失業保険の支給期間は退職理由によって異なります。結論からいうと「特定受給者資格者」「定理由離職者」なら失業保険が早く支給されます。

もし会社都合退職にもかかわらず、離職票に「自己都合退職」と記載してあった場合は、場合によっては後から変更可能です。

自分で交渉するのが苦手な方は、労働組合や弁護士が監修している退職代行サービスを利用することで、スムーズに変更できます。

本記事を参考に、退職手続きを進めていきましょう。

関連記事：退職後にもらえる給付金まとめ！自己都合退職でももらえる条件とは？給付期間・金額も解説

失業保険の支給期間は退職理由によって異なる

失業保険の支給期間は退職理由によって異なります。結論からいうと「特定受給者資格者」「特定理由離職者」なら失業保険が早く支給されます。

また失業保険を受給するためには2つの条件があるため、自分に該当するかどうかも確認しておきましょう。

会社都合退職の場合

会社都合退職（特定受給資格者）の場合は7日間の待期期間を経て、失業手当が支給されます。

離職票の離職理由コードには、以下のいずれかが記載されています。

離職理由コード	離職理由コード
11	解雇
12	天災などの理由により事業の永続が不可能になったことによる解雇
21	雇い止め（雇用期間3年以上雇い止め通知あり）
22	雇い止め（雇用期間3年未満更新明示あり）
31	事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職
32	事業所移転などに伴う正当な理由のある自己都合退職

自己都合退職の場合

7日間の待期期間に加え、2ヶ月間の給付制限期間が設けられます。

スキルアップなどを目的とし、会社を辞めた際は、自己都合退職になるので気をつけてください。

離職票の離職理由コードは40：一般受給資格者（正当な理由がない自己都合による退職）と記載されます。

正当な理由がある自己都合退職の場合

7日間の待期期間を経て、失業手当が支給されます。例えば介護など、やむを得ず退職した際に適用されます。離職票の離職理由コードには、以下のいずれかが記載されています。

離職理由コード	離職理由例
23	期間満了 （雇用期間3年未満更新明示なし）
33	正当な理由のある自己都合退職
34	正当な理由のある自己都合退職 （被保険者期間12ヶ月未満）

基本的に失業保険が支給されるのは、雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上の方のみです。しかし妊娠など、特定の退職理由に該当する際は6ヶ月以上加入していれば、失業保険が支給されます。

会社都合退職になるケース

会社の倒産や解雇によって退職した人は「特定受給資格者」に分類されます。

本章では、どのような退職理由が会社都合退職に該当するかをまとめました。

さらに特定受給資格者が受けられる給付日数も記載したので、参考にしてください。

会社の倒産・解雇・雇い止めなど

会社都合退職になるケースは以下のとおりです。

自分の意思と関係なく仕事がなくなったため、被保険者期間が1年未満でも失業手当が給付されます。

ただし、雇い止めの場合は注意です。令和7年3月31日までは会社都合退職ですが、それ以降は自己都合退職が適用される可能性があります。

特定受給資格者が受けられる給付日数

特定受給資格者が受けられる給付日数は、被保険者だった期間や退職時の年齢によって変動します。

退職時の年齢	被保険者期間
	1年未満	1〜5年未満	5年〜10年未満	10年〜20年未満	20年以上
30歳未満	90日	90日	120日	180日	－
30〜35歳未満		120日	180日	210日	240日
35〜45歳未満		150日		240日	270日
45〜60歳未満		180日	240日	270日	330日
60〜65歳未満		150日	180日	210日	240日

上の表からもわかるとおり長く働けば、その分失業保険の給付日数は伸びます。ですので、長く会社で働いている方が退職する際は必ず失業保険を申請するようにしましょう。

⇒失業保険の申請方法などについてあまりよくわからない方は >>

自己都合退職になるケース

キャリアアップがしたいなど、自分の意思で退職した場合は「一般受給資格者」に分類されます。「一身上の都合により退職」と退職願・退職届に記載すると、自己都合退職になります。

企業の中には、会社都合退職なのに退職届を書かされるケースもあるため、署名しないように注意しましょう。

正当な理由がない自己都合退職

正当な理由がない自己都合退職になるケースは以下のとおりです。

一般受給資格者の場合、7日間の待期期間と2ヶ月間の給付制限期間が設けられます。すぐに失業保険が支給されないため、自己都合退職を検討する際は貯金しておきましょう。

一般受給資格者が受けられる給付日数

一般受給資格者が受けられる給付日数は以下のとおりです。

退職時の年齢	被保険者期間
	1年未満	1〜5年未満	5年〜10年未満	10年〜20年未満	20年以上
全年齢	90日			120日	150日

一般受給資格者の場合は退職時の年齢問わず、被保険者期間で給付日数が定められています。会社都合退職と比べて、給付日数が少ないので自己都合退職を検討する際は気をつけましょう。

正当な理由がある自己都合退職になるケース

妊娠・出産・介護・うつ病などの理由で退職した場合は「特定理由離職者」に分類されます。正当な理由がある自己都合退職の場合、被保険者期間が6ヶ月以上あれば失業保険を受給可能です。

