「DXのスキルを証明できるおすすめの資格はある？」
「DX人材を社内で育成したい」

AIやIoT、ビッグデータなどさまざまな新技術が普及している現代では、DX推進する企業が増加傾向にあります。

DX時代に置いていかれないためには、DXのスキルが身につく資格取得がおすすめです。

しかし、DXスキルを身につけられる資格は複数あるため、何を取得するべきか悩みを抱えている方も少なくないでしょう。

本記事では、DXスキルを身につけられるおすすめの資格や資格の選び方、資格取得が注目されている理由を詳しく解説します。

DX資格が注目されている理由

DX資格の取得が現代で注目されている理由は、おもに次の2点です。

それぞれ詳しく解説します。

DX資格を取得しようと考えている方は、注目されている理由について考えてみましょう。

DX人材が不足している

DX資格が注目されている理由として、DX人材が不足していることが挙げられます。

総務省の調査によるとDXの人材不足は、日本ではとくに多いとされており、アメリカやドイツよりも深刻であることが報告されています。

DX人材が不足している原因としては、次のとおりです。

そもそもの労働人口の減少や、急速なDXニーズの拡大に人材の供給が追いついていない点が原因になります。

そのため、DX人材不足を解消するためには、従来型IT市場で活躍してきた人が新技術を習得し、先端IT市場で従事する必要があります。

先端IT市場で活躍できる人材を育成するためにも、DX資格が注目されていると考えられるでしょう。

2025年の崖

2025年の崖とは、経済産業省のDXレポートで既存システムの残存による課題に伴う経済損失が2025年以降に最大で年間12兆円まで増加する可能性が指摘されていることです。

最新のIT技術を活用したビジネスの推進があらゆる業界で注目されていますが、多くの企業では古くから利用しているブラックボックス化したシステムがDX化を妨害しているケースが目立ちます。

また、DXを推進するためには既存のシステム課題を解決する必要がありますが、DX人材の確保が求められます。

このように、DX人材確保のためにも、DX資格取得の重要性が高まっていると考えておきましょう。

DX人材としてのスキルを証明できるおすすめの資格7選

DX人材としてのスキルを証明できるおすすめの資格は、次のとおりです。

それぞれの資格の概要や取得するメリットを詳しく解説します。

内容を参考にどのような資格を取得するべきか確認してみてください。

Python3エンジニア認定試験

Python3エンジニア認定試験は、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施する民間のDX資格です。

