「未経験だけど、20代のうちにIT業界へ転職したい」と考えている方の中には、実際に未経験で転職ができるのかと不安な方もいらっしゃるのではないでしょうか。IT業界といっても多様な職種があり、それぞれに魅力的な仕事が存在しています。未経験からでも挑戦できる職種も多いため、転職は十分に可能です。
しかし、未経験OKの転職求人の探し方や、自分に合った業種・職種にはコツがあります。
本記事では、未経験転職におすすめの業界や職種、転職成功率を上げるポイントについて解説します。IT業界に興味がある方、転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

20代未経験でもIT業界への転職が可能な理由
現代社会において、IT業界は急速に発展しており、ますます多くの企業がデジタル化に取り組んでいます。
そのため、20代未経験でもIT業界への転職が可能になってきているのです。ここでは、20代未経験でもIT業界へ転職可能な理由を詳しく見ていきましょう。
20代はポテンシャル採用の可能性が高いから
企業側が20代の若い人材に期待している点として、チャレンジ精神や柔軟性、学習能力、コミュニケーション能力などが挙げられます。
とくに、20代は将来的な成長が期待できるポテンシャルを秘めているため、採用時点でIT系の知識がなくとも、今後の成長など、長期的な視点で見たときに会社の力になると判断された場合は採用されるケースも考えられるでしょう。

