看護師の仕事は過酷であるため「ホワイト病院で働きたい」と考える方が多いのではないでしょうか。

ホワイト病院に転職するには、「人間関係がよい」「教育体制が整っている」といった働きやすい特徴を理解しておくことが重要です。

この記事では、ホワイト病院の特徴や転職方法について解説します。

ブラック病院を見分けるポイントもみていきましょう。ホワイト病院で理想の働き方を実現したい方は、ぜひ参考にしてください。

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看護師が働きやすいホワイト病院の特徴9選

看護師が働きやすいホワイト病院には共通点があります。おもに以下のとおりです。

それぞれ詳しくみていきましょう。

1.人間関係がよい

仕事をするうえで多くの看護師が重視していることは、人間関係です。

看護業務はチームでの連携が不可欠で、円滑なコミュニケーションが求められるためです。

人間関係のよい職場は、お互いに協力し合ったり、相談できたりします。

たとえば、子どもの体調不良で呼び出されたときでも、周囲がこころよくサポートしてくれます。

看護師は働きやすく、ストレスも少ないといえるでしょう。

2.幅広い年齢層の看護師が在籍

ホワイト病院は、幅広い年齢層の看護師が働いています。

看護師一人ひとりが働きやすい環境であると考えられます。経験年数に応じた役割分担ができており、教育体制が整っている病院が多いです。

若手またはベテランばかりに偏り、中堅の少ない病院は注意しましょう。

経験を積んだ中堅が、病院になんらかの不満を持ち、転職していると考えられるためです。

ベテランばかりの病院は、新しいことを受け入れにくい雰囲気があります。

3.離職者が少ない

離職者の少ない病院は、看護師が働きやすいホワイト病院といえます。

人員不足にもなりづらく、業務が円滑にすすみます。

職員間の協力体制も整っており、定着率も高いところが多いです。加えて、働きやすい病院は産休・育休明けの復職率も高めです。

4.有給休暇を取りやすい雰囲気

病院は人手不足のところが多く、有休を取りにくいといえます。

ホワイト病院は、業務を分担し、職員間で協力し合う雰囲気があります。

チーム内で「おたがいさま」の気持ちが醸成されているため、比較的有休を取りやすいです。

5.残業が少ない

残業が少ない病院は、職員間の連携がスムーズで、業務分担も明確なケースが多いです。

そのため、長時間労働による負担が少ないといえます。ワークライフバランスも整えやすいでしょう。

ただし、患者さんの急変や緊急入院があった際は、残業が発生する場合もあります。

そのような場合でも連携がスムーズであるため、残業時間を少なくできるのです。

診療科の特性によって、残業時間の程度が異なることを理解しておきましょう。

6.教育体制が整っている

ホワイト病院は、新人や中途採用者に対しての教育のほか、在職中の看護師への教育体制が整備されています。

新人看護師には、一つひとつ細やかな指導が必要です。

患者さん対応や看護技術、看護記録などさまざまあります。プリセプター制度が導入されている病院は、教育が手厚いといえるでしょう。

クリニカルラダーを採用している病院も、経験に応じた研修があるため、一定の教育が受けられます。

7.研修や勉強会は勤務時間内

勤務時間内に研修や勉強会をおこなっている病院は、看護師の負担を考慮してくれています。

仕事とプライベートのメリハリがつき、働きやすいでしょう。

8.福利厚生が整っている

福利厚生が充実している病院は、職員を大切にしてくれる病院です。

働きやすく、経済的にも余裕ができます。規模の大きい病院や、経営母体のしっかりした病院は、福利厚生が手厚い傾向です。

福利厚生には、法律で加入が義務づけられている「法定福利厚生」と、企業が任意で加入する「法定外福利厚生」があります。

働きやすさと関連するのは「法定外福利厚生」です。

法定外福利厚生の例をみてみましょう。