基礎試験とデータ分析試験に分かれており、基礎試験では未経験者がPythonエンジニアに就職したい場合に適しています。

そのため、PythonはAIや機械学習、ビッグデータの開発で利用される言語のため、AIの進化が著しい現代で取得しておいて損はないでしょう。

また、Pythonは文法も比較的わかりやすく、初心者でも気軽に取り組みやすいという特徴があります。

ですので、AIや機械学習の分野に携わりたい方は、Python3エンジニア認定試験の受験がおすすめです。

プロジェクトマネージャー試験

プロジェクトマネージャー試験は、IPAが主催するDXの高度人材を目指す方におすすめの資格です。

プロジェクトマネージャーはシステム開発の進捗管理や品質管理、トラブル対応などのマネジメント業務を担当します。

また、経営的視点やビジネス全般に関する知識を問われる点もプロジェクトマネージャー試験の特徴といえます。

IPA主催の国家資格の中でも非常に試験難易度が高いため、入念な学習に取り組む必要があると考えておきましょう。

そのため、DXにおけるシステム開発のマネジメントスキルを身につけたい方は、プロジェクトマネージャー試験の受験がおすすめです。

ネットワークスペシャリスト試験

ネットワークスペシャリスト試験は、プロジェクトマネージャー試験と同じくIPAが主催する資格の1つです。

テレワークの普及やITデバイスを利用する人の多い現代では、ネットワークの重要度は非常に高いです。

DX推進の際にもネットワークに関する知識・スキルは求められますが、ネットワークスペシャリスト試験の資格取得により、スキルの証明ができます。

ネットワークに関する知識に加えて、ソフトウェアや情報セキュリティなどあらゆるITに関する知識が求められるため、試験の難易度は高いといえます。

ですので、ネットワークやセキュリティのインフラエンジニアとしてDX推進に携わりたい方は、入念な勉強をしてネットワークスペシャリスト試験に臨みましょう。

AWS認定資格

AWS認定資格は、Amazon Web Servicesが主催する資格試験です。

現代では、クラウドシステムの普及が進んでおり、DX推進の観点からもクラウドの活用は重要なポイントといえます。

クラウドシステムは、実際のシステムを導入する際の設計や開発の手間なしで契約すれば、すぐに利用できる点が大きなメリットです。

おもに、システム運用・保守、トラブル対応もベンダー対応となるため、自社のコスト削減にもつながるでしょう。

また、複数のクラウドサービスが普及しているなかでも、AWSを導入している企業は多く、AWS認定資格の取得によりDX人材のスキル証明になります。

市場価値の高い存在として活躍するためにも、クラウドの知識・スキルを証明できるAWS認定資格の取得を目指しましょう。

DX検定

DX検定は、日本イノベーション融合学会が主催する資格試験です。

ビジネス全般に欠かせないデジタル技術のほか、RPAやディープラーニング、ブロックチェーンなど近年のトレンドに関する知識を問われます。

DX検定に合格すると、スコアに応じて次のいずれかの認定が得られます。

そのため、必要なIT技術の基礎とあわせてビジネスにおけるITトレンドに関する知識も習得したい方は、DX検定の受験がおすすめです。

デジタルトランスフォーメーション検定

デジタルトランスフォーメーション検定は、デジタルトランスフォーメーションの現状やスキルといったDX推進に必要な知識を学習できる資格試験です。

試験は、次の3つに分けられます。

DXパスポート試験では基礎知識が問われますが、DX推進アドバイザー認定試験で中級程度、DXオフィサー認定試験で上級程度の知識が問われるようになります。

そのため、デジタルトランスフォーメーション検定を取得すると、企業のマネージャーやオフィサーとして活躍可能です。

DX全般の知識やDXに必要な技術について学びたい方は、デジタルトランスフォーメーション検定を取得するのがよいでしょう。

+DX認定資格

+DX認定資格は、IoT検定制度委員会が運営する資格試験です。

おもに、DXの基礎知識に加えて、DX実現に必要なAIやIoTの知識、DX推進のための社内外調整スキルに関する知識が問われます。

また、合格者には、ブロックチェーン証明書で認定書が発行される点が特徴です。

ですので、DX未経験者向けの資格試験であり、DX推進に今後携わっていきたいと考えている方におすすめといえるでしょう。

DX推進やDX人材の育成におすすめの資格5選

DX推進やDX人材の育成におすすめの資格は、次のとおりです。

それぞれ概要や取得するメリットを詳しく解説します。

社内のDX推進を加速させたいと考えている企業は、DX人材育成におすすめの資格を確認してみてください。

基本情報技術者試験&応用情報技術者

基本情報技術者試験と応用情報技術者試験は、IPAが主催するDX人材育成におすすめの資格です。

いずれも情報セキュリティやネットワーク、ソフトウェア開発などIT業界全般の知識が問われる試験となります。

応用情報技術者試験の場合は、基本情報技術者試験よりも難易度が高く、身につけた知識をどのように活かすかの応用力が問われる点が特徴です。

また、資格取得を通じてIT全般の知識が身につくほか、AIやブロックチェーンなどのトレンドの学習にもつながるでしょう。

DXの基礎知識が身につけられるため、DX人材の育成に力を入れたい企業におすすめです。

AI実装検定

AI実装検定は、AI実装検定実行委員会（AIEO）が運営する資格試験です。

AIに関する知識や実装力が問われる試験であり、AIに初めて携わる方からビジネスレベルの知識・実装力のある人まで幅広く対応しています。

DXの推進でAIの活用は、ルーティン業務を自動化して工数を削減できるなど、多くのメリットがあります。

また、AIは人間によるヒューマンエラーも防げるほか、既存サービスに付加価値の提案も可能です。

そのため、AIはDX推進において多くのメリットをもたらすため、AI実装検定によってAIに関する知識を身につけておくと、企業のDX推進を加速させられるでしょう。

データベーススペシャリスト検定

データベーススペシャリスト検定は、IPAが主催する国家資格の1つです。

資格の取得によって、データベースに関する高度なスキルを保有し、ビッグデータの活用が可能なことを証明できます。

資格取得の学習を通じて、データベースの操作やシステム全体の資源管理、システムに関する要件を分析して企画、要件定義が可能になります。

また、IPA国家資格のなかでも試験難易度が高いため、多くの学習時間を確保する必要があると考えておきましょう。

ですので、DX推進においてデータベースの設計担当や管理担当、インフラエンジニアを育成したい企業におすすめの資格です。

ITストラテジスト検定

ITストラテジスト検定は、IPAの主催する高度情報処理技術者試験の1つであり、データーベーススペシャリストと同じ高レベルな国家資格です。

資格の取得を通じて、高度な経営戦略知識やIT戦略知識、コンサルティングスキルを学習できるため、DX推進のなかでも最高情報責任者であるCIOやITコンサルタントを目指す方に適しています。

