ケアマネの仕事をしていて心が折れる経験をした方もいるでしょう。

ケアマネの仕事は心が折れる、しんどいと言われる理由は何か？といったように、ケアマネの現状を知りたい方もいるでしょう。

本記事では、ケアマネの仕事は心が折れる理由やケアマネの現状、ケアマネをしていて心が折れると感じた際の対処法などを紹介します。

またケアマネに向いている人や向いていない人の特徴、ケアマネを辞めたほうがいいケースなども解説します。

ケアマネの仕事をしてツラくて心が折れると感じている方に役立つ内容なので、ぜひ参考にしてください。

関連記事：介護職向け転職エージェントおすすめ15選｜資格・施設別に徹底比較【2024年最新】

ケアマネは心が折れる？しんどい理由

ケアマネは心が折れると言われるのはなぜでしょうか。

ケアマネの仕事がしんどい理由は、主に以下の5つです。

それぞれ具体的な内容を見ていきましょう。

業務の範囲が広い

ケアマネは業務範囲が広く、以下のようなさまざまな仕事をしなければいけません。

なかには、ケアマネが職員の勤怠管理や事務作業などを行う事業所もあります。

このように、仕事の幅が広く終わりが見えない業務に対して心が折れてしまう方がいます。

無理をしてメンタルを崩して病んでしまうと、日常生活にも影響するため適切な仕事管理が大切です。

不満を言われることが多い

ケアマネの主な仕事は「ケアプランの作成」ですが、実際に介護サービスを提供するのは、現場の介護職や看護師です。

そのため、現場のニーズとケアマネが作成したケアプランの内容がズレていると、現場から不満の声があがることもあります。

またご利用者やご家族のなかには、信頼関係が築けていないことで、ケアマネに対する不満を口にする方もいます。

完璧なケアプランは存在しないため、内容に不満を持たれるのは仕方ないことです。しかし、ケアプランがご利用者の生活すべてを支えているわけではありません。

ケアプランを作成するケアマネだけが悪者扱いされることで、心が折れてしまうのでしょう。

多くの人の意見を聞く必要がある

ケアマネは、さまざまな人の意見を聞かなければいけません。

たとえば、ご利用者のニーズを把握しケアプランを作成するためには、以下のような方々に話を聞く必要があります。

ケアマネは、こういった方々の連絡調整役も担っているため、板挟みになりやすい仕事です。

さまざまなところから、一方的にクレームだけ言われて、理不尽な対応に心が折れることもあるでしょう。

定期的に資格を更新する必要がある

ケアマネは民間資格で、定期的に更新研修を受ける必要があります。

更新の機会は5年ごとに訪れ、何十時間もある研修を受けないと資格が失効してしまいます。

更新研修を受けるためには、事前に申し込んで自分で日程調整をしなければいけません。

資格を失効したままにしておくと、ケアマネ業務ができなくなるだけでなく、更新研修の時間や費用などの負担も増加します。

働きながら更新研修を受けることになるため、職場と相談しながらスケジュール調整するのも現役のケアマネにとっては大きな負担といえるでしょう。

さまざまな知識やスキルを必要とされる

ケアマネは介護保険のスペシャリストといわれており、介護に関する知識は確実に頭に入れておく必要があります。

また、ご利用者やご家族、各関係者と直接接する機会が多いため、基本的なコミュニケーションスキルも求められます。

さらに信頼関係を構築するための面談技法や心理学など、より高度なコミュニケーションスキルも必要になってくるでしょう。

ケアプランを作成する際には、さまざまな介護サービスを知っておく必要があるため、日頃から地域の介護サービスや社会資源についてリサーチしておくことも大切です。

業務量の多さとともに、求められる知識やスキルに対して負担を感じてしまい、心が折れてしまうのかもしれません。

心が折れるといわれるケアマネの現状

心が折れるといわれるケアマネのマイナスな現状について、以下3つの視点から解説します。

ケアマネは、資格を取るまでの試験や研修などの負担が大きいのが現状です。

ケアマネの現状や課題を知り、今後のキャリアプランを考える際の参考にしてください。

処遇改善加算が生み出した介護職との逆転現象

介護職員の給料を改善するために、2009年より「介護職員処遇改善加算」が開始されました。

この制度は、主に現場で働く介護職員の給料を改善するために、国から補助金が支給されるものでケアマネは対象外でした。

分配方法は事業所によっては異なり、なかにはケアマネや看護師などの職種に支給しているところもありますが、基本的には介護職員のための加算制度です。

そのため、キャリアアップのためにケアマネの仕事に挑戦しても、処遇改善加算のある介護職員は給料が高いというケースもあります。

【参考記事】介護職員の処遇改善｜厚生労働省

明らかに負担が多すぎるケアマネの業務量

ケアマネの仕事は、範囲が明確になっていないため、どこまで対応していいのかわからないという方もいるでしょう。

ご利用者やご家族のなかには「困ったらとりあえずケアマネさんに相談すればいい」という考えの方もいて、ケアマネが何でも屋さんみたいになっているのが現状です。

明確な範囲がなく終わりが見えない業務量の多さに、ケアマネの心が折れてしまうのかもしれません。

ケアマネの働き方を改善するためにも、業務の範囲を少しでも明確にして、負担を減らす取り組みが求められるでしょう。

必要性を疑問視されている更新研修

ケアマネは資格取得後も、5年ごとの更新研修を受けなければいけません。

更新研修の目的は、以下のようなことが挙げられます。

目的自体は素晴らしいことですが、働きながら研修を受けなければいけないケアマネにとって、研修の時間や費用は大きな負担になっています。

研修内容も形式的なものになっており「更新研修は本当に必要？」「長時間する意味はある？」といった疑問視される声もあがっているのが実情です。

ケアマネの仕事で心が折れると感じた際の対処法

ケアマネの仕事で心が折れると感じた際の対処法は、以下の3つです。

上から順に試してみて、心が折れる状態から抜け出せない場合は、一度ケアマネから離れるという選択肢も持っておきましょう。

それぞれの具体的な方法を解説します。

今できる改善策を試してみる

まずは心が折れる理由を明確にした上で、今できる改善策を試してみましょう。

たとえば、以下のような現状に対して、それぞれ改善策を考えてみてください。

心が折れる理由	改善策
業務量が多すぎる 担当のご利用者のご家族と相性が悪い 研修やスキルアップの負担が大きい	上司に相談して業務量を減らしてもらう 担当のご利用者を変更してもらう 有休を使って研修やスキルアップの機会を持つ

