客先常駐のSESとして働くエンジニアの中には、求められるスキルに追いつけず、退場（契約解除）への不安を抱える人も少なくありません。

「正直、スキル不足で退場するのが怖い」「チームメンバーに迷惑をかけたくない」と、毎日プレッシャーを感じながら働く方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、SESエンジニアが退場を言い渡されるおもな理由や、スキル不足が原因で起こる問題を解説しました。

また、スキル不足で退場しないための対策も紹介したので、記事の内容を参考にしてください。

関連記事：IT転職エージェントおすすめ比較28選【2025年最新】エンジニア向けに徹底解説！

SESエンジニアはスキル不足により退場させられるケースがある

多くのSESエンジニアは準委任契約で仕事を請け負っており、常に退場（契約解除）のリスクがあります。

とくに、スキル不足を理由とした退場は、エンジニアとしてのキャリアに大きな影響を与える可能性もあるでしょう。

そのため、SES企業で働く場合は退場のリスクを理解する必要があります。

SESエンジニアの退場とは契約を解除されること

SESエンジニアにおける退場とは、常駐先企業との契約が解除されることです。

エンジニアが常駐先で働く際に結ばれる準委任契約では、どちらも契約を解除する権利を持っています。

そのため、常駐先企業またはSES企業の判断により、エンジニアは契約の途中でも現場から退場させられる可能性があるでしょう。

スキル不足を理由に常駐先から退場するケースがある

常駐先から退場させられる理由の一つに、エンジニアのスキル不足が挙げられます。

スキル不足と判断される具体的な理由は、以下の通りです。

上記の理由により、エンジニアは常駐先から退場させられるケースがあります。

また、スキル不足以外の退場理由としては「エンジニアとの契約期間が満了する」や「プロジェクトが途中で終了する」などが挙げられます。

常駐先から退場してもSES企業との契約は継続される

エンジニアが常駐先から退場した場合でも、SES企業との契約は継続されます。

そのため、退場後は以下の対応が行われます。

新しい常駐先が決まらず待機となった場合でも、通常は給与が支払われます。

ただし、企業によっては待機期間中の給与が減額される場合もあるため、契約書の内容を一度確認しておきましょう。

SESエンジニアがスキル不足で退場させられる理由

エンジニアが常駐先企業からスキル不足で退場させられる理由を、3つ紹介します。

常駐先が期待するスキルレベルに達していない

エンジニアが退場させられるおもな理由は、常駐先が期待するスキルレベルと実際の能力との間にギャップがあるためです。

SES企業の営業担当者は、クライアントにエンジニアのスキルを過大評価して提案する場合もあります。

そのため、実務に必要な要件とエンジニアのスキルにミスマッチが起きる場合がでてきます。

例えば、JavaでWebアプリ開発3年の経験があると説明されたものの、実際は最新のフレームワークやアジャイル開発の経験が不足しているケースもあるでしょう。

スキル不足による案件からの退場を防ぐためには、常駐先が求める技術レベルを確認し、必要に応じて自己学習を行うことが重要です。

研修制度がない案件に参画させられる

研修制度がない案件に参画したときも、スキル不足で退場となる可能性があります。

常駐先での研修がない案件では、一定レベルのスキルを持っている前提で参画する場合が少なくありません。

そのため、スキル不足のエンジニアが参画すると、チームメンバーがサポートに時間を取られ、プロジェクト全体の作業効率が低下する可能性があります。

研修制度のない案件に参画する前には、営業担当から業務で求められるスキルを確認し、事前に準備しておきましょう。

業務内容でミスマッチが起きている

エンジニアのスキルと業務内容でミスマッチが発生した場合も、常駐先から退場させられる理由となります。

とくに、プロジェクトが進むにつれて求められるスキルが変化した場合は、退場となる可能性が高くなるでしょう。

例えば、参画時はPHPによるシステムの保守を担当していましたが、後に全体的な再設計が行われモダンな技術へのリプレースが決定したケースが挙げられます。

常駐先からの退場を防ぐためには、プロジェクトマネージャーと定期的にコミュニケーションを取り、最新の情報を集めてください。

SESエンジニアのスキル不足で起こる問題

エンジニアのスキル不足が原因で起こる問題を、5つ紹介します。

選べる案件が限られる

エンジニアのスキルが不足している場合、選べる案件は限られてきます。

なぜならば、IT業界は最新技術が継続的に生まれており、求められるスキルセットも常に変化しているからです。

具体的には、モダンなフレームワークやアジャイル開発の実務経験がない場合、参画できる案件は限られてくるでしょう。

面談で不合格となりやすい

面談で不合格になりやすいことも、エンジニアのスキル不足が原因で起こる問題の一つです。

常駐先との面談では、プロジェクト内容の説明やエンジニアが保有するスキルの確認が行われます。

そのため、スキル不足のエンジニアは常駐先の要件を満たせずに、採用される可能性が低くなるでしょう。

面談での合格率を上げるためにも、需要の高いプログラミング言語やフレームワークの学習を進めてください。

待機期間が長いと給与減少に直結する

常駐先との面談で不合格となり案件に参画できない場合、待機期間が長くなり給与減少に直結します。

これは、エンジニアのスキル不足が原因で起きる大きな問題となるでしょう。

所属するSES企業によりますが、待機期間中は基本給が減額されるケースも少なくありません。

そのため、継続的に案件を確保するためにも、空き時間を活用して自己学習を進めてください。

精神的な負担が大きくなる

待機期間が長くなり精神的な負担が増えることも、エンジニアのスキル不足が原因で起こる問題の一つです。

待機期間中は収入が減少するため「早く案件を見つけなければ」というプレッシャーや「自分のスキルは通用しないのでは」といった不安を抱えやすいでしょう。

精神的な負担を減らすためにも、営業担当と連絡を取り合い、新しい案件の情報を集めてください。

スキル不足のままだと転職が難しくなる

スキル不足のエンジニアは、転職市場での需要も低くなりやすいです。

そのため、SES企業からのキャリアチェンジを考えても、内定獲得までの時間が長くなる可能性もあります。

将来的にキャリアアップするためにも、日々の業務や自己学習を通じて、専門性を高めることが重要です。

SESエンジニアがスキル不足で退場させられないための対策

スキル不足を理由に、常駐先から退場させられないための対策を4つ紹介します。

継続的に案件を確保するため、以下のポイントを意識しましょう。

当編集部が実施したアンケート調査の結果も紹介しますので、参考にしてください。

【アンケート名】エンジニアの転職に関する実態調査
【調査日】2024年6月3日
【調査対象】エンジニアから転職したことのある男女
【調査人数】300人（男性269人/女性31人）
【調査方法】アイブリッジ株式会社Freeasyを用いたインターネットリサーチ（調査元：キャリアアップステージ編集部）

