会社へ退職を申し出たにもかかわらず、引き止められて困っている方も多いのではないでしょうか。

会社側からすると、大事な人材を手放したくないため、引き止めるのはごく自然なことです。

しかし、退職したい気持ちを抑えて職場に残ったとしても、心身ともにストレスが溜まり良い仕事はできないでしょう。

この記事では、退職の引き止め対策や、引き止められて職場に残ることで何が起きるのかについて解説します。

退職の引き止めに困っている方は、キャリアアップを目指して次のステップへ進むためにも、この記事を参考にしてください。

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退職の引き止め対策5選

会社から退職を引き止められた場合、以下の対策が考えられます。

上記の対策を、具体的にどのように実行すれば良いのかを解説します。

就業規則をチェックし早めに退職を申し出る

1つ目の引き止め対策は、会社の就業規則を確認して、できるだけ早く退職を申し出ることです。

民法第627条では「期限の定めのない労働契約の場合、退職日の2週間前までに申し出る」と定められています。

しかし、就業規則では「退職の1ヶ月〜3ヶ月前まで」と決められている会社がほとんどです。

就業規則に沿った期日までに退職の意向を伝えて、退職までの期間を長くとることで、引き止められる可能性を減らせるでしょう。

実際、退職までに行うべき業務は多岐にわたります。

退職による社内や取引先への影響を少しでも減らして、会社から無理な引き止めにあわないよう、できるだけ早く退職を申し出る心がけをしましょう。

関連記事：2週間前に退職を申し出るのは非常識って本当？スムーズに辞めるコツを解説

前向きな退職理由を伝える

退職理由をポジティブにすることも引き止め対策の1つです。

「キャリアアップのため」「夢を実現するため」など、将来に向けた前向きな退職だと伝えれば、上司や同僚が引き止めることは難しくなるでしょう。

注意点は、今の会社でも達成できる目標やスキルアップを退職理由にしないことです。その場合「辞める必要はないのではないか」と思われて引き止められるおそれがあります。

将来の夢やチャレンジのために、やむなく退職するということが伝われば、引き止めにあう可能性は低くなります。

前向きな退職理由の具体的な例を知りたいという方は、以下の記事を参考にしてみてください。
関連記事：【具体例付き】理想の退職理由と例文｜円満に退職するためのポイント

繁忙期の退職は避ける

退職の引き止めにあいたくないのであれば、繁忙期の退職はできるだけ避けましょう。

繁忙期は業務量が増えて従業員の負担が大きい時期のため、そのタイミングで退職を伝えると周囲から反感を買ってしまうおそれがあります。

退職を伝えるタイミングとしては、繁忙期直後がおすすめです。

繁忙期中に退職を伝えるとマイナスイメージが強くなってしまいますが、繁忙期が落ち着けば上司も冷静に話を聞いてくれるでしょう。

どうしても繁忙期に退職する必要がある場合は、退職理由を明確に伝えて、会社からの理解を得ることが重要です。

関連記事：退職時期や切り出すベストタイミングは結局いつ？円満退職を実現させるポイントとは

引き継ぎの時間を考慮する

退職の引き止め対策4つ目は、後任への引き継ぎの時間を考慮して退職を申し出ることです。

業務内容によっては、就業規則で定められた期限に退職を申し出ても、引き継ぎが間に合わないケースが考えられます。そのため、どれくらいの期間で引き継ぎが完了するのかを考慮して、ゆとりをもって退職の意向を伝えましょう。

引き継ぎを円滑に進めるためには、引き継ぎ計画書の作成がおすすめです。

引き継ぐ業務内容や引き継ぎ先、予定日などを計画しておけば、スムーズに引き継げるでしょう。また、退職前に有給休暇を取る場合は、そのスケジュールも考慮する必要があります。

