看護師として転職を考える際、今よりも給料が下がるのではないかと不安を抱える方は少なくないでしょう。

キャリアチェンジのために職場を変えたいと思っても、収入が減る可能性を考えて転職に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、看護師の転職で給料が下がる理由と、収入をアップさせるための対策を詳しく解説しました。

収入アップのコツとあわせて、給与交渉のポイントも紹介しています。

現在の職場に不満を感じている看護師の方は、最後まで記事を読み、転職活動の参考にしてください。

また、効率的に転職活動を進めるには、看護師に特化した転職支援サービスの利用をおすすめします。

転職エージェントは無料で給料が上がるかどうかの相談が無料でできるので、ぜひ一度相談してみてください。

関連記事：看護師向け転職エージェントおすすめ19選を徹底比較【2025年最新】

看護師は転職すると給料が下がる可能性がある

結論として、看護師が転職すると給料が下がる可能性があります。

しかし、転職後に必ず給料が下がるわけではなく、現状の収入を維持したり逆に上がったりするケースも少なくないでしょう。

給料が下がる具体的な理由としては、各種手当の減少や、勤務形態の変化などが挙げられます。

一方で、管理職へのキャリアアップや、より高度な専門職への転職などにより、現職よりも給料が上がることも考えられます。

看護師として転職を検討している方は、自分の状況を客観的に判断し、収入がどのように変化するかシミュレーションしたうえで、転職活動を進めてください。

看護師の転職で給料が下がる理由

看護師が転職する際、給料が下がる具体的な理由を6つ解説します。

当編集部が実施したアンケート調査の結果も紹介しますので参考にしてください。

【アンケート名】看護師の転職に関する実態調査
【調査日】2024年3月11日
【調査対象】看護師で転職を経験したことがある男女
【調査人数】266人（男性42人/女性224人）
【調査方法】アイブリッジ株式会社Freeasyを用いたインターネットリサーチ（調査元：キャリアアップステージ編集部）

