一般的に、32歳未経験人材のITエンジニア転職はハードルが高い傾向にあり、転職を成功させるのは難しいかもしれません。
転職市場では、未経験転職は20代後半がラストチャンスともいわれているため、32歳の未経験者がITエンジニアへの転職を目指す際は、相応の覚悟が求められるでしょう。しかし、実際に32歳未経験で転職に成功した方が多くいるのも事実です。
この記事では、32歳未経験者がエンジニア転職を実現するために取り組むべきポイントや注意点などについて解説します。32歳未経験でITエンジニアへの転職を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

32歳未経験人材のITエンジニア転職は難しい
結論からいうと、32歳未経験人材のITエンジニア転職は一筋縄ではいかないでしょう。
なぜなら、転職市場において、未経験職種への転職は28~29歳がラストチャンスといわれており、32歳での挑戦はハードルが高いと考えられるからです。
また、32歳の未経験人材であっても、企業からは多少のマネジメントスキルが要求されることもあります。
加えて、いち早く即戦力として活躍してもらうために、最低限のプログラミングスキルと知識を保有している人材が求められる傾向にあるのが現実です。
したがって、全くの未経験人材が32歳でITエンジニアに転職するのは、20代後半に比べて難しいといえるでしょう。ITエンジニアへの転職を希望するのであれば、一日でも早くプログラミング学習や転職準備などの行動に着手する必要があります。
32歳未経験人材のITエンジニア転職が難しい理由
32歳未経験人材のITエンジニア転職が難しい理由を細分化すると、以下のようなものが挙げられます。
- 即戦力としての活躍やマネジメントスキルに期待されるから
- なぜITエンジニアに転職したいのか、納得できる理由が必要だから
- 転職後にも、業務と並行して学習時間の確保が必須だから
即戦力としての活躍やマネジメントスキルに期待されるから
一般的に32歳の人材は、20代後半よりも即戦力としての活躍やマネジメントスキルに期待されます。
なぜなら、日本の組織において32歳という年齢は中堅社員を意味しており、年齢に応じた経験やスキルが求められるからです。
また、ITエンジニアのマネジメントポジションには、プロジェクトの進捗や品質を管理しながら、同時に後輩の面倒も見るような多忙な仕事スタイルが求められます。そのため、自身の業務だけで手一杯になってはいけず、マルチタスクスキルやコミュニケーション能力が必要になるのです。
これまで責任ある立場で仕事を進めたり、チームを率いてプロジェクトを遂行したりした経験があると、ITエンジニアへの転職でも有利に働くでしょう。
また、転職活動前に十分な開発スキルを身につけ、ポートフォリオなどで即戦力になれることを示せれば、採用される可能性を十分に高められるはずです。
なぜITエンジニアに転職したいのか、納得できる理由が必要だから
32歳未経験からの転職は大きなキャリアチェンジとなるため、採用面接では「ITエンジニアに転職したい理由」が重視される傾向にあります。
大学卒業後、新卒入社した企業に勤続してきた方は、その職種で約10年ものキャリアを有していることになるため、相応の転職理由が求められるでしょう。
転職理由の質問に対して、採用担当者を納得させられるような筋の通った回答ができれば問題ありません。
しかし、「ただなんとなく」「在宅でもできる仕事をしたいから」などの漠然とした回答をしてしまうと、好印象を与えられない可能性があるため注意が必要です。
転職後にも、業務と並行して学習時間の確保が必須だから
未経験からITエンジニアに転職できたとしても、転職後には、業務と並行して多くの学習時間を確保する必要があります。
なぜなら、ITエンジニアは一人前になるために2~3年の期間を要するといわれているうえ、32歳での転職では既存社員とのスキルの差は明らかであり、人一倍の努力が必要となるからです。
また、業務でわからないことがあったとしても、常に開発スケジュールを意識した進行が求められるため、不明点の解決に多くの時間を割くことは許されないでしょう。
自分自身では対処できない作業があったときに、毎回同僚や上司に代わりに対応してもらっていると、その都度迷惑をかけたり、自身の評価にも悪影響を与えたりしてしまいます。
入社時にハンディキャップがあることを自覚し、周囲とのスキルの差を埋めるための意欲的な学習を継続できれば、ITエンジニアとしてキャリアアップを図れるでしょう。
32歳未経験からITエンジニア転職の成功率を上げるポイント
32歳未経験からITエンジニア転職の成功率を上げるポイントとしては、以下の4つが挙げられます。
- プログラミングスクールに通う
- 独学で学習を進める
- 大手ではなく中小企業への転職も検討する
- 転職エージェントを活用する
32歳の人材を採用する企業は、その多くがポテンシャル採用ではなく、即戦力採用を想定しています。
そのため、未経験人材であっても自身が即戦力として活躍できるイメージを採用担当者に抱いてもらう必要があり、戦略的に準備を進めていくことが必要不可欠です。
プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールでの学習は、転職成功率を上げるために有効といえます。
なぜなら、プログラミングスクールには初心者向けの学習教材が多数用意されており、最短距離で必要なプログラミングスキルを身につけるための環境が整っているからです。
どのようなプログラミング言語にも、理解しやすい構文と理解に時間がかかる構文が存在するものですが、それらの効率的な学習方法をプログラミングスクールの学習教材は網羅しています。
したがって、学習教材を使った学習をメインに据えることで、間違えやすいポイントをしっかりと押さえながら学習を進めることができるのです。
また、多くのプログラミングスクールには、現役のITエンジニアが講師として在籍しているため、現場で実際に使用されている言語やシステムについて直接話を聞けます。
独学で学習に取り組んでいると、現場で求められている言語やフレームワークについて学ぶ機会がありませんが、プログラミングスクールの講師陣に質問することで、今需要が高いプログラミング言語やフレームワークを聞き出すことが可能です。
加えて、わからない部分をすぐに質問・解決できるチャットシステムなどが用意されていることもあり、学習スピードを落とさず勉強に励むことができるでしょう。
キャリスタカレッジ