円満に会社を辞めるためには、退社後のことまで考えて退職を申し出るようにしましょう。

退職代行を利用する

最後に紹介する引き止め対策は、退職代行サービスを利用する方法です。

退職代行サービスとは、依頼者に代わって会社へ退職を申し出て、退職手続きを進めてくれるサービスです。代行業者が会社に退職の旨を伝えるため、直接引き止めにあう心配はありません。

また、必要に応じて未払い賃金請求や有給休暇の取得の交渉をおこなってくれる退職代行サービスもあります。さらに、弁護士が運営している代行業者であれば、パワハラやセクハラ、懲戒解雇に関する法的トラブルや訴訟問題にも対応できます。

「会社に退職の意向を伝えたがどうしても辞めさせてくれない」「上司の叱責が怖くて直接退職を伝えられない」と困っている方は、退職代行サービスの利用を検討してみましょう。

以下の記事では、おすすめの退職代行サービスを紹介しています。各代行業者の特徴や利用料金などを紹介しているので、気になる方はチェックしてみてください。

会社が退職を引き止める理由

会社が引き止める理由には、主に以下の3つが考えられます。

引き止められる理由を理解した上で、それに対する対策を考えてみましょう。

人手不足に陥ってしまう

会社が退職を引き止める1つ目の理由は、退職することで人手不足に陥ってしまうことです。

1人あたりの業務負担が多く、ぎりぎりの人員で運営している会社では、退職者が出ると業務の進行に大きな影響が出ることがあります。

また、採用活動によって人員確保を行うためには、多くのコストや時間が必要になります。しかも、採用後に新人教育をしなければならないため、職場に順応するまでには少なからず時間がかかることになるでしょう。

ただし、退職による人員確保は会社の責務です。「人手不足だから退職は認めない」「プロジェクトが終わるまで引き伸ばしてくれ」というのはあくまで会社都合のため、退職を引き止める理由にはなりません。

社内の士気が下がる

社内の士気が下がってしまうという理由で、退職を引き止めるケースも考えられます。同僚から退職すると言われると、動揺するのは当たり前のことです。

特に、退職する従業員がプロジェクトに欠かせない人材の場合は、その後の業務に不安を感じて周囲のモチベーションが下がることもあるでしょう。

また、会社の中心的存在が退職することで、他の従業員が続けて退職する可能性があります。

「あの人がいたから今まで頑張れた」などの理由で退職を切り出す従業員がいるかもしれません。退職によって社内の士気を下げないためには、日頃からコミュニケーションをしっかり取ることが重要です。

本心から将来を心配している

上司や同僚が、本心から将来を心配して退職を引き止めるケースもあります。退職する理由や状況を踏まえて、退職するだけでは何も変わらないと判断した場合、上司や同僚が利害関係なく引き止めることが考えられます。

たとえば、「今の状況からただ逃げたい」という理由で退職しようとする場合、上司は次の会社でも同じことが起こるかもしれないと考えて、引き止めようとするかもしれません。

もし上司や同僚の引き止めが、自分のことを真剣に考えていると感じた場合は、一度耳を傾けてみましょう。

退職の引き止め対策を怠るとどうなるのか

ここでは、退職の引き止め対策を取らずにいると、どうなってしまうのかを紹介します。

社内で苦しい環境に置かれてしまう

退職の引き止め対策を怠り、会社の引き止めに応じてしまうと、上司からの見る目が変わり、社内での立場が以前より苦しくなるおそれがあります。

退職を申し出た過去から「重要な仕事はあいつには任せられない」と上司から思われ、成果を上げづらい環境に置かれてしまうのです。

また、上司からの信頼は変わらなかったとしても、その他の従業員から「裏切り者だ」と思われることも考えられます。

そうなってしまうと、うまくチームワークが取れずに円滑に業務が進まなくなるかもしれません。

このように、引き止め対策を怠って、中途半端な気持ちで職場に残ることで、社内で厳しい立場になるリスクが考えられるでしょう。

関連記事：退職を伝えたら「裏切り」と怒られるのはなぜ？上司が怒る理由や円満退職のコツを解説！

退職時期がズルズルと先延ばしになる

引き止め対策を怠ると、何度も上司に引き止められて、いつまで経っても退職できなくなってしまいます。退職を申し出たにもかかわらず、説得によって撤回してしまうと、会社からは「強く説得すれば退職しない」と思われてしまうのです。