これらが充実している病院は、働きやすいホワイト病院だと考えられます。

9.病院内が清潔で整理整頓されている

ホワイト病院は、院内が清潔で整理整頓されているのも特徴です。

病院全体の床掃除などは、清掃業者がおこなっているケースもあります。

患者さんのベッド周囲の掃除や物品の整理整頓は、看護師がおこなうケースが多いでしょう。

物品が乱雑に置かれている病棟は、人員不足で環境整備まで手が回っていない可能性があります。

院内の環境が病院に対するイメージに影響することを意識できていないかもしれません。

ホワイト病院とブラック病院を見分けるポイント7つ

ホワイト病院とブラック病院を見分けるポイントは、以下の7つです。

それぞれ解説しますので、求人応募の際の参考にしてください。

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1.年間休日数

年間休日数を確認しましょう。年間110〜120日以上を目安にしてみてください。

年間休日数が多い病院は、看護師がしっかり休める環境であり、ホワイト病院といえます。

気分もリフレッシュ・リラックスでき、ストレスを軽減できます。仕事のモチベーションアップにもつながるでしょう。

週休2日で1カ月4週として計算した場合、年間休日数は96日となります。

夏期休暇や年末年始休暇を加えると、110日以上あるのが理想的です。

2023年の「病院看護実態調査報告書」によると、就業規則で定められた所定の年間休日数は「120～130日未満」が44.1％で最も多い結果でした。

次いで「110〜120日未満」が31.7％で、平均は116.6日でした。

【参考記事】日本看護協会調査研究報告書　＜No.100＞2023年　病院看護実態調査報告書／日本看護協会

2.看護体制

看護体制は働きやすい病院であるかどうかの手がかりとなるでしょう。

看護体制は、重症度や状態に応じた看護を提供するために、病院・病棟ごとで定めています。

看護師1人が患者7人を受け持つのであれば「7対1」となります。診療報酬や入院基本料との関連があり、看護師の配置が手厚ければ、入院基本料が高くなる仕組みです。

比率は、病院の特徴や患者さんの状態により異なります。「7対1」「10対1」「13対1」などがあります。

注意が必要なのは、「受け持ちが少なければ看護師の負担が減る」といったイメージです。

たとえば、「7対1」は「10対1」より受け持ちの人数が少ないため、業務の負担が減ると考える方もいるでしょう。

しかし、「7対1」は「10対1」より患者さんの重症度、看護必要度は高いのです。

看護体制と業務内容、給与が見合っているかも確認しましょう。

【参考記事】7対1入院基本料について（参考資料）／厚生労働省

3.夜勤の勤務体制と回数

夜勤が三交代か、二交代かを確認しましょう。

看護師が病棟で働く場合、夜勤は必須です。自分に合った勤務体制を選びましょう。

2023年の「病院看護実態調査報告書」によると、病棟で採用している夜勤・交代勤務の形態は「二交代（夜勤1回あたり16時間以上）」が75.7％と最も多い結果でした。

＜夜勤・交代制勤務の勤務形態（複数回答、n=3,699）＞

	件数	割合
三交代（変則含む）	1,065件	28.8％
二交代 （夜勤1回あたり16時間以上）	2,801件	75.7％
二交代 （夜勤1回あたり16時間未満）	672件	18.2％
その他	42件	1.1％
無回答・不明	3件	0.1％

勤務体制はそれぞれメリット・デメリットがあります。

たとえば、三交代勤務の場合、夜勤回数は多くなりますが、1回の勤務時間は短くなります。

一方、二交代勤務の場合、夜勤回数は少なめですが、1回の勤務時間は12～16時間と長くなるのです。

どちらが働きやすいかは人それぞれで、自分に合った働き方を選ぶのが大切です。

月平均の夜勤回数もチェックしましょう。2023年の同調査によると、調査月の1カ月間の1人あたり月平均夜勤回数は三交代で7.5回、二交代制で4.9回という結果でした。

