「20代だけど仕事がつらい、辞めたい」「新卒で仕事を辞めるのは甘え？」と悩んでいませんか。

新卒で会社に入った方の場合、退職が未経験になるため「この悩みで退職を決めていいの？」と疑問を持つ方もいるでしょう。

本記事では、20代が仕事を辞めたい・疲れたと思う理由や対処法を紹介します。

20代の離職率や辞める際の注意点、仕事に疲れたときの対処法など、仕事を辞めたいと考えている20代に役立つ情報を紹介するので参考にしてください。

関連記事：20代で退職しても大丈夫？｜メリット3つと辞めるときの判断基準も解説

20代が仕事辞めたい・疲れたと思う理由

ここからは、20代が仕事辞めたい・疲れたと思う代表的な理由を5つ紹介していきます。

それぞれの悩みの詳細を紹介するので、ご自分の状況と照らし合わせながら見ていきましょう。

仕事にやりがいを感じられない

20代で仕事に不満を抱えている方の多くは、仕事にやりがいを感じていません。

やりがいが感じられる仕事であれば、仕事を辞めたい・疲れたと思う方は少ないものです。

仕事にやりがいが感じられない原因としては、以下の理由が挙げられます。

上記に該当する場合、仕事のモチベーション低下につながり、不満を感じるようになります。

自分のスキルに見合わない業務を延々とさせられると「他の仕事の方が向いているのでは？」と考える方が多いでしょう。

人間関係に疲れた

20代に限らず、職場の人間関係に疲れると、仕事を辞めたい・疲れたと感じるようになります。

苦手だと感じる原因は「プライベートまで交流がある」「社員同士の競争意識が強い」など、さまざまな理由があるでしょう。

苦手な相手とは極力関わりたくないと思うため、業務がスムーズに進まないことも少なくありません。

人間関係が悪い職場は、ストレスが積み重なり、仕事の意欲低下につながります。

関連記事：職場の人間関係が合わない・疲れたから会社を辞めたい時にすべき行動とは？

上司と合わない

会社では上司の指示に従う必要があるため、合わない相手だと仕事をやりにくいと感じます。

上司は仕事を進めるうえで避けては通れない相手なので、関わりを減らしたくても簡単ではありません。

そのため、上司と合わないことで仕事を辞めたいと考える20代は一定数存在します。

相手からパワハラやモラハラなどのハラスメント行為がある場合は、速やかに人事に相談して対処をしてもらいましょう。

ハラスメントは企業全体の問題になるため、組織として対処が必要になります。

待遇や評価に不満がある

仕事量が多く、必死に働いているのに評価されない職場も、仕事に疲れたと感じる原因のひとつです。

いくら努力しても評価されなかったり、待遇に反映されなかったりする場合、仕事に不満を持つ理由に該当します。

努力が報われないと徒労感ばかりが残り、モチベーション低下につながるでしょう。

また、給与が低い職場では、結婚や将来のことを考えて転職を考える20代も少なくありません。

社風に馴染めない

社風とは企業の文化や価値観、独自の雰囲気やスタイルを指します。

働いている職場の社風に馴染めないことは、働くうえで大きなストレスになるものです。

トップダウン志向が強い会社の場合、部下の意見が反映されにくい環境なので、いくら努力してもやるせない気持ちになるでしょう。

古くからの慣習が残っている企業であれば「残業や休日出勤が当たり前」「女性の立ち位置が低い」など、現代では理解できない慣習が多く残っています。

事前にある程度は調査できますが、入社しないとわからないことも多く「思っていた企業ではなかった」とミスマッチを感じる20代は少なくありません。

20代で仕事を辞めてもいい？離職率を紹介

続いては、厚生労働省による「令和３年雇用動向調査結果の概況」をもとに、20代の離職率を紹介します。

20代前半の離職率

まずは、20代前半（20～24歳）の離職率です。

	男性の離職率	女性の離職率
20代前半	24.2％	26.9％

20代前半の離職率を確認すると、男女で約25％の方が離職していることがわかりました。

約4人にひとりが離職しているため、決して少ない数ではありません。

「20代で仕事辞めるのは逃げ？甘い？」と考える方もいますが、そのようなことはなく、状況次第では離職を選んでも問題ないことがうかがえます。

20代後半の離職率

続いては、20代後半（25～29歳）の離職率をチェックしましょう。

	男性の離職率	女性の離職率
20代後半	19.6％	19.2％

20代後半は男女で約20％の離職率となっており、20代前半と比べると減少しています。

とはいえ、約5人にひとりが離職している計算なので、離職を選ぶのは珍しいことではありません。

全年齢では男性の離職率12.8％、女性は15.3％なので、他の年代と比べても20代の離職率は高い結果であることがわかりました。

新卒3年以内の離職率

続いては、厚生労働省が発表している新規学卒就職者の離職状況をもとに、新卒3年以内の離職率を紹介します。

	1年目の離職率	2年目の離職率	3年目の離職率
高卒	15％	10％	8.1％
短大卒	16.2％	11.7％	10.6％
大卒	10.6％	9.7％	8.3％

結果を見ると、1年目の離職率が1番高いことがわかりました。

入社して1年目の場合「すぐに退職すると転職活動に影響があるのでは？」と悩む方もいますが、多くの方が早い段階で退職を決意しているようです。

20代が仕事を辞めてもいい理由

20代の離職率は高いことがわかっても、仕事を辞めてもいいのか躊躇う方もいるでしょう。

ここからは、20代が仕事を辞めてもいい理由を4点紹介します。

仕事を辞めてもいい理由を知ることで、退職を前向きに検討できるかもしれません。

辞めたい気持ちで仕事をしても成長につながらない

「辞めたい」と思いながらする仕事は、自分のためにも職場のためにもなりません。

ネガティブな感情を持っていると、仕事のパフォーマンスが落ち、クオリティの高い仕事も難しくなるものです。

ただ生活のために働いているなら「仕事なんかどうでもいい」と考えるようになり、仕事へのモチベーションはどんどん低くなるでしょう。

仕事にやりがいを感じられる職場であれば「よりいいものにしたい」「自分のスキルを最大限に発揮したい」などの意欲が高まるため、結果的に良い仕事につながります。

仕事が評価されると、昇進や昇給が期待でき、スキルやキャリアの向上が可能です。

20代はポテンシャルの高い年代だからこそ「辞めたい」と感じる職場で働くのは、貴重な時間を無駄にしているとも考えられます。

30代になると退職しづらくなる

20代で退職を悩んでいる方は、30代になると悩まずに退職を決意できるのでしょうか。

結論として、30代は20代よりも退職がしづらくなります。

なぜなら、30代は20代よりも責任のある仕事を任されやすく、部下がつくこともあり、引き止めに合う可能性があるからです。引き継ぎに関しても20代と比べると時間や労力を伴います。

