派遣社員として働こうとしている方の中には、派遣社員として働くデメリットが目に入り、派遣社員になるか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
派遣社員は3年以上同じ職場で働けないことや、ボーナスがないことなど、デメリットもありますが、人によってはメリットの方が多い可能性があります。
この記事では、派遣社員と正社員の違いや派遣社員のメリット・デメリット、向いている方の特徴などを紹介します。
おすすめの派遣会社も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

目次
派遣社員と正社員の違い
派遣社員と正社員は主に雇用主や雇用期間などに違いがあります。
一部例外はあるものの、基本的な違いは以下の通りです。
項目 | 派遣社員 | 正社員 |
---|---|---|
雇用主 | 派遣会社 | 就業先企業 |
雇用期間 | 最大3年間 | 無制限 |
給与体系 | 時給制 | 月給制、年俸制 |
利用可能な福利厚生 | 派遣会社の福利厚生 | 就業先企業の福利厚生 |
2020年4月に「同一労働同一賃金」が導入されたことにより、交通費の支給や社員食堂をはじめとした社内の福利厚生施設が使える企業も増えています。
ただし、派遣会社によって福利厚生をはじめとした条件が異なるため、就業規則はよく確認しておきましょう。
派遣社員で働く5つのデメリット
派遣社員として働く際のデメリットは、主に以下の5つがあります。
- ボーナスがない
- 社会的な信用が低い
- 同じ職場で3年以上働けない
- 正社員に比べ給与が低い
- 福利厚生が少ない
それぞれのデメリットについて理解し、働く上で許容できるか確認しましょう。
ボーナスがない
派遣社員は給与形態が時給となっており、歩合給やボーナスがありません。
また、登録する派遣会社や派遣先企業によっては、交通費が時給に含まれており、別途支給されないケースもあります。
時給1,500円以上と高い条件もありますが、年収換算すると正社員よりは低くなることが多く、派遣社員で高年収は狙いにくいです。
社会的な信用が低い
派遣社員は正社員と比べると、安定した雇用ではないため、社会的な身分や信用が低い傾向にあります。
特に、家や車を始めとした大きな買い物をする際、ローンが組みにくくなってしまう可能性が高いです。
管理会社や大家さんによっては、賃貸物件の審査が通らない可能性もあるため、派遣社員として働く際にはあらかじめ理解しておきましょう。
同じ職場で3年以上働けない
派遣社員は派遣法によって、同じ職場で3年以上働くことができません。
派遣先や登録している派遣会社によって、1ヵ月や3ヵ月などの頻度で契約更新が行われ、その度に契約解除される可能性もあります。
最大雇用期間は3年間ですが、基本的には一定期間の雇用契約を更新する雇用形態であることを理解しておきましょう。
正社員に比べ給与が低い
派遣先や業務内容によって差があるものの、派遣社員の給与形態は時給制であり、残業も少なくため正社員と比べ給与は低い傾向にあります。
また出勤日数や勤務時間数によっても給与が変動し、長期休暇がある月の収入は大幅に下がります。
国税庁が発表している令和3年分民間給与実態統計調査では、正社員の平均年収が508万円に対し、派遣社員を含む非正規雇用の平均年収は198万円でした。
雇用形態 | 平均年収 |
正社員 | 508万円 |
非正規雇用 | 198万円 |
年収を上げたいと考えている方は、派遣社員ではなく正社員として働くことがおすすめです。
福利厚生が少ない
派遣社員は正社員と比べて福利厚生が少ない傾向にあるため、働く前に理解しておきましょう。
派遣先の企業に関わらず、派遣社員が利用できるのは登録している派遣会社の福利厚生です。
そのため、派遣社員として大手企業で働いたとしても、大手企業の福利厚生が利用できるわけではありません。
派遣会社によって福利厚生の充実度が異なるため、登録する前に福利厚生も確認しておくと安心です。

