ITエンジニアが転職に失敗する9つの理由と失敗しない転職にするポイント

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DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展により、エンジニアのニーズが社会全体として高まっています。最近は、エンジニア育成のサービスも充実してきていることから、エンジニアに興味を持つ人も少なくありません。

IT人材のニーズについて、経済産業省は、次のように指摘しています。

IT 人材は、我が国の IT 産業の産業競争力強化のほか、企業等における高度な IT 利活用デジタルビジネスの進展等を担っている。特に AI(Artificial Intellegence:人工知能)やビッグデータを使いこなし、第4次産業革命に対応した新しいビジネスの担い手として、付加価値の創出や革新的な効率化等により生産性向上等に寄与できる IT 人材の確保が重要となっている。

引用:経済産業省|―IT人材需給に関する調査―調査報告書1頁

実際の試算としても、2018年から2030年時点まで、IT人材の数と、不足は解離は増加傾向にあり、エンジニアなどの技術職人材の育成、確保は急務であるという結果が示されています。

経済産業省|―IT人材需給に関する調査―調査報告書20頁

(出所)2015 年は総務省「平成 27 年国勢調査」によるもの、

2016 年以降は試算結果をもとにみずほ情報総研作成

引用元:経済産業省|―IT人材需給に関する調査―調査報告書20頁

エンジニアは不足していて、求められている職種だから、じゃあ自分もやってみよう!

そう思う方は多いかと思いますが、「エンジニアは激務と聞くし、転職で失敗はしたくない・・・」

当然の考えかと思います。後になって、

  • 「なんか思っていなのとちがうな。」
  • 「こんな形で仕事がしたいわけじゃなかった。」

と、後悔したくないと思います。

今回は、未経験からのエンジニアの転職に関して、

  • エンジニアの転職失敗例
  • 失敗例にみられる特徴
  • 考えられる失敗の原因
  • 転職に成功するために、今すべきこと
  • 実際の成功例

について、解説します。

目次

エンジニアが転職に失敗する7つの理由・事例

自分の希望する分野が転職先企業に受け入れられない・・・

私は初めからITエンジニア希望です。そのため機械エンジニアの案内が来ても職場見学に行っておりません。

ですが、本社の方から「未経験でどちらも経験がないのなら自分に向いている方なんてわからない。だから機械エンジニアの仕事して合わなかったら派遣業だから変えられる。ITエンジニアは人気の仕事だから人一倍頑張らないと経験者が採用されるから仕事決まりにくいよ。ましてや、夜勤業務もITエンジニアは発生するから決まらなかった時に夜勤業務になるかもね」と言われました。 ITエンジニアとしての一歩を踏み出したい私としては失望しています。

引用元:Yahoo!知恵袋|未経験からITエンジニアは不可能に近い?

このケースは、ITエンジニアを目指し、ITエンジニアと機械エンジニアの無期雇用型派遣という契約形態の会社に転職をしたところ、

入ってみたら、後者を任され、やりたかったITエンジニアは様々ネガティヴなことを口実に、担当させてもらえないというものです。

そして、結果として、本社からは業務内容への苦手意識から避けようとしていた機械エンジニアへの派遣が提案されたため、困ってしまったという例です。

仕事内容を漠然としか捉えていない

  • 「思った仕事内容と違った…」
  • 「プログラミング未経験でもよいと聞いたのにプログラミングスキルを求められる」

このような理由で苦労する人がいます。実は私もその中の一人でした。

「エンジニアは問題解決能力・コミュニケーション能力・マネジメント能力などがあればやっていけるので文系でも大丈夫だよ」なんてことを言われて入社したのですが、結局のところ若手のうちはプログラミングスキルを求められました。

システムの根本のことを知るために、一通りのプログラミングができるようになっておかないといけない、という考え方が理由でした。

仕事に慣れるだけで精いっぱいなのに次々に分からないことがあり、頭の中は混乱していました。入社そうそうに“できないやつ”という扱いを受け、自己嫌悪の毎日。

それは会社が求めている能力を正確に把握しきれていなかったために起こったと思っています。エンジニアの仕事内容を漠然と捉えるだけではいけなく、さらに入社する会社がどのような人材を求めているのかはっきり把握しましょう。

エンジニアと一言でいっても業務内容は幅広いです。クライアント交渉といった上流工程なのか、プログラミングやテストといった下流工程なのか、担当する業務は明確にしましょう。

やりがいが見いだせなかった

私は未経験ということもあり、開発ではなく、とあるシステムの運用を任されているのですがそのシステムの運用は月初は忙しいものの月初以外はほとんどやることがありません。