- 特徴① 未経験からITエンジニアを目指せる
- 特徴② 2週間でエンジニアとしての基礎知識が身につく
- 特徴③ 就職まで無料サポート
キャリスタカレッジは、未経験からITエンジニアになるためのスクールから就職サポートまでしてくれるサービスです。
「スキルや資格がないから、正社員になれるのだろうか」と思っている方こそ、キャリスタカレッジでITの知識をつけながら、手に職がつくエンジニアを目指すのがおすすめです。
キャリスタカレッジでは、エンジニアとしての基礎学習から就職までトータルでサポートしてくれます。
マンツーマンでサポートしてくれるので、継続できるか不安な方でも、安心して学習できます
サービス名 | キャリスタカレッジ |
運営会社 | キャリアスタート株式会社 |
おすすめポイント |
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対応地域 |
オンライン
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公式サイト |
独学で学ぶ
独学で学びを深めることも、転職の成功率を上げるために重要です。
プログラミングスクールに通うことと対極に位置するような学び方ですが、実は独学で雑学的に学んだ概念やフレームワークが、実際のシステム開発現場で活きることがあります。
入門書や専門書の中には、言語の歴史や開発背景、関連言語・フレームワークなどが記載されているものもあり、概念的に理解を深めたい学習者には大変便利なツールといえるでしょう。
また、プログラミング学習アプリには、オープンソースで学べる無料の教材も多く、復習や学び直しで活用する使い方もおすすめです。
学んだ後は、習得した言語・フレームワークを使ってプログラムを動かしてみると、より学びを深められるでしょう。
実際にコードを記述してシステムを稼働させた経験は、エンジニアにとって何よりも財産になるはずです。 転職の際は、たとえ未経験人材であっても多少の実務経験は求められるため、独学の成果についてシステム開発を通じて証明できるようにしておくとよいでしょう。
大手ではなく中小企業への転職も検討する
32歳未経験からの転職成功率を上げるためには、中小企業の求人にも目を向けることが大切です。
中小企業の求人は、大企業のように募集要件が固定化されておらず、若干のポテンシャル採用がおこなわれることもあります。また、大手企業に比べて応募者が少ない傾向にあることもメリットです。
もちろん採用企業にもよりますが、一般的に中小企業のほうが個人の担当範囲が広いため、ITエンジニアとして早く成長できる可能性もあるでしょう。
転職エージェントを活用する
32歳未経験人材にとって、転職エージェントなしで転職活動をおこなうことは非効率な動き方といえます。
なぜなら、ある程度の業務経験を積んだ人材にとって、自身の業務からスキル・能力の棚卸しを手伝ってくれる転職エージェントは貴重な存在だからです。
特に、未経験職種への転職を考えている場合、これまでのキャリアからアピールできる長所を見つけることが重要になります。
転職エージェントのキャリアアドバイザーに相談すれば、自己分析のサポートとともに、有益なアドバイスを受けられるはずです。
また、未経験でも採用される可能性がある求人を紹介してもらえたり、応募書類の添削や推薦状の添付をしてもらえたりする点も、転職エージェント利用のメリットといえます。
長年同じ会社に勤めた人材は、自身が未経験業界の転職市場においてどのような価値をもっているか判断が難しいでしょう。
そのため、キャリアアドバイザーの傾聴力を頼り、自身の強みを把握するプロセスがまず重要になります。
32歳未経験人材のITエンジニア転職でおすすめエージェント
32歳未経験人材がITエンジニア転職を有利に進めるためには、転職エージェントの利用が必須です。
ここでは、32歳未経験者におすすめできるエージェントを3つご紹介します。自身に合う転職エージェントを見つけてみてください。