派遣社員で働く5つのメリット
派遣社員として働くメリットには以下の5つがあります。
- 未経験でも働ける
- 時間や勤務地の融通がきく
- 時給が高い
- 職場を変えやすい
- 派遣会社のサポートがある
派遣社員として働くか悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
未経験でも働ける
派遣社員はPCさえ使えれば、他に経験や資格を求めない募集が多く、未経験でも幅広い職種として働ける点が大きなメリットです。
基本的に派遣社員は業務の中枢となる仕事ではなく、作業ベースの仕事が任されることが多くなります。
作業ベースの仕事でも、業務に関する知識を付ける必要があり、一定レベルのスキルを身に付けられるため、未経験からさまざまな職種で働きたい方は派遣社員がおすすめです。
勤務時間や勤務地の融通がきく
派遣社員は勤務時間や勤務地などの希望条件を伝えられるため、融通が利きやすいです。
子育てを始めとした家庭の理由によって時短勤務しかできない、残業なしの派遣先でしか働けないという条件にあった職場を見つけられます。
正社員と異なり派遣社員は異動もないため、プライベートに影響を与えない働き方が可能です。
ただし、希望条件を出しすぎると派遣先が見つからず、紹介してもらえなくなる可能性もあるため、状況に応じて条件を緩めることも必要です。
時給が高い
派遣社員は、パートやアルバイトに比べると時給が高く設定されています。
2023年3月に発表されたジョブズリサーチセンターのデータによると、派遣社員の時給は以下の通りです。
雇用形態 | 三大都市圏平均 | 首都圏 | 東海圏 | 関西圏 |
---|---|---|---|---|
派遣社員 | 1,629円 | 1,728円 | 1,437円 | 1,450円 |
パート | 1,143円 | 1,182円 | 1,061円 | 1,114円 |
派遣社員とパートでは300円~600円程度の時給差が発生しています。
どちらもプライベートを大切にしながら働けますが、派遣社員の方がパートより時給が高いため、短時間でなるべく稼ぎたい方は派遣社員がおすすめです。
職場を変えやすい
派遣社員は契約終了次第、次の職場を紹介してもらいやすいため、職場を変えやすい雇用形態です。
派遣社員の雇用期間は最大3年間ですが、派遣先や派遣会社によって決められている1ヶ月や3ヶ月ごとの更新月にて、契約更新するか決められます。
また更新月には、派遣先だけでなく自分自身で契約更新するか決められるため、仕事内容や職場環境が合わない場合には契約を終了することも可能です。
ただし、短期間で契約終了を繰り返すと紹介してもらえる求人数が減ることもあるため、半年~1年程度は働き続けることをおすすめします。
派遣会社のサポートがある
派遣社員は登録している派遣会社のサポートを受けながら働けるため、疑問や不満を解消しやすい環境があります。
特に契約更新時の面談では、時給アップや業務内容の相談もできるため、より良い環境で働けるように動いてもらうことが可能です。
次回の派遣先に関する相談を前倒しで行うことで、契約終了後の無職期間を減らすことができ、焦って就業先を探さずに済みます。
ただし、サポートの頻度や内容は派遣会社によって異なるため、登録前に利用者の口コミを含めて調べておきましょう。
派遣社員に向いている人の3つの特徴
派遣社員に向いている人の特徴は、主に以下の3つが挙げられます。
- 家庭と仕事を両立したい人
- さまざまな環境で働きたい人
- 責任のある仕事を避けたい人
自分が派遣社員に向いているか検討する材料としてぜひ参考にしてみてください。
家庭と仕事を両立したい人
派遣社員は正社員と異なり、短時間勤務や週3日勤務などの自由度が高い働き方が可能です。
自宅付近に勤務地を絞ったり、勤務終了時刻から求人を探したりできるため、子育てをはじめとした家庭と仕事を両立したい方におすすめです。
業務内容によっては1日だけの単発勤務も可能なので、必要なタイミングだけ働くこともできます。
さまざまな環境で働きたい人
派遣社員は最大雇用期間が定められているため、さまざまな職場で働くことが可能です。
正社員として入社が難しい大企業やベンチャー企業でも、派遣社員としてであれば働くチャンスがあります。
契約更新時に自分からも契約終了でき、次の職場へ移ることも可能なので、仕事内容や職場環境を定期的に変えたい人は特に向いています。

責任のある仕事を避けたい人
派遣社員は、難易度が高い仕事やミスが許されない仕事を任されることは少ないため、責任のある仕事を避けたい方に向いています。
派遣社員は基本的に作業ベースの仕事を行い、正社員がチェックしてくれるため、業務の責任を問われることはあまりありません。
責任が問われる業務や難易度が高い業務をなるべく避けたい作業ベースの業務を担当したい方は、派遣社員として働くのがおすすめです。
派遣社員に向いていない人の3つの特徴
派遣社員として働くことが向いていない人の特徴は以下の3つが挙げられます。
- 長期的な雇用を求める人
- 安定した収入を得たい人
- 責任のある仕事をしたい人
各特徴に自分が当てはまるか確認し、派遣社員になるか判断しましょう。
長期的な雇用を求める人
派遣社員は最大3年間しか働けず、契約終了後は別の職場へ移らなければなりません。
契約期間の更新が行われなかった場合は、3年経っていなくとも契約終了なります。
契約終了後すぐに次の職場が見つかるとは限らないため、場合によっては無職の期間が生まれてしまいます。
そのため、契約更新時に心配をせずに長期的な雇用を求める方は、派遣社員ではなく正社員を目指しましょう。
安定した収入を得たい人
派遣社員は短期契約であることやボーナスがないことにより、安定した収入が得にくいです。
さらに派遣社員は時給制であるため、出勤日数や勤務時間によっては毎月の収入が変動してしまいます。
派遣先によっては、出勤日や勤務時間を調整することで安定した収入を得られるかもしれませんが、誰もが上手く調整できるとは限らないので注意しましょう。
責任のある仕事をしたい人
派遣社員は最大3年間しか働けず、3年後には必ずいなくなる存在なので、責任のある仕事や大きなプロジェクトは任されにくい傾向にあります。
派遣社員では裁量が少なく、型が決まっている仕事や作業ベースの業務が多いです。
そのため、責任のある仕事を積極的に行いたい方は、派遣社員ではなく正社員がおすすめです。
初めて派遣に登録する人におすすめの派遣会社3選
ここでは、どの派遣会社に登録すればいいかわからない方に向け、数ある派遣会社の中から以下のおすすめの3社を紹介します。
- アデコ
- スタッフサービス
- リクルートスタッフィング
派遣会社のスタッフに働き方や今後のキャリアプランなども相談できるため、不安を解消してから働きたい方は参考にしてみてください。