IT業界の転職市場は人材不足
ふたつめの理由として、IT業界の人材不足が挙げられます。
経済産業省の調査では2025年には58万人ほど、2030年には78万人ほどのIT人材が不足すると試算されており、今後もIT人材の需要は高まっていくと言えるでしょう。
引用元:IT 人材需給に関する調査|経済産業省
ただし、IT業界は急速に発展しており、未経験者が業務に必要なスキルや知識を身に付けることは簡単ではありません。未経験からの転職にはそれなりの努力や学習が必要であり、書籍やオンライン講座などでの自己学習が必要になるでしょう。
ただ、現在ではITスキルに関する教育や研修に力を入れている企業も増えており、20代未経験者でもIT業界への転職が可能な環境が整っています。オンラインでの学習やコミュニティなど、情報にアクセスできる機会も増えているため、学習環境の整っている企業を就職・転職先に選ぶこともおすすめです。
20代未経験のIT業界への転職でおすすめの職種
上述の通り、IT業界はこれからの成長が期待される分野ですが、その成長に伴い、人材不足の加速が懸念される業界です。
未経験であってもポテンシャル採用で入社が可能になるケースもありますが、IT業界への転職目的やIT業界でもどのような業種につきたいか、など具体的な転職後の目的を持たないと、転職する目的を見失い、転職が難しくなってしまうかもしれません。
そこで、この項目ではIT業界未経験の20代若者の転職先としておすすめの職種を紹介していきます。業種ごとの形態や職業の内容を知り、ご自身に合う職業を見つける際の参考としてください。
プログラマー
プログラマーは、コーディングやシステム・アプリ開発業務が主な仕事です。特にフロントエンドやバックエンド方面の開発で求められています。プログラミング言語は多数存在しており、独学でも短期間で基礎を習得できる言語もあるため、IT業界未経験者でもおすすめの職種と言えるでしょう。
プログラマーの仕事には、具体的に以下のようなものが挙げられます。
- 顧客から要望を受け取り、システム・アプリの仕様を決める
- 仕様からシステム・アプリの構造や機能を設計する
- 設計からプログラムを書いてシステム・アプリを実装する
- 実装したシステム・アプリをテストし、問題点を洗い出す
- テストで発見した問題点を修正する
- システム・アプリの障害や不具合が発生した場合に修正する
- 既存のシステム・アプリに新しい機能を追加する
プログラマーは、プログラミング言語の知識や開発ツールの使い方に加えて、論理的思考力や問題解決能力が求められます。さらに、プログラマーは常に新しい技術や言語に対する知識を更新し続けなければいけません。継続的に学習意欲を持ち、自己啓発に努めることが必要です。
プログラマーには、自分のスキルを証明するための資格も存在しているため、資格取得によって転職やキャリアアップの可能性を広げられます。また、チームでの開発や顧客とのやり取りが必要なため、コミュニケーション能力も必要になってくるでしょう。
IT営業
IT営業は、IT業界で開発される製品やサービスを顧客に提案し、営業成績を上げることが主な仕事です。
IT業界において、ソフトウェアやハードウェアの販売に携わる営業職は需要が高い傾向にあります。IT営業の主な仕事内容は、以下のとおりです。
- マーケットリサーチを行い、市場動向や競合情報を収集する
- 顧客との打ち合わせを行い、ニーズを把握する
- IT製品やサービスの提案を行い、顧客の要望に応える
- プレゼンテーションやセミナーなどのイベントを企画し、顧客に情報を提供する
- 売上管理や顧客管理を行い、売り上げの拡大を目指す
営業職の基本的なスキルやマインドセットは、業種や職種に関係なく共通する部分が多いです。
例えば、顧客ニーズの把握や提案力、交渉力、プレゼンテーション力、コミュニケーション能力、チームワークなどは、どの業界でも重要視されるスキルでしょう。
ただし、IT業界特有の技術や用語、市場動向、競合状況などの知識を身につける必要があるため、その部分は自己学習や研修を通じて補う必要があります。
IT事務
IT事務は、情報システム部門やIT企業で、業務の支援やデータの管理などを行う役割があります。
IT業界においても、事務職は必要不可欠なポジションであり、未経験者でも学びやすい職種と言えるでしょう。IT事務の仕事には、具体的に以下のようなものが挙げられます。
- 電話やメールでの問い合わせ対応
- システムやツールの導入や管理のサポート
- ネットワークの監視
- データの集計・分析
- 請求書や契約書の作成や管理
- スケジュール管理や会議の手配
- ドキュメント管理やファイリング
- セキュリティ対策のサポート
- トラブルシューティング
IT事務と一般企業の事務との間には、一部共通する業務もありますが、一般的な事務職よりも専門性が求められます。しかし、他業種で事務経験がある転職者は、活かせる経験も多いため転職先としておすすめです。
ただし、企業や部署によって担当する業務内容は異なるため、詳細は求人情報や企業のWebサイトで確認しましょう。
Webマーケター
Webマーケターは、WebサイトやSNSなどを活用したマーケティング戦略の企画・実行を担当する仕事です。
Webマーケティング分野にはまだまだ発展の余地があり、新しい技術や手法が次々と生み出されている現状です。
20代の未経験者がIT業界への転職でWebマーケターとして働くことで、自己成長やスキルアップが期待できるでしょう。Webマーケターの主な仕事内容は、以下のとおりです。
- WebサイトやSNSのアクセス解析や調査を行い、データを元に改善策を提案する
- キャンペーン企画の立案や実行
- Web広告の運用やSEO対策を行う
- 新規サービスや商品のマーケティング戦略を立案する
- 競合調査を行い、市場動向を把握する
- クライアントやパートナー企業との折衝や調整を行う
Webマーケティングは営業や企画など他の職種との連携が必要な場合が多く、幅広い業務経験ができることも魅力と言えるでしょう。
また、Webマーケティングの分野は急速に変化しているため、最新のトレンドや技術を常に研究・学習し、それを活かした戦略の提案や改善を行うことも求められます。
運用オペレーター
運用オペレーターは、システムやサーバーの運用管理業務が主な仕事であり、IT業界に欠かせない役割を担っている業種です。IT業界における需要が非常に高く、未経験者でも転職チャンスがあります。一般的な運用オペレーターの仕事内容は、以下のとおりです。
- システムやサーバーの稼働状況の監視
- システムやサーバーで障害発生時の対応
- バッチ処理やジョブ管理などの定期的な処理の実行
- システムログの収集や分析、解析
- ユーザーからの問い合わせ対応やトラブルシューティング
- セキュリティ対策やバックアップ・リカバリーの実施
運用オペレーターは、システム運用やネットワーク運用の経験が豊富であり、IT基盤に関する幅広い知識が求められます。しかし、作業内容自体は作業手順書やマニュアルが存在しており、決まった時間に定められた作業を実施する機会が多いため、IT業界未経験者でも参入しやすいでしょう。
IT業界未経験の20代におすすめの転職エージェント
ここまで、IT業界でおすすめの職種や、転職が可能な理由などについてご説明してきました。この項目では、20代未経験でIT業界に転職をするとき、登録がおすすめの転職エージェントをご紹介します。
マイナビIT AGENT