ITコンサルタントは、他の企業のDX推進にも携わる職種であり、DX推進により深く関わる資格試験といえるでしょう。

ですが、試験難易度は非常に高いため、十分な学習時間を確保して社員に受験させるようにしましょう。

ITコーディネータ試験

ITコーディネータ試験は、特定非営利活動法人のITコーディネータ協会が運営する資格試験です。

資格取得を通じて、経営的視点を持ってITを活用するためのスキルが学べるため、DX推進に取り組みたい企業におすすめできます。

経済産業省も推進する資格であり、取得すると企業経営やITに関するプロフェッショナルであることを客観的に証明できます。

しかし、受験資格はとくになく、経営的視点のあるDX人材を育成したい企業におすすめといえるでしょう。

DX資格を取得するメリット

DX資格を取得するメリットは、次のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

資格取得にどのようなメリットがあるのかを確認したうえで、DX資格の取得を目指しましょう。

DXスキルを客観的に証明できる

DX資格を取得すると、DXスキルを客観的に証明できるようになります。

DX資格の取得によって、DX全般に関する知識やAIのようなDX実現に必要な知識を保有していることをアピールできます。

また、近年はDX推進に取り組む企業も多く、DX資格を取得しておくと、市場価値の高い人材として転職の際に有利になる可能性が高いでしょう。

そのため、将来DX推進に携わりたいと考えている方は、DXスキルをアピールするためにDX資格を取得しておくと良いでしょう。

キャリアアップにつながる

DX資格を取得すると、キャリアアップにつながる可能性があります。

DX推進では、IT関連の専門知識が求められており、多くの企業はDX人材の確保に力をいれています。

そこで、DXの資格を取得しているとDX人材として判断されるため、キャリアの選択肢を広げられるでしょう。

また、CIOやDXコンサルタント、ITエンジニアのスペシャリストなど、さまざまなキャリアパスがあるため、キャリアアップしたい方はDX資格の取得を目指しましょう。

DX資格の選び方

DX資格の受験は適当に選ぶのではなく、選び方について事前に確認しておきましょう。

適当に受験すると、将来のキャリアと関連性の低い資格取得に時間を割くことになる可能性があるため注意が必要です。

ここでは、個人で取得する場合と社員に取得させたい場合に分けて解説するので、DX資格の選び方について確認してみてください。

個人で取得する場合

個人的にDX資格を取得する場合は、現在の職場でキャリアアップしたいのか、転職したいのかを明確にするようにしてください。

キャリアアップを目指している場合は、取得しようと考えている資格が今後のキャリアに役立つのかよく考える必要があります。

たとえば、マネジメント職でDX推進に携わりたい場合は、DX資格よりもマネジメントスキルに特化した資格取得が向いている可能性があるでしょう。

将来のキャリアプランを明確にし、取得するDX資格が活かせるのかどうかをよく確認したうえで受験するようにしてください。

社員に資格を取得させたい場合

社員にDX資格を取得させたい場合は、企業でDX推進に取り組む目的とビジョンを明確にするようにしてください。

目的が明確でないまま社員にDX資格を取得させると、時間とコストの無駄遣いになる可能性があります。

また、目的やビジョンによって必要になるDX資格は異なるため、事前に明確化しておくようにしてください。

社員にDX資格の取得を推進する際の注意点

社員にDX資格の取得をしてもらいたい場合は、次の点に注意してください。

それぞれ詳しく解説します。

DX人材の育成で失敗しないためにも、注意点についてよく確認しておきましょう。

資格取得の目的を明確にする