アデコ

- 豊富な求人をラインナップ
- 個人にあったキャリア開発支援
- 自分にあった条件でも仕事探しが可能
アデコは、世界最大規模の人材派遣会社です。
豊富な求人数を誇り、求職者と企業を繋げるビジョンマッチングに注力しています。
キャリアビジョンを実現したい方や、なりたい人物像、仕事への想いをヒアリングで明確化してくれる点が特徴といえます。
スキルアップや仕事への不安点、将来的なライフビジョンなどをキャリアコーチに相談できるため、社会人なりたての20代の方にはおすすめのサービスといえるでしょう。
サービス名 | アデコ |
---|---|
対応地域 | 東京、大阪、名古屋、福岡など全国 |
雇用形態 | 派遣/紹介予定派遣/プロジェクト契約社員/無期雇用派遣 |
運営会社 | アデコ株式会社 |
公式サイト | https://www.adecco.co.jp/ |
スタッフサービス

- 特徴豊富な求人数
- 派遣だけでなく、さまざまな転職サービスにも対応
- 若年層向けの就職支援制度を展開
スタッフサービス(オー人事.net)は全国47都道府県に拠点を置く人材派遣会社です。
スタッフサービス(オー人事.net)の特徴として、豊富な求人数が挙げられます。
派遣だけの求人でも44,201件(※)保有しており、自分にあった求人を探すことが可能です。
求人数が豊富なほか、派遣のみならず正社員、契約社員も受けられる転職サポートがあり、専任のキャリアアドバイザーが転職をサポートしてくれます。
派遣以外の方も利用できるなので、事務職の派遣や正社員を目指している方はぜひ利用してみてください。
※2025年3月14日時点
サービス名 | スタッフサービス(オー人事.net) |
---|---|
対応地域 | 東京、大阪、名古屋、福岡など全国 |
雇用形態 | 派遣/紹介予定派遣/正社員/契約社員/パート・アルバイト・その他 |
運営会社 | 株式会社スタッフサービス |
公式サイト | https://www.staffservice.co.jp/ |
リクルートスタッフィング

- 幅広い就業先
- 充実した福利厚生を展開
- 登録から仕事探しまでオンラインで完結
人材派遣サービスのリクルートスタッフィングは派遣登録からお仕事探しまで、オンラインで完結できる点が特徴です。
お仕事探しのほか、無料で受講できるセミナーや研修までもオンラインで利用できます。
就業開始後も、チャットボットを介して気軽に質問できるので、安心して仕事ができるでしょう。
求人数も多数掲載しており、複雑な条件でも合った求人を見つけられます。
初めてテレワークする方でも研修を通したうえで仕事を始められるので、幅広い方に利用してもらえるサービスといえるでしょう。
サービス名 | リクルートスタッフィング |
---|---|
対応地域 | 東京/神奈川/埼玉/千葉/茨城/栃木/群馬/山梨/大阪/兵庫/京都/滋賀/奈良/和歌山/愛知/静岡/岐阜/三重/北海道/宮城/青森/秋田/岩手/福島/広島/福岡/長崎/熊本 ※職種によって対応エリアが異なる |
雇用形態 | 派遣/紹介予定派遣/アウトソーシング契約社員 |
運営会社 | 株式会社リクルートスタッフィング |
公式サイト | https://www.r-staffing.co.jp/ |
派遣会社に登録して自分にあった求人を見つけよう
派遣会社に登録すると希望条件にあった求人を見つけられます。
ただ働くだけでなく、将来のキャリアプランにあった働き方を目指したり、高時給案件に出会えたりもします。
勤務時間や勤務地の融通がきく働き方や未経験の職種で働きたい方は、ぜひ派遣会社に登録してみてください。