近年、20~30代の若年層を中心に退職代行サービスの利用者が増えています。
その一方で、もしあなたが退職代行サービスを利用しようと考えているなら、勤め先から損害賠償を請求されてしまうのではないかと不安に思うかもしれません。
この記事では、正しいことを理解することでリスクを正しく認識して不要な心配を解消してもらうため、以下の疑問に答えています。
- 退職代行を使うと損害賠償請求される可能性はあるのか
- 通常の退職や退職代行で損害賠償を請求されるのはどのようなケースか
- 退職代行サービスを利用しながら損害賠償請求に対応してもらうにはどうすればよいか
- 退職代行サービスを利用して損害賠償請求を受けた事例を知りたい
この記事を読んで、退職することや退職代行を利用することで損害賠償を請求されるのではないかと、ただ不安な気持ちを解消してください。
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目次
退職代行を利用すると損害賠償請求されるリスクはあるのか?
これから退職代行の利用を考えている方の中で、退職代行を利用した際に勤め先の企業から損害賠償請求をされるリスクがあるのかを懸念している方も一定数います。
そこでこの項目では、退職代行を利用した際に損害賠償請求をされるリスクは発生するのか、また、どういうことが原因で損害賠償請求をされてしまうのかについて解説します。
退職代行は損害賠償請求を受ける直接的な原因とはならない
結論、退職代行の利用は損害賠償請求を受ける直接的な原因とはなりません。
冒頭でも紹介したように、損害賠償請求とは「被害を受けたものが、被害を与えたものに対して損害の補填を請求できる」制度です。
退職代行がおこなう基本的なサービスの内容は、利用者に代わって企業側へ退職意思の伝達をし、必要に応じて交渉をすることです。退職は労働者に正当に認められた自由の一つのため、それ自体が損害賠償請求を受ける原因となることはありません。
参考:退職代行で損害賠償請求をされるリスクはある?リスクを極力軽減させる方法
「脅し」として損害賠償請求をほのめかす企業も存在する
前の項目では、退職することや退職代行を利用することが損害賠償請求の直接的な原因とはならないことを解説しました。しかし、中には退職を引き留める目的で「脅し」として損害賠償請求をほのめかす悪質な企業も存在します。
このようなケースの場合は、特に会社側の主張に正当性がある訳ではないためあまり気にする必要はありませんが、不安なら弁護士に相談しましょう。
本当に企業に損害を与えた場合は注意が必要なこともある
基本的には退職代行を利用するしないにかかわらず、退職が損害賠償請求の対象になることに法的根拠はないため問題ないと考えて良いでしょう。
しかし、本当に企業側に損害を与えた場合は損害賠償請求を受ける可能性があるため注意が必要です。
例えば、あなたが大口の顧客を担当しているにも関わらず、何の引き継ぎもなくいきなり退職したために、納期などを大幅に過ぎてから事態が発覚し、企業はその責任を追及されて顧客を失ったとします。
このような場合は、必ずではありませんが損害賠償請求の対象となる可能性も充分にあります。
つまり、基本的には退職代行を利用したことが原因で損害賠償請求の対象になるのではなく、多くは退職をした際に重要な情報などが共有されなかったがために大きな問題が発生したことなどが原因となるでしょう。
凝った引継ぎ書などを用意する必要はありませんが、最低限のことは書き残しておくことなどで不要に損害賠償請求を受けるリスクを減らすことができます。
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退職代行を使って損害賠償を請求された事例を紹介
この項目では、退職代行を実際に使って損害賠償を請求された友人から相談を受けているという方の知恵袋での質問を紹介します。
飲食店で退職代行を利用したことでシフトに穴が空いた分を補填する移動費や家賃を払えというのだそうです。
しかし、ベストアンサーの回答の通り法律の観点から言えばそれを支払う必要はないので、そもそもこの依頼を引き受けようという弁護士も中々見つからないでしょう。
質問者:
退職時に会社から損害賠償請求されることあります?
