と考えていませんか？

中卒だとなかなか就職がうまくいかないと話を聞いて不安になってしまうことがあるかもしれません。

結論として、中卒でも就職は可能です。

ですが、現実として難易度は高くなってしまうため、就職の準備を丁寧におこなう必要があります。

この記事では、中卒が就職を成功させるステップについて解説しています。就職したいけど不安な中卒の方は、ぜひ最後までご覧ください。

関連記事：中卒におすすめの転職エージェント8選｜選び方や利用するメリットを解説

中卒は就職できないは嘘！

冒頭にもお伝えしていますが、中卒でも就職は可能です。

少数派ではありますが、実際に中卒でも就職を成功されている方は多くいらっしゃいます。

ですが、高卒や大卒に比べて就職が難しくなるのも現実です。

文部科学省によると97％の人が高校に進学していると公表しており、現代の日本では中卒の割合が少なくなっています。

そのため、中卒の肩書きだけで「なんで高校に行かなかったんだろう」と偏見をもたれやすいです。

ですので、偏見を払拭させるためには、就職活動の準備が非常に重要です。

たとえば、資格を取得してアピールポイントを増やすことで中卒の印象を変えられるでしょう。十分に準備すると中卒でも就職は可能です。

参考：高等学校教育｜文部科学省

中卒が就職する時の現実

ここでは中卒が就職する時の現実を3つの視点から紹介していきます。

1つずつ紹介していきます。

求人数の量

一般的に中卒で働く場合は、求人数が高卒や大卒と比べて少なくなる傾向にあります。

なぜなら、求人の条件に対して「高卒以上」や「大卒以上」と基準を設けている企業が多くいるからです。

中卒の場合は「学歴不問」の条件から求人を探す必要があるため、マッチする企業が少なくなります。

実際に厚生労働省が発表した資料では中卒と高卒の求人について、以下のように記載しています。

	中卒	高卒
求人数	784人	465,157人
求職者数	666人	122,822人
求人倍率	1.18倍	3.79倍

求人倍率を見ると中卒の方の倍率が低く、通過しやすいように見えますが、求人の母数が少ないため選べる業種も少ないのです。

平均給料

中卒での就職では給料も平均より少なくなってしまいます。

厚生労働省が平成18年に発表した資料では、学歴別の給料は以下の通りです。

学歴	男性	女性
中卒	280,200円	174,400円
高卒	300,300円	198,200円
高専・短大卒	310,500円	239,800円
大学・大学院卒	406,500円	276,400円

