うつ病で休職や退職すると「ずるい」と言われる理由とは?メリット・デメリットや対処法を解説

           
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「うつ病で休職・退職するのはずるい?」
「休職と退職どっちがいいのか知りたい」

うつ病で休職・退職を考えているものの、「ずるい」と言われ悩んでいる方も多いでしょう。また休職と退職のどちらがいいのか、判断に迷うかもしれません。

休職や退職を選ぶ権利は誰にでもあり、自分の体調を最優先に行動するべきです。しかし、その際の注意点やポイントは理解しておく必要があります。

本記事ではうつ病での休職・退職がなぜずるいと言われるのかやメリット・デメリット、対処法について解説します。うつ病で休職・退職する手順やもらえる手当も紹介しているため、参考にしてください。

あわせて読みたい⇒退職後にもらえる給付金まとめ!自己都合退職でももらえる条件とは?給付期間・金額も解説

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目次

うつ病で休職・退職すると「ずるい」と言われる理由

うつ病で休職・退職すると「ずるい」と言われる理由は次のとおりです。

まわりの人のうつ病への理解が足りていない

まず、まわりの人のうつ病への理解が足りていないことが挙げられます。

うつ病は身体的な症状が見えにくいため「ただ怠けているだけ」「甘えている」ととらえられがちです。

しかし実際は気の持ちようでなんとかなるものではなく、自殺につながることもある深刻な病気であり、十分な休養と治療が必要です。

このような理解や配慮が足りないと、うつ病での休職や退職が「ずるい」ととらえられてしまいます。

仕事の負担が増えることに不満がある

1人が休職や退職することで、まわりの人の仕事の負担が増えることに不満が挙がるのもよくあるケースです。

復職できる見込みがあるのか、またそれがいつになるかわからない場合、業務に支障が出る可能性もあります。

場合によっては新たな人員の確保や配置換え、引き継ぎなどが発生するかもしれません。

病気が理由とはいえ、このような手間が増えると「あの人だけずるい」と言われてしまう引き金になります。

働かなくてもお金がもらえることへの妬み

休職した場合、働かなくてもお金がもらえる場合があるため、妬まれることもあるでしょう。

うつ病で働けなくなり条件を満たすと、会社で加入している健康保険から傷病手当金を受け取れます。

給料の3分の2程度の金額が最大18ヶ月までもらえるため、人によっては大きな金額になります。そのため妬みやひがみの対象になっても無理はありません。

また大きな会社では、休職中でも給料の何割かが支給される場合もあります。

関連記事:雇用保険の傷病手当とは?受給条件や期間・失業保険との関係を解説

(参考:全国健康保険協会「病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)」)

うつ病で休職・退職する権利は誰にでもある

うつ病で休職・退職することに後ろめたさを感じるかもしれませんが、実際は労働者として当然の権利を行使するに過ぎません。

会社の就業規則で休職制度が定められていれば、誰でもうつ病を正当な理由として休職できます。

また、会社側は労働契約法第16条にもとづき、退職の強要はできません。

第十六条

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

(引用:労働契約法

また無期雇用の正社員の場合、会社の同意がなくても、退職日の2週間前に通知することで退職が可能です。

(期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

(引用:民法第627条

うつ病になるとつい自分を責めてしまいがちですが、病気のため働けずに休職や退職を選ぶことは何も間違っていません。

まわりに「ずるい」と言われようと、自分を守ることを最優先に判断するべきでしょう。

関連記事:うつ病を理由に退職しても問題ない?仕事を辞める際の手続きや手順を解説

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うつ病で休職・退職するメリットとデメリット

ここでは、うつ病で休職・退職した場合のそれぞれのメリットとデメリットを解説します。

休職する場合のメリットとデメリット

まずはうつ病で休職する場合を見ていきましょう。

休職する場合のメリット

休職する場合のメリットは次のとおりです。

休職する場合のメリット
  • ゆっくり静養できる
  • 自分の時間が持てる
  • 今後について考えられる

まずはうつ病の治療のため、ゆっくり静養できることが大きなメリットです。

うつ病の原因は環境や人間関係にあることも多く、業務を離れることで気持ちが切り替わって回復が見込めるでしょう。

また、自分の好きなことに時間を使って自由に過ごせると、気持ちがリラックスして自分らしさを取り戻すきっかけになるかもしれません。

また、休職中は今後のことをゆっくり考える時間もできます。うつ病が治ったらどのような働き方がしたいのか、改めて考えてみるのもいいでしょう。

休職する場合のデメリット

反対に、デメリットとしては次のものが考えられます。

休職する場合のデメリット
  • 収入が減る
  • 復職への不安がある

休職中は給与が出ない職場が多く、収入が減ってしまいます。傷病手当金を受け取れれば負担は減るものの、期間が決まっているためいつかは退職か復職かを選ばなければなりません。

