「残業が100時間を超えてつらい」
「毎日夜遅くまでの残業は普通なのか？」

このようなお悩みにお答えします。

日々の業務に追われ、夜遅くまでの残業に疲労や不満を感じている方は多いでしょう。月100時間残業は、労働基準法で定められた上限を超えており、健康被害のリスクが高い可能性があります。

厚生労働省の調査によると、働いている人の82.2％がストレスや不安、悩みを抱えている報告があります。

参考：厚生労働省「我が国における過労死等の概要」

しかし、残業時間の上限は法律で定められているため、対処法により改善されるでしょう。

この記事では、法律で定められている時間外残業や100時間の残業が違法な理由、長時間労働の職場の特徴を解説していきます。

この記事を参考に、つらい毎日から脱出し、充実した人生が送れるよう参考にしてください。

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法律で残業時間の上限は決められている

法律で残業時間の上限が決められている点について2つ紹介します。

それぞれ詳しく解説していきます。

労働基準法の残業の上限は原則45時間

労働者の健康と安全を守るために、残業時間は月45時間、年間360時間の上限が定められています。

参考：労働基準法第36条

しかし、法的な拘束力はなく無制限に残業が可能でした。

2015年に、大手企業の女性社員が月100時間を超える残業を強いられ、過労死による自殺に追い込まれた事件が発生しています。

長時間労働による自殺をきっかけに、政府は2019年に「働き方改革関連法」を施行し、法的に強制できる法律を追加しました。

参考：厚生労働省「働き方改革関連法」

違反すると「6か月以下の懲役または30万円以下の罰金」が企業に罰せられます。そのため、残業100時間ある職場は、労働基準監督署や労働組合に相談しましょう。

36協定の「特別条項付き」の場合の上限

企業と労働組合で定める36協定の「特別条項付き」項目では、「月45時間・年360時間」を超える残業が認められます。

そもそも36協定とは、労働基準法第36条に基づく企業と労働組合が協議し、時間外や休日労働の時間を取り決めることです。

36協定の特別条項は、繁忙期や臨時で労働が必要なときに、労働者に月45時間、年360時間を超えて残業を可能にできる締結をします。

特別条項は以下の内容です。

職場によっては、月45時間以上の労働も考えられます。特別条項を超える残業は違法の可能性があるため注意が必要です。

残業100時間が違法と言われる3つの理由

残業100時間が違法と言われる理由について3つ紹介していきます。

それぞれ詳しく解説していきます。

厚生労働省が定める過労死ラインを超えている

1か月の残業が100時間以上では、過労死ラインを超過するため違法になります。月80時間以上の残業や、2か月から6か月の平均残業が80時間を超える場合、健康を害する恐れがあります。

過労死ラインを超えた場合に起こるリスクは以下の3つです。

参考：過労死等防止対策推進法第2条

深刻な状況になる前に、家族や友人に相談しましょう。

特別条項付きでも違法している

36協定の特別条項を締結していても、月100時間の残業は違法です。

1か月の残業は、時間外労働と休日出勤を合わせて100時間未満のケースと、2か月から6か月以内の平均残業は80時間が上限と決められているためです。

一例として、違法の判断基準を以下で紹介します。

期間	平均残業時間	適合性
2か月間の平均残業	4月80時間 5月75時間 ＝平均77.5時間	適法
3か月間の平均残業	4月80時間 5月75時間 6月80時間 ＝平均約78.33時間	適法
4か月の平均残業	4月80時間 5月75時間 6月80時間 7月80時間 ＝平均78.75時間	適法
5か月間の平均残業	4月80時間 5月75時間 6月80時間 7月80時間 8月81時間 ＝平均79.2時間	適法性が疑わしい ※5か月で396時間、7か月で324時間以内に納める必要がある。
6か月間の平均残業	4月80時間 5月75時間 6月80時間 7月60時間 8月81時間 9月90時間 ＝平均81時間	違法