妊娠・出産・介護・うつ病など

正当な理由がある自己都合退職に該当する理由は2つあります。

上記のいずれかに該当すれば、特定理由離職者として失業保険が受給できます。会社都合退職と同様に、7日間の待期期間を経てから失業保険を受け取れます。

特定理由離職者が受けられる給付日数

特定理由離職者が受けられる給付日数は以下のとおりです。ただし、一部の特定理由離職者は最長330日支給される可能性があります。

退職時の年齢	被保険者期間
	1年未満	1〜5年未満	5年〜10年未満	10年〜20年未満	20年以上
全年齢	90日			120日	150日

一般受給資格者と同様に退職時の年齢問わず、被保険者期間で給付日数が定められています。

自己都合退職が会社都合退職になるケース

自己都合退職が会社都合退職へ変更になるケースもあります。会社都合退職の方が、給付日数が伸びるため安心して転職活動に集中できます。

もし、自己都合から会社都合退職に変更するなら別途以下の書類を用意しなければいけません。

労働組合や弁護士が監修している退職代行を使えば、自己都合退職を会社都合退職に変更できる可能性があります。自分で会社に交渉できない場合は利用を検討してみてください。

残業時間が規定より多い場合

時間外労働の限度時間は1ヶ月で45時間、1年で360時間と労働基準法第36条で定まっています。残業時間が規定より多い場合は、企業側の違法とみなされ、会社都合退職に変更される可能性があります。

以下のケースに該当していないか確認してください。

上記のケースに該当した場合は、労働時間を証明できる書類を提出すれば、会社都合退職に変更されるでしょう。

給料が未払い・減額した場合

給与の未払い・減額が理由で退職した場合は、会社都合退職になる可能性が十分にあります。制裁などの理由で給料を減額する場合でも、労働基準法第91条で記載してある金額より減らしてはいけません。

「就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない」

引用：「労働基準法第91条」 e-Gov法令検索

労働基準法に定められている金額以上に減給した場合は、違法とみなされます。給与に関する書類を提出すれば、会社都合退職として適用されます。

契約と業務内容が異なる場合

採用時の契約と業務内容が異なる場合も、会社都合退職になる可能性があります。採用直後・長年対応した業務が突然変更された時も対象になります。

労働契約書類を提出できれば、会社都合退職へ変更できるでしょう。

雇い止めや急な解雇をした場合

雇い止めや急な解雇をした場合、会社都合退職になります。契約が未更新なら、企業は契約満了30日前に従業員に伝えなければいけません。30日前までに未更新を知らせず、更新されなかった場合は会社都合の解雇に該当します。

労働契約書類を提出すれば、会社都合退職へと変更されるでしょう。

【即日退職も可能】おすすめの退職代行サービス

本章では、おすすめの退職代行サービスを紹介します。特に、自分で退職交渉するのが苦手な方や即日退職したい方は利用するといいでしょう。

関連記事：退職代行おすすめランキング13選｜サービス内容や料金・評判を比較

退職代行Jobs

退職代行Jobsは弁護士監修の退職代行サービスです。利用料金は26,000円とリーズナブルなので、初めて利用する方にもおすすめです。クレジットカードから銀行振り込みまで、さまざまな支払い方法に対応しています。

合同労働組合ユニオンジャパンという労働組合と提携しているので、自身の代わりに会社と交渉できるのが特徴です。万が一、会社が退職を受理しない場合も支援してくれます。

有給休暇の無料申請サポートもしてくれるため、有給休暇の残日数によっては即日退職も可能です。退職代行Jobsなら最短30分で手続きが完了するので、早く会社を辞めたい方に向いているといえます。

関連記事：退職代行Jobsの口コミ紹介！メリットや注意点、評判、料金などを解説

退職代行ガーディアン

退職代行ガーディアンは労働組合が運営している退職代行サービスです。料金は一律税込24,800円です。退職手続きの際にトラブルが発生しても、追加料金はかかりません。労働組合が運営しているので、懲戒解雇や損害賠償の請求が発生した場合も徹底的に阻止できます。

即日退職にも対応しており、希望を出せば相談日に退職できるのも退職代行ガーディアンの強みです。職場関係の人に会いたくない人やすぐに会社を退職したいけど、荒波を立てたくない人は利用してみてください。

関連記事：退職代行ガーディアンの口コミ・評判・体験談は？料金や注意点なども解説

退職代行OITOMA

退職代行OITOMAは、労働組合と提携している退職代行サービスです。年中無休・24時間体制で利用者をサポートしています。そのため、夜勤や早朝勤務の人でも利用しやすいサービスです。

退職代行OITOMAの特徴として、全額返金保証がついていることが挙げられます。このサービスを使って退職に失敗した人はいません。もし万が一退職できなかった場合は全額返金してくれるので、安心して利用できます。ただし自らの意思で退職手続きを中断したい場合は、返金できないので注意です。

退職手続きに時間がかかっても、利用料金は一律で24,000円です。上司に退職の意思を伝えても受理されなかった人は利用してみてください。

関連記事：退職代行OITOMA（オイトマ）の口コミ・評判・体験談は？料金や注意点なども解説

まとめ

本記事では失業保険の支給期間は退職理由によって、異なることを紹介しました。離職者は以下3つのいずれかに分類されます。

これらの違いは、自分の意思で退職を決意したかどうかです。会社の倒産や解雇が理由で、やむを得なく退職した場合は会社都合退職に該当します。退職時の年齢・勤続年数が考慮され、給付日数も90〜最長330日と優遇されているのが特徴です。

キャリアアップを目的に退職したら、自己都合退職と判断されます。給付日数は会社都合退職と比べて90日〜と少ないです。ただし、条件によっては自己都合退職が会社都合退職に変更されるケースもあります。

妊娠やうつ病など正当な理由がある自己都合退職の場合は、被保険者期間が6ヶ月以上あれば失業保険が支給されます。

自分がどの退職理由に該当するかを知って、退職手続きを進めましょう。