また、復職してもこれまでと同じように働けるのかという不安もあるでしょう。戻ったときに部署や人間関係が変わっている可能性もあるため、慎重に判断してください。

関連記事:うつ病からの復職が「怖い」と感じたら|社会復帰を目指す方に適切な選択とは

退職する場合のメリットとデメリット

次に、うつ病で退職する場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。

関連記事:「休職するなら退職しろ」と言われたらどうする?対処法やメリット・デメリットを解説

退職する場合のメリット

休職せず退職した場合のメリットは次のとおりです。

退職する場合のメリット
  • ストレスから解放される
  • 失業保険や手当を受給できる
  • 転職で新たな可能性が広がる

退職は休職とは異なり、業務や人間関係のストレスから完全に解放されます。

そのため本来の自分を取り戻し、うつ病の症状が快方に向かうことも十分考えられるでしょう。

また、雇用保険に1年以上加入していれば失業保険を受給できます。さらに休職中に傷病手当金を受け取っていた場合、退職後に継続してもらうことも可能です。

さらにうつ病が治れば、転職で新たな広がることもあるでしょう。

労働条件や人間関係は職場によって大きく異なるため、今よりも自分に合った職場に出会える可能性は十分にあります。

関連記事:失業手当(失業保険)はどんな制度?計算方法や条件・期間・もらい方までくわしく解説

退職する場合のデメリット

休職せず退職した場合のデメリットは次のとおりです。

退職する場合のデメリット
  • 収入が減る
  • 再就職への不安がある
  • キャリアに空白ができる

退職すると定期収入がなくなります。失業保険を受給したとしても一時的なものであり、再就職までの生活への不安は否めません。

また一度退職するとキャリアに空白ができ、転職活動で不利になることも考えられます。うつ病が重くすぐに働けない場合、今後再就職できるかの不安もデメリットといえるでしょう。

関連記事:仕事辞めたらすることは?退職後の重要な4つの手続きや流れを解説

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月収80万円約53万円
月収90万円約60万円
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うつ病で休職・退職する前にチェックしたいポイント

うつ病で休職・退職する前に、次のポイントをチェックしてください。

職場環境が改善される可能性があるか

職場環境が改善される可能性があるかどうかで考えるのも1つの方法です。

そもそもうつ病になった原因が会社にある場合、環境が変わらなければ休職しても同じことの繰り返しです。

モラハラやパワハラがあったり、残業・休日出勤が多かったりする会社なら、休職を経ず退職を考えてもいいかもしれません。

医師や家族など第三者の意見はどうか

うつ病のときは判断力が鈍っているため、医師や家族・友人など第三者の意見を仰ぎましょう。

まず、現在のうつ病の状態がどの程度なのか、きちんと医師に診てもらってください。それによって休職を選ぶか、退職を選ぶかも変わってきます。

また、信頼できる家族や友人にも相談することをおすすめします。自分の状態を客観的に判断し、休職と退職のどちらがいいか決める助けになってくれるでしょう。

休職・退職後の生活費に問題はないか

休職や退職後は定期収入が途絶えることになるため、生活費の見直しも必要です。

休職や退職後はさまざまな公的な手当を活用できますが、家賃や光熱費など毎月必ず出ていくお金もあります。ある程度の貯蓄があるか、毎月いくらあればどれだけの期間暮らしていけるのかをあらかじめ考えておきましょう。

