近年、IT業界の進歩に伴い、未経験エンジニアの採用を強化している企業は多く存在しています。

需要拡大によるエンジニア不足もあって、未経験からエンジニア転職を考える方が増えている一方で、「未経験からのエンジニア転職はやめとけ」とアドバイスする声も耳にするのではないでしょうか。

否定的な声を聞いて、本当に未経験でエンジニア転職しても良いのか迷いが生じている方も多いかも知れません。

本記事では、未経験からエンジニア転職するのは「やめとけ」と言われる背景と合わせ、転職成功のコツについて解説します。

関連記事：未経験転職に強い転職エージェントおすすめ10選｜未経験へ転職する時のポイント

未経験からエンジニアへの転職は可能？

現在、IT産業は急速に成長しており、多くの企業がWebサイトやアプリケーションを重要視しているため、エンジニアの採用が強化されています。加えて、エンジニアの需要の高まりによって、IT業界全体のエンジニアが不足しているので、未経験でも転職できるチャンスがあるのです。

また、新しい技術やツールの導入に伴い、エンジニアのスキルアップが必要とされるため、入社後の研修やトレーニングが充実している企業が増えています。

業務をこなしていけるだけの知識を入社後に学べるため、エンジニア未経験でも目指すことは可能です。

ただし、すべての企業で未経験者がエンジニアとして成長できる環境が整っているわけではありません。

専門知識やスキルを習得するための学習やトレーニングは必要不可欠です。未経験でのエンジニア転職を検討している方は、スキルや資格を自主的に学び、採用される可能性を高めましょう。

【関連記事】ITエンジニアへの未経験転職は可能？未経験転職が可能な職種やおすすめの資格について解説

エンジニアへの未経験転職を「やめとけ」と言われる理由

エンジニアと聞くと、多くの人が高い収入や将来性をイメージするかもしれません。そのため、別の職種から未経験でエンジニアに転職する人もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、周囲から「エンジニアへの未経験転職はやめた方がいい」と言われた経験がある人もいるでしょう。ここでは、エンジニアへの未経験転職はしない方が良いと言われる理由を解説していきます。

残業時間が長くなりやすいから

エンジニアの仕事はプロジェクトや業界によって異なりますが、残業時間が長くなる傾向にあるため、未経験での転職は避けた方が良いと言われることがあります。

実際に、dodaが発表した「平均残業時間ランキング【94職種別】」では、「平均残業時間の多い職種 ランキングTOP20」として複数のエンジニア職がランクインする結果となりました。

【参考記事】残業が少ない仕事・多い仕事は？平均残業時間ランキング【94職種別】｜doda

しかし、企業によっては労働時間について法令を遵守しており、定時で帰宅できる環境を整えている場合もあります。

また、最近ではワークライフバランスが重視される傾向があり、残業を抑制するための取り組みも増えています。そのため、エンジニアに限らず、残業時間については企業選びが重要です。

自分に合った企業を選ぶことで、エンジニアとしてのキャリアを築きながら、プライベートな時間も大切にしましょう。

休みがとりづらいから

エンジニアの仕事は、プロジェクトの進捗状況や締め切りに追われることが多いため、忙しい時期には休みが取りづらかったり、休日出勤を求められたりするケースがあるようです。

とくに、インフラやシステムのトラブルシューティングに携わっているエンジニアは、緊急の対応が必要になるケースがあるため、休みがとりづらいと感じる可能性があるでしょう。

実際に、SNSでは以下のような声が見られました。

休日出勤
完了しました。もう日が変わりますがな。納期ギリギリのプロダクト当たる率たかいんですけど。

今までの、3/5が炎上してる。
炎上しているプロダクトの特徴で一番影響がでかいのは納期に無理があることじゃないですかね…

— よしたろう ムエタイエンジニア (@yoshitaro_yoyo) March 12, 2023

また、エンジニアの仕事は多くは専門性が要求されるため、自分以外の人が代わりに作業を引き継ぐことが難しい場合があると考えられます。

たとえば、一人で特定のプロジェクトに取り組んでいる場合、その人が休暇を取ってしまうと、プロジェクトが滞ってしまう危険があります。プロジェクトにある程度の区切りがつくまでは、休みが取りづらい状況と言えるでしょう。

