看護師として働かれている方で、給料が割に合わないと感じてしまう場面が出てくるかもしれません。

看護師の平均年収は約500万円で、他の職業と比べても決して安いということはありません。

しかし、看護師は人の命に関わるプレッシャーがある仕事ですし、夜勤や長時間労働などの肉体的な負担もある仕事です。

仕事内容や責任に対して、給料が割に合わないと感じてしまうことも出てくることもあるでしょう。

本記事では、看護師の仕事内容と給料を比べながら、本当に割に合わないのかを解説し、割に合わないと感じてしまう理由をご紹介します。

現在の看護師の給料に納得できていない方は、環境を変えてみることも1つの方法ですので、納得して働けるためにぜひ参考にしてみてください。

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看護師の給料が割に合わないと感じてしまう理由

看護師は、非常に責任があり、精神的にも肉体的にも大変な仕事です。

看護師の実際の平均給料は後述しますが、まずはなぜ看護師の給料が割に合わないと感じてしまうのかから解説します。

看護師の給料が割に合わないと感じる理由には、次のような内容があるからだと考えられます。

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責任が重い仕事だから

看護師は人の健康や命にも関わる重大な仕事で、実際に患者さんが亡くなる場面に直面することも起こります。

人によっては死に対して慣れが出てくる方もいますが、デリケートな方であれば、よくお世話をしていた患者さんが亡くなったことで強い精神的負担を感じてしまうこともあるでしょう。

責任感が強すぎる方であれば、「あの時ああしていれば」と、後悔が続くようなこともあり、精神的な負担を感じてしまう場面も多くあります。

また、患者さんや患者さんのご家族からプレッシャーやクレームを受けるようなこともあり、このような精神的負担に対して給料の割合が合わないと感じてしまうこともあるでしょう。

体力仕事が多いから

看護師の仕事は、精神的負担だけでなく、肉体的な負担も大きな仕事です。

患者さんの身体的なケアに併せて、カルテや報告書の管理、患者さんのご家族への対応など、幅広い仕事をこなさなくてはなりません。

肉体的にも負担がかかりますし、労働時間も長くなりがちです。

毎日、クタクタで帰宅した後は、いくら良い給料を貰っていても「割に合わない」と、感じてしまう場面が出てきてしまうでしょう。

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残業や夜勤が多いから

上記でお伝えしましたが、看護師の仕事は幅広く、定時の限られた時間内だけでは業務が終わらないこともあります。

また、入院患者がいる病院は24時間稼働しており、夜勤として働かなくてはならない場面が出てきます。

2交替や3交替のシフトで、月に何度かの夜勤が組み込まれる看護師も多いでしょう。

残業や夜勤に対しては、それぞれ手当が追加で支払われることが通常です。

しかし、それでもプライベートの時間や生活リズムを犠牲にして働くことに対して、割に合わないと感じてしまう方もいることでしょう。

昇給することが少ないから

基本的な給料は高めの看護師ですが、昇給が少なく、将来的には給料に不満を持ちやすい特徴があります。

日本看護協会によると、看護師の初任給と看護師10年目の月給には約4万円の差があり、年額に換算すると10年目の看護師の方が約68万円高いことがわかります。

一方で、他の職業の1年での昇給は一般的に月額8千〜1万円プラスになることが多いです。

単純に×10年分で計算すると、10年目で月額8万円上昇していることになりますので、看護師の昇給率は低いと考えられます。

看護師になりたてや若い頃は、給料に満足していた看護師でも、年数を重ねるごとに給料が割に合わないと感じてしまいやすくなることもあるでしょう。

【関連記事】昇給の平均額は何円くらい？給料をアップさせる方法についても解説！

看護師の給料は割に合わない？他の職業の給料と比較

本当に看護師の給料が割に合わないのか、他の職業の給料と比較してみましょう。

割に合わないかどうかを判断するためには、仕事内容や仕事量なども関わりますので、給料の額面だけで判断はできませんが、給料が他の職業よりも高いと分かれば、「割に合わない」という気持ちも多少は緩和されるはずです。