違反した場合、罰則の対象になります。違法な残業時間を強いられている職場は、労働組合や労働基準監督署に相談しましょう。

管轄都道府県労働局の立入検査の対象になる

1か月の残業が100時間あると相談を受ける職場は、労働局の立入検査の対象です。調査される企業は、以下のとおりです。

実際、令和4年3月から令和5年3月に立入検査を実施した事業場は、33,218箇所と報告されています。

参考：厚生労働省「長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果」

立入検査は、主に5つの項目が調査されています。

労働時間を管理できない職場や、従業員の健康状態を怠っている企業は、違法な可能性が高いといえるでしょう。

残業100時間ある職場の特徴4選

残業が月100時間以上ある職場には以下の特徴があります。

それぞれ詳しく解説していきます。

業務量に対して人手が足りていない

業務量に対して人手が足りなければ、100時間残業に陥りやすいです。足りない分を残業で補うためです。

残業が多い職場には以下の理由があります。

一部の経営陣は「人を採用するより従業員に残業させたほうが経費はかからない」という誤った考えを持った組織もあるかもしれません。

人手不足は会社側に問題があるため、労働組合を通じて改善してもらうことが重要です。

一時的な業務過多

一時的な業務過多は、長時間残業になりやすい傾向です。人員のキャパを超えるためです。

業務量が増えるには4つの理由が考えられます。

短期的な業務量やハードルの高い目標設定では、長時間残業になる恐れがあるでしょう。

長時間労働を当たり前とする職場の雰囲気

長時間労働を当たり前とする職場は、月100時間以上の残業も考えられます。職場内で適正な残業時間が麻痺している可能性が考えられるからです。

たとえば、残業を美徳とする風潮のある職場は常態化しやすいでしょう。長時間残業しても体にダメージを与るだけです。

残業が当たり前の職場では、離職を検討するか労働組合や弁護士に相談しましょう。

クライアントの要望に対応している

クライアントの要望に対応している職場は、長時間労働しやすい傾向です。勤務時間外でも、クライアントから連絡があれば対応が求められる場合もあります。

たとえば、システム開発や保守は、24時間トラブル対応が求められるでしょう。セキュリティの不具合は、機密情報の漏洩につながるため、迅速な対応が重要になります。

顧客対応は、緊急性の基準をクライアントと会議し、優先順位を決めるようにしましょう。

参考：独立行政機構令和4年度「過労死等に関する実態把握のための労働・社会面の調査研究」

残業100時間したときにおこる3つのリスク

残業時間が多くなれば体にかかる負担が大きくなります。この章では残業するリスクについて3つ紹介します。

それぞれ見ていきましょう。

体力低下や免疫力低下につながる

残業を日々積み重ねると、体力や免疫力低下につながる恐れがあります。睡眠時間の確保が難しいことや睡眠の質が低下することが原因です。

睡眠不足によるデメリットは以下のとおりです。

睡眠時間は、6〜8時間程度が適切といわれています。残業続きで毎日5時間程度しか寝られていない場合、1〜3時間の睡眠負債を貯めることになります。

とはいえ、休日に睡眠時間を補えるから大丈夫と思っている方もいるでしょう。しかし、寝だめでは睡眠不足の改善されません。

参考：厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

十分な睡眠を確保するには、労働時間と直接関係します。体調を崩す前に休養を取るか、職場から離れることを検討しましょう。

関連記事：転職した方がいいサイン14選！転職で避けるべき企業の特徴も紹介

脳や心臓の疾患につながる

月100時間の残業は、脳や心臓の疾患リスクを高める可能性があります。過労死ラインの超過が原因です。

厚生労働省の報告で、令和4年の脳・心臓疾患にかかわる労災が194件認定されています。

月100時間の残業や、2〜6か月で平均80時間のを超える残業のほか、一定の労働時間以外の負荷が要因と基準を定められています。

労働時間以外の負荷要因は以下のとおりです。

参考：厚生労働省「脳・心臓疾患の労災認定基準改正に関する4つのポイント」

長時間労働や、ストレスのかかる業務が疾患につながる傾向にあります。

体を壊す前に医療機関を受診したり、労働組合や労働基準監督署に相談するとリスクを下げられるでしょう。

過労死・自殺につながる

残業を続けるとメンタルが悪化し、過労死や自殺につながる可能性があります。ストレスや精神的にダメージを受ける恐れがあるからです。

令和4年における有職者の自殺は、8,576人というデータがあります。

原因については以下が挙げられます。

原因	人数
仕事疲れ	724人
人間関係	788人
仕事の失敗	351人
職場環境の変化	589人
その他	516人

仕事疲れの724人のうち144人は、長時間労働が原因です。

自殺を未然に防ぐには、家族や友人、同僚に相談すると解決につながりやすい傾向にあります。

相談できる人がいない場合、厚生労働省が相談窓口を設置しています。厚生労働省の「まもろうよ こころ」にアクセスしていただき、電話やSNSから相談すると良いでしょう。