働き方を変えることで対処できないか

休職や退職に踏み切る前に、働き方を変えることで対処できないかも検討してみてください。

たとえば部署替えや時短勤務、リモートワークを導入し在宅勤務に切り替えるなどの方法で、仕事のストレスを軽減できる可能性があります。

うつ病の原因が人間関係や働きすぎにある場合は、試してみる価値があるでしょう。

うつ病で休職か退職かを判断する方法

うつ病を患っている場合、基本的にはいきなり退職ではなく、休職を選ぶのがおすすめです。

休職中は傷病手当金が受け取れるため、うつ病の治療を受けながらゆっくり休養し、今後について考える時間が持てます。

ただし、労働環境の改善が見込めず心身への影響が大きい場合、休職を経ずに退職するのも1つの方法です。

うつ病で退職し失業保険を受け取る場合は「特定理由離職者」として扱われ、給付制限や条件面で優遇される可能性があるためです。

また、よりよい転職先ややりたいことがあるなら、退職してうつ病を治して新たな第一歩を踏み出すこともできます。

とにかく体調を優先しながら、自分にとって一番いい道を探ってみてください。

うつ病で休職・退職する際に「ずるい」と言われないためのポイント

うつ病で休職・退職する際に「ずるい」と言われないためのポイントは次のとおりです。

できる限り引き継ぎをおこなう

休職・退職する際は、できる限り引き継ぎをおこないましょう。

休職からそのまま退職する場合は難しいかもしれませんが、電話や書面でのある程度の引き継ぎも可能です。

引き継ぎの有無によって、周囲の「ずるい」と感じる気持ちをフォローできるだけでなく、復職したときの反応も変わってきます。

もし退職する場合でも、なるべく迷惑をかけずに辞められるよう心がけるべきでしょう。

復職を目指せるようしっかり静養する

休職する場合、基本的には復職を目指す前提で静養しましょう。

もし休んでいるのに頻繁に出歩き、SNSにその様子がアップされていたとしたら、会社の人が「ずるい」と感じるのは当然です。

もちろん用事や気分転換、運動としての外出に問題はありませんが、休職している身での派手な行動は慎んでください。

復職した際は感謝の気持ちを示す

休職から復職した場合は、感謝の気持ちをきちんと示しましょう。

たとえ心の中では「ずるい」と思われていたとしても、自分が休んでいる間、その分の仕事をフォローしてくれていたことは事実です。

体調が万全になったなら、その分をしっかり仕事で返していきましょう。

そのまま退職しても問題はない

どうしても復職が難しい場合、休職からそのまま退職しても問題はありません。

自分の思い通りにうつ病が治るわけではないので、「復職したい気持ちはあったが難しい」と伝え、お互いに納得したうえで辞めるといいでしょう。

関連記事:体調不良で欠勤のまま退職するのは法的にOK!3つの方法と伝え方を解説

うつ病で休職する手順

うつ病で休職する手順は次のとおりです。

うつ病で休職する手順
  1. 休職制度を確認する
  2. 医師の診断を受ける
  3. 会社に診断書を提出する

まずは就業規則で、会社の休職制度について確認しましょう。

休職中に給与は出るのか、期間はどれぐらいか、手続き方法などをチェックします。

その後病院へ行き、「うつ病で働くことが難しい状態である」という診断を受けます。

そして診断書を提出し、休職に入るという流れです。

うつ病で退職する手順

うつ病で退職する手順は次のとおりです。

うつ病で退職する手順
  1. うつ病の診断を受ける
  2. 上司に退職の意思を伝える
  3. 退職日を決め有給消化する
  4. 必要書類を発行してもらう
  5. 退職する

まずは病院でうつ病の診断を受け、診断書を発行してもらいましょう。

診断書がうつ病であることの証明になり、引き止められにくくなるだけでなく、離職理由にも関わります。

その後上司に退職の意思を伝え、診断書とともに退職届を提出します。

退職日を決めたら、それまでは残っている有給を消化するのがおすすめです。

その間、失業保険を受けるために必要な離職票などの書類を準備してもらいましょう。

退職日が来たら、貸与品を返却し退職は完了です。

関連記事:休職から復職せずに退職する方法|伝え方・退職日・注意点も解説

うつ病で休職・退職した場合にもらえる手当

ここでは、うつ病で休職・退職した場合にもらえる手当を紹介します。

うつ病で休職・退職した場合にもらえる手当

関連記事:退職後にもらえる給付金まとめ!自己都合退職でももらえる条件とは?給付期間・金額も解説

うつ病で休職した場合

うつ病で休職した場合は、会社の健康保険から傷病手当金がもらえます。

傷病手当金

傷病手当金は、在職中に病気や怪我で働けなくなった場合にもらえるお金です。

会社を連続して3日間以上休むと、4日目以降の休んだ日に対して次の金額が支給されます。

1日あたりの金額:支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額÷30日×3分の2

ただし、休んだ期間に傷病手当金の額より多い報酬額の支給を受けた場合は支給されません。

支給期間は最大18ヶ月で、休職中にもらっていれば退職してもそのまま継続してもらえます。

うつ病で退職した場合

うつ病で退職した場合は、次の3つの手当が受給可能です。

失業保険

失業保険は正式には雇用手当といい、働く意思があるものの失業中にある人に支給されます。

うつ病であっても、医師が「働ける状態である」と診断していて、求職活動ができれば受給は可能です。

うつ病の場合は「特定理由離職者」に分類され、給付制限や条件が緩和される可能性があるため、くわしくは以下の記事をチェックしてください。

関連記事:失業保険のもらい方がわからない方必見!失業保険をもらう流れや条件を解説

障害年金

障害年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者期間中に初診を受けており、保険料を一定以上納付している場合に受け取れるお金です。

うつ病の障害認定基準は次のとおりで、審査によって決定されます。

等級状態
1級常時援助が必要な状態
2級日常生活に著しい制限がある状態
3級労働に制限がある状態

障害年金は失業保険と重複して受け取れるため、治療が長期間にわたりそうな場合は検討してみましょう。

(参考:日本年金機構

退職金

会社によっては、一定期間以上働いていれば退職金を受け取れます。

金額や条件は就業規則を確認してみてください。

一時的な収入ではありますが、退職後の生活の支えの1つになるでしょう。

まとめ

うつ病で休職や退職を考えていても、うつ病への無理解や妬み・偏見で「ずるい」と言われてしまい、迷ってしまいがちです。

しかし何よりも治療を優先することが大切であり、自分を守れるのは自分しかいません。まわりに何と言われても、症状が悪化する前に休職や退職を決断するべきだといえます。

休職と退職にはそれぞれメリット・デメリットがあるため、自分にとってどちらが最適か慎重に判断することが大切です。

休職を選んだ場合はしっかり引き継ぎをしたうえで静養し、復職できた暁には感謝の気持ちを示すようにしましょう。

休職であれ退職であれ、自分にもっともよい道を選んでください。

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2021年7月20日 東証グロース上場(7378)
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