リクルートエージェント

リクルートエージェントは、「リクルート」が運営する人材業界最大手の転職エージェントで、転職成功実績が豊富であり、取り扱い求人数も圧倒的です。総合型の転職エージェントとして広く認知されており、丁寧なサポートや圧倒的な求人数が求職者から高い評価を受けています。
32歳の転職事情を考慮すると、未経験からの転職は特に失敗できない状況で、かつマネジメント経験や実務経験などが求められるため、様々な手段を使って自身の強み・スキルを見つける必要があります。そして、より多くの求人に触れ、様々な求人の中から最適な求人を選び、戦略的に転職活動を進めることが重要になってきます。
こうした事情を踏まえると、32歳の人材が未経験の業界や職種への転職を検討する際に、リクルートエージェントは最初に登録しておくべき転職エージェントといえます。
求職者はリクルートエージェントに登録することで、総合型転職エージェントの強みをもったキャリアアドバイザーから幅広い転職サポートを受けられます。特に総合型転職エージェントは豊富な求人数から求職者にマッチした求人を紹介することを得意としているため、リクルートエージェントに登録する際は、自身の強みや経験をしっかりと伝えることが重要です。

マイナビエージェント

マイナビエージェントは、保有求人数は6万件超(※)、特に20~30代向けの求人を多く取り扱っています。
(※)2023年4月時点の求人数
キャリアアドバイザーの徹底したサポートに定評があり、ヒアリングに力を入れた面談を経て、希望条件に合う求人を紹介してもらえます。応募書類の添削や模擬面接などにも対応してもらえるため、安心して転職活動に取り組めるでしょう。
また、平日夜間は20:30まで、土曜日は9:30~17:30まで営業(※2)しているため、都合のいい時間に相談できることもメリットです。

doda
dodaは「パーソルキャリア」が運営する転職エージェントです。豊富な求人数に加えて高い利用者満足度を誇ります。
dodaを利用した求職者の評価を見ると、業界最大手のリクルートエージェントを上回る評判を誇り、特にサポート体制の充実が評価されたアンケート結果が多いのが特徴です。
32歳の未経験人材にとって、転職エージェントのキャリアアドバイザーの手厚いサポートは転職活動を有利に進めるうえで欠かせない要素となるため、総合型転職エージェントの経験豊富なサポートを受けたい方におすすめします。
また、dodaは転職エージェントと転職サイトを一体化したプラットフォームを提供しているのが特徴です。
転職活動に必要な「転職ノウハウ」や「業界分析データ」、「転職コラム&インタビュー記事」、「転職イベント情報」など、転職活動における情報収集が楽になるよう特集ページを多数組んでいます。
求職者はdodaを活用することで、ひとつのプラットフォームから積極的に情報収集をおこなうことができます。
転職活動では主体的に情報を集め、行動することが重要になるため、dodaに登録するだけで、自身のタイミングで様々な情報を集めることができるでしょう。
さらに、dodaにはスカウトサービスがあり、企業からの直接オファーを待つことも可能です。オファーを待つ間に応募書類の添削や、面接対策を実施してもらえるほか、書類提出や面接日時の調整などの手続きも代行してもらえるため、日々忙しく過ごしている32歳の人材でも無理なく転職活動を続けられます。