マイナビIT AGENTは、IT・webエンジニアの無料転職サポートエージェントです。
キャリアアドバイザーが全面的に転職活動をサポートしてくれるので、初めての転職でも安心感があります。ITエンジニアをはじめとしたIT業界の求人も多く、優良企業や大手企業の求人も多数掲載されています。
また、専門業界・職種に特化した求人を多く掲載しているのもマイナビIT AGENTの特徴です。面接の日程調整や、履歴書の添削など手厚いサポートが受けられます。

レバテックキャリア

レバテックキャリアは、ITエンジニア専門の転職エージェントです。利用者の96%が希望の企業への転職を成功した実績を誇ります。ITエンジニア専門のため、未経験転職OKの求人も多数掲載されています。
【参照記事】レバテックキャリア
レバテックキャリアでは未経験者でも転職に成功するよう、IT業界に特化した情報提供や面接対策を受けることができます。キャリア設計を一緒に考えてくれるエージェントなので、将来的なエンジニアとしてのビジョンに迷っている人にもおすすめです。
リクルートエージェント

リクルートエージェントは、多数の非公開求人を抱える大手転職エージェントです。IT業界だけでなく幅広い業界に精通したキャリアアドバイザーがサポートしてくれるため、視野を広く持った転職活動ができます。
提出書類の添削や面接対策など、転職をスムーズに進めるためも実用的なサポートも充実しています。自分のアピールポイントがわからない場合でも、面談を重ねる中でプロから強みや適性を提示してもらえるでしょう。
20代未経験がIT業界への転職活動で失敗する例
IT業界への転職は、20代未経験者にとって大きなチャレンジでしょう。しかし、中には転職活動で失敗してしまう例もあります。ここでは、20代未経験者がIT業界への転職で失敗する例を紹介していきます。
IT業界の知識が全くなかった
20代未経験でIT業界への転職を目指す場合、全く知識がない状態での行動は避けましょう。完全にIT業界の知識がない状態で転職活動を始めると、転職先で必要なスキルや知識が何なのか把握できず、採用担当者からもマイナス評価を受ける可能性があります。
また、IT業界には、プログラマーやWebエンジニア、データサイエンティスト、ITコンサルタントなどの職種があり、それぞれに必要なスキルや知識が異なります。自分自身が何をしたいのかが明確でないと転職活動の方向性も定まりにくくなるでしょう。
さらに、IT業界に限らず、転職においては過去の経験よりも学びや向上意欲を重視する企業は多くあります。
IT業界には常に新しい技術やツールが出てくるため、最新の情報を追いかけて必要最低限の知識を得ておくことは大切です。転職自己学習やスクールなどを通じて必要な知識やスキルを身につけ、アピールできるように努力すれば、20代未経験者でもIT業界への転職が可能と言えるでしょう。
志望動機が弱かった
20代未経験者がIT業界へ転職する際、志望動機が弱いと採用担当者からマイナス評価されて失敗する可能性があります。志望動機が不十分だと、転職者がIT業界に興味を持っていないのではないか、将来的にやりがいを見出せないのではないかといった懸念が生じるためです。
また、志望動機が弱いと、他のIT業界未経験の応募者と差別化が困難になります。
現在、IT業界が人材不足で多くの人手を採用しているとしても、多くの未経験者が転職を目指している競争の激しい業種です。志望動機が明確で、自己分析をしっかりと行い、熱意を持って取り組む姿勢が重要になってきます。
志望動機を強くするためには、自分自身のキャリアプランを明確にしましょう。どのようなスキルや知識を身につけて仕事をしていきたいのかを考え、それに沿った企業を選定することで自分にとって最適な転職ができます。また、企業説明会やイベントに参加することで、企業の特徴や文化を深く知れ、志望動機の強化につなげられるでしょう。
企業が求める人材像を理解していなかった
企業は求める人材像に合った人材を採用することで、ビジネスの成功につなげようとしています。IT業界では技術力や知識だけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力などの多様な能力が求められるため、企業が求める人材像を把握して適切なアピールを行うことが重要です。
企業が求める人材像は、求人票や企業のウェブサイトなどで企業のミッションやビジョン、社風から調べられるため、自分が企業に貢献できるようなアピールを行いましょう。
20代未経験でIT業界への転職を成功させるコツ
IT業界は急速に発展しており、新しい技術やスキルが求められるため、未経験からの転職にはハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。しかし、未経験の20代でもコツをおさえれば、IT業界への転職を成功させることは可能です。