中卒と大卒を比べると、男女ともに月給で10万円以上の差が生まれています。

また、それぞれの給料を年収に置き換えると以下のようになります。

学歴	平均年収
中卒	272万7,600円
高卒	299万1,000円
高専・短大卒	330万1,800円
大学・大学院卒	409万7,400円

中卒から大卒までの平均年収が327万9,450円なため、中卒は平均から約55万円低いのです。

今回、計算は賞与を含めていないため、実際はさらに多くなる可能性はあるでしょう。

ですが、傾向として中卒の給料は他の学歴の人に比べて低くなりやすいといえます。

正社員として就職する割合

中卒で就職を考えている方の多くは、正社員を目指しているかと思います。

ですが、大卒や高卒と比べて中卒の正社員率は、かなり下がってしまうのが現実です。

厚生労働省が平成30年に発表した資料には、学歴ごとの正社員率について以下のように記載していました。

学歴	正社員率
中卒	35.4%
高卒	56.3%
専門学校	66.6%
高専・短大	66.2%
大学卒	80.9%
大学院卒	84.3%

高卒以上では半数の人が正社員での就職ができるのに対し、中卒は3分の1程度の正社員率だと分かります。

中卒が就職できないと言われてしまう4つの理由

ここでは中卒が就職できないと言われてしまう4つの理由を紹介していきます。

1つずつ紹介していきます。

採用条件に「高卒以上」が含まれていることが多いから

中卒が採用条件に高卒以上が含まれているため、就職できないと言われていることが多いでしょう。

企業の応募条件に高卒以上、または大卒以上の条件が含まれていると基準を満たさなくなってしまいます。

また、厚生労働省によると、求人数は中卒よりも高卒の方が593倍ほど多いのです。

双方を比較すると中卒の選べる会社が、極端に少ないと分かります。

そのため、就職する時になかなか仕事が見つけられず「中卒は就職ができない」と感じてしまう原因になります。

参考元：令和５年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」取りまとめ（９月末現在）

努力できないと思われてしまうから

中卒の場合は、採用担当者から「努力ができない」と思われる可能性があります。

一般的に、高校や大学を卒業するためには一定以上の努力が必要です。たとえば、学校に合格するための入試や課外活動、勉強やスポーツ、テストなどが挙げられます。

また、卒業するにも単位を落とさずに卒業認定を取得するのが条件です。

中学の場合は義務教育で決まっているため、努力しなくてもそのまま卒業ができてしまいます。そのため、高校以降の勉強を諦めてしまったのではないかと考えられてしまうのです。

世間では、学歴のボーダーラインを高卒以上にしている場合がほとんどです。

もちろん、家庭の事情などの原因で仕方なく中卒になったしまう場合もありますが、事情を知らない場合は印象が悪くなってしまう場合もあるでしょう。

中卒に対して偏見をもっている方が多いから

中卒に対する印象があまり良くないため、偏見をもたれることもあるでしょう。

現代の日本では、学歴が高卒以上の人が多いのです。

そのため、最終学歴が中卒となると「なにか問題があるのかな」と思われてしまうのです。たとえば、中卒というだけで不当な偏見を持たれる可能性もあります。

ほかにも考えられる偏見は以下の通りです。

実際には、家庭の事情ややむを得ない理由があるかもしれませんが最初に偏見をもってしまう企業も少なくありません。

自分が希望する企業に就職するには、これらの偏見を感じさせない意欲を見せる必要があるでしょう。そのため、十分な準備を進めることが大切です。

中卒には取得できない資格があるから

職業によっては就職の時に専門的な資格が必要です。

資格受験の条件として、高卒以上の学歴を求められるケースがあります。

そのため中卒だと資格が取得できないため、就職ができなくなってしまうかもしれません。

文部科学省によると、以下の職業には学歴が必要です。

もし、希望している職種でも働けないため、選択できる仕事の幅が狭くなってしまうでしょう。

どうしても資格が必要な仕事をしたい場合は、専門的な分野を学べる学校に行くことが近道です。

もちろん、学歴が関係なく取得できる資格もあったり、資格がなくても正社員を目指せたりします。

そのため、自分が希望する職種を仕事する時に、必要な資格があるか事前に確認しましょう。

参考：国家資格と学位との関係（主なもの）｜文部科学省

中卒が就職しやすいおすすめの業界

ここでは中卒が就職しやすいおすすめの業界を紹介していきます。

1つずつ見ていきましょう。

関連記事：中卒でもできるおすすめの仕事10選！就職を成功させる方法も解説

介護職

介護職は中卒からでも就職がしやすい職業といえます。

主な仕事内容は、高齢者や体の不自由な方、リハビリが必要な方の日常生活の手助けなどがあります。

介護業界は少子高齢化の影響で人手不足の状態が続いており、業界全体で問題視されています。

実際に、厚生労働省の調査では、2040年には69万人ほど介護士が足りなくなると予測されています。

そのため、人手不足を解消させるために採用条件を「学歴不問」「未経験歓迎」にしている介護施設が増えており、中卒でも参入しやすい状況といえるでしょう。

介護士は資格がなくても大丈夫な業務があるため、未経験からでも始めやすいのが特徴です。

ですので、最初は経験を積んで徐々に資格を取ることで、キャリアアップもできるでしょう。高齢者の方のケアをしたい方におすすめの業界です。

参考：第８期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について｜厚生労働省

関連記事：介護職向け転職エージェントおすすめ10選｜資格・施設別に徹底比較【2024年最新】

飲食業

飲食業も学歴に左右されにくいため、中卒でも働きやすい業種の一つです。

主にレストランや居酒屋などの飲食店でお客様に快適な状態で食事をしてもらうために円滑に進める仕事です。大きく分けて、接客をするホールスタッフと調理をするキッチンスタッフのどちらかで働きます。