経験が浅いうちは給与が低くなりやすいから

多くの企業では、エンジニアの給与体系が経験年数やスキルレベルに基づいて設定されている傾向にあります。SNSでも、以下のような意見が見られました。

新人エンジニアは薄給だよ
手取り上がるのかも会社で決まる

— まるだ@21卒転職完了 (@As9Lx) June 5, 2022

IT業界未経験で入社した場合、まだ経験やスキルが不足しているため、他のエンジニアと比べて給与が低い可能性は十分にあるでしょう。

しかし、入社後に経験を積み、スキルを磨いていけば、給与を上げられるチャンスはあります。

スキルや資格を取得するハードルが高いから

エンジニアのスキルが多岐に渡り、必要とされるスキルも常に変化しているため、常に学習が必要な業種です。

プログラミング言語やフレームワークなどの技術は進化が早く、新しい技術やツールが次々に生まれています。常に最新の知識やスキルを身につける必要があるため、ハードルが高いとされているのです。

しかし、近年ではプログラミングスクールやオンライン学習プラットフォームなど、未経験者が学習を始めるための教育機関や学習コンテンツが増えてきています。

自宅で効率的に学習を始められるため、未経験でエンジニア転職を目指している人は、自分にあっているか確認のためにも一度利用してみると良いでしょう。

年齢を重ねると負担が大きくなるから

エンジニアの仕事は、パソコンを使ってプログラミングや開発作業を行う機会が多いため、長時間の作業による眼精疲労や肩や腕などの疲労が発生しやすい側面があります。

さらに、プロジェクトが想定通り進まなかったり、納期まで時間がなかったりした際には、長期間にわたって残業や休日出勤して対応しなければならない場合もあるのです。

また、システムにトラブルが発生した際は、深夜・休日でも連絡が来て、早急な対処を求められます。若いうちは体力や精神力が満ちているため、割り切って対応できるかもしれません。しかし、年齢を重ねると徐々に体力や精神力といった部分は衰えていくものです。

年齢を重ねてもエンジニアと活動していく際は、覚悟が必要になってくるでしょう。

エンジニアへの未経験転職を「やめとけ」と言われやすい人の特徴

この項目では、エンジニアへの未経験転職を「やめとけ」と言われやすい人の特徴について紹介しますので、未経験でエンジニア転職を考えている人はぜひ参考にしてみてください。

将来のビジョンがない人

将来のビジョンがない人は、未経験でのエンジニア転職は避けた方が良いと言われるでしょう。

エンジニアには多岐にわたる分野や専門性があり、どのようなエンジニアになりたいのかを明確にしておかないと、自分に合ったスキルや知識を身につけられないからです。

また、エンジニア職には多くの時間や努力を要するため、自分が本当にやりたい仕事であるかどうかを理解していないまま転職してしまうと、入社後に後悔する可能性があります。

エンジニアの知識が全くない人

エンジニアとしての仕事には、多くの専門的なスキルや知識が必要です。全く知識がないままエンジニアに転職すると仕事に対する理解が足りず、スタートで躓いてしまう恐れがあります。

エンジニアの知識を全く学ばないまま転職を考えている方は、未経験でのエンジニア転職はやめておいた方が良いかもしれません。

個人の裁量で働きたい人

コミュニケーション能力が低くても、エンジニアになること自体は可能です。

しかし、エンジニアは複数のチームやクライアントと連携しながらシステムを構築していきます。

そのため、個人で業務を完結させたいと考えている場合では、エンジニアとしてのキャリアアップやチーム内での協力が想定通りに進まない可能性があるでしょう。

仕事の柔軟性が低い人

エンジニアの仕事は、プログラムのバグやシステムの故障などの突発的な問題が起こることがあるため、柔軟性のある対応力が求められます。また、プロジェクトの進捗状況や要件の変更なども起こり得るため、臨機応変な対応力が必要な場面は多いでしょう。

さらに、常に新しい技術やツールが開発されているため、価値観を固定せず、柔軟に取り入れていく必要があります。仕事の柔軟性が低い人は、エンジニアに向いていないからやめた方が良いと言われてしまうかもしれません。