そういった場合は社員の方に 何か仕事がないか聞きに行くのですが、未経験で能力の低い私に任せられる仕事などほとんど無い為、いつもパソコンで何か調べて勉強するなどして過ごしています。

いつかは自分も成長して皆んなの役に立てるようになりたいと思いながら半年間過ごしてきましたが、心が折れそうになるときが多々あります。

引用元:Yahoo!知恵袋|転職について。こんばんは。私は27歳の男です。

地方銀行でファーストキャリアを経験されたこの方は、1年で退社しました。その後、プログラミングスクールでプログラミングを学び、SESとして採用されました。

しかし、忙しさのばらつきや簡易な業務ばかりを担当させられるなどする毎日から、やりがいを見いだせなくなってしまったという例です。

未経験歓迎!でも、実態は・・・

友人は前職での出来事を引きずっており、転職を果たした今でも自分を責めたり、自尊心が保てず自分を卑下するような言動が目立ちます。前職みたいに失敗して嫌われないようにしないととか、履歴書に書いた技能や資格に比べて失望されないように振る舞わないと、という強迫観念のようなものもできているようです。

引用元:Yahoo!知恵袋|IT業界に勤めている友人の話。長文相談。

未経験からIT業界の会社に入社してSEを目指していたこの方は、入社前の面接で、研修制度など教育環境が整備されており未経験でもプログラマーになれると聞いていました。

しかし、過大な研修課題プログラムに疲弊するとともに、その研修で要求される水準に満たなかったため、見込みがないとして退職を余儀なくされたケースです。

知名度やイメージ、雰囲気だけで会社を選んだ

  • 「とにかく大手なら大丈夫だと思った…」
  • 「面接官の雰囲気がなんとなくよかったのに」

そう後悔する人もいます。知名度やイメージだけで会社を選ぶとギャップが生じることがあります。また、面接官の対応のよさを決め手に入社する人も失敗しがちです。

もちろん面接時に雑な対応をする会社は論外ですが、面接官は人事や他の部署の人間であることも多いため、それだけを理由に入社を決めてはいけません。

実際に入社したらどのような人達と働くことになるかはできるだけ知っておいた方が安心です。

自分の長所と短所を考慮していない

  • 「自分の長所を活かせていない気がするので不満が溜まっている」
  • 「自分の短所と向き合うことになって心が疲弊した」

自分の能力を把握し、長所を伸ばしつつ短所をカバーするような職種を選択すべきでしょう。子どものころは、「短所をなくしましょう」なんてことを言われることもあったかもしれませんが、結局のところ短所はなくなりません。

長所を伸ばす方が圧倒的に楽しく、“仕事ができる人間”になれます。学生のころは見えにくかった適性もある程度社会人経験を積めば理解できるもの。無理して苦労する道を選ぶ必要はありません。

妥当な年収ではない

  • 「入社したてのころは年収に満足していたんだけどな…」
  • 「これだけ頑張っても年収が上がらないなんてうんざりだ」

目先の年収だけにこだわると後悔することも。もちろん、入社時の年収は重要です。しかし、のちのち年収がアップするようなシステムになっていないと、不満がふつふつと湧き上がってくるでしょう。

また、実力以上の年収を求めた結果、会社に貢献できていないことで居づらくなることも。年収は実力相当であるべきです。高すぎても低すぎでも悪影響を与えます。

平均残業時間しか聞いていない

  • 「面接時に聞いていた残業時間と大幅に違うぞ…」
  • 「定時帰宅なんて夢のまた夢」

面接時に平均残業時間だけしか聞いていないと、ミスマッチになることも。会社の平均残業時間は、総務部や人事部などの他部署も合わせた数字かもしれません。

エンジニアは、総務部や人事部などよりも長時間勤務になりがちですので、エンジニア単体での残業時間を把握しましょう。

また、平均残業時間だけではなく、閑散期と繁忙期の差や、過去の最大残業時間なども聞いておくと安心です。採用選考の最中では聞きにくいとは思いますが、内定を受諾する前には聞いておかないといけないことです。

ITにそれほど興味がない

  • 「同僚と比べてITへの興味関心が低いからついていけない」
  • 「消去法でエンジニアを選んだのは失敗だった」

ITへの関心の低さで、エンジニア転職に失敗した人も少なくありません。「ウェブやアプリは生活に浸透していてインフラを支えている感じがしてかっこいいよな」という漠然とした理由でエンジニアを志すと苦労する可能性が高いです。

実は、私もそうでした。入社してから同僚のITに関する興味の高さに驚かされるばかり。好きこそものの上手なれ、とはよく言いますが、ITが好きではないと仕事ができるようにはなりません。