飲食業界は常に人の出入りが激しく、人材不足になりやすい業種です。

厚生労働省が令和4年に発表した資料では、飲食店の離職率は26.8％と全業種の中で一番高い結果となっています。

ですので、飲食店では人材不足を解消させるために、一般的に学歴よりもスキルや人柄などを中心に採用しています。

料理を作るのが好きな方だったり、飲食に関わりたいと考えている方におすすめの職業といえるでしょう。

参考元：－令和４年雇用動向調査結果の概況－ ｜厚生労働省

関連記事：飲食業界に強いおすすめ転職エージェントの15選を比較！選び方の基準や正しい使用時のポイントを解説

販売職

販売職は、中卒からでも始めやすい仕事です。

販売員は主に店舗の中で、お客様に対して接客をしたり、商品を販売します。

販売職では、学歴よりも仕事に対する熱量やコミュニケーション能力、販売職に対する適正力を見ています。学歴よりも人柄の部分で勝負できるため、中卒でも就職しやすい職業です。

また、過去に販売職のアルバイトをしていた場合は、アピールができるため就職で有利となるでしょう。

販売職には多くの種類があるため、自分の好きなブランドや商品があるお店で仕事ができます。

さらに、就職後に販売やコミュニケーションのスキルを高めることで、管理職へのキャリアアップも可能です。人と関わる仕事がしたかったり、コミュニケーションに自信がある方におすすめの職業です。

