看護師としての経験が浅かったり、数年間のブランクがあったりすると、職場復帰や転職に対する不安を感じてしまいます。

「ブランクがあるけれど看護師として働けるかな」「経験が浅いままブランクができてしまった」と、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、看護師がブランクを経て復職する方法や、経験が浅くても内定を獲得しやすい医療施設を紹介します。

ブランク明けの看護師が復職前に身につけておきたいスキルや知識も紹介していますので、記事の内容を参考にしてください。

関連記事：看護師向け転職エージェントおすすめ19選を徹底比較【2025年最新】

看護師経験が浅くてもブランクからの復職は可能！

結論として、看護師としての経験が浅くても、ブランクからの復職は十分に可能です。

経験の浅い看護師が復職できる理由として、多くの医療施設における人材不足が挙げられます。

厚生労働省の職業情報提供サイトによると、看護師の有効求人倍率は2.31倍でした。

看護師の有効求人倍率は、すべての産業の平均有効求人倍率1.25倍を大きく上回っており、看護師の需要が高いことを示しています。

このような状況もあり、事前準備を適切に進めることで、ブランクがあり経験の浅い看護師でも十分に医療施設へ復職できるでしょう。

参考：厚生労働省 jobtag｜一般職業紹介状況

経験の浅い看護師がブランクからの復職時に感じる3つの不安

医療施設で人手不足が続き、看護師の需要は高まっているとはいえ、いざ復職を考えるとどうしても不安を感じるものです。

経験の浅い看護師が、ブランクからの復職時に感じる不安を3つ紹介します。

知識やスキル不足への不安

病院勤務から長期間離れると、多くの看護師は「過去に身につけた知識やスキルが現場で通用するのか」という不安を抱えてしまいます。

医療技術や治療方法は日々進化しているので、最新の情報に追いつけているかどうか心配になるのは当然のことです。

点滴や注射などの基本的な業務スキルは、実践を続けないと徐々に低下するため、実務から離れた看護師の中には自信を失ってしまい、復帰を躊躇ってしまう方もいるでしょう。

そのため、看護師としての復職を考え始めたら、看護スキルを学べるオンライン講座の受講や復職支援セミナーへの参加をおすすめします。

オンライン講座や復職支援セミナーでは最新の医療知識や治療スキルを学べるので、ブランクによる不安を解消できるでしょう。

職場での人間関係に対する不安

現場を離れていた看護師にとって、新しい職場での人間関係は大きな不安要素となります。

長期間のブランクがあることで、自分よりも年齢の若いスタッフから指導を受けることもあるでしょう。

看護の現場ではチームワークが患者さんへのケアの質に直結するため、スタッフとコミュニケーションを取ることは重要です。

人間関係に対する不安を解消する方法として、求人への応募段階で施設を見学させてもらうことをおすすめします。

医療施設の雰囲気や人間関係を事前に知ることで、入職した際もスムーズに職場へ馴染みやすくなるでしょう。

育児や介護との両立についての不安

看護師として復職する場合、育児や介護との両立に不安を感じる方は少なくありません。

とくに、夜勤や準夜勤のシフトがある職場では、家族の生活リズムとの調整が難しくなります。

この不安を解消するためには、復職前に職場の勤務体系や福利厚生を確認しておくことが重要です。

時短勤務や夜勤免除、院内保育所などの制度が整っている職場を選ぶと、家庭と仕事のバランスを取りやすくなります。

以下の記事では育児と仕事を両立させやすい職場を解説していますので、あわせて読み進めてください。

関連記事：子持ち看護師が転職しやすい職場は？育児と仕事を両立させる方法も解説！

経験の浅い看護師がブランクから復職できる3つの理由

看護師経験が浅く、職場復帰への不安を抱えている方に向けて、ブランクが長くても復職できる理由を3つ紹介します。

看護師経験が浅くても応募できる医療施設があるから

ブランクのある看護師でも復職できる理由の一つに、経験年数が浅くても応募できる医療施設の存在があります。

研修体制の整った病院やクリニックでは、採用時に経験年数よりも看護師としての素質や意欲を重視する傾向があるからです。

とくに、中小規模の病院やクリニックは人材確保が課題となっており、経験の浅い看護師でも求人に応募しやすいでしょう。

復職支援制度が充実した医療施設は増えているから

復職支援制度を充実させた医療施設が増えていることで、経験の浅い看護師でも職場復帰しやすくなっています。

この傾向は、2015年の看護師等人材確保促進法の改正がきっかけとなり、医療施設による復職支援の取り組みが進んだことによるものです。

多くの医療施設では、以下の支援体制を整えています。

復職支援制度を上手に活用すると、ブランクがあっても看護師としてスムーズに再スタートできるでしょう。

派遣やパートなど柔軟な働き方を選べるから

看護師として復職する際は、正社員だけでなく派遣やパートなどの選択肢もあります。

育児や介護との両立を希望する方にとって、柔軟に働ける雇用形態を選べることは大きなメリットとなるでしょう。

最近は夜勤の有無や勤務日数を自分で決められる職場も増えており、ライフスタイルにあわせて働ける環境は整ってきました。