知り合いに飲食に勤務してる人がいます
退職代行使ったのですが辞めれなくて急に退職しましたそしたらシフトに穴が空き人員不足による急なヘルプでの移動費とか家賃費とか引き継ぎとかを会社から請求されました
払わないと退職出来ないそうです
これっておかしくないですか?
払います?
回答者:
法律上で言えば何も支払う必要はありませんし店側が告訴しようとしても引き受けてくれる弁護士はありません。
万が一あっても貴方が辞めた事での損害を裁判で立証しなければなりません。
また、代行業者からの連絡が雇用側にされた時点で事前の貴方の退職の意思は示しています。
従業員やアルバイトは従事者であり雇用主ではありません。
会社や店の管理は全て雇用主の責任です。
この「管理」の中に人員配置やシフト管理、引き継ぎや述べられているヘルプの人件費や移動費も含まれています。
(これらは経費であり損害ではありません)
※寮の場合には適正ならば家賃や修繕費を給与から引かれたり請求される事は認められています。
他の回答者が答えている「通告期間」もありません。
雇用主は解雇に相当する明確な事由がない人員整理等の解雇の場合には最低30日前の解雇通告期間があり、また合わせて「解雇予告手当金」(通常は1カ月分の給与)をプラスして支払わなければなりません。
なので配達業等の場合は雇用ではなく「請負業」として個人と契約書を交わして仕事を委託したりコールセンター要員とか工事のライン作業とかは派遣会社を使う企業が多いのです。(雇用はしていないので法的な責任が軽い)
憲法に定められてらいる国民の三大義務は「教育」「勤労」「納税」です。
国はこれらを守る為に学校や税務署、そして雇用主に厳格なルールを課して義務を果たす国民を守っています。
「払わないと退職出来ない」なんて言う会社は常識のないブラック企業間違いなしなのでとっとと辞めた方がいいです。
何か言われたら「じゃあ民事訴訟法に則って告訴して下さい。告訴されたら裁判所から訴状が届くと思うので訴状が来てから対応します。」で終わりです。
他に会社から電話や請求書が来ても無視で大丈夫です。
社会人になったら未成年より法律に縛られます。大人には大人の喧嘩のやり方があります。
退職代行を利用しつつ損害賠償されてしまうリスクを下げる方法
退職代行は損害賠償請求の直接的な要因とはなりませんが、請求を受ける可能性もゼロではありません。
そこで、この項目では退職代行を利用しつつ、リスクを下げる方法を紹介します。
下記で紹介する各事項を参考に、損害賠償請求を受けるリスクを抑えつつ退職代行を利用しましょう。
会社の規則を守って退職する
損害賠償請求を受けずに退職するには、会社の規則を極力守って退職することが重要です。
例えば、故意に会社の規則に違反したことが原因で損害を与えた場合、退職代行を利用したかにかかわらず損害賠償請求を受ける可能性があります。
事前に企業が定める規則の内容を把握し、違反のないように退職を行いましょう。
ただし、派遣や契約社員の方は例外となるケースがありますが、民法では2週間あれば退職をしても良いと定められています。例えば、会社が退職するときは3ヵ月前には申入れをするようにと定めていたとしても会社の規則よりも民法の方が優先されるため、無効と考えてよいでしょう。
(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)
第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引き継ぎを充分におこなう
最低限の業務引き継ぎを怠ると、企業側とのトラブルの原因になります。
例えば、巨額の資金が動く大きな契約を担当している場合に、引き継ぎなど何もすることなく退職して、既にある問題が知らないうちに大事となって契約が打ち切られた場合、企業側に損害が発生します。
このようなケースでは損害賠償請求を受ける可能性あります。
引き継ぎをするのは正直な話、面倒に感じるかもしれませんが、最低限の引き継ぎに関しては行っておく方が自身の身に降りかかるリスクを減らすことができるでしょう。
非弁行為に注意!会社との交渉権限がある退職代行を利用する