32歳未経験人材がITエンジニアに転職する際の注意点
32歳の方が未経験のITエンジニアに転職する際、以下の3点が起こることは覚えておきましょう。
- 年収が大幅に下がる可能性がある
- 新しい知識をゼロから学ぶ必要がある
- 年下の社員が上司になる場合がある
未経験職種への転職によって、大幅な年収ダウンを経験する方は多くいますが、中には転職後1~3年をかけて転職前の水準に年収をアップさせたケースもあるようです。
こうした成功体験の裏には、転職した方の努力や、戦略的な学習スケジュールの実行などがあります。
そのため、32歳未経験人材が最も意識しなければならないのが「新しい知識をゼロから学ぶ必要がある」ことです。
本来であれば、中堅社員としてのキャリアを歩む年齢になるため、未経験職種への転職で考えることは多々あるでしょう。
しかし、「未経験職種にゼロから挑戦する」という事実は変えられないため、改めて人一倍努力する覚悟を決めなければなりません。
年収が大幅に下がる可能性がある
新卒入社から約10年勤続してきた32歳の人材であれば、入社時よりも年収が大きく上がった方もいることでしょう。しかし、未経験でITエンジニアに転職すると、転職前よりも大きく収入ダウンする可能性があります。
参考までに、ITエンジニアの平均年収は494万円で、未経験転職の場合はこの金額よりも年収が低くなることが見込まれます。
転職エージェントに相談すると、前職の年収や希望年収をヒアリングし、それに近い待遇の求人を探してもらえますが、場合によっては条件が合わず、大幅に年収が下がった求人に応募せざるを得ないことがあるでしょう。
転職時にはなるべく年収の下がり幅を広げすぎないよう、プログラミングスキルや業界知識を身につけ、実務経験を積んだうえで転職活動に臨むことをおすすめします。
【参考記事】ITエンジニアの仕事の年収・時給・給料|求人ボックス給料ナビ
新しい知識をゼロから学ぶ必要がある
未経験からのITエンジニア転職は歓迎される傾向にありますが、ITエンジニアの仕事は技術職であるため、相応のプログラミングスキルがなければ業務が務まりません。
32歳という年齢であっても、未経験からITエンジニアに転職するのであれば、ゼロからプログラミング言語を学び、システム開発の関連知識を身につける必要があります。
また、転職後にも業務と並行して勉強を継続しなければいけません。
一般的に、ITエンジニアが一人前になるまでには2~3年かかるといわれています。32歳未経験者はスタート時期が遅れているため、同僚以上に努力して、一日でも早く周囲のスキルに追いつくことが求められるのです。
年下の社員が上司になる場合がある
未経験からITエンジニアに転職する時は、エントリーポジションとしてプログラマーやテストエンジニアに就くことがありますが、その上流工程はSEやアプリケーションエンジニアなどが担うのが通常で、それらの職種に就く後輩が上司になる可能性があります。
社会人として約10年のキャリアがある人材にとって、「年下上司」が苦痛に感じられる可能性があるでしょう。
30歳を過ぎてから未経験転職をおこなう場合には、こうした特有の事情が起こり得ることも覚えておく必要があります。
32歳未経験でエンジニア転職に成功した体験談
一社内定を貰いました!32歳からの未経験エンジニア転職で厳しいと覚悟していましたが、何とかなりました!
— くるる (@krile136) January 10, 2020
技術的にはジュニアレベルという判断でしたが、前職での仕事へ取り組む姿勢などを非常に高く評価して頂けました😊
32歳で未経験エンジニア就職して3ヶ月。
— ぷろぐらみん | バックエンドエンジニア (@code_bootcamp) January 16, 2023
とても楽しいよ。
私も同じような境遇から未経験エンジニアで転職しました。
— どっつ@新人プログラマ (@kkdts2) July 7, 2020
・完全異業種
・32歳🦏
・結婚してる
・時期経営者、、、ではない
何となくで転職活動してた時は全く決まらなかったけど、やると決めて本気で動き始めたら3ヶ月で内定貰えました。やるか、やらないかですね。 https://t.co/5L3Dznu9jo
ついに2月から夢のエンジニアになる。
— イボンヌ ニキータ (@ibuibu69) January 27, 2020
行先は憧れの強い人達がいるところ。
期待も不安も超デカい。
お前は文系だし、開発なんて委託するもんさ、と洗脳されても、家でコードを書いてきた。
好きを仕事にできるか。
32歳未経験、決死の挑戦が始まる。
ネットは30代で未経験からエンジニアになるのは無理!的な情報で溢れかえってるけど、30歳で初めてPCの電源を入れて、「文系」?の言葉の意味も分かってない32歳の僕が未経験でWebエンジニアとして就職できたので、情報技術(IT)が純粋に面白いと思う人なら、正しく頑張ればエンジニアになれると思う
— だいち (@setosun5_eth) March 20, 2023
ここ10年の
— 人生逆転転職アドバイザー しゃけ@30代エンジニア未経験で上場企業子会社に転職成功 (@shake05200226) February 26, 2022
「36歳以上の転職実績が2.8倍」
になっているらしい
誰でも転職できる訳もなく
当然、技術や経験が影響する
その点
IT人材はまだまだ不足している
実際、僕も32歳で
「未経験からエンジニア転職」
出来ました
まだまだチャンスはあります👍#未経験エンジニア#プログラミング初心者
とりあえず32歳でも未経験からエンジニアなれました。
— リョータマン@ヨコノリエンジニア (@ryotaman213) March 28, 2019
入るのがゴールでは無いけど、とりあえず俺を落とした会社後悔させるくらいスゴいエンジニアなりたいです。
まとめ
32歳未経験人材のITエンジニア転職では、企業から慎重に能力やスキルを見定められるものの、転職が不可能なわけではありません。
自身のスキルを上手に可視化し、求人内容にすり合わせていけば、良い条件で転職できる可能性もあります。
32歳未経験でITエンジニアへの転職を検討している方は、紹介した注意点や転職成功のためのポイントを参考に、一日でも早く転職準備に着手しましょう。
また、転職エージェントに相談すると、ITエンジニアへの転身を叶えるための道筋を示してもらえるはずです。