プレッシャーに弱い

  • 「毎日といってもよいほどに納期が迫っているのがつらい」
  • 「先輩からのレビューのプレッシャーに疲れた」

エンジニアは、心身共にタフさが求められます。

自身でプレッシャーに弱いという自覚があるなら、エンジニアはあまりおすすめできません。

納期のプレッシャーやクライアント・上司・先輩からの叱責など戦わないといけない相手は多いです。仕事選びは、どう生きるかにもつながってきます。わざわざ大変な道を選択する必要はないでしょう。

リクルートエージェント

転職に失敗したエンジニアにみられる5つの特徴

エンジニアに「なりたい」という思考が先行していること

1つは、“エンジニア”という職につきたいという思いが先行していることが挙げられます。より具体的には、各種エンジニアとして雇ってもらいたい、働かせてほしい、という点を志向しているということです。

これは、IT業界に対する憧れ、社会的な需要の高まりなどの背景に着目し、仕事がたくさんあるとの抽象的な推測などから、食いっぱぐれないであろうという考えからくるものであろうと思われます。

上記でご紹介した3つのケースからは明確ではありませんが、少なくとも、「エンジニアとして何をする、どのようにする、そして、なぜするのか」といった点などに具体性がなかったといえます。

入社前に中身を知らないまま、転職(就職)した後の研修・OJTを信用している

未経験の場合、当然、エンジニアとしての専門的な技術・スキルを身に着ける必要があります。

ここで、2つ目の特徴として、エンジニアとしての専門技術やスキルを身に着ける場を、転職先企業の研修制度ないしOJTに依存している点が挙げられます。

特に、事前にプログラミングスクール等で一定のスキルを身に着けるなどの準備をしていないことは、経験者との比較で、当然不利な要素になります。

また、プログラミングスクール等の受講の有無はさておき、転職先企業の研修を利用するとして、その内容を具体的に把握しないまま転職を決めてしまうことは、あとで十分に教育をうけることができず、転職先でついていけないことになってしまいます。

社内にエンジニアの教育制度・OJTがない

3つ目として、もっとひどいケースでは、未経験者採用をうたっておきながら、いざ入社してみたら未経験者を教育できる制度がないといった場合もあります。

仮にある程度のスキルを身に着けていたとしても、実践的なものは、転職先の企業で教わる必要は多かれ少なかれあるでしょうから、社内の教育制度がないことも失敗例にみられる特徴です。

思っていた業務とのギャップに直面している

4つ目として、転職した後、結果として自分がやりたい業務をやらせてもらえないという点です。

「エンジニアに転職して、これをやりたい!」「こういう業務をするぞ!」と、ある程度目標を明確にしたうえで転職をしたとしても、何らかの経緯で、ふられる業務が希望と異なることがあります。