エンジニアへの未経験転職を「やめとけ」と言われにくい人の特徴

この項目では、エンジニアへの未経験転職を「やめとけ」と言われにくい人の特徴を紹介していきます。

独自でスキル取得のための勉強ができる人

エンジニアは、プログラミングやIT技術の知識が必要であり、自ら学ぶ姿勢が求められる職種です。

自己学習能力が高く、自分で情報を収集して勉強できる人は、エンジニアとして必要なスキルを習得しやすいでしょう。

たとえば、システムエンジニアを目指すならば、JavaやPythonなどのプログラミング言語、データベース、Webアプリケーション開発の基礎知識が求められます。

ただし、未経験からの転職はハードルが高く、スキルだけでなくコミュニケーション能力やチームワークなども必要です。また、独学によるスキル取得には時間がかかるため、インターンシップやオンライン講座を利用すると良いでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

エンジニアは単独で作業することもありますが、他のエンジニアやクライアント、プロジェクトマネージャーなどとプロジェクトを進める機会が多い職業です。コミュニケーション能力が高いと円滑なプロジェクトの進捗管理につなげられます。

また、コミュニケーション能力が高い人は、転職活動においても有利と言えるでしょう。
面接や選考で自分のスキルや経験を的確に伝えられ、採用担当者とのメールや電話でのやりとりでも、丁寧で適切なコミュニケーションを取れます。

ただし、エンジニアは専門的な知識や技術が必要な職種であるため、コミュニケーション能力だけでなく、技術力を高めるための学習意欲や自己学習能力も必要です。

明確なキャリアプランがある人

エンジニアには、システムエンジニアやネットワークエンジニア、データベースエンジニアなどの職種があり、必要な専門スキルや知識が異なってきます。

明確なキャリアプランを持つことで、どのような資格や知識を身につけるべきかを正確に把握できるため、無駄な時間や労力を使わずに学習可能です。また、自分の成長を客観視できるため、面接での自己アピールにもつながります。

就職活動においても、自分が目指すキャリアに応じた企業や求人を選択できるでしょう。さらに、明確なキャリアプランを持っている人は、その企業において長期的に働ける可能性が高く、企業側からも高い評価を得られることがあります。

【関連記事】エンジニアが目指すべきキャリアパスとは？判断ポイントや転職事例も解説

未経験でエンジニアへの転職を成功させるコツ

この項目では、未経験でもエンジニアに転職するためのコツについて解説します。

詳しく転職成功の秘訣について知りたい方は、こちらの記事を先にご覧ください。

【関連記事】エンジニアの転職方法と成功につなげるコツを徹底解説！

自己分析をおこなう

IT業界未経験者が転職を成功させるためには、自己分析が必要不可欠です。
自分のスキルや知識、興味のある職種、将来のキャリアビジョンを明確にすることで、転職先となる企業選びにも繋がるでしょう。

また、自己分析で自分の強みや弱みを理解し、自己PRのためのアピールポイントを整理できます。自己分析の手法として、SWOT分析やキャリアデザインなどが有効です。

自己分析の結果として、転職活動において自信を持って行動でき、成功への近道となるでしょう。さらに、自己分析は転職活動だけでなく、自己理解やキャリアアップのためにも重要なステップです。

自分自身を見つめ直し、今後のキャリアについて考える良い機会となります。

業界・企業研究をおこない理解を深める

エンジニアとして転職する際には、求められるスキルや知識が業界や企業によって異なるため、業界や企業の特徴やニーズを把握しておきましょう。

業界や企業研究は、企業のWebサイトや求人票、SNS、インターンシップなどを活用して情報収集し、自分自身が興味を持つ分野や技術に関する情報を積極的に取り入れられます。企業・業界の情報を調べて、アピールできる材料を見つけましょう。

また、企業の文化や価値観にも目を向けることで、自分に合った職場環境や仕事内容を選択可能です。業界・企業研究を行って、自分が本当に興味を持っている企業や業界を見つければ、転職後のキャリアアップにつながるでしょう。

転職に有利な資格を取得しておく

未経験でエンジニアに転職する際に、資格を取得しておくと有利に働く可能性があります。
エンジニア未経験者であっても、資格を取得することで実務経験はないものの、一定レベルの知識やスキルを持っていると転職活動でアピールできるからです。