以下の記事では派遣看護師として働くメリットとデメリットを紹介していますので、正社員以外の雇用形態を希望する方は参考にしてください。

関連記事：派遣看護師として働くメリット・デメリットや知っておきたい注意点

経験の浅い看護師が復職前に確認したいスキル・知識

看護師経験の浅い方が職場復帰する際は、以下のスキルや知識を確認しておくことをおすすめします。

採血・注射スキル

経験の浅い看護師が復職する際は、まず採血と注射の手順を復習しましょう。

採血や注射は針刺し事故や血管外漏出などのリスクがあり、患者さんの安全を守るためにも確実な技術が求められるからです。

採血や注射スキルを取り戻すためには、ナースセンターが主催する実技研修への参加をおすすめします。

自宅でも復習したい方は、採血練習キットを活用して自分のペースで反復練習してください。

患者アセスメント能力

看護師として復職する際は、患者さんの状態を正確に把握するアセスメントの手順も確認しておきましょう。

アセスメント能力は看護の基本であり、バイタルサインの変化や症状の評価を通じて、患者さんに提供するケアの質に直結します。

復習方法としては、書籍やオンライン教材を活用し、アセスメントのケーススタディや症例問題に取り組むとよいでしょう。

動画教材を活用すると、バイタル測定や患者観察の手順を実践形式で確認できます。

薬剤の知識

ブランクから看護師として復帰する際は、薬剤の知識もあらためて学んでおきましょう。

医療現場では新薬の導入やガイドライン変更が頻繁に行われるため、ブランク期間中に使用され始めた薬剤を理解する必要があるからです。

薬剤の知識を学び直す際は、日本看護協会やナースセンターが実施する研修を活用してください。

医療機器・器具の操作スキル

看護師経験の浅い方は、復職する前に医療機器や器具の操作方法を確認しておきましょう。

配属される現場によって使用する機器は異なりますが、以下の医療機器の基本的な使い方を復習しておくと安心です。

使い方に不安のある方は、医療施設が実施する復職前研修や実技講習への参加も検討してください。

電子カルテの入力方法

電子カルテを導入する医療施設は年々増えているため、基本的な使い方を確認しておくことは大切です。

厚生労働省の調査によると、一般病院の57％は電子カルテシステムを導入しています。

スムーズに看護記録を入力できるように基本的な使い方を学んでおきましょう。

参考：厚生労働省｜電子カルテシステム等の普及状況の推移

急変時の対応手順

看護師経験の浅い方は、復職前に緊急時の対応手順を確認しておきましょう。

急変時の対応は一刻を争う場面が多く、迅速な判断と行動が求められるからです。

復職前にBLS（一次救命処置）や院内でのエマージェンシーコールの流れ、医師やスタッフとの連携方法を確認しておくと安心です。

可能であれば、院内研修やシミュレーション研修にも積極的に参加してください。

経験の浅い看護師が復職するまでの手順

看護師経験の浅い方が、ブランクから復職するまでの手順を4つのステップで紹介します。

家族に相談し理解を得る

復職を決意したら、まずは家族に看護師として働くことを相談してください。

看護師の仕事には夜勤や早朝勤務があり、不規則なシフトになることも多いため、家族からの理解を得ることは大切です。

具体的には、急な残業や休日出勤に対応できるよう、子どもの預け先や介護のサポート体制を確認しておきましょう。

子育て中の方は保育施設を確保する

子育て中の方は、復職前に保育施設の確保が必要です。

多くの保育園では入園申し込みの時期が決まっているため、事前に情報を集めておきましょう。

パートナーもフルタイムで働いている場合は、夜間保育や24時間体制の保育施設を調べておくと安心です。

復職セミナーや講習会へ参加する

看護師としてのスキルや知識に不安のある方は、復職セミナーや講習会への参加をおすすめします。

復職セミナーや講習会へ参加すると、最新の医療知識や技術を効率的に学べるからです。

医療現場では日々新しい治療法や医療機器が導入されるため、ブランクの長い方ほど最新情報へのアップデートが重要となります。

復職セミナーや講習会への参加を希望する方は、以下の公式サイトから申し込みをしてください。

自分にあった医療施設の求人を探す

看護師として復職する際は、自分の希望条件にあった医療施設を探すことも重要です。

とくに、医療現場での経験が浅い方は、教育体制の充実している医療施設を選ぶことをおすすめします。

育児や介護との両立を考えている方は、時短勤務や夜勤免除制度のある職場を選ぶと、無理なく復職できるでしょう。

以下の記事では、看護師が復職する際におすすめの転職サイトをランキング形式で紹介していますので、あわせて読み進めてください。

関連記事：看護師転職サイトおすすめランキング15選｜評判や特徴から徹底比較！

一人での転職活動に不安があれば転職支援サービスを利用しよう

ブランクの期間が長く、一人で転職活動を進めることに不安を感じる方には、転職支援サービスの利用をおすすめします。

看護師に特化した転職支援サービスでは、求人の紹介だけでなく、復職に関する相談にも丁寧に対応してもらえます。

以下の記事では復職に関する悩みを相談できるサービスを紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事：看護師転職の相談先とは？よくある相談内容や解決方法を紹介