会社都合の場合もありますが、自分の能力に対する会社の評価の結果として、ギャップが生ずることもあります。

業界に対する情報にそんなに詳しくない

5つ目は、IT業界・エンジニア業界に関する固有の情報にうとい点が挙げられます。

「エンジニア」と一口にいっても、SE以外にも、ITエンジニア、セキュリティエンジニアなど様々なものがあります。

また、企業の種類にも、SIerやSES会社などがあるほか、SIerにはWeb系、ユーザー系、メーカ系などの区分があります。

それぞれ、業種・業態も異なり、業務内容も異なります。1つひとつの違いを理解していないケースが少なくありません。

転職に失敗してしまった原因として考えられること

エンジニアとして「何をしたい」かに具体性がない

エンジニアになりたい、エンジニアとして働きたいという思いが先行しているということは、転職後「自分が何をしたいのか」に具体性がないのが原因と考えられます。

一般論ではありますが、仕事やビジネスは、社会に対する価値提供です。何らか、個人や社会の課題に対する価値提供をすることで、お金などの対価を得られます。

もし仮に、自分が何をしたいのかという点を明確に自覚していなければ、転職できたとしても、エンジニアとしての仕事にやりがいを感じることができるでしょうか。

すでに述べたように、エンジニアは、多種多様な領域で汎用可能性があります。

だからこそ、どのような領域で何をしたいのか、どのようにスキルを活かしたいのか、そして、なぜそれをしたいのかが不明確なままだと、描くキャリアがぼやけてしまいます

結果として、エンジニアへの転職への意味が見いだせないことになりかねません。

転職前のスキル・技術的な準備不足など

エンジニアは、IT・デジタルに関する専門的な知識とともに、スキルが要求されます。

では、そのスキルをどこで身に着けるのか。

より根本的には、いつ、専門的な知識やスキルを身に着けるかが重要です。

なぜなら、採用する側は、エンジニアとしての知識やスキルを前提として、あるいは入社後の研修や教育制度を通じて、雇用を決定するからです。

特に、入社後の研修や教育制度を利用するとしても、採用する側が入社後に1から教えることは困難です。

そのため、未経験とはいえ、転職前に求職者が準備をしていることを期待すると考えられます。

仮にそうだとすると、転職前に、自主的にスクールに通うなどして、基本的なスキルを習得していなければ、転職後に業務についていけなくなるおそれが高くなります。

また、転職後の研修が設けられているとしても、安易にそれに依存することは好ましくありません

なぜなら、転職先企業が求めている水準と自分が準備して身に着けたスキルのレベルが一致するとは限らないからです。

雇用形態などの具体的内容に対する理解不足

エンジニアの雇用形態は、企業により異なります。正社員としての雇用から、派遣型まで様々です。

名称として「雇用」という言葉を用いていても、契約条件などから法的には業務委託とされる場合もあります。

それぞれの場合によって、労働基準法の適用の有無、派遣契約に関する法令の適用の有無などに差異があります。

その差異によって、ワークライフバランスがとれるかどうか、報酬体系や業務上の裁量の有無などに違いが出てきます。

このような雇用形態ないしは個々の契約条件を理解していないことで、転職してやりたかったことができなかったなど、転職失敗の原因となります。

業界に対する情報収集不足

未経験からのエンジニア転職にありがちな原因の一つとして、業界に対する知識や情報の不足が挙げられます。

エンジニアは、すでに述べたように、汎用性が高い職業としての性質上、様々な分野・業界での活かし方があります。

そのため、情報も多岐にわたり、自分が転職するうえで何が必要な情報なのか、取捨選択が要求されるのです。

未経験からエンジニアに転職する際には、上記のように自己分析をしたうえで、興味・関心のある分野・業界が何かを把握し、関連する情報であるか否かを見極めることができなければ、ミスマッチが生じやすくなります

そのような情報収集や自己分析を怠ると、結果として、「こんなことをやりたくて、エンジニアに転職したんじゃない。」と思うようなことになりかねません。

エンジニアの転職を失敗させないためにすべき6つのこと

tobeではなくtodoを考え、整理する

あなたがエンジニアに転職する理由はどのようなものですか?

「エンジニアになって働く!」だけでは不十分

エンジニアとして何をするか、さらにいえば、エンジニアになって、転職先企業から社会にどのような価値を提供したいのかということを考える必要があります。

なぜなら、エンジニアとして働きたいという思いだけだと、提供する知識やスキルの内容が不明確であるため、会社から言われたこと、頼まれたことありきで、受動的に業務に従事する形になるからです。

いいかえれば、自分がエンジニアとしてやりたいことを絞らなければ、転職後の業務が、思い描いたキャリアプランとズレやすくなります

ここにいうズレは、やりたいこととやりたくないことの境界があいまいになることによります。

この境目がぼやけていると、転職後に任された業務に対して、忙しさなどの外面的なものに影響されて、「自分にとってやりたかったものも、実はやりたくなかったものではないか」などと錯覚してしまう原因にもなりうるのです。

知識やスキルの活かし方を、自分自身でつくる

もちろん、SIerあるいはSES企業に就職するのであれば、企業の事業における業務に従事することになります。そのため、言われたことをやる、頼まれたことをやるという形式に服することになります。

しかし、あくまでエンジニアとしての知識やスキルを活かすのは、クライアントの抱える課題解決のためです。転職先の企業に対してではありません

そうであるならば、エンジニアとして、どのような課題・ペインを抱える顧客に対して、自分がどのように知識やスキルを活かすのかを考えるべきです。

このように、ただ単に、エンジニアとして働きたい!という思いだけでなく、エンジニアになって、個人や社会の中にどのような課題を抱える人たちに対し、自分のいかなる知識やスキルを、どのように提供するのかを考えることが重要です。

なぜ、あえて未経験からエンジニアになるのか、そして自分がエンジニアとして、どのような人たちに何をしたいのか、自己分析を徹底的にしてみてください。

特に、流行に流されたり、直感で転職に踏み切ったりした場合は、その直感を信じるにしても、一歩立ち止まり、具体的に中身を掘り下げることが必要です。

目指すキャリアを明確にする

目指すキャリアを明確しておかないと、そもそも内定がもらえず転職に苦戦することが多いです。企業側としては活躍するイメージが湧かなかったり、早期退職するリスクあると思ったりするわけです。