基本給が低く設定される

転職する病院によっては、基本給が低く設定されることがあります。

そのため、転職先の基本給が前職よりも低い場合、給料は下がる可能性があるでしょう。

日本看護協会の調査によれば、勤続10年目の看護師の基本給は、医療施設によって差がありました。

具体的な基本給は、以下の表のとおりです。

医療施設の種類	平均基本給与額
日本赤十字社	276,511円
公立病院	271,526円
医療法人	235,656円
個人経営の病院	230,257円

参考：2023年 日本看護協会調査研究報告

個人経営の病院と日本赤十字社では、基本給に約4万円の差がありました。

また、当編集部が実施したアンケート調査には、以下の声が寄せられています。

転職先の医療施設の種類や条件によって、給料が下がることも十分に考えられます。

夜勤手当が減少する

転職先が日勤のみで働く病院の場合、夜勤手当が減少するため給料は下がりやすいです。

同様に、夜勤手当の支給額が低い病院へ転職した場合も、給料が下がる要因となります。

日本看護協会の調査によると、夜勤手当の平均額は以下のとおりです。

そのため、以前働いていた病院よりも夜勤手当が減ると、給料も下がる傾向があるでしょう。

以下の記事では日勤のみで働く看護師の給料や年収を詳しく解説していますので、あわせて読み進めてください。

関連記事：日勤のみで働く看護師の年収は？おすすめの職場やメリット・デメリットも解説

参考：2023年 病院看護実態調査報告書

残業手当が減少する

残業の少ない病院へ転職した場合、給料は下がりやすいでしょう。

完全予約制のクリニックや勤務時間よりも早く診察が終了する病院では、残業は発生しにくく、定時で退勤しやすいです。

転職前の病院で残業が多かった場合は、基本給に差がなくても、転職によって給料が減少する可能性があります。

地域によって給与水準が異なる

医療施設の基本給は、地域によって大きく差があります。

そのため、基本給の低い地域の病院へ転職した場合、給料は下がる可能性もあるでしょう。

都道府県ごとの基本給の差は、以下のとおりです。

都市部から比較的物価の安い地方へ転職した場合、生活費は抑えられるかもしれませんが、収入の減少も考えられます。

参考：2023年 日本看護協会調査研究報告

病院の福利厚生に差がある

転職先の福利厚生制度が以前の病院より劣る場合、実質的な収入の低下につながる可能性もあるでしょう。

例えば、住宅手当の支給額や条件は病院によって大きく異なります。

家賃の高い都市部では手厚い住宅手当が支給される病院がある一方、地方都市では支給額が少ない場合も見られます。

病院ごとの基本給に差がなくても、福利厚生によって手取り額は大きく変わります。

そのため、転職する際はどのような待遇を受けられるのか、しっかりと確認してください。

時短勤務やパートを選択する

転職後に時短勤務やパートといった働き方を選んだ場合は、正社員の看護師と比べて労働時間が減るため給料は下がります。

また、賞与（ボーナス）の支給額も、フルタイムで働く看護師と比べて減額されたり、支給対象外となったりする可能性もあるでしょう。

ただし、時短勤務やパート看護師として働くと、プライベートの時間を確保しやすくなるメリットもあります。

以下の記事ではパート看護師の年収や時給相場を解説していますので、転職を検討している方は参考にしてください。

関連記事：パート看護師の年収・時給相場はいくら？扶養に関する不安も解説

看護師の転職でも給料を上げるためのコツ

看護師が転職する際に、給料を上げるためのコツを5つ紹介します。

以下のポイントを理解して、転職活動を進めてください。

給与水準の高い病院を選ぶ

転職を検討し始めたら、給与水準の高い病院を探すことが重要です。

医療施設ごとに基本給は異なるため、事前に看護師として働ける職場の給与水準を比較しておきましょう。

日本看護協会の調査をもとに、各医療施設や看護師として働ける職場の給与水準を表にまとめました。

医療施設の種類	平均基本給与額
一般企業（産業看護師）	278,521円
日本赤十字社	276,511円
私立学校（学校看護師）	275,315円
公立病院	271,526円
国立病院	261,746円
医療法人	235,656円
個人経営の病院	230,257円

参考：2023年 日本看護協会調査研究報告

日本看護協会の調査によると、産業看護師や学校看護師として働くと、一般的な病院よりも給料は高いことが分かりました。

看護師として転職する際は、病院の求人情報だけに目を向けるのではなく、幅広い選択肢を検討すると給料アップにつながるでしょう。

病床数の多い大規模病院に応募する

転職後の給料を上げるために、病床数の多い大規模病院の求人情報をチェックしましょう。

日本看護協会の調査では、病床数の多い病院ほど基本給は高いことが分かりました。

病床数	平均基本給与額
99床以下	238,939円
100床～199床	242,411円
200床～299床	247,792円
300床～399床	258,928円
400床～499床	263,266円
500床以上	270,610円