経験の浅い看護師におすすめの職場

看護師経験の浅い方が復職する際に、おすすめの職場を4つ紹介します。

職場ごとに働き方や求められるスキルは異なりますので、自分の経験やライフスタイルにあわせて選んでください。

慢性期・療養型病院

落ち着いた環境でルーティンワーク中心の働き方を希望する方には、慢性期や療養型病院への復職をおすすめします。

理由は、慢性期や療養型病院では急性期病院と異なり、患者さんの症状が比較的安定しているからです。

とくに療養型病院では、採血や点滴などの医療行為は少なめで、ベッドメイキングや食事介助などのケア業務が中心となります。

高度な医療技術を必要とする場面は少ないため、ブランクのある看護師でも安心して復職できる環境だと言えるでしょう。

健診センター

日勤のみの働き方を希望する方には、健診センターへの復職がおすすめです。

健診センターの業務は基本的に平日の昼間のみで行われるため、夜勤や休日出勤の心配がありません。

また、医療現場に比べて体力的な負担も比較的軽いので、経験の浅い看護師でも少しずつ仕事に慣れていけます。

クリニック

クリニックは研修プログラムが整っている場合も多く、経験の浅い看護師の復職におすすめです。

大規模病院と比べてクリニックでは扱う疾患や処置が限定的なため、特定の分野を集中して学べます。

働きながらでも一つひとつの処置や対応を丁寧に学べるため、ブランクのある看護師でも無理なくスキルを取り戻せるでしょう。

クリニックで働く看護師の平均給料は以下の記事で解説していますので、復職する際は参考にしてください。

関連記事：クリニックで働く看護師の平均給料はいくら？平均年収と給与UPの３つのコツを経験者が解説

介護老人保健施設

介護老人保健施設は病院と比べて医療行為が少ないので、経験の浅い看護師でも復職しやすい環境です。

基本的な業務はバイタルチェックや食事介助、投薬など日常生活のサポートが中心となります。

また、緊急対応の場面が少ないため、ブランクのある看護師でも焦らずにスキルを取り戻せる職場と言えるでしょう。

看護師としての知識を活かしながら、高齢者の生活を支える仕事に携わりたい方には、介護老人保健施設をおすすめします。

経験の浅い看護師がブランクから復職する際の注意点

経験の浅い看護師が、ブランクから復職する際の注意点を2つ紹介します。

急性期病院への復職はハードルが高い場合がある

急性期病院は、他の医療施設と比べて緊急対応を求められる場面が多いです。

そのため、経験の浅い看護師が復職する場合、対応が難しい状況に直面することもあるでしょう。

とくに、最新の医療機器の操作や患者さんが急変した場合の判断など、経験不足からくるプレッシャーは決して小さくありません。

経験が浅くブランクのある看護師は、復職する際に自分のペースでスキルを取り戻せる職場を選ぶことも検討してください。

研修制度が充実している医療施設を選ぶ

経験の浅い看護師が復職する際は、研修制度が充実している医療施設を選ぶことが重要です。

復職支援研修では以下のスキルを体系的に学び直せるので、経験の浅い看護師にとって大きな安心材料となります。

一方、復職時に研修制度のない医療施設を選ぶと、いきなり現場に配属されることもあるでしょう。

入職後すぐに現場へ配属された場合、疑問点を自分で解決しなければならない状況に置かれる可能性もあります。

そのため、応募する医療施設を選ぶ際は、研修制度の有無や内容を事前に確認してください。