わざわざ転職してまで成し遂げたいことは何なのか、どういったビジネスマンになりたいのか、自己理解を深めてそれを企業へ伝えないといけません。

このとき、ただ単純に大きなことを宣言すればよいわけではないので気を付けましょう

地に足のついた内容で、企業が求めているものとのバランスがとれていないといけません。バランスというのが大事で、意識が高いだけではモチベーションの面で続きませんので、活躍するのは難しいでしょう。

スキル・技術的な面は、転職後ではなく転職前に準備する

転職先の研修制度を前提にするか否かにかかわらず、転職前に、基本的なスキルを身に着けておくことは重要です。

Webデザインやプログラミングのスキルを身に着ける場合、各種IT用語など、未知の世界の言葉や論理、枠組みに飛び込むことになります。

また、用語が理解できる程度にはエンジニアになるための勉強をしたというだけでも、転職の上で、経験者に勝ることは困難です。

なぜなら、エンジニアは、知識を提供するのではなく、基本的にそのシステム構築などの実践スキルが要求されるからです。

このように、未経験からのエンジニア転職は、最低限の知識やスキルを習得することが求められます。入社後に経験者と同等に業務をするには、OJTを前提としても、こういった準備の量と質が重要なのです。

なお、先に述べたように、分野や業界ごとで、求められる知識やスキルの内容、水準も異なります。

そのため、自分が関心のある分野や業界において、エンジニアとしてどのようなスキルが求められるのかを調べ、基本的な応用スキルまで身に着ける準備をすることが望ましいと考えられます。

雇用形態を理解し、最適な条件を提示する企業を選択する

裁量の有無、指揮監督権の強さなどにより、自分の描くキャリア、転職後の業務とのマッチの有無・程度は異なります。

企業がエンジニアを雇用する場合の形態は、大きく2つがあります。

正社員

1つは、正社員雇用です。最もオーソドックスなものです。

雇用期間が設定されていないことが特徴です。

有給はもちろん、ボーナス支給、家族手当などの諸手当があるなど、基本的な福利厚生があります。もちろん、残業代の支給もあります。

したがって、安定的な働き方をしたいという方に適した雇用形態です。

他方で、会社の指揮監督に服するため、自分が求める業務をできるかどうかを自分主導でコントロールできません。

そのため、自分主導で思い通りに仕事をとって、業務に従事したいという人にとっては、適さないと考えられます。

なお、パートタイム・有期雇用契約の形態も考えられます。

従前は報酬や待遇の面で正社員との間に格差がありましたが、今般の法改正により、ほとんどその面での格差は是正されています。

参照:短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律第8条及び第9条

派遣雇用

もう1つは、派遣雇用です。派遣雇用は、派遣会社との間の雇用契約に基づきます。正社員とは異なり、契約期間の定められた有期雇用契約が基本です。

もっとも、一定の場合には、無期雇用への転換をすることで、契約期間の制限をなくすこともできます。

また、同一労働同一賃金が実定化されました。これにより、従前はボーナスなどの点で正社員に比べ充実していないものとされていましたが、報酬の面での格差がほとんどなくなりました。

参照:労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第30条の3第1項及び第2項

他方で、指揮監督関係では大きく違います。

それは、使用者たる派遣会社ではなく、顧客たる派遣先企業あるいは個人にある点です。

そのため、直接顧客との間で、個々の案件を実行したいという人にとっては、適する形態であると考えられます。

特に、派遣登録する際に自分がやりたいと思う業務内容を絞ったうえで登録すれば、やりたくない案件を回される可能性は低くなります。

しかし、業務内容に口出しされたくない、自分の裁量で知識やスキルを活用して働きたいという人には、適さないと考えられます。

上記のような差異を意識して、かつ企業ごとの契約条件を認識して、転職活動にあたることが重要です。

業界に対するリサーチを徹底的に

一般論ではありますが、転職の場合でも、業界調査は必須です。

未経験であれば、より必要性は高いといえます。なぜなら、今まで足を踏み入れたことのない場所に、飛び込んでいくことだからです。

溢れる情報の中から、自分にとって必要な情報とそうでないものを見極めていくことが、失敗を防ぐために欠かせません。

転職エージェントを活用する

転職に対する不安がなかったとしても転職エージェントを活用することを強くおすすめします。

一人で自己アピールポイントを考えたり、面接対策を行ったりするのは難しいためです。転職のプロの担当者の話は非常に参考になります。

場合によっては、志望する会社へ過去に内定者を輩出していることも。面接でどのような質問がされたのか教えてくれることもあります。無料で利用できるので試さないと損ですよ。