営業職

営業職も人柄やポテンシャルを重視するため、中卒からでも始めやすいといえます。

営業は主に、お客様の悩みを解決させるための商品を提案して販売する仕事です。

商品を売る仕事のため、資格や学歴よりも人柄やコミュニケーション能力や提案力などのポテンシャルが重要となってくるでしょう。

また、営業には多くの種類があります。

さらに、個人向けか法人向けかの営業でも仕事のやり方が大きく変わるため、幅広い対応力が求められます。

営業では実力主義の風潮が強く、商品を売った分の歩合で給料をもらうシステムが多いのです。頑張った分だけ評価されたい方におすすめです。

関連記事：営業未経験者におすすめの業界7選！転職を成功に導く7つの手順

警備員

警備員も中卒でも働きやすい職業といえます。

警備員は、施設に不審な人や物などの異常をパトロールしながらチェックする仕事です。

警備は24時間体制で運用されているため、求人の数が多く掲載されています。

また、監視をする仕事のため学歴に左右されにくく、条件が学歴不問になっている求人も多いのです。

警備の仕事はさまざまな場面で必要になります。

一日中立ちっぱなしになったり、暑さや寒さに耐えながら勤務する場面も多いため、体力勝負といえる仕事といえるでしょう。

責任感が強く、適切な判断をすぐに出せる人におすすめの仕事です。

中卒から正社員になるための6つのポイント

ここでは中卒から正社員になるための6つのポイントを紹介していきます。

1つずつ紹介していきます。

自己分析する

中卒から正社員になるためには、自己分析から始めましょう。

自己分析すると仕事の価値観や強みなどが分かるようになるため、就職先を探す時にスムーズに進められます。

また、就職面接の中で強みを適切にアピールできるため、採用担当者からの印象がよくなるでしょう。

具体的には、以下のステップで考えましょう。

自己分析するとやりたい仕事を発見したり、今後の動き方が見えてくるでしょう。

高卒認定を取る

転職する時にいい仕事がないと感じた時は、高卒認定を取るようにしましょう。

高卒認定は、文部科学省がおこなう「高等学校卒業程度認定試験」のことです。

もちろん、中卒の状態でも正社員での就職は可能ですが、選択できる職種の幅が狭くなり希望の仕事につけない可能性が高くなります。

さらに、世間の偏見で肩身が狭くなってしまうこともあるでしょう。

簡単ではありませんが、しっかりと勉強して取得すると後々の就職で必ず役にたつ試験です。まとまった時間が取れる方におすすめです。

資格を取ってアピールをする

希望の職種がある場合は、職業に関連する資格を取得するとアピールができるためおすすめです。

資格を取得すると、仕事に対しての熱量や基礎知識の部分は理解しているアピールになり、採用担当者が感じやすい「本当にやる気があるのかな」を解消させられます。

まずは、自分が就きたい仕事に必要な資格を調べましょう。時々、資格がないとできない仕事があるため、早めに調べて準備を進める必要があります。

ですが、注意点として資格を取得したら有利にはなりますが、必ず受かるわけではありません。

優先順位だと高卒認定の方が高いので、高卒認定に興味がある方は後に資格を取るようにしましょう。

正社員雇用のあるアルバイトを始める

正社員雇用のあるアルバイトから始めることもおすすめです。

もし今まであまり働いたことがない場合は、いきなり正社員として週5日働くのはハードルが高くなってしまうでしょう。

最初は慣れることが大事なため、週に数日から始められるアルバイトで様子を見ましょう。徐々に慣れてくると、仕事に対してのハードルが低くなります。

また、アルバイトから始めると、以下のようなメリットがあります。

さらに、正社員登用のあるアルバイトだと、長く働くことで正社員として採用してもらえるようになるでしょう。新しく就職活動をしなくても良かったり、慣れている仕事のため働きやすいのがメリットです。

学歴不問、未経験歓迎の求人を選ぶ

中卒から転職する場合は「学歴不問」「未経験歓迎」の求人を選びましょう。

高卒以上や大卒以上の求人に対して応募もできますが、返信率は下がってしまうためなかなか転職活動が進まなくなるかもしれません。

ですので、事前に学歴不問にしておくことで、書類応募が通過しやすくなるためおすすめです。

さらに、未経験歓迎の場合は専門的な仕事が多いため長く働くとスキルとして身につけられるでしょう。

職業によっては資格などがあると有利になる場合もあるため、就職後に取得を取ると給料を上げられたり、役職につけたりします。

中卒の場合は働く場所が限られてしまうため事前に採用条件を確認して、一つひとつの採用率をあげていくことが重要です。

転職エージェントを利用する

中卒から仕事を探す時は転職エージェントを利用しましょう。

転職エージェントを利用すると、今の状況にあった求人をプロの転職アドバイザーが代わりに見つけて紹介してくれます。

また、就職のアドバイスももらえるので、今後どのように就職活動を進めていくかを明確にしてから始められます。

なにから始めていいか分からなかったり、求人の見つけ方に困っている場合は全てお願いできるため、初めての転職で困っている方におすすめです。

中卒から就職するためにおすすめの転職エージェント

ここでは中卒から就職するためにおすすめの転職エージェントを紹介していきます。

1つずつ紹介していきます。

ノビルキャリア

えーかおキャリア

ハタラクティブ

「中卒は就職できないのかな」と困っている人によくある質問

ここでは「中卒は就職できないのかな」と困っている人によくある質問を紹介していきます。

1つずつ紹介していきます。

中卒が就職に成功する割合はどれくらいありますか？

厚生労働省が平成30年に発表した資料では、各学歴ごとでまとめた正社員の割合は以下の通りです。

学歴	正社員率
中卒	35.4%
高卒	56.3%
専門学校	66.6%
高専・短大	66.2%
大学卒	80.9%
大学院卒	84.3%

学歴が上がるにつれて正社員の割合が増えていく傾向にあります。

中卒の場合は3人に1人が正社員になれると分かります。

中卒の就職が難しいと言われている理由はなんですか？

中卒の就職が難しいと言われている理由は以下の通りです。

中卒というだけで印象が悪くなってしまう場合もあるため、就職の時には自分をアピールして、いい印象に変える必要があるでしょう。

まとめ

この記事では、中卒が就職するための方法について解説してきました。

中卒の立場から就職は可能ですが、世間からの風当たりも強いため難しいと感じてしまう人が多い傾向にあります。

ですが、中卒という立場から心機一転して就職を決意したことはあなたの人生にとって大きな一歩です。諦めずに進めば就職できるでしょう。

今後のあなたの就職活動にこの記事が参考になってくれたら嬉しいです。