また、30代は結婚による影響があり、家族がいると反対されるケースも多く、簡単に退職を決意できません。

20代であれば30代よりも責任が少ない分、スムーズに退職できる可能性があります。

20代はポテンシャル採用が期待できる

20代はポテンシャル採用が期待できる年代なので、辞めてもすぐに転職先が見つかる可能性が高いです。

企業は長期的に働いてくれる人材を求めており、20代という若さが評価されやすいのです。

30代になるとポテンシャルよりも即戦力がある人材が評価されるため、転職が難しくなる傾向があります。

また、20代よりも転職先が限られてしまうので、30代よりも20代のうちに転職活動をおこなったほうが有利に転職できるでしょう。

未経験の職種にも転職しやすいため、今とは違う仕事を考えている場合でも、30代より20代のうちに転職活動をおこなうことをおすすめします。

体調を崩すと働けなくなる恐れがある

仕事辞めたい・疲れたと思っている状態で無理をしたまま働き続けると、体調を崩してしまう恐れがあります。

特に精神面の病気は短期間で治らない場合が多く、悪化すると長期的に働けなくなるかもしれません。

無職期間が続くと履歴書の空白期間が長引き、今後のキャリアに影響があります。

自分の人生を壊さないために、20代でも仕事辞めたい・疲れたと思うなら退職を決断して問題ありません。

20代が仕事を辞める際の注意点

続いては、20代が仕事を辞める際の注意点を3つ紹介します。

20代で仕事を辞めることは問題ありませんが、メリットばかりあるわけではないことを把握しておきましょう。

転職時に早期退職のリスクを懸念される

20代で退職する場合、3年未満などの短期間で会社を辞めることになります。

早期退職になるため、転職活動では「入社してもまたすぐ辞めるのでは」「仕事に意欲がないのでは」と懸念される恐れがあります。

特に3回以上の転職歴があると、採用の際に気にする企業が少なくありません。

また、1年未満で退職する場合も「ストレス耐性が低い」「忍耐力がない」と判断される可能性があります。

とはいえ、1年未満で退職している20代は少なくありません。

転職回数が多いと転職に不利になりますが、1年未満でも本当に無理だと感じるなら、退職を前向きに検討しましょう。

収入が減る可能性がある

入社後数年であれば役職についている方は少ないですが、20代後半となると出世の早い方は何かしらの役職が与えられていることがあります。

その場合、転職すると役職を失うため、収入が減る可能性があります。

給与の高い会社に入社すると収入アップできるかもしれませんが、簡単なことではありません。

長年働き続けている方と比べると、昇進が遅れてしまう場合もあるでしょう。

また、20代で退職すると、退職金がもらえないケースがほとんどです。

退職金は「入社後3年経過した方を対象に支給する」としている企業が多いので、退職を決意した方は退職金が支給されるのか就業規則を確認するといいでしょう。

知識やスキルが身に付かない

転職先が同業種であれば問題ありませんが、異業種に挑戦する場合、今までの知識やスキルが活かせません。

そのため、長く働いている方と比べると、20代で転職する方は知識やスキルが身に付きにくいといえます。

しかし20代の転職はポテンシャル採用が期待でき、未経験の業種にも採用されやすいメリットがあります。

今の仕事に将来性がないなら、退職を決断して、転職先で知識やスキルを身に付ける努力をしたほうが賢明な場合もあるでしょう。

20代で仕事を辞めるか悩む際の判断基準

仕事を辞めたい気持ちはあっても、仕事は人生に大きく関わることもあり、簡単に退職を決断できない方が多いでしょう。

辞めるか悩んでいる方は、これから紹介する4つの判断基準を参考にして再度検討してみてください。

心身に悪影響がないか

仕事のストレスや疲れは、心身に悪影響を及ぼします。

既に体に何らかの不調が表れている方は、身体が「もう無理」だと伝えています。

ストレスが原因で身体に表れる不調は以下を参考にしてください。