看護師経験の浅い方におすすめの転職支援サービス

経験の浅い看護師が復職する際に、おすすめの転職支援サービスを3つ紹介します。

レバウェル看護｜医療施設のリアルな情報を提供

レバウェル看護は、看護師の求人を多数取り扱う転職支援サービスです。

レバウェル看護のキャリアアドバイザーは定期的に医療施設を訪問しており、実際の働き方や職場の雰囲気を直接把握しています。

そのため、ブランクのある看護師の方でも、安心して復職できる医療施設を紹介してもらえるでしょう。

ナース専科 転職｜LINEで気軽に相談可能

ナース専科 転職は、医療施設の求人情報を多数取り扱う転職支援サービスです。

2025年4月時点での求人数は25,227件あり、地方都市の求人も豊富に取り扱っています。

ナース専科 転職では転職支援だけでなく、復職に関する相談も受け付けています。

アドバイザーにはLINEを使って相談できるため、育児や介護のスキマ時間に自分のペースで問い合わせができるでしょう。

看護roo!｜医療施設とのマッチング精度が高い

看護roo!は、累計60万人以上が利用した転職支援サービスです。

看護roo!では直接求人に応募するだけでなく、アドバイザーから復職に関するサポートも受けられます。

履歴書の添削や面接対策、職場の詳しい情報なども提供されるため、久しぶりに医療現場へ復帰する方も安心して利用できるでしょう。

ブランクからの復職を考える看護師からよく聞かれる質問

医療施設への復職を考える看護師から、よく聞かれる質問を3つ紹介します。

看護師のブランクは何年までなら大丈夫ですか？

看護師資格は生涯有効のため、ブランクの年数に上限はありません。

10年以上のブランク期間を経てから、復職するケースは少なくないでしょう。

ただし、ブランク期間が長くなると、医療スキルや知識のアップデートが必要です。

看護師としての復職を考え始めたら、日本看護協会やナースセンターが提供する復職支援プログラムへの参加をおすすめします。

看護師にとって負担の少ない職場はどこですか？

看護師として働く際に心身への負担が少なく、余裕を持って働ける主な職場は以下の5つです。

以下の記事では時間的な余裕があり、のんびり働ける職場を紹介していますので、復職を考えている方は参考にしてください。

関連記事：のんびり働きたい看護師におすすめの職場5選！効率的な探し方も紹介

看護師として働くうえで最も大変な時期はいつですか？

新年度が始まる4月は、看護師にとって最も大変な時期といえます。

4月は新人看護師や研修医が配属されるため、プリセプター（教育担当者）の業務量が急増するからです。

新人看護師や研修医へのフォロー体制が追いつかず、人手は多いのに忙しいといった状況になりやすいでしょう。

まとめ｜経験が浅くてもブランクがあっても看護師として復職できます

この記事では、経験の浅い看護師がブランクから復職できる理由を解説しました。

看護師は人材が不足している職種であり、多くの医療施設は未経験者やブランクのある方を積極的に受け入れています。

とはいえ、長期間のブランクがあると、医療現場へ復帰する際に不安を感じることもあるでしょう。

復職に不安のある方は、看護師に特化した転職支援サービスの利用をおすすめします。

転職支援サービスでは医療施設の紹介だけでなく、医療現場の最新情報や履歴書の書き方、面接対策もサポートしてもらえます。

復職に関する相談も受け付けていますので、不安のある方は公式サイトから問い合わせてみてください。