ひとくちに退職代行サービスといっても、運営元によって対応可能な範囲が法律によって決まっています。そのため、退職時にかなえたい条件にあった退職代行の選定が大切です。
法的に対応可能な範囲を基準に分けると、退職代行サービスには3つの種類があるといえます。以下の表に分類と対応可能な範囲をまとめました。
退職代行サービスの種類 | |
運営組織の分類 | 対応可能な範囲 |
弁護士法人 | ・退職意思の伝達 ・退職条件の交渉 ・会社の退職拒否等への反論 ・法的な問題への法廷での対応 |
労働組合 | ・退職意思の伝達 ・退職条件の交渉 ・会社の退職拒否等への反論 |
一般企業 | ・退職意思の伝達 |
もし、会社側が本当に正当性をもって損害賠償を請求してくる可能性がある場合は最初から弁護士が運営する退職代行を利用してください。相場価格は5万円から10万円程度です。
一方、会社側が「退職は認めない!」などと反論をしてくる程度にとどまり、本当に損害賠償までは請求してこないだろう、或いは正当性のある請求はできないという方は労働組合の運営する退職代行で良いでしょう。相場価格は2.5万円から3万円程度です。
退職意思の伝達さえしてくれれば、有給の取得を拒否される等の問題が一切発生することなく退職できそうな方は一般企業の運営する退職代行でも問題ないかもしれません。相場価格は2万円から3万円程度です。
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万が一損害賠償請求を受けた際の対処法
もし、損害賠償請求を受けたとしてもその請求が認められるかどうかは、正当性が認められるかどうかという別の問題になります。
そのため、不当な損害賠償請求を受けたとしても焦る必要はありませんが、正しく対処をする必要はあります。
この項目では、損害賠償請求を受けた際に行うべきこと、気を付けるべきことを3つ紹介します。万が一のために目を通しておきましょう。
弁護士に相談をする
対処法の中で最も効果的なのが弁護士に相談することです。
弁護士は法的な専門知識が必要な問題にも対処が可能です。
万が一、訴訟を受けて法廷で戦うことになった場合にも対応してくれるため、非常に心強い味方となります。
ただし実際に依頼するとなると、数十万円の弁護士費用が発生することもあるため、計画的に利用することは重要です。
会社の人には相談しない
損害賠償請求を受けた際は、社内の人への相談は避けましょう。
懸念点は、意図せずとも情報が筒抜けになってしまうことです。
いくら信頼している人が相談相手であったとしても、何かの拍子に会社内で情報が広まってしまう可能性は考えられます。その情報が訴訟などの内容において不利にはたらいてしまうことも考慮する必要があります。
万が一訴訟に発展した際不利になってしまう可能性があります。
社内の人ではなく、信頼のおける弁護士に相談するのが適切です。
逆に訴訟し返すケースも存在する
訴訟を受けた側が訴訟し返すことを反訴と言いますが、明らかに不当な損害賠償請求を受けた場合はこちら側から会社に損害賠償請求や起訴することも可能です。
ただし、自分で実行するには少々ハードルが高いため、おこなうとしても弁護士へ依頼をした上で実行することをおすすめします。
場合によっては逆に訴訟し返すという手段があることも覚えておいて損はありません。
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損害賠償請求を最大限抑えるおすすめの退職代行サービス
損害賠償を請求される可能性を最大限抑えるためには、こちら側に法的に根拠のあるような落ち度を作らないことが重要です。
そこで、最低限の引き継ぎは残したうえで退職することをおすすめします。
その一方で、本音としては引き継ぎなんてしていられないという気持ちになるものではないでしょうか。
そこで、この項目では、非弁行為にならずに簡易的に最低限の引き継ぎを残せるおすすめの退職代行サービスや弁護士が運営する退職代行サービスを紹介します。
退職代行Jobs