エンジニアとして実際に転職できた成功例とポイント

田橋さん(23歳)の例

働くひとの負担が大きいと言われる保育の世界ですが、こうしたIT化が進んでいないことが原因の一つなんだろうなって思ったんですよ。諸々の業務を自動ツールで担うことができたら効率化されて、もっと子どもと向き合う時間が増えるのに…と、歯がゆく感じていました。でも、僕も学校の授業でPCを触ったことがある程度で、何ができるわけではありません。保育士として働きながら学ぶ道もあったとは思うんですが、中途半端になるのが嫌で、ITエンジニアになって知識やスキルを身につけ、保育士の働きやすい環境をつくりたいと、転職を考え始めたんです。

引用元:en転職|わたしの転職体験記ー保育士からITエンジニアへ。

田橋さんの場合、エンジニアへの転職に成功したポイントは、エンジニアとして何をするかという問題意識が明確であったことであると考えられます。それはなぜか。

転職に成功したポイント

田橋さんの前職は、保育士です。

未経験からエンジニアを目指したきっかけは、保育士として働き始めてから、本来の業務である児童保育の業務以外の事務がアナログで、IT化が進んでいなかった点に、保育士の負担が大きい原因があるのではないかと考えたことでした。

そこで、ITエンジニアとしての知識やスキルを身に着けよう、保育士の事務処理にかかる業務をIT化して効率化することで、保育士がもっと長く、子どもたちと向き合える環境をつくろうと思い至ったそうです。

このように、田橋さんは、転職を決断した経緯の中で、ただエンジニアになりたかったのではなく、具体的に、保育士の事務処理にかかる相当程度の労力と時間という課題を発見し、その課題に対し、ITエンジニアとしてIT化を図るという解決策を提供するということが明確にありました。

そのため、転職先は一見課題解決とは関連性がないようにみえる企業ではありますが、スキルを得て上記の課題解決に活かそうという形で、やりがいを見出すことができたと考えられます。

また、ゲームが好きであったことも、ゲーム開発に関する会社とのつながりを作ったことでしょう。

エンジニアとして何をするかという点が明確になっていることが、未経験からの転職を成功に導く要因となります。

坂本さん(25歳)の例

転職先を探す観点は、自分が成長できる仕事かどうか、という部分が最優先。新しい環境に入るために目指した転職だったので、職種にはこだわらず新着の求人にはずらっと目を通していきました。その中で見つけたのが当社のエンジニアの求人でした。目に留まった理由は、求人広告に書いてあった「社員全員で会社を作っていきたい」というメッセージに強く惹かれたから。これから先、色々なことができる環境なら、自分の成長にもつながるだろうと思えたんです。それに、メンバー同士の協調を大切にしているというこの会社なら、前の仕事で培ったコミュニケーションの力は活かせるはず。経験がなくても、きっと自分にマッチする会社だと思いました。

引用元:en転職|わたしの転職体験記―成長したい。その思いで飛び込んだ、エンジニアの道。

坂本さんの例は、未経験からのエンジニア転職であっても、転職先企業の求める人材像のニーズと自分の強みが合致すれば、戦力として十分に活躍できることを示しています。

転職に成功したポイント

坂本さんは、前職で携帯電話などの販売をしていました。その際に、社内やクライアントとの人とのコミュニケーションスキルが身についたそうです。

他方で、転職先企業では、技術やスキルのあるエンジニアを求めていたところ、お客様とありきの仕事であること、社員同士の協働を重んじる社風から、コミュニケーションスキルも同等に重要であったといいます。

そのため、坂本さんは、転職先企業のニーズと合致したのです。

実は今回の募集、未経験の人材を採用するためのものではありませんでした。小さな若い会社ですから、どうしても即戦力になる人材の方が優先度が高かったんです。しかも、これまでは社員の知人紹介を中心に採用を行なってきたため、公募からの採用自体が手探りでした。

ところがフタを開けてみると、今回面接した中では唯一の未経験者だった坂本君を採用することになりました。

技術が優れている方は他にたくさんいらっしゃいました。でも私たちがほしかったのは、システムをつくるだけではなく、お客様にどれだけ寄り添って考えられるか、という姿勢でした。技術やアイデアだけでも何年かは食べていけますが、いつかはそれだけで対応できなくなるときが訪れます。開発といえどもお客様あってのビジネスですから、お客様に「良い印象」を与えられるかどうか、コミュニケーションの部分も重要なポイントだと考えるようになったのです。