環境を変えなくても、今の職場で変えられることは必ずあります。うまくいくかはわかりませんが、一度改善策を試してみることが大切です。

職種を変える

ケアマネをして心が折れる状態まで陥ると、今後ケアマネをしたくないという気持ちになる方もいるでしょう。

そういったケースの場合は、職種を変えるのが効果的です。たとえば、以前していた介護職や看護師などに戻るのもいいでしょう。

一度ケアマネ業務から離れることで気分がリフレッシュされ、メンタルの安定につながります。職種を変えて働く中で、またケアマネをしたいと思えば戻るのは簡単です。

ケアマネの仕事を通じてメンタルに不調を感じている方は、折れた心を癒すためにも、ケアマネ以外の仕事をして気分転換しましょう。

転職する

業務量を見直したり職種を変えたりするなど、今の職場でできる改善策が有効でない場合は、思い切って転職しましょう。

転職する場合は、心が折れる原因を解決できる職場を見つけましょう。

たとえば、業務量が多く残業をしているにもかかわらず残業代が支給されないのであれば、確実に残業代が支給される職場を選んでください。

ケアマネの待遇が悪い職場であれば、今よりも条件がよくキャリアアップの選択肢も充実している職場がおすすめです。

転職する際は、本記事で紹介している「ケアマネにおすすめの転職エージェント3選」を参考に、理想の職場を見つけてください。

ケアマネに向いている人

ケアマネには向き不向きがあり、自分との相性を知るのは仕事を続ける上で大切です。

ケアマネに向いているのは、以下のような人です。

ぜひ自分自身の特徴と比べながら、ケアマネに向いているか考えてみてください。

さまざまな人とのコミュニケーションにストレスを感じない人

ケアマネはご利用者やご家族だけでなく、施設職員や市役所の職員、各種関係機関の担当者など、さまざまな人と関わる必要があります。

そのため、さまざまな人とのコミュニケーションに対して、ストレスを感じない人はケアマネに向いているでしょう。

人との付き合いが好きということも、ケアマネにとっては強みとなります。

また、ご利用者のニーズを聞き取るための質問力が高いといったスキルも、ケアマネを続ける上で重要になってくるでしょう。

複数のことを同時に取り組める人

ケアマネの仕事の幅は広く、ひとつのことをやっていればいいわけではありません。そのため、複数のことを同時に取り組める人が、ケアマネに向いているでしょう。

たとえば、ケアマネは1日の中で以下のような仕事をこなす必要があります。

このような仕事をする中で、優先順位をつけたり、他の職員に協力を依頼したりしながら、スムーズに進めることがケアマネに求められるスキルです。

自己管理が得意な人

ケアマネは、基本的に仕事の管理を自分で行わなければいけません。そのため、スケジュールやタスク管理などが得意な人は、ケアマネに向いています。

逆に誰かに言われないと仕事を進められないような人は、ケアマネの仕事をしても苦労するでしょう。

そのほか、ケアマネはデスクワークが多く身体を動かす機会が少ないため、プライベートで運動習慣を身につけることが大切です。

仕事や体調面などの自己管理をすることは、ケアマネにとって重要な仕事のひとつと言えるでしょう。

ケアマネに向いていない人

一方で、以下のような人はケアマネに向いていない可能性があります。

それぞれ詳しい内容を解説するので、自分を客観視しながら参考にしてください。

自分の考えを曲げられない人