参考：2023年 日本看護協会調査研究報告

基本給の差が生まれる理由は、病床数に応じた診療報酬算定方式が採用されており、大規模病院ほど収益力は高くなるからです。

転職先を選ぶ際は、病院の病床数にも注目してください。

都市部の病院に転職する

転職後の収入増加を目指している方にとって、都市部の病院への転職は有効な選択肢となるでしょう。

日本看護協会の調査によると、都市部の病院の基本給は、全国平均247,629円よりも高いことが分かりました。

現在住んでいる地域や家庭環境にもよりますが、都市部の病院に転職すると給料アップが期待できるでしょう。

参考：2023年 日本看護協会調査研究報告

各種手当が充実した病院を探す

手当が充実した病院へ転職すると、給料アップを期待できます。

具体的には、以下の手当が充実している病院を選ぶとよいでしょう。

転職活動を進めている方は、医療施設の採用情報や求人サイトをチェックして、手当の内容を詳しく調べてください。

専門資格を取得して市場価値を高める

転職先の医療施設によっては、専門資格を持つ看護師を優遇する場合があります。

専門資格を持っていると、入職後に資格手当が支給されるだけでなく、採用選考でも有利になることは少なくありません。

日本看護協会の調査によると、34％の病院が専門看護師資格を保有する看護師に対して、資格手当を支給していました。

同じく、41％の病院が認定看護師資格を保有する看護師にも、資格手当を設けています。

時間的に余裕のある方は、転職活動と並行して資格を取得すると、転職後の収入アップを期待できるでしょう。

以下の記事では、看護師の転職におすすめの資格を紹介しましたので、ぜひ参考にしてください。

関連記事：看護師の転職に有利な資格30選｜分野別の難易度やおすすめの資格を紹介

参考：日本看護協会｜2022年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査

給料が下がっても転職に満足できる看護師の特徴

転職後に給料が下がっても、満足度の高い看護師の特徴を3つ紹介します。

キャリアプランが明確な方

キャリアプランが明確な方は、転職において具体的な目的を設定しているため、給料が下がっても満足度は高くなりやすいです。

たとえ転職後に給料が下がっても、将来的に必要なスキルや経験を積むプロセスとして前向きに受け取れるでしょう。

日々の業務を目標達成への通過点と認識できるので、給料が下がっても仕事へのモチベーションを維持できます。

新しい職場への適応力が高い方

新しい職場への適応力が高い方は、環境の変化を前向きに捉えるため、心理的なストレスは少ないでしょう。

そのため、転職後に給料が下がっても、今後の成長機会やキャリアの柔軟性として受け止められます。

環境の変化に強い看護師は、新しい医療システムや職場のルールにもすぐに対応でき、同僚との人間関係を短期間で構築できます。

適応力の高い看護師は、一時的な収入の減少よりも、仕事の幅を広げるチャンスと前向きに捉えられるでしょう。

給料以外の条件に満足している方

転職後にワークライフバランスを改善できた場合は、たとえ給料が下がっても満足度は高いと言えそうです。

とくに夜勤回数が減ったり、残業時間が短くなったりすると、プライベートの時間を増やせて心身の健康状態を改善できます。

看護師の仕事は身体への負担が大きいため、長期的な視点で給料よりも働きやすさを優先すると満足度は高くなるでしょう。

看護師の転職時に効果的な給与交渉のポイント

看護師が転職する際に、給料をアップさせるための効果的な方法は給与交渉です。

本章では、給与交渉を成功させるためのポイントを4つ紹介します。

看護師の年収相場を把握する

給与交渉は、看護師の年収相場をしっかりと把握してから行いましょう。

理由は、年収相場と比較して自分の希望額が適切かどうかを判断できるからです。

例えば、相場よりも高すぎる金額を提示した場合、採用担当者によくない印象を与えてしまいます。

厚生労働省の資料によると、日勤のみで働く看護師の平均年収は468万円、夜勤を行う看護師の平均年収は508万円でした。

給与交渉する際は、看護師の平均年収を参考にして、現実的な金額を提案しましょう。

以下の記事では看護師の平均年収を年代別に解説していますので、給与交渉する際は参考にしてください。

関連記事：【2025年版】看護師の平均年収は？年代別のデータや年収アップの方法も解説！

参考：厚生労働省｜令和5年賃金構造基本統計調査

適切なタイミングで交渉する

適切なタイミングで給与交渉すると、成功率は大幅に高まります。

具体的には、内定通知の連絡が来た直後や、最終面接での逆質問時に給与額を交渉するとよいでしょう。

一方で、一次面接の段階や、医療施設と契約書を交わす直前での給与交渉は避けるべきタイミングです。

採用担当者が柔軟に対応できる場面で給与交渉すると、前向きに検討してもらえるでしょう。

自分のスキルや経験をアピールする

給与交渉する際は、自分のスキルや経験を具体的にアピールしてください。

例えば、ICUや手術室での実務経験やプリセプター経験などは、専門性や指導力を示す強みとなります。

同様に、専門看護師や認定看護師の資格を保有する方は、給与交渉のアピール材料として活用してください。

自分のスキルや経験から得られる市場価値を客観的に伝えると、給料アップにつながりやすいでしょう。