実際に残業を100時間以上した3人の体験談

長時間労働を続けていてもいてもメリットはないでしょう。実際に残業100時間したことで、体験した事象を3つ紹介します。

それぞれ見ていきましょう。

睡眠不足で交通事故を2度起こした

氷河期末期世代だけど最初に就職したとこ給料15万、日曜のみ休み。月平均70時間程度の残業。100時間超えても20時間分ぐらいしかつかなかった。コレでも条件的には多分マシな方だけど睡眠不足から2度交通事故起こして辞めてCADオペと現場のバイト。んで地獄に戻るよりは…で自営業。

— tella (@tella_Ts) August 21, 2024

週6日出勤の残業月平均70時間では体も疲れます。寝不足から集中力や判断力が低下し、事故を起こすことも考えられます。

たとえば、8時から17時勤務の残業70時間では、毎日2時間40分程度の残業になるでしょう。毎日繰り返すことで寝つきが悪かったり、睡眠の質が低下したりします。

さらに長時間労働の上、残業代が支給されない職場は、精神的にもダメージが大きいでしょう。

事故を起こす前に休養が重要です。休暇を申請しても休めないなら、労働基準監督署や弁護士に相談しましょう。

大手企業の高収入でも精神崩壊

行動すれば人生はかわる。
昔の僕は大手企業に勤めて高収入。でも残業100時間、激しい社内競争で疲弊。将来が常に不安。メンタル限界。
このままじゃヤバいと思って、転職、お金の勉強、ライター業と行動していきました。小さな実績でもいい。重ねていけば「自分は変われる」って自信になります。 pic.twitter.com/Rp0EKaBgCg

— ぎょざ丸 | ライター (@gyoza_maru_w) June 7, 2022

大企業に就職し、高収入の職場は大半の方は憧れるでしょう。しかし、残業100時間もしているなら魅力的とはいえません。なぜなら、プライベートな時間は少ないからです。

たとえば、年収800万円でも自分の時間も充実しているなら人生幸せといえるでしょう。

一方で、ノルマがある職場は長時間労働になりやすく、精神的な負担も大きい傾向にあります。

機械的な業務と感じ、将来が不安と感じる方もいます。

毎日の残業がつらいなら、ぎょざ丸さんのように転職や勉強をして人生を変えましょう。

脳疾患を患ってしまった

家族や周りの為に月100時間以上の残業をして頑張った結果が脳出血起こして右半身が麻痺、ほぼ歩けず喋りも出来なくなったんだからやっぱり人生はクソだ

— LykoSiva (@ururusan_dayo) August 30, 2024

家族や周りの人のために頑張って働くことは大切です。しかし、脳疾患で体が動けなくなってしまってはあなたの人生は台無しです。

令和5年の長時間労働による脳・心臓疾患の労災認定を受けた方は216名います。

参考：厚生労働省「令和5年度 過労死等の労災補償状況」

支えてくれる方のために頑張ることは日本では美徳とされています。自分の人生なので命を削ってまで働くことは避けましょう。

動けなくなってから後悔しても手遅れになる。毎日残業でつらいなら、第三者に相談しましょう。

参考記事：会社がブラックすぎる！ブラック体験談とブラック企業に入社してしまったときの対処法を解説

残業が100時間ある職場の3つの対処法

残業100時間から抜け出すためには適切な方法があります。

それぞれ詳しく解説していきます。

退職を申し出る

残業100時間ある会社を退職することは一つの選択肢です。仕事を続けていても、残業が減る期待はできないからです。

たとえば、人が少ない職場では、残業で業務をカバーするといった考えが経営陣や管理職に持っている傾向にあります。

人材不足を残業で補うことが定着すると、残業時間や職場改善される取り組みはおこなわれにくいでしょう。続けていても体を壊すことも考えられるため、退職を検討しましょう。

弁護士に相談する

残業を100時間おこなっている場合、弁護士に相談しましょう。会社と法に基づいた交渉が可能です。

残業時間の改善や未払いの残業代を解決できる可能性があります。

長時間労働や給与に問題があるなら弁護士に相談してみてください。

退職代行サービスに依頼する

退職代行に依頼すると、法律に基づいて会社と直接退職の交渉が可能です。退職までを代理でサポートが行えるため、個人で退職交渉するより精神的に負担の少ない退職ができます。