引用元:en転職|わたしの転職体験記―成長したい。その思いで飛び込んだ、エンジニアの道。

このように、企業の求める人材と求職者のスキルが合致することは、未経験からのエンジニア転職でも、技術・スキルの不足を補い、むしろ経験者を上回る要素となるのです。

島根さん(31歳)の例

⼊社後の成⻑をイメージできる点は魅⼒に感じましたし、これは面接で質問すべきポイントだなと気づいたことを覚えています。だから面接でも、スキルアップの流れについて深く聞いていくことにしたんです。すると、面接では「ヒトクチにITといっても、任される案件ごとに必要なスキルや知識にレベルの違いがある」ことを教えてもらえました。

その上で「今の時点でITの知識がゼロなら、最初は保守・運用系の案件がいいと思う」「プログラムやシステムが、どんな風に動いているか覚えられるから」…と、段階的にゲーム開発に必要なスキルを⾝に付けていく流れを教えてくれたんです。これが、⼊社への⼤きな後押しになったと思います。

引用元:en転職|わたしの転職体験記ー未経験の転職は、入社後の成長がイメージできるまで情報収集を。

島根さんの例は、情報収集に力点を置いたことで、自分にとって最適な環境を選択できた好例として挙げられます。

情報収集は、島根さん自身も言及されていますが、特に入社後キャリアをイメージできる程度まで徹底的にすることが重要です。

転職に成功したポイント

エンジニアに対して自分が興味・関心を抱いたとしても、「やりたい」思いが本当に仕事にできるかは別である、という前提に立つ必要があります。

未経験であるからこそ、そこにある不安に対し真摯に向き合うということでもあるといえるでしょう。

島根さんは、入社後にどのような流れでスキルアップをすることができるかを掘り下げています。

この点は、やはり単にエンジニアになりたいというのではなく、なった後に何をするか、どのように知識やスキルを活かすのかという思考にもつながります。

こうして、自分の思い描く姿と、現在地からの道筋をクリアにすることによって、島根さんのように、たとえ最初は自分のやりたいことに直接かかわらないとしても、それを1つのプロセスであると積極的にとらえて業務に取り組むことができます。

未経験からのエンジニア転職の上記失敗例も、本当はやりたくない業務でも、継続していれば、最終的に自分のやりたいことに結び付いたかもしれません。

しかし、エンジニアへの転職後、自分の思い描くキャリアが明確にならないままである結果、転職を失敗したものと思い込むようなマイナス思考が連鎖することになるのです。

島根さんの例から、転職後のビジョンを明確に描くこと、その道筋をクリアにすることが未経験からエンジニアへの転職で成功をつかむためにきわめて重要であり、そのために情報収集を徹底することが必要であるとおわかりいただけると思います。

性別
年齢
エンジニア
経験
職種

エンジニアの転職におすすめの転職エージェント

田橋さん、坂本さん、島根さん

三人の成功例で唯一共通する点は、いずれも確かな転職エージェントのサポートがあったことです。

未経験から、エンジニアという高度に専門的な知識とスキルが要求される職業への転職の上では、手探りで、不安が多々あると思います。

また、情報収集の幅にも限界があると思います。

ご参考までに、IT・エンジニアに特化した転職エージェントをご紹介します。ぜひ、積極的にご活用いただければ幸いです。

レバテックキャリア

レバテックキャリア
レバテックキャリアの特徴
  • 15年以上IT・Web業界に特化
  • ITエンジニアが利用したい転職エージェントNo.1
  • 現場社員から収集した企業の内部情報を共有

 

レバテックキャリアは、IT・Web業界の転職支援において15年以上(※1)の歴史を有する転職エージェントです。

 

職種ごとに分かれたキャリアアドバイザーのサポートに定評があり、ITエンジニアが利用したい転職エージェントNo.1(※2)を獲得した実績もあります。

 

また、企業の内部情報の収集に力を入れており、現場社員からヒアリングした生きた情報を共有してもらえることも特徴です。

 

社員のマネジメント方法や職場の雰囲気・スキル感など、入社前に知っておきたい情報を得られることは、転職の失敗を避けるためにも有効といえます。

 

(※1)レバテックキャリアの公式ホームページより
(※2)日本マーケティングリサーチ機構調べ 「2021年1月期 サービスの比較印象調査」1位

 

サービス名 レバテックキャリア
運営会社 レバテック株式会社
公開求人数 21,424件(※3)
非公開求人数 非公開
おすすめポイント
  • 応募前に企業の詳しい情報を把握できる
  • ITエンジニアのキャリアについて相談できる
  • 年収アップに期待できる
対応地域
東京、名古屋、大阪、福岡など全国/海外
公式サイト
(※3)2023年12月時点

 

 