ケアマネは、ご利用者の要望や身体状況などを考慮した上で、その方に適した介護サービスを提案するのが主な仕事です。自分の考えだけでは、いい介護サービスは提案できません。

そのため、他人の意見を聞き入れず自分が正しいと思っている方は、ケアマネに向いていないでしょう。

ケアマネをする際は、自分の価値観で物事を判断するのではなく、ご利用者やご家族にとって最適なサービスは何か？どのような生活を求めているのか？といった、相手に寄り添った考え方が大切です。

感情のコントロールが苦手な人

感情のコントロールが苦手な人は、ケアマネに向いていません。

ケアマネをしていると、ご利用者やご家族から理不尽な対応をされるケースがあります。たとえば、転倒事故が発生した際にケアプランのせいにされたり、夜中でも関係なく電話がかかってきたりといったケースです。

そういったケースで感情的になって対応すると、相手との信頼関係を失い、いい介護サービスを提供できなくなります。

ケアマネは自分の感情をコントロールしながら、さまざまな人とかかわっていくことが大切です。

他人を見下してしまう人

自分を上位職だと思い、他人を見下すような姿勢の人はケアマネに向いていません。ケアマネは資格取得までに時間がかかり、試験内容も難しいため、自分を位の高い職業だと勘違いする場合もあるでしょう。

ケアマネはご利用者やご家族、サービスを提供する介護職などに対して、同じ目線で接することが大切です。

一人ひとりに寄り添ったかかわりが、ご利用者のニーズを満たす質の高いケアプランにつながります。

ケアマネがかかわる人と同じ目線で接することは、信頼関係を築く上でも非常に重要です。

ケアマネを辞めたほうがいいケース

ケアマネの仕事は心が折れると感じていても、辞めるべきかどうか悩んでいる方もいるでしょう。

以下のようなケースであれば、ケアマネを辞めたほうがいいかもしれません。

ひとつでも当てはまる場合は、ケアマネを辞めたほうがいいでしょう。

それぞれの詳しい内容を紹介するので、ケアマネを続けるか辞めるか選択する際の参考にしてください。

ケアマネを辞めてよかった場合のケースについては、以下の記事で紹介しているのでぜひご覧ください。

【関連記事】 ケアマネを辞めてよかった理由7選！辞めたいときの対処法や転職のポイントを紹介

人間関係が悪化している

人間関係が悪化している場合は、今の職場を辞めたほうがいいかもしれません。

たとえば、以下のような方々との人間関係がうまくいっていない場合は、今の職場でケアマネを続けるのは難しいかもしれません。

• 同僚や上司
• ご利用者
• ご家族
• サービスを提供する介護職
• そのほかの専門職
• 各種関係機関の担当者

ケアマネの仕事は、さまざまな人との信頼関係によって成り立っています。

信頼が失われれば相手とのコミュニケーションが減り、いいケアプランを作れない可能性もあります。

上司や同僚からハラスメント行為を受けているような場合であれば、心身の状態が崩れる前に、できるだけ早く辞めたほうがいいでしょう。

ストレスによる身体的不調が見られる

人間関係の悪化や業務量の負担増加などによりストレスが溜まり、心身の不調が見られている場合は、ケアマネを辞めたほうがいいでしょう。

心身に不調があるにもかかわらず、無理をして働き続けると、うつ病をはじめとした心の病気につながる恐れがあります。メンタルに不調をきたし完全に心が折れると、元の状態に戻すのは大変です。