看護師の平均給料

厚生労働省の統計を参考にすると、看護師の平均年収は508.2万円となっていました。

さらに、月収とボーナスに分けると以下のとおりです。

参考：令和5年賃金構造基本統計調査｜厚生労働省

後述しますが、年収500万円は他の職業と比較しても平均的です。金額的に判断すると、決して割に合わないというものでもなさそうです。

一方、数年間看護師として働いているにも関わらず、上記の金額と大きく離れてしまっている方は、割に合わない働き方をしている可能性が考えられます。

関連記事：【2024年版】看護師の平均年収は？年代別のデータや年収アップの方法も解説！

看護師の平均給料と他職業の平均給料の比較

看護師の年収と他の職業の平均年収を比較してみると、次のような違いがありました。

参考：令和5年賃金構造基本統計調査｜厚生労働省

年収自体は、他の職業と比べても大きな違いがありません。

しかし、上記の内容は男女合計での平均年収です。

看護師は圧倒的に女性が多い職業となっており、男女の年収の差があまりないことも特徴に挙げられます。

平均年収	男性	女性
看護師	525.7万円	506.1万円
全職業	569.8万円	399.7万円

女性に限定した場合、他の職業よりも平均年収が100万円以上違う場合もあり、給料自体はかなり高水準であることが分かります。

学歴や勤続年数による平均給料の違い

看護師になるまでの学歴や看護師の勤続年数による給料の違いについても知っておきましょう。

まとめると、次のような給料の差があります。

学歴/勤続年数	平均月収
高卒＋3年課程卒の新卒看護師	26万6,558円
大卒の新卒看護師	27万4,752円
勤続10年の看護師	32万6,675円

まず、学歴ですが、専門学校や短大卒の3年課程卒の看護師と、大卒の看護師に大きな給料の差がないことが分かります。

学費のことを考えると、大学の方が200〜300万円ほど学費が高くなるため、大卒の看護師は割に合わないと感じてしまいやすいと考えられます。

勤続10年と新卒の看護師の給料の違いは、6万円ほどです。

これは他の職業と比べても昇給率が低い結果になっています。「割に合わない理由」でもお伝えしましたが、昇給しにくい点も看護師の給料の特徴に挙げられます。

このように、「これまでの頑張りや結果が給料に反映されにくい」点も看護師の給料が割に合わないと思われてしまう理由にあると考えられます。

看護師が割に合わない給料を上げるための方法

現在の給料が割に合っていないと感じる看護師の方は、給料アップする方法を模索していきましょう。

こちらの項目では、看護師が給料を上げるためにできる基本的な3つの方法をご紹介します。

資格を取得して手当やキャリアアップを図る

看護師として働きながらの資格取得はとても大変なことですが、短期集中で資格取得を目指すことで、将来的な給料を安定的に上げることも可能です。

専門看護師や認定看護師は、資格そのものに手当を用意している施設もあり、有資格者には毎月1万円程度の手当が貰える場合があります。

資格手当の平均支給額には、以下のような結果がありました。

参考：「2022 年度 専門看護師・認定看護師に対する評価・処遇に関する調査」報告書｜日本看護協会

手当だけでなく、転職でも好条件の看護師求人に応募しやすくなるなどのメリットもありますので、どこかのタイミングで資格取得を目指してみても良いでしょう。

看護師の給料アップに繋げやすい資格として、次のものがあります。

関連記事：看護師の転職に有利な資格30選｜分野別の難易度やおすすめの資格を紹介

部署移動や昇格によって幅広い仕事をする

資格によって専門性を高める方法もありますが、幅広い仕事を担当することで、経験を高めることも将来的な給料アップに繋がります。

また、主任になることで、他の看護師をまとめる立場になり、新たな仕事を経験できますし、実際に給与面でも待遇が良くなります。

しかし、看護師主任は、一般的に看護師年数10年以上の経験が求められるため、すぐには目指せない方も多いでしょう。

割に合わないと感じてしまいやすい看護師の給料ですが、「どうやれば給料やキャリアアップに繋げられるか」と、考えながら仕事に取り組むことで、モチベーションも変わってくるはずです。

条件が良い他の職場へ転職をする

今の職場での給料が割に合わないと感じられる方は、他の病院等の求人と条件を比較してみてください。

単に今いる職場の給与が平均より低くなっているケースもあり得るでしょう。

目の前の給料面だけでなく、職場での人間関係のリセットや将来的な給料アップ、スキルアップなど、他の部分で改善されることもあります。今の職場に不満がある方は、前向きに転職を検討してみても良いでしょう。

後述する転職エージェントを活用すれば、転職時のアドバイスや好条件求人の紹介など、あなたの転職成功に向けたサポートを一緒になっておこなってくれます。

関連記事：看護師から転職を成功させるポイントとは？おすすめの業種を紹介

給料アップを目指す看護師におすすめの転職エージェント3つ

給料が割に合わないと感じている方は、現在よりより良い条件で働けるかどうかを転職エージェントに相談してみると良いでしょう。

相談だけでも結構ですし、良い求人があれば、実際に転職活動に進んでいくことも可能です。

こちらの項目では、主に給料アップを目指す際におすすめの看護師向け転職エージェントを3社ご紹介します。

レバウェル看護

レバウェル看護は、15万件以上の求人が掲載されており、豊富な看護師求人の中から条件にあった求人を紹介してもらえます。高給与の求人も3万件以上あり、給料アップのための転職も実現させやすいでしょう。

求人の質にもこだわっており、施設スタッフへのインタビューが掲載された求人情報も用意してあります。求人票からでも実際に働いている人の生の声から職場の雰囲気を確認できます。

求人の質や転職先の雰囲気を重要視している方におすすめの転職エージェントです。

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）は、看護師専門の転職支援サービスで、年間10万人以上の看護師が利用しています。

都道府県ごとに担当キャリアパートナーが在籍しているため、地域の事情に応じた転職や看護師職のアドバイスを受けることも可能です。

全国的に満遍なく求人を掲載していますので、首都圏以外で転職する方に特におすすめできます。

看護roo!転職

看護roo!転職は、看護師向けメディア「看護roo!」が運営する、充実した求人数が魅力の転職サービスで、18万件以上の求人を保有しています。

上記の2社は、「転職エージェント」というサービスで、担当アドバイザーから求人を紹介してもらうことで、転職活動を進められますが。看護roo!転職では、気になる求人に自分から応募することが可能です。

転職に前向きな方で、特に自分のペースで転職活動を進めていきたい方におすすめのサービスです。

まとめ

看護師の仕事は、長時間労働や夜勤も多く、人の命にも関わる仕事であるため、肉体的・精勤的にもとても大変な仕事です。

給料水準だけで言えば決して悪くはない収入を得られますが、それでも仕事内容や仕事量に対して割に合わないと感じてしまう場面も出てきてしまいます。

看護師の給料が割に合わないと感じてしまう理由には、主に次のものが挙げられます。

一時的に「割に合わない」と思うこともありますが、あまりにも慢性的に給料に不満を感じてしまっているのであれば、転職も視野に入れていい段階かもしれません。

同じ看護師への転職でも、勤務先を変えることで、労働環境や給料が改善されることもあります。

看護師から他の職業へ転職する場合も、給料自体は下がってしまうかもしれませんが、仕事の負担が軽減されることもあるでしょう。

一人で悩まず、転職エージェントのアドバイザーなどに相談し、給料も仕事内容も納得できる方法を見つけていってみてください。