＜1人あたりの月平均夜勤回数＞2023年9月

	三交代制の病院（n=982）	二交代制の病院（n=3,015）
月平均夜勤回数	7.5回	4.9回

※平均夜勤回数は、夜勤をおこなわない看護職員（休業中の者を含む）は対象から除いて計算

夜勤回数が平均より極端に多く、常態化している場合は、注意した方がよいでしょう。

4.キャリアアップ支援制度の有無

キャリアアップの支援制度のある病院は、ホワイト病院といえるでしょう。

看護師はスキルアップや資格取得を目指せるため、モチベーションを保って働けます。病院が長期的な視野で人材育成を考えていることもわかります。

一方、支援制度のない病院ではモチベーションを保ちづらく、転職につながる可能性が高いです。

支援制度の内容は病院によって異なるため、応募前に確認しましょう。

5.求人の募集頻度

ホワイト病院とブラック病院を見分けるには、求人の募集頻度をチェックするのも手です。

働きやすく定着率のよい病院は、募集の頻度が低めです。

頻繁に求人の募集が出ている病院は、離職率の高い病院と予想できます。

看護師が働き続けられない、何らかの原因があるかもしれません。口コミや評判を十分に確認しましょう。

6.求人情報の内容

求人情報の内容が詳しく記載されている病院は、ホワイト病院です。

必要な情報が掲載されていない場合や、応相談としている場合は転職後にギャップを生じ、後悔する可能性があります。

7.口コミや評判

ホワイト病院は、院内の職員教育が行き届いているため、口コミや評判がよいです。

看護師転職サイトやGoogle検索などから、口コミを確認するのもよいでしょう。

ただし、口コミがすべて事実であるとは限らないため、参考程度にするのがおすすめです。

内部情報に詳しい人からの、信頼できる情報も確認してください。

看護師がホワイト病院に転職する方法5つ

「転職するならホワイト病院にしたい」と考える方は多いでしょう。

ホワイト病院に転職する方法は、以下の5つが挙げられます。

ひとつずつ解説しますので、応募先を決める際の参考にしてください。

1.求める条件・避けたい条件をリストアップする

職場に求める条件と避けたい条件を明確にし、リストアップしておきましょう。

たとえばライフワークバランスや給与水準、人間関係などに関することです。理想の労働時間や、自分にとって重要な要素を明確にしてみてください。

一般的にホワイト病院といわれるところでも、自分の求める条件と異なる場合は、転職で後悔する可能性があります。転職で求める条件をよく考えるのが大切です。

合わせて避けたい条件も考えておきましょう。応募先を最終的に絞るときに役立ち、転職の失敗を防げます。

2.希望する職場の情報収集をする

ホワイト病院に転職するためには、詳細な情報収集が欠かせません。

前述のポイントをふまえ、自分が働きたい病院の情報を収集しましょう。

病院のホームページやハローワークインターネットサービス、eナースセンターなどで一般的な情報収集は可能です。

しかし、気になる内部事情までは掲載されていません。内部情報や病院の雰囲気を知りたい場合は、転職エージェントの利用がおすすめです。

3.候補先は複数考える

行きたい病院が決まっている方以外は、候補先は複数考えてみてください。

複数を比較することで、自分の希望に合った病院を見つけやすくなります。

転職の失敗を防ぐためにも効果的です。多すぎると迷う可能性があるため、2～3ヵ所に抑えるとよいでしょう。

4.職場見学で雰囲気を確認する

実際に現地に足を運び、院内の様子を確認するとよいでしょう。

ホームページではわからない現場の雰囲気や、職員の対応などを確認できるためです。

職員は楽しそうに働いているか、患者さんへの対応は適切かなどチェックしてみてください。

最近は、セキュリティ面や感染防止対策などで、一般の方は病棟まで行けない場合が多いです。

病棟の様子を見学したい場合は、病院や転職エージェントに相談するようにしてください。

5.看護師転職エージェントを利用する

ホワイト病院への転職は、転職エージェントを利用することも方法のひとつです。

在職中の看護師は忙しいため、自分で情報収集する時間をとれない可能性があります。

転職エージェントは、求人紹介から面接の日程調整、病院との連絡を代行してくれるので、効率的に転職活動ができます。

キャリアアドバイザーは内部情報に精通しているため、気になる情報を収集しやすいでしょう。一般には公開されていない「非公開求人」を保有している場合もあります。

ホワイト病院で働きたい看護師は転職エージェントの力を借りよう