退職代行Jobsは、弁護士監修の元、労働組合と提携して運営されている退職代行サービスです。非弁行為などの心配をする必要がないと考えてよいので、安心して利用することができます。
簡易的な引き継ぎシートのテンプレをくれるので、負担なく引継ぎ書を残して落ち度を作らずに退職しやすくなっています。
今なら特別割引キャンペーンを開催しており、LINEの友達追加後にトーク画面で「弁護士ナビ割引希望です」と伝えるだけで1,000円引きの特別価格になり28,000円(労働組合への加入費2,000円含む)で対応してくれるのでお得です。
退職代行OITOMA
退職代行OITOMAは2021年からサービス開始とまだ新しいサービスです。労働組合が運営している退職代行サービスですが24,000円という低価格で利用できることが特徴になっています。
OITOMAも簡易引き継ぎシートのテンプレを配布しているので、こちら側に落ち度を残りにくくして退職することが可能です。
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弁護士法人みやびは、弁護士法人が運営している退職代行サービスです。
退職意思の代理伝達や各種交渉はもちろん、法的な問題が絡んだとしても適切に対処してもらえることが期待できます。
もし損害賠償請求を受け、訴訟されて裁判沙汰になったとしてもこちら側に落ち度がなければ正しく対応してもらえるのでほとんど問題ないと考えて良いでしょう。
料金は、初期費用が55,000円、退職金や有給休暇、慰謝料などを請求した場合はその回収金額の20%の追加料金です。
退職代行って損害賠償請求されやすい?よくある質問を紹介
この項目では、退職代行と損害賠償請求についてよくある質問を紹介します。
3つピックアップしたので、理解を深めるためにも目をとおしておきましょう。
損害賠償の請求金額はどれくらい?
退職者の辞め方について悪質性の高さなどが認められた場合の損害賠償は以下の事項に請求可能性があります。
- 当事者の採用にかかった費用
- 売上の損失額の見込み分
- 後任の従業員の採用費
損害賠償の請求金額は、損害を受けたものや程度によって異なります。
退職による請求金額は企業側で定めるため明確な数値は断言できませんが、数十万円〜数百万円で落ち着く場合が多いようです。
退職代行はどこまで対応してくれる?
退職代行が対応できる内容は、運営元によって異なります。
一般企業が運営する退職代行は退職意思の「伝達」、労働組合が運営する退職代行は退職意思の「伝達」と退職条件の「交渉」、弁護士法人が運営している退職代行は「交渉・法律事務」に対応しています。
上記の項目「労働組合や弁護士など交渉可能な退職代行を利用する」では上記内容を表にして記載しているので参考にしてください。
当日辞めたい!退職代行で即日退職は可能?
多くの退職代行サービスでは、即日退職にも対応しています。
先述の通り、退職の申請は2週間前に申入れをおこなえば可能となることが民法により定められています。
退職の申入れをした日から退職日までの2週間は有給休暇を消化し、有給休暇の日数が足りない場合は通常の欠勤をして過ごすことなどが可能です。
まとめ
退職代行の利用時の不安要素の一つである損害賠償ですが、退職代行を利用したことが直接的な原因となることはありません。
退職代行は、あくまでも依頼された内容を元に代理として企業側へ意思を「伝達・交渉」するものです。
退職する当事者が引き継ぎ等なくいきなり辞めたことで生じた損害に対して、損害賠償請求を受ける可能性があるということを覚えておきましょう。
どうしても心配な方は損害賠償請求を受けた場合に適切に対処できる弁護士法人の退職代行サービスを利用するのもひとつの手です。
退職代行サービスを利用したいが、損害賠償が不安に感じている方は、どういうことが問題となって損害賠償請求を受ける可能性が発生するのか、正しく理解することが重要です。
自分がどのような退職代行サービスを利用するべきか適切に判断し、後から悔いが残ることのないようにしましょう。
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