DX資格取得で失敗しないためには、資格取得の目的を明確にする必要があります。

どのような目的やビジョンでDX推進をするかによって、取得する必要のあるDX資格は大きく異なるためです。

そのため、自社がDX推進する理由や、達成のためにどのような知識・スキルを保有した人材が必要なのかをよく考えたうえで、社員の資格取得を推進していきましょう。

資格取得の社内制度を整備する

社員にDX資格を取得させる場合は、資格取得に関する社内制度を整備しておくようにしましょう。

いきなりDX推進の担当者を任されたり、DX資格の取得をお願いしたりしても、社員のモチベーションは上がらずに取得できる可能性は低くなります。

DX資格の取得を推進する場合は、次のような資格取得の社内制度を整備すると良いでしょう。

資格取得で祝い金や毎月の給料に手当がつくと、社員のモチベーション向上につながるため、勉強に取り組んでもらえる可能性が高くなります。

ですので、社員の気持ちを第一に考え、モチベーションを維持するための社内制度を整備するようにしてください。

社内制度の対象者を決める

資格に関する社内制度を整備する場合は、対象者を決めるようにしてください。

社内のどのような人がDX推進に適しているかを考えたうえで、資格取得してもらうように伝えるようにしましょう。

また、DX推進に向いていない方や、そもそもIT関連の知識があまりない方に資格取得を頼んでも、気持ちよく応じてもらえない可能性が高いです。

DXを取得した方におすすめの転職エージェント

DX資格を取得した方のなかで、DX推進に携われる企業へ転職したいと考えている場合は、次の転職エージェントの利用がおすすめです。

それぞれ特徴やおすすめできる点を詳しく解説します。

転職エージェントをうまく活用し、DX資格を最大限に活かせる企業への転職を実現しましょう。

リクルートエージェント

マイナビエージェント

ビズリーチ

DX資格に関するよくある質問

DX資格に関するよくある質問は、次のとおりです。

それぞれ詳しく解説します。

同様の悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

DX資格はDX推進に必須ですか？

DX資格は、DX推進に必須ではありません。

DX推進に携わる人材のスキルアップにつながるDX資格ですが、無理に取得しなくてもDX推進はできます。

しかし、自社でDX推進する場合は経営戦略や事業戦略からITやAIのようなDX推進に必要なものを検討するため、技術者としてのスキルのみではうまくいかない可能性が高いです。

資格取得を通じて経営的視点のDXに関する知識や、AIやクラウドサービスなど最新トレンドに関する知識を取得しておくと、DX推進の際に役立てられるでしょう。

DX推進を円滑かつ失敗しないように進めたい場合は、DX資格を取得しておいても損はないと考えられます。

DX人材の職種には何がありますか？

DX人材の職種には、次のようなものがあります。

DXやデジタルビジネスの実現を先導する職種や、AIや機械学習などの最新技術を扱う職種などさまざまです。

資格取得の際は、どのようなキャリアを築きたいかを明確にしたうえで、必要な知識・スキルが身につく資格取得を目指しましょう。

まとめ | DX資格を取得してDX時代で市場価値の高い人材になろう！

DX時代に市場価値の高い人材を目指す際は、スキルを客観的に証明できるDX資格の取得がおすすめです。

しかし、適当に受験するのではなく、取得する目的やどのようなキャリアを今後築きたいのかをよく考える必要があります。

また、企業が社員にDX資格を取得させる場合は、企業でDX推進に取り組む目的・ビジョンを明確にしましょう。

そのうえで、資格取得の社内制度を充実させ、適性のある人材を選び取得してもらえるように伝えるようにしてください。