プログラミングスキルを学ぶ

技術力不足による退場を防ぐためにも、空き時間を活用してプログラミングスキルの学習を進めてください。

複数の言語でシステム開発ができるエンジニアは、契約終了後も継続して案件を獲得できる可能性は高まります。

長期的に案件を獲得するため、需要の高いプログラミング言語の学習を進めましょう。

また、おすすめのプログラミングスクールは以下の記事で紹介していますので、学習を進める際の参考にしてください。

関連記事：プログラミングスクールおすすめ25選を比較│闇や実情についても解説！

常駐先で求められるスキルを確認する

プロジェクトで必要とされる技術要件を確認すると、エンジニアのスキル不足による退場を防げるでしょう。

あらかじめ必要なスキルを把握できると、クライアントの期待値と実際の技術力との差を確認でき、参画後のミスマッチを回避できます。

自社の営業や常駐先の担当者から求められるスキルを確認し、対応が難しい場合は別の案件を紹介してもらってください。

常駐先のエンジニアとコミュニケーションを取る

常駐先のエンジニアとコミュニケーションを取ることで、スキル不足による退場を防げる可能性は高まります。

チームメンバーと良好な関係を築けると、作業中の疑問点を気軽に相談できるようになり、スムーズに業務を進められるからです。

案件への参画後は、同じSES企業の社員や年齢の近いエンジニアと積極的にコミュニケーションを取りましょう。

SESの働き方が合わなければ転職を検討する

常に退場のリスクがある客先常駐の働き方に不安を感じる方は、SES企業からの転職を検討してください。

当編集部が実施したアンケート調査では、SES企業から転職したエンジニアの声が寄せられました。

とくに、定期的な常駐先の変更にストレスを感じる方は、キャリアチェンジも視野に入れてください。

SESエンジニアの転職でおすすめの職種

SES企業からの転職を考えている方に向けて、おすすめの職種を3つ紹介します。

関連記事：SESから転職できる？おすすめの転職先7選や年代別に必要なスキルを解説！

SIer

SIerとは、クライアントの課題を解決するために、システムの開発から運用・サポートまでを一括して請け負う企業のことです。

以下の記事ではSIer企業の種類や転職で有利になるスキルを紹介していますので、参考にしてください。

関連記事：SIerにおすすめの転職エージェント8選！選び方やメリット・デメリットを解説

自社開発企業

自社開発企業に転職すると、自社の製品やサービスを企画から開発、運用まで幅広い業務を担当できます。

SESと比べて自社開発企業は収入が安定しやすく、企業規模が大きくなると充実した福利厚生も期待できるでしょう。

当編集部が実施したアンケート調査でも、SESから自社開発企業へ転職したエンジニアから、以下の声が寄せられています。

40代・50代を見据えて着実にスキルを身につけたい方は、継続的に仕事があり安定した環境で働ける自社開発企業への転職を検討してください。

関連記事：SESから自社開発へ転職は難しい？やめとけと言われる理由も解説

社内SE

社内SEとは、自社システムの構築や運用、業務効率化やヘルプデスクなど幅広い業務を担当する職種です。

社内SEは長期的に同じ職場で働けるため、企業特有の業務内容やシステムについて知識を深められます。

以下の記事では社内SEに転職するメリットとデメリットを紹介したので、あわせて読み進めてください。

関連記事：SESから社内SEへの転職は難しい？面接対策や志望動機の伝え方を徹底解説！

SESエンジニアにおすすめの転職支援サービス

SESからのキャリアチェンジを考えている方に向けて、おすすめの転職支援サービスを3つ紹介します。

各サービスの特徴を紹介しますので、転職を検討している方は参考にしてください。

ユニゾンキャリア｜20代エンジニアの転職におすすめ