このような症状が出ている場合は、今すぐ退職をすることをおすすめします。

心身に影響が出るまで、無理に働く必要はありません。

労働条件に問題がないか

退職するか迷いがある方は、今の労働条件に問題がないか見つめ直してみましょう。

以下の例に該当する職場は労働環境が悪いため、退職をおすすめします。

このような職場では、疲労やストレスが蓄積され、心身に悪影響が及びます。

該当しない場合でも、過度なストレスを感じている方や、心身に不調がある方は退職を検討しましょう。

ストレスが溜まっているか判断できないなら、ストレス度診断を受けることで客観的な判断ができます。

インターネットで検索すると出てくるため、判断したい方は試してみてください。

キャリアプランを見つめ直す

自分のキャリアプランを見つめ直すことも、仕事を辞めるかを決める判断基準に役立ちます。

将来自分はどのようなキャリアを積みたいのか考え、現職で叶うことなのか見つめ直してみましょう。

キャリアプランをどう考えればいいかわからない方は、以下の順番で自分に問いかけてみてください。

このようにキャリアプランを考えることで、現職を続けるべきか辞めるべきかの判断が容易になります。

自分の求めるゴールが現職では叶わないのなら、早く見切りをつけたほうがいいでしょう。

辞めたい理由を明確にする

辞めたい理由を明確にすることも、退職を判断する方法のひとつです。

たとえば「やりがいがある仕事がしたい」を理由に転職する場合は、自分がどのような仕事にやりがいを感じるのかを明確にすることが重要です。

現職の仕事はなぜやりがいを感じられないのか、やりがいを感じられる仕事に就くには何が必要なのかを考えてみてください。

漠然としたまま退職をすると、転職先でも「やりがいを感じられない」と仕事に嫌気をさす恐れがあるので注意しましょう。

続いて人間関係の悩みが理由で転職をする場合ですが、新しい転職先で苦手な相手がいないとは言い切れません。

良い人間関係が築けるかは自分次第なので、転職をする前に今の職場で人間関係が改善できないのかを考えてから退職を決めましょう。

部署異動の申し出ができるなら、部署異動によって人間関係が改善できる可能性があります。

また、仕事だと割り切って付き合うのも対処法のひとつです。

対処しても改善が難しい職場であれば、仕事を辞めて違う環境で働いたほうがいいでしょう。

関連記事：【具体例付き】理想の退職理由と例文｜円満に退職するためのポイント

20代で仕事を辞めたい・疲れたときの対処法

仕事を辞めたい・疲れたと感じたときは、これから紹介する3つの対処法を試してみましょう。

すぐに退職を決意せずに一度立ち止まることで、後悔のない選択ができます。

友人や家族に相談する

ひとりで悩んでいる状態は、ネガティブ思考になりやすく、鬱々とした気持ちになります。

そのため、悩みの原因がわかっているなら、友人や家族に相談をして話を聞いてもらいましょう。

職場内のことは職場の方だと正直な気持ちを話しづらいですが、友人や家族であれば本音を打ち明けやすいです。

悩んでいる状態は、自分自身の本当の気持ちが見えていないことが少なくありません。

誰かに悩みを話すことは、自分が何に対して悩んでいたのかを明確にできるため、これからどうすべきかがわかる可能性があります。

また、友人や家族の力を借りることで、問題を解決する方法が見出せるかもしれません。

悩みを人に共有することはストレス解消にもなるため、ぜひ試してみてください。

周りの人に相談しにくいときは退職のプロがおすすめ

人に相談しにくい方は、退職のプロである「退職代行サービス」に相談するのもおすすめです。

退職代行サービスとは退職の申し出の代行をおこなってくれるサービスであり、無料で相談を受けることもできます。

LINEやメールで相談できるサービスもあるので、直接話すことが苦手な方でも安心です。

以下の記事でおすすめの退職代行サービスを紹介しているため、選ぶ際の参考にしてください。
関連記事：退職代行おすすめランキング14選｜サービス内容を比較【2024年6月】