マイナビITエージェント

マイナビITエージェント
マイナビITエージェントの特徴
  • 企業規模や募集職種など、取り扱い求人の幅が広い
  • 企業情報の収集を担当するリクルーティングアドバイザーが在籍
  • 非公開求人多数

 

マイナビITエージェントは、人材紹介企業大手の株式会社マイナビが運営する転職エージェントで、IT・Webエンジニアの転職に特化しています。

 

業界の転職事情に詳しい専任のキャリアアドバイザーが、ベンチャー企業から大手企業まで、さまざまな選択肢の中から最適な求人を紹介してくれます。

 

ITコンサルタントやインフラエンジニア、社内SEなど募集職種が幅広く、非公開求人が多数あることも、大手エージェントならではの特徴でしょう。

 

また、企業の情報収集を担当するリクルーティングアドバイザーが在籍しており、企業が求める人物像や内部情報を把握したうえで応募に進めるのもうれしいポイントです。

 

応募書類の添削や面接対策などの転職支援も充実しているため、一人で転職活動を進めるのが不安な方にもおすすめのサービスといえます。

 

サービス名 マイナビITエージェント
運営会社 株式会社マイナビ
公開求人数 17,289件(※)
非公開求人数 6,311件(※)
おすすめポイント
  • 幅広い選択肢の中から自分に合った求人を見つけられる
  • 企業の詳しい情報を教えてもらえる
  • 初めての転職活動でも安心の転職支援
対応地域
東京、名古屋、大阪、福岡など全国/海外
公式サイト
(※)SE・システムエンジニア(IT/通信/インターネット)、2023年12月時点

 

Geekly

geekly
Geeklyの特徴
  • IT・Web・ゲーム業界の求人多数
  • IT業界に特化した口コミサイトがある
  • 11年以上蓄積したノウハウをもとに求職者をサポート

 

Geeklyは、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントで、非公開求人を含めて27,000件超(※1)と、圧倒的な求人数の多さが特徴です。

 

11年以上にわたって蓄積されたノウハウを活かした転職支援が魅力で、たとえば、応募書類を添削する専門チームがあったり、コンサルタントの専門分野が職種別に細分化されていたりと、きめ細やかなサービスで転職を成功へと導いてくれます。

 

また、同社が運営する「Geeklyレビュー」では、企業で実際に働く社員から寄せられた口コミを閲覧できます。

 

応募前に活用すれば、社風や実情を把握でき、自身のアピールポイントの整理にも役立てられるでしょう。

 

(※1)Geeklyの公式ホームページより

 

サービス名 Geekly
運営会社 株式会社Geekly(ギークリー)
公開求人数 19,627件(※2)
非公開求人数 非公開
おすすめポイント
  • 幅広い選択肢の中から希望に合う求人を見つけられる
  • 東京23区内の求人が見つかる
  • 応募書類の作成をサポートしてもらえる
対応地域
東京23区内が中心
公式サイト
(※2)2023年12月時点

 

リクルートエージェント×IT|高年収IT求人多数・サポート力◎

リクルートエージェントIT

業界最大手の転職エージェント、『リクルートエージェント×IT』もIT求人を数多く保有しています。

主要拠点にはwebエンジニア専門チームが置かれており、業界出身者がアドバイザーを担当しています。

また転職支援の豊富な実績をもっているため、面談対策など選考面でのアドバイスは他のエージェントと比べてもより優れているといえるでしょう。

未経験可能で勉強しながら転職もカバー

特に、以下の2つは、未経験可能で勉強しながら転職のあっせんをカバーしてくれます。

技術やスキルの面で、しっかりと事前準備をしてから臨みたいという方にはおすすめです。

未経験からのエンジニア転職に失敗する例は,様々あります。そして、転職に失敗したエンジニアにみられる特徴は、5つあります。

  • エンジニアになった後に何がしたいのかが不明確
  • 転職する前の技術・スキル面での不足
  • 転職先企業の研修制度・OJTに対する理解不足、あるいはそもそも制度がない
  • 入社後の業務と自分の希望とのギャップ
  • 業界に対する情報不足

まとめ

未経験からのエンジニア転職に失敗しないために、以下の4項目を実践しましょう!

  • tobeではなくtodoを考え、整理する
  • スキル・技術的な面は、転職後ではなく転職前に準備する
  • 雇用形態を理解し、最適な条件を提示する企業を選択する
  • 業界に対するリサーチを徹底的に
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転職サイトやエージェントは何を選ぶかではなく、『どう使いこなすか』にフォーカスしたWEBメディア。株式会社アシロの転職メディア編集部による、転職エージェントの賢い『使い方』とキャリアアップ実現の方法論を解説。