資格を取得していると企業側にとっても魅力的であり、候補者として目をつけられやすくなるでしょう。

最低限の基礎知識やビジネスマナーを覚えておく

未経験でエンジニアに転職する場合、求職者としてのプロ意識や誠実さを示すために、最低限の基礎知識やビジネスマナーを身につけておきましょう。エンジニアとして必要不可欠なプログラミング言語やアルゴリズム、データ構造などの基礎知識は、書籍やオンライン講座などで手軽に習得できます。

また、企業によって求められるレベルや内容は異なりますが、基本的なコミュニケーションスキルやビジネスマナーは大切です。

たとえば、メールのマナーや社内での挨拶、報告・連絡・相談のルールなどを把握しておくと、職場での円滑なコミュニケーションにつながります。また、面接やビジネスの場での印象も大きく左右されるため、ビジネスマナーは転職成功のためにも必要と言えるでしょう。

転職エージェントを活用する

未経験でIT業界に転職するためには、自分に合った求人情報を収集し、応募活動を行う必要がありますが、情報収集には時間がかかってしまいます。しかし、転職エージェントを活用すれば、効率的に情報を収集でき、応募活動を進められるのです。

転職エージェントは、求人情報の収集や書類作成、面接対策など、転職活動をサポートするサービスです。

IT業界に特化したエージェントもあり、自分の希望する職種やスキルに合わせた求人情報を提供してくれます。また、エージェントとのコミュニケーションを通じて、業界の最新情報や企業の内情なども把握できるため、転職活動の成功につながりやすくなると言えるでしょう。

未経験からのエンジニア転職におすすめの転職エージェント

この項目では、未経験からのエンジニア転職での利用におすすめの転職エージェントをご紹介します。

【関連記事】IT未経験向けおすすめの転職エージェント14選を徹底比較

マイナビIT AGENT

マイナビIT AGENTは、IT・webエンジニアの無料転職サポートエージェントです。キャリアアドバイザーが全面的に転職活動をサポートしてくれるので、初めての転職でも安心感があります。ITエンジニアをはじめとしたIT業界の求人も多く、優良企業や大手企業の求人も多数掲載されています。

また、専門業界・職種に特化した求人を多く掲載しているのもマイナビIT AGENTの特徴です。面接の日程調整や、履歴書の添削など手厚いサポートが受けられます。

レバテックキャリア

レバテックキャリアは、ITエンジニア専門の転職エージェントです。利用者の96%が希望の企業の転職成功した実績を誇ります。ITエンジニア専門のため、未経験転職OKの求人も多数掲載されています。

【参照記事】レバテックキャリア

レバテックキャリアでは未経験者でも転職に成功するよう、IT業界に特化した情報提供や面接対策を受けることができます。キャリア設計を一緒に考えてくれるエージェントなので、将来的なエンジニアとしてのビジョンに迷っている人にもおすすめです。

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、多数の非公開求人を抱える大手転職エージェントです。IT業界だけでなく幅広い業界に精通したキャリアアドバイザーがサポートしてくれるため、視野を広く持った転職活動ができます。

提出書類の添削や面接対策など、転職をスムーズに進めるためも実用的なサポートも充実しています。自分のアピールポイントがわからない場合でも、面談を重ねる中でプロから強みや適性を提示してもらえるでしょう。

未経験からのエンジニア転職は辞めておくべき？RUNTEQ代表の菊本さんに伺いました

まとめ

未経験からエンジニアを目指す場合、周囲から「やめとけ」と言われることは珍しくありません。理由としては「残業時間が多い」「給料が低い」「未経験からのハードルが高そう」などが考えられます。

しかし、転職理由が明確であったり、自身のスキルアップに精力的に取り組んだり、働き方や企業選びによってはエンジニアとして成功する人も多く存在します。そのためエンジニアになる前の準備や心構えが重要となります。

エンジニアとして働く企業の労働条件や研修制度などは実際に入社してみないと分からない部分もありますが、転職エージェントを活用することで業界や企業についてより詳しく知ることができます。ぜひ本記事で紹介した転職エージェントをご活用ください。