ここではホワイト病院の転職におすすめの、看護師転職エージェントを3つ紹介します。

ナース専科 転職（旧ナース人材バンク）

ナース専科転職は「ナース専科」の会社が運営する看護師専門の転職エージェントです。

1980年に看護専門誌を創刊したところから看護師支援サービスがはじまりました。

2024年ブランドが統合され、「ナース専科就職」「ナース専科」「ナース専科転職」でサービスを提供しています。

求人は電話やメール、LINEなど希望の方法で紹介してもらえます。

過去の紹介実績や職場の雰囲気など気になっている点の確認が可能です。

必要書類の添削や面接マナー、質問対策のサポートが受けられるため、不安のない状態で面接にのぞめるでしょう。

看護roo!（カンゴルー転職）

看護roo!転職は、看護師の転職支援実績10年以上の転職エージェントです。

累計利用者数60万人を突破しており、若手看護師の支援を得意としています。

求人は「エージェント求人」と「直接応募求人」の2種類から選べるため、自分のペースで転職活動を進められます。

初めての転職の場合は、書類や面接対策のサポートがあるエージェント求人がおすすめです。

キャリアアドバイザーは「転職するべきかわからない」「何からはじめたらよいかわからない」といった悩みにも寄り添ってくれます。気軽に相談しやすいのも嬉しいポイントです。

ナースではたらこ

ナースではたらこは、2009年サービス提供を開始した転職エージェントです。

これまで数多くの看護師の転職を成功させています。

転職は「日勤勤務を維持しながら、130万円の大幅年収アップ」「出産直後のため育児と両立できるか悩み、育児に理解のある病院に転職」といった成功事例があります。

年収やボーナスなど、聞きづらいことをキャリアアドバイザーが確認してくれるため、不安や疑問を軽減できるのがメリットです。

履歴書の書き方や面接対応のサポートもあるため、転職を成功に導きやすいでしょう。

病院以外の看護師が働きやすい職場

看護師が働きやすい職場を選ぶ場合、病院以外の選択肢もあります。以下は看護師が比較的働きやすい職場です。

ひとつずつ解説しますので、転職先を検討する際の参考にしてください。

関連記事：看護師資格が使える珍しい求人22選！仕事を見つけるポイントも解説

1.健診（検診）センター

健診センターは、病気の予防や早期発見、健康維持を目的とし、健康診断や人間ドックをおこなう機関です。

看護師のおもな仕事は、身体計測や採血、医師の診療の補助などです。

予防医学の知識や、接遇スキルが身につくなどのメリットがあります。

日勤の仕事であるため、生活リズムが整いやすく、病棟勤務より体力の負担は少なめです。

採血が得意な方や接遇スキルに自信のある方、ルーティンワークが苦にならない方に向いています。

2.訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、訪問看護をおこなう看護師や理学療法士、作業療法士が在籍する事業所です。

看護師は、利用者の居宅に訪問し、健康状態の観察や医療的な処置をおこないます。

幅広い年代、さまざまな疾患の利用者を訪問するのが特徴です。

一人ひとりに合わせた看護を提供でき、感謝の言葉を直接もらえるので、やりがいを感じられます。

夜勤はありませんが、ほとんどのところでオンコール対応があります。利用者に合わせた看護をおこないたい方、在宅医療に興味がある方に向いているでしょう。

訪問看護ステーションは近年増加傾向にあり、求人募集も増えています。

関連記事：訪問看護の転職方法とは？失敗しない求人の探し方を解説！

3.クリニック

クリニックは、地域に住む患者さんが通院し、診察や治療を受ける医療機関です。

病気の診療や治療だけでなく、インフルエンザの予防接種に対応しているところもあります。

看護師のおもな仕事は、バイタル測定や採血・点滴、診療の補助などです。

夜勤はなく、休日はほぼ固定であるため、予定を組みやすいのがメリットです。

ただし、夜勤がないため、病棟からの転職の場合は、給料が下がると考えてよいでしょう。

ワークライフバランスを整えたい方や、地域に貢献したい方に向いています。

まとめ　

看護師がホワイト病院で働くためには、ホワイト病院の特徴を理解して求人を探すことがポイントです。

候補先は複数考え、職場見学で雰囲気を確認するなどして、自分に合った求人に応募しましょう。

ホワイトと考える基準は人それぞれです。自分が何を優先にしたいのか、目指すキャリアが実現できそうかを考えることも重要です。

働きやすい病院に転職したい方は、転職エージェント利用し対策を取るとよいでしょう。