キャリアアップを考えている場合、退職時期がズルズルと先延ばしされることで、転職に適したタイミングを逃してしまうおそれがあります。

本気で退職したいと考えているのであれば、将来のキャリア形成や実現したいことを考え、引き止め対策に真剣に向き合いましょう。

関連記事：退職の引き止めがしつこい場合はどうすればいい？対処法や引き止められる理由も解説

退職代行を利用する3つのメリット

無理な引き止めに困っている場合、退職代行サービスの利用がおすすめです。退職代行サービスを利用することで得られるメリットは、大きく以下の3点です。

退職代行サービスのメリットを理解して、上手に活用してみましょう。

上司や同僚と面会せずに辞められる

退職代行サービスの1つ目のメリットは、上司や同僚と顔を合わせずに退職できることです。

退職の意向を上司や同僚に伝えると「人手不足だから辞めないでくれ」「どこに転職しても通用しない」などと言われて、引き止められることが考えられます。

しかし、退職代行サービスを利用すれば、本人の代わりに退職の旨を伝えてくれるため、引き止められずに退職できるのです。

また、社内でパワハラやセクハラを受けている場合、上司や同僚に会うだけで精神的苦痛を味わう方もいます。そのような方にとっても、本人の代わりに退職の意向を伝えてくれる退職代行サービスがおすすめです。

即日で辞められる

依頼した当日に会社を辞められる点も、退職代行サービスのメリットです。

多くの退職代行サービスでは、24時間365日依頼を受け付けています。そのため、退職したいと思ったその時に依頼することが可能で、早ければその日中に対応してくれます。

退職を一度引き止められてしまうと、何度も退職の交渉をすることに抵抗を感じてしまいます。その結果、ズルズルと退職時期が延びて、最適な転職時期を逃してしまうことも少なくありません。

貴重な時間を、転職活動やリフレッシュに充てるためにも、退職代行サービスを利用してできるだけ早い退職を実現しましょう。

即日で退職できる仕組みや、おすすめの退職代行サービスを以下の記事で紹介しています。すぐにでも会社を辞めたいと思っている方は、チェックしてみてください。
関連記事：退職代行で可能な「即日退職」の仕組み｜すぐに辞めたい人が押さえるべきポイント

どんな理由でも確実に退職できる

最後に紹介するメリットは、退職代行サービスを利用すれば確実に退職できることです。

会社に退職を申し出ても「進行中のプロジェクトが完了するまで待って欲しい」などと、理由をつけられて退職できないことがあります。

そこで、退職代行サービスを利用することで、法的根拠を元に退職の手続きを進められるのです。

民法第627条では「退職はいつでも申し入れることができ、申し入れから2週間で退職できる」と定められています。いわゆる「退職の自由」は、労働者の立派な権利と法律で認められているため、会社が無理に引き止めることは違法なのです。

どのような退職理由を伝えても退職を認めてくれない、退職しづらい雰囲気があって言い出せないと悩んでいる方は、退職代行サービスの利用を検討してみましょう。

まとめ

今回は、退職するための引き止め対策や、対策を怠ることでどうなってしまうのかについて解説しました。

退職の引き止め対策として、前向きな退職理由や繁忙期の回避、退職代行の利用などが挙げられます。

また、引き止め対策を怠って会社に居続けると、社内での立場が弱くなったりキャリアアップの機会を逃したりしてしまうでしょう。

退職の際は、後任への引き継ぎをしっかり行い、円満に退社することが一番ですが、会社からの引き止めにより退職できないケースもあります。

退職は労働者に与えられた権利であるため、会社が無理やり引き止めることはできません。将来に向けて確実に退職したい方は、この記事を参考に退職に向けて動き出してみましょう。