休職する

思い切って休職をするのも、仕事を辞めたいと思ったときにおすすめの対処法です。

一度仕事から離れて十分に休むことで、気持ちがリフレッシュでき、前向きな気持ちで悩みを対処できます。

退職を申し出ると引き継ぎや手続きなどが進められ、後には引き戻せません。

一時的な感情で退職を決意すると後悔する恐れがあるため、慎重に判断するにも自分を休ませることが大切です。

「休職は他の従業員に迷惑がかかる」「長く休むと復帰が難しいかも」と悩むかもしれませんが、無理して働き続けると体調に悪影響を及ぼし働けなくなる可能性があります。

自分を大切にすることは仕事のモチベーション向上にも役立つため、一度しっかりと体を休ませましょう。

転職を検討する

仕事に対してネガティブな気持ちになっているときは、現職で生き生きと働く自分が想像できないものです。

転職を検討し、今とは違う環境で働く自分をイメージすることで、満足度の高い日々を過ごせるようになるかもしれません。

すぐに転職を決断しなくても、まずは転職サイトを見て、どのような求人があるのかチェックするだけでOKです。

「ここの企業はチームワークが良さそう」「自分のスキルが発揮できそうな職場は意外と多いんだ」などに気づくことで、前向きな気持ちになり、悩み解消に役立つ可能性があります。

関連記事：転職エージェントおすすめ比較ランキング！【最新版】人気大手18社の選び方を年代・職種別に一覧で解説

「仕事を辞めたい・疲れた」と悩む20代によくある質問

最後に「仕事を辞めたい・疲れた」と悩む20代が、抱えやすい疑問について回答します。

同じ悩みや疑問をお持ちの方は、解決するための参考にしてください。

20代で仕事を辞めても失業保険はもらえる？

雇用保険に加入していたのであれば、20代でも失業保険がもらえる可能性があります。

以下の条件を満たしている方なら、失業保険の受給が可能です。

仕事をしたいという意思があっても、病気やケガ、妊娠などですぐに働ける状態でない方は手当を受けることができません。

手続きのやり方や詳しい条件については、ハローワークの公式ホームページを確認しましょう。

ボーナスをもらって退職してもいい？

結論として、ボーナスをもらって転職してもOKです。

ボーナスは在籍期間中におこなった仕事の対価として支給されるため、ボーナスをもらって退職をしても後ろめたさを感じる必要はありません。

しかし、ボーナス支給日よりも前に退職した場合は、もらえないケースがほとんどなので、退職の意思表明時期は慎重に決断しましょう。

また、ボーナスが満額もらえるかは、各会社の就業規則によって異なるため確認してください。

20代が転職する方法は？

20代で転職する場合、どの転職媒体を利用すべきか悩む方も多いでしょう。

おもな転職媒体として、以下のサービスが挙げられます。

ハローワークや求人情報誌は、比較的地域密着型のサービスになるため、地元企業に転職したい方におすすめです。

質の高い求人や多くの求人数から転職先を見つけたい方は、転職サイトや転職エージェントの利用が向いています。

また、転職エージェントは求人紹介や応募書類の添削、面接対策など、転職に役立つサポートが充実しています。

そのため、転職活動に慣れていない方や、サポートを受けながら転職活動を進めたい方は転職サイトよりも転職エージェントの利用を検討しましょう。

20代が仕事を辞めたい・疲れたが理由で辞めるのは甘えではない！

仕事をしているとどうしても「辞めたい」「疲れた」と感じるときはあるものです。

20代の場合早期離職になるケースも多いため「現段階で辞めるのは甘えでは？」と考えてしまう方もいるでしょう。

しかし、20代前半では4人にひとり、20代後半では5人にひとりの割合で離職者がいます。

20代で退職する方は少なくないため、現職で働くことがストレスなら、退職しても問題ありません。

無理して働き続けると、体や精神面に不調をきたす恐れがあるので、十分に注意しましょう。

20代は転職市場で需要があり、未経験の業種でも採用されやすいメリットがあります。

転職活動に不安があるなら、転職エージェントの利用がおすすめです。

転職エージェントには転職のプロであるアドバイザーが在籍しているため、相談することで不安を解消できる可能性がありますよ。