ここでは、未経験者でもIT業界に転職するためのコツを解説していきます。
自己分析をおこなう
20代未経験でIT業界への転職を成功させるためには、自己分析を行うことが重要なポイントの1つです。
自分がどのようなスキルや知識を持っているのか、どういった職種に興味があるのか、将来どのようなキャリアを築きたいのかを明確にして、最適な転職を実現できます。また、自己分析によって、自分自身の目標や価値観を再確認できるため、転職活動の方向性を明確にできるでしょう。
さらに、自己分析を行うことで自分自身の強みや弱みを把握し、自己PRをするための材料を揃えられます。自己分析の方法としては、SWOT分析やキャリアデザインなどが挙げられます。自己分析を通じて、自分に適した職種や企業を見つけましょう。
業界・企業研究をおこない理解を深める
業界や企業の特徴やニーズの理解は、自分が持つスキルや知識がどのように役立つかを把握しやすくなるため、転職を成功させるには必要と言えるでしょう。加えて、企業の文化や価値観にも目を向けることで、自分に合った職場環境や仕事内容を選択できます。
業界・企業研究は、求人票や企業のWebサイト、SNSなどを活用しましょう。企業の理念やビジョン、社風などを調べることで、企業にアピールできる材料を探せます。他にも、社員インタビューやインターンシップから企業の雰囲気や働く環境を調べられます。
また、業界・企業研究を行えば、自分が本当に興味を持っている企業や業界を見つけられ、転職後のキャリアアップにもつながるでしょう。さらに、面接で企業に対してどのような貢献ができるのかを具体的にアピールできるようになり、採用率アップが期待できます。
転職に有利な資格を取得しておく
IT業界には、プログラマーやWebエンジニアなどの職種が存在しており、それぞれに適した資格は異なります。
たとえば、プログラマーにおすすめの資格として、「基本情報技術者試験」や「Oracle Certified Java Programmer」があります。Webエンジニアならば、ネットワーク構築やセキュリティに関する知識を証明する「CCNA」や「LPIC」の取得がおすすめです。
資格を取得することで、自分自身のスキルアップにもつながり、転職時の競争力も高められます。転職活動を有利に進めるために、求人情報や企業の求める人材像を調べ、自分が目指す職種に必要な資格を取得するようにしましょう。
最低限の基礎知識やビジネスマナーを覚えておく
最低限の基礎知識やビジネスマナーを覚えておくと、IT業界への転職を成功させるために役立つでしょう。
IT業界には、多くの用語や技術用語があります。用語がわからなければ話がわからない場合がありますので、基礎的な専門用語はおさえておきましょう。加えて、プログラミング言語やIT系のツール、システム開発に関する知識を覚えておくと良いです。
また、ビジネスマナーについても、面接やビジネスの場での印象が大きく左右されることがあります。転職後の職場での円滑なコミュニケーションや仕事の効率化につながるでしょう。
転職エージェントを活用する
20代未経験でIT業界への転職を成功させるためには、自身の希望する職種やスキルに合った求人情報を収集し、応募活動を行う必要があります。しかし、IT業界の求人情報は膨大であり、自己研鑽や業界の情報収集も必要です。
こうした情報収集には時間がかかりますが、転職エージェントを活用することで、効率的に情報を収集し、応募活動を進められるでしょう。
転職エージェントは、求人情報の収集や書類作成、面接対策など、転職活動の支援を行うサービスです。IT業界に特化したエージェントもあり、自身の希望する職種やスキルに合わせた求人情報を提供してくれます。また、エージェントとのコミュニケーションを通じて、業界の最新情報や企業の内情なども把握できるため、転職活動の成功につながります。
ただし、転職エージェントを利用する際には、信頼できるエージェントを選ぶことが重要です。事前に口コミや評判の確認は忘れずに行いましょう。

まとめ
IT業界への転職は、20代未経験でも十分に可能です。IT業界は急速に発展しており、20代未経験でも転職エージェントや求人情報サイトなどの情報を上手に活用し、自分に合った職種を探せるでしょう。
たとえば、Webマーケターや運用オペレーター、IT事務などの職種は、IT業界に特化したスキルだけでなく、他業種で培った経験やスキルを活かせる場合があるため、20代未経験者にはおすすめの職種です。転職前には、自分自身がどのような職種や業界で働きたいのかを明確にし、しっかりと準備をしてから転職活動をしましょう。