心身の不調を感じたら、早めに専門の医師に相談しましょう。

労働時間に対する収入が明らかに低い

ケアマネは業務量が多く、残業をしなければいけないこともあるでしょう。

しかし、残業代が支給されないサービス残業が当たり前になっている場合は、今の職場を離れるほうが大切です。

残業代が支給されない職場では、以下のような状態になります。

職場の特徴	実際の労働時間	給与
残業代が支給される	190時間（残業20時間ほど）	約30万円
残業代が支給されない	200時間（残業30時間ほど）	約27万円

このように長時間働いているにもかかわらず、残業代が支給されないことで収入が低い場合は、時間を無駄に消費しているため辞めたほうがいいでしょう。

ケアマネにおすすめの転職エージェント3選

ケアマネの仕事で心が折れると感じる場合は、思い切って職場を変えることも検討しましょう。

ここでは、ケアマネにおすすめの転職エージェントを3つ紹介します。

ケアマネを続けたい方だけでなく、介護職に戻りたい方や他の職種への転職を検討している方にもおすすめです。それぞれのエージェントの特徴や強みなどを見ていきましょう。

介護業界での転職におすすめのエージェントは、以下の記事でも紹介しています。

【関連記事】介護士転職エージェントおすすめ19選の比較ランキング｜口コミ評判や注意点を解説

レバウェル介護

レバウェル介護は、以下のような特徴があります。

レバウェル介護は、主に介護職の求人を取り扱う転職エージェントですが、ケアマネを含めさまざまな職種の求人も豊富に取り扱っています。

人間関係の状況や働いている職員の特徴など、職場の内部情報についても聞けるため、条件面以外のことも事前に知りたいという方におすすめです。

ミラクス介護

ミラクス介護の特徴は、以下のとおりです。

ミラクス介護は利用者の満足度が高く、なかには年収を80万円アップした転職成功事例もあります。

そのため、現在の職場で給与面に不満がある方はミラクス介護のコンサルタントに相談してみるといいでしょう。

マイナビ介護職

マイナビ介護職は、以下のような特徴がある転職エージェントです。

※【参考記事】数字で見る人材紹介事業｜株式会社マイナビ

マイナビ介護職は、地方の求人も豊富に取り扱っており、多くの人に支持されている転職エージェントです。都市部以外にお住まいの方でも、希望の求人を見つけやすくなっています。

またキャリアアドバイザーの情報収集力が高く、希望する転職先の詳しい情報を事前に知れるため、「思っていた職場と違った」といった、入社後のギャップをなくせるでしょう。

ケアマネに関するよくある質問

ケアマネに関するよくある質問は、以下の3つです。

それぞれの質問にわかりやすく回答しているので、ぜひご覧ください。

ケアマネと介護福祉士はどちらが給料高い？

厚生労働省が発表したデータによると、ケアマネと介護福祉士の給料はそれぞれ以下のとおりです。

職種	平均給与
介護福祉士	331,080円
介護支援専門員（ケアマネ）	361,770円

介護福祉士よりもケアマネのほうが、およそ3万円給与が高い結果となっています。

給与アップを含めたキャリアアップを狙っている方は、ケアマネ経験を活かした転職がおすすめです。

ケアマネにおすすめのストレス発散方法は？

ケアマネにおすすめのストレス発散方法には、以下のようなことがあります。

休日は、とにかく自分の好きなことを楽しんだり、身体をしっかり休めたりすることで、心身がリフレッシュされてストレスを発散できます。

ケアマネの仕事に将来性はある？

今後も高齢化率が高まることが予想される中で、ケアマネの必要性も高まっていくでしょう。

ケアマネ研修の見直しや、待遇面の改善なども議論されていることを考えると、ケアマネは将来性がある仕事と言えます。

「このままケアマネを続けても大丈夫？」と不安に感じる方もいるでしょう。しかし介護職を含め、介護業界に携わる仕事に関しては、職務経歴を含めた働き方改革が、今後も行われることが予想されます。

今はケアマネから一時的に離れたとしても、資格がなくなるわけではないため、ケアマネの将来性を見極めながら自分のペースで働くことが大切です。

最後に｜ケアマネをして心が折れると感じた際は無理をしないことが大切

ケアマネは業務量が多く、さまざまな人との関わりや連絡調整が必要な仕事のため、ストレスを抱えやすいといった特徴があります。

このままケアマネを続けていてもツラいだけだと感じている場合や、ストレスによって心身に不調が現れている場合は、思い切って環境を変えることも必要になるでしょう。

「ケアマネをしていて心が折れそう」「仕事が辛くて心が折れるか不安…」といった悩みを抱えている方は無理をせず、本記事で紹介している対処法を参考に、今後のキャリアを考えてみてください。