ユニゾンキャリアは、転職を考える20代のエンジニアにおすすめのサービスです。

同社は20代の転職サポートに力を入れており、若手エンジニアを求める案件を多数取り扱っています。

また、ユニゾンキャリアでは無料のITスクールを運営しており、スキルアップを目指せる環境が整っています。

ITスクールでは動画でスキルを学べるので、受講者はスキマ時間を活用して自分のペースで学習を進められるでしょう。

（※1）ユニゾンキャリア公式サイトより

レバテックキャリア｜5人に4人が年収アップを実現

レバテックキャリアは、SESで身につけたスキルを活かして年収アップを目指すエンジニアにおすすめのサービスです。

トヨタやソフトバンクへの転職支援実績があり、レバテックキャリアを通じて転職したエンジニアの約80％が年収アップを実現しています。

同社のアドバイザーは、キャリアの壁打ちやエンジニアとして今後必要なスキルについての相談にも対応しています。

転職に関する疑問や不安のある方は、公式サイトから気軽に問い合わせてください。

（※1）レバテックキャリア公式サイトより

マイナビIT AGENT｜大手人材企業のマイナビが運営

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アドバイザーからは職務経歴書の添削や面接対策のサポートを受けられるため、はじめての転職でも安心して利用できるでしょう。

スキル不足で悩むSESエンジニアからよく聞かれる質問

常駐先でスキル不足に悩むエンジニアからよく聞かれる質問を、5つピックアップして紹介します。

SESの退場に関する連絡は何か月前に来ますか？

常駐先の企業にもよりますが、退場に関する連絡は1ヶ月前までに届くケースが一般的です。

ただし、1ヶ月前までに連絡が来ない場合もあるため、SES企業の営業担当とこまめに連絡を取ることをおすすめします。

SESは3ヶ月で退場させられることはありますか？

常駐先との契約が3ヶ月間の場合、契約満了により退場となるケースがあります。

また、エンジニアのスキル不足や担当プロジェクトが一時的に中断されるなど、3ヶ月で退場するケースもあるでしょう。

SESエンジニアのスキル不足でクレームは来ますか？

常駐先企業が求めるスキルレベルに達していない場合は、クレームが発生する可能性もあります。

エンジニアのスキル不足以外にも「遅刻や欠勤が多い」や「業務中の離席が多い」などの理由により、クレームが届くケースも見られます。

常駐先企業からのクレームを防ぐためには、遅刻や無断欠勤を防ぎ、チームメンバーへの連絡や相談を欠かさないよう意識してください。

SESエンジニアに求められるスキルは？

SESエンジニアに求められる具体的なスキルは、以下の通りです。

ただし、担当するプロジェクトごとに必要なスキルは異なるため、案件へ参画する前に確認しておきましょう。

なぜSESはやめとけと言われるのですか？

SESはやめとけと言われる理由を、3つ紹介します。

以下の記事では、SESはやめとけと言われる理由を詳しく紹介したので、あわせて読み進めてください。

関連記事：SESはやめとけと言われる理由とは？ホワイト企業へ勤める方法を解説！

まとめ｜SESエンジニアでスキル不足を感じたら転職も検討しよう

この記事では、SESエンジニアがスキル不足で退場する理由や対策を紹介しました。

SES案件は契約上、常に退場のリスクがある働き方です。

ただし、自己学習を進めて最新技術を身につけたエンジニアは、常駐先からの退場リスクを減らせます。

継続的に案件に参画するためにも、自分のスキルを高めていきましょう。

とはいえ、定期的な職場の変更にストレスを感じる方は、SES企業からの転職を検討してください。

転職支援サービスの担当者にはエンジニアとしてのキャリア相談もできるため、現在の働き方に不安を感じる方は気軽に問い合わせをしてみましょう。