希望給与額に適切な幅を持たせる

給与交渉する際は、希望金額に適切な幅を持たせてください。

具体的には、あなたが病棟看護師として5年の経験を持つ場合「基本給〇〇万円～〇〇万円を希望します」といった形で範囲を示すとよいでしょう。

給与交渉での下限には、受け入れられる最低希望ラインを設定します。

上限には、転職後に理想とする給与額を設定してください。

希望金額に幅をもたせることで、お互いが納得できる条件に落ち着きやすくなります。

給与交渉が苦手な人は転職支援サービスを活用しよう

給与交渉に不安を感じる人には、看護師に特化した転職支援サービスの利用がおすすめです。

看護師の転職サポートに強いレバウェル看護やナース専科 転職では、給与を含めた労働条件の交渉も代行してもらえます。

担当アドバイザーには希望する給与額や各種手当の金額も相談できるので、給与交渉に不安のある方は、公式サイトから問い合わせてみましょう。

給料を上げたい看護師におすすめの転職支援サービス

現職よりも給料を上げたい看護師の方に向けて、おすすめの転職支援サービスを3つ紹介します。

レバウェル看護｜LINEで気軽に相談可能

レバウェル看護は、看護師の求人情報を多数取り扱う転職支援サービスです。

2025年4月時点で140,315件の求人が掲載されており、そのうち26,889件は高給与を提示する求人となっています。

レバウェル看護のキャリアアドバイザーからは、求人情報の提案や応募書類の添削、面接対策などのサポートを受けられます。

キャリアアドバイザーには内定後の給与交渉も依頼できるため、現職よりも給料をアップさせたい方は相談してみましょう。

ナース専科 転職｜キャリア相談だけでも利用可能

ナース専科 転職は、1980年から看護師の求人情報を発信してきた転職支援サービスです。

全国の医療施設と連携しており、キャリアパートナーは地域ごとの最新情報を把握しています。

ナース専科 転職では高年収や充実した福利厚生を期待できる、非公開求人を多数取り扱っています。

そのため、転職後に給料を上げたい方は、一度公式サイトからおすすめの求人情報を問い合わせてみましょう。

看護roo!｜累計利用者数60万人以上

看護roo!は、看護師の転職に特化した転職支援サービスです。

登録後は求人に応募するだけでなく、医療施設からのスカウトを受け取れます。

医療施設からスカウトを受け取ることで、自分では探しきれなかった求人情報に出会える可能性もあるでしょう。

また、非公開求人の情報がスカウトを通じて届くこともあるため、より良い職場へ転職できる可能性は高まります。

「転職で給料が下がる」と不安な看護師からよくある質問

転職後の給料減少について、看護師からよく寄せられる質問を4つ紹介します。

看護師が転職すると給料はいくら下がりますか？

看護師の転職で給料が下がる金額は、勤務する病院や働き方によって異なります。

給料の下がる目安は、以下のとおりです。

転職後もこれまでの給料を維持したいのであれば、基本給が高く夜勤手当のある病院を選ぶことをおすすめします。

転職して給料が下がったら税金はどうなりますか？

転職後に給料が下がった場合、支払う所得税と住民税は減る可能性があります。

所得税と住民税は収入に応じて課税されるため、給料が減少すれば納税額も低くなるでしょう。

ただし、支払う税金は個人の状況によって異なるため、不安な方は税務署や自治体の税務課に相談してください。

看護師が年収500万円になるのは何年目くらいですか？

看護師が年収500万円になるのは、新卒から20年目くらいです。

看護師の年齢別年収の目安は、以下の表のとおりです。

年齢	年収目安
20歳～24歳	401万円
25歳～29歳	474万円
30歳～34歳	487万円
35歳～39歳	485万円
40歳～44歳	521万円
45歳～49歳	551万円

参考：厚生労働省｜jobtag

看護師としての役職や残業時間、深夜手当にもよりますが、多くの場合20年前後で年収500万円に達する傾向があります。

看護師10年目の手取り給料はいくらですか？

日本看護協会の調査によると、看護師10年目の手取り額は約27万円です。

ただし、この金額はあくまで目安であり、勤務する病院の規模や役職、各種手当によって異なります。

以下の記事では看護師の給与明細を公開していますので、あわせて読み進めてください。

関連記事：【実物公開】看護師の給与明細をチェック！受け取った時に見るべき4つのポイント

参考：2023年 日本看護協会調査研究報告

まとめ｜看護師の転職では給与交渉を上手に活用しよう

この記事では、看護師の転職後に給料が下がるかどうかを解説しました。

働く医療施設にもよりますが、転職によって給料が下がるケースも考えられます。

一方で、給与水準の高い病院を選んだり、専門資格を取得したりすることで、転職後の給料アップを期待できるでしょう。

医療施設の採用担当者と給与交渉する際は、自分のスキルや経験、保有する資格をアピールしてください。

ただし、給与交渉に苦手意識を持つ方は、転職支援サービスの利用をおすすめします。

本記事で紹介した転職支援サービスは給与交渉も依頼できるため、あなたの代わりにより良い条件を提示してくれるでしょう。

転職支援サービスへの登録は無料でできますので、疑問点や不安なことがあれば気軽に相談してください。