。卒業後の空白期間を活用し、実践的なスキルや経験を積むことで、次の就職活動を有利に進められます。

起業やフリーランスとして独立する

正社員としての立場にこだわりがなければ、自分で事業を立ち上げたり、スキルを活かしてフリーランスとして活動したりする選択肢もあります。

現在は、仕事を発注したい企業と個人をマッチングするクラウドソーシングサービスが普及したため、個人でも仕事を受けやすい環境が整っています。

例えば大学でWebデザインを学んだ場合、卒業後すぐにフリーランスとしてWebサイト制作の案件を受注可能です。Webサイト制作の経験を積み案件が増えてきたら、チーム化して起業する選択肢も視野に入ります。

同じようにプログラミングやライティング、動画編集などのスキルを持つ方は、クラウドソーシングを通じて仕事を見つけられるでしょう。

自分のペースで働きながら、実力次第で収入を増やせる可能性があるため、独立志向が強い人にとって起業やフリーランスは魅力的な選択肢です。

卒業後3年以内なら新卒扱いで採用する企業は増えている

厚生労働省は「卒業後3年以内の既卒者は新卒枠で応募受付を！」と事業者に呼びかけており、大学卒業後も新卒枠で応募できる企業は増えています。新卒として扱われる期間が延びたことで、在学中に就活がうまくいかなかったとしても、卒業後に十分なチャンスがあります。

厚生労働省の調査によると、新卒の採用枠で正社員を募集した企業のうち、既卒者の応募を受け付けた企業の割合は70％でした。

新卒として就活に再チャレンジできる期間が延びたことで、より多くの企業から自分に合った選択肢を見つけやすくなっています。

大学卒業後にアルバイトや派遣社員、フリーランスや起業した場合でも、経験やスキルをアピールすると、新卒枠での採用につながる可能性もあるでしょう。

参考：厚生労働省｜労働経済動向調査（令和6年8月）の概況

無い内定（NNT）に関するよくある質問

ここでは、無い内定（NNT）に関する、よくある質問を4つ紹介します。

何月までに内定がないとまずいですか？

結論として、何月までに内定がないとまずいといった明確な基準はありません。

多くの企業は年間を通して採用活動を進めており、大学卒業直後の4月以降でも内定を獲得する人がいます。とくにベンチャー企業や中小企業は通年で採用活動しているため、無い内定の期間が長くても焦らずに納得できる就職先を見つけることが重要です。

大学卒業時に内定がない人の割合はどのくらい？

2025年5月に実施された厚生労働省の調査によると、大学卒業時に内定がない人の割合は2％でした。

ただし厚生労働省の調査は就職希望者に対する割合のため、進学や起業、その他の理由で就職活動をしていない人は含まれません。

もし大学卒業時に無い内定の場合でも、ハローワークや就活サービスを通じて就職活動を継続できます。

参考：令和7年3月大学等卒業者の就職状況

就活で全落ちしてしまう人に共通する特徴とは？

就活で全落ちしてしまう人には、以下の共通する特徴があります。

上記の特徴は、基本的な就活対策を進める中で改善できます。自分の課題を振り返り、自己分析や企業研究、十分な面接対策をしてください。

企業から採用されない人の特徴とは？

企業から採用されない人には、以下のような特徴があります。

これらの特徴に心当たりがある場合は、一つずつ改善すると内定獲得の可能性は高まるでしょう。

まとめ｜無い内定（NNT）からでも就職活動を成功させられる！

この記事では、無い内定になりやすい就活生の特徴を解説しました。

現在企業からの内定を獲得できていなくても、けっして焦る必要はありません。大手企業ばかり志望している人や企業研究が不十分の方は、就活の進め方を見直すことで内定獲得の可能性を高められます。

また、厚生労働省の調査からもわかるように、卒業時期が近づくにつれて内定率は上昇します。卒業後3年以内であれば新卒枠として応募できる企業も増えており、諦めずに行動し続ければ内定を獲得できるでしょう。

それでも「ひとりで就活を進めるのは不安」「何をどう改善すればいいかわからない」と感じる方は、就活サービスの利用を検討してみてください。

プロのサポートを受けることで、あなたの就活は確実に前進し、理想の企業と出会える可能性は高まります。就活サービスは無料相談も受け付けていますので、気軽に公式サイトから問い合わせてみましょう。