退職代行サービスを利用するメリットは以下の3つです。

費用は2〜3万円程度かかります。しかし、「毎月100時間残業から解放したい」「残業の少ない仕事をしたい」方は利用を検討してみてください。

残業100時間から開放されるおすすめの退職代行サービス3選

残業100時間がつらいと悩んでいるなら退職することをおすすめします。しかし、残業続きの雰囲気で退職を伝えることは精神的にも負担が大きでしょう。

退職代行は、相談した翌日から退職が可能です。毎日の残業から解放されたいなら利用を検討してみてください。

おすすめのサービスについて3つ紹介します。

それぞれの特徴について紹介していきます。

退職代行Jobs

退職代行Jobsは、株式会社アレスが運営しています。労働組合と連携しているため、代理で会社と交渉が可能です。弁護士監修のため、法律にかかわる内容も対応できます。

退職代行Jobsは、残業100時間による体や精神面の疾患に対して、慰謝料を請求できる可能性があります。退職完了まで無制限でサポートを受けられるため、安心して利用できるでしょう。

相談は24時間、LINEやメールで受け付けています。公式ページにアクセスし無料で相談してみてください。

関連記事：退職代行Jobsの口コミ紹介！メリットや注意点、評判、料金などを解説

退職代行ガーディアン

退職代行ガーディアンは、東京労働経済組合が運営しています。国内で100社以上存在するサービスの中でも唯一、東京都から認定を受けています。退職に不安がある方でも、安心利用できるでしょう。

運営組織が労働組合ため、毎月過労死ラインを超える残業時間の問題を、法律に基づいて退職の交渉が可能です。

20年以上の実績があるため、依頼した即日から退職を実現できるサポートが受けられるでしょう。

相談は24時間対応をおこなっています。退職の不安や残業から解放されたい方は、一度公式サイトにアクセスしてください。LINEから無料相談を受け付けています。

関連記事：退職代行ガーディアンの口コミ・評判・体験談は？料金や注意点なども解説

退職代行OITOMA

退職代行OITOMAは、株式会社5coreが運営しています。運営者の代表も、過去に入社した職場がブラック企業で、サービス残業や休日出勤は当たり前な環境で働いていたそうです。

精神障害から電車でパニックを起こしたことがきっかけで、会社を辞めた経緯があります。つらい経験から、長時間労働や休日出社に苦しんでいる方を救いたい思いがOITOMAの強みです。

そのため、相談者の気持ちに寄り添った丁寧な対応に定評があります。

残業100時間から抜け出したい方は、公式ページにアクセスしていただき、LINEやメールから相談してみてください。相談は24時間対応が可能です。

関連記事：退職代行OITOMA（オイトマ）の口コミ・評判・体験談は？料金や注意点なども解説

残業100時間しているときによくある3つの質問

残業100時間しているときによくある質問を3つ紹介します。

それぞれ見ていきましょう。

残業100時間は甘えなのか？

残業100時間は甘えではありません。なぜなら法律に違反しているためです。体が疲弊しているにもかかわらず長時間労働をすると、健康被害のリスクが高まります。

たとえば、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクが高くなります。長時間労働は、疲労蓄積や睡眠不足につながり、体を壊す原因です。

過労死ラインを超えているなら、労働基準監督署や労働組合に相談しましょう。

関連記事：ストレスで退職は甘え？ストレスの原因や退職すべきサインを紹介

労働基準監督署に相談しても動いてくれないのはなぜ？

令和4年の労働基準監督署の運営は「長時間労働の是正及び過重労働による健康障害の防止を重点とした監督指導を行った」と報告されています。

参考：厚生労働省「令和4年労働基準監督年報」

動いてくれない原因には以下が考えられます。

刑事罰に問われる内容は管轄外のため、相談しても解決できません。

労働基準監督署に解決を求める際は、法律違反になる内容のデータを残して提出することが重要です。

過労で倒れる前兆は？

過労で倒れる前兆は以下の症状が挙げられます。

睡眠時間が少ない場合、倒れる原因になります。疲労が蓄積されやすく、休日では解消されません。

心身ともに疲れた状態が続くと、脳や心臓に負担がかかり疾患を引き起こす危険性もあります。

複数の症状が現れる場合、医師に診断してもらいましょう。

まとめ

この記事では、適正な残業時間や100時間残業が違法な理由、長時間労働の職場の特徴を解説しました。

残業100時間は過労死ラインを超える労働のため、疾患のリスクを高める原因になります。

毎日遅い時間まで残業をしている場合、法律違反になる可能性があるため、労働基準監督署や労働組合に相談しましょう。

しかし、改善には数か月かかる場合が大半です。体に異常を感じているなら退職も検討しましょう。退職代行では、相談した翌日から出社することなく退職が可能です。

紹介した退職代行サービスは、弁護士監修のため、法律にかかわる内容まで対応できます。手厚いサポートが受けられます。

過労死ラインを超える残業から1日でも早く抜け出したいならに一度相談してみてください。