放課後等デイサービスとは、障がいがある子どもが放課後や休日に利用する施設です。

施設で働く職員の中には、仕事がきついと感じている人も多いです。

原因は、障がいがある子どもと向き合う難しさや、職場の給料・人間関係に対するストレスなどがあげられます。

一方で、子どもの成長を間近で見たり、保護者に感謝してもらえたりする環境に、やりがいをもって働いている職員もたくさんいます。

本記事では、放課後等デイサービスの仕事できつさを感じる場面や、やりがいを感じる瞬間を解説します。プラス面とマイナス面の両方を知ったうえで、この仕事の全体像を掴んでみてください。

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放課後等デイサービスはどんな仕事？【1日の流れとともに解説】

放課後等デイサービスは、障がいがある6歳〜12歳の子どもが放課後や休日に通う施設です。

受け入れる障がいの種類は、自治体や施設によって異なります。

身体障がい、知的障がい、精神障がい、発達障がい、ダウン症など、さまざまな障がいがある子どもが通っており、職員は、個々の障がいや発達に合わせて適切な支援をおこないます。

以下は、放課後等デイサービスの1日の流れです。

時間	仕事	内容
11:00	出勤 朝礼	職場に出勤する 朝礼で情報共有や申し送りをおこなう
11:30	受け入れ準備	活動に必要な教材や遊具の準備をする 必要な事務作業を進める 飲み物やおやつの用意をする
12:30	昼休憩	昼食・休息をとる
13:30	受け入れ準備	受け入れ準備の続きをおこなう
14:00	送迎	子どもたちを学校に迎えに行く
15:00	おやつ	子どもたちにおやつを提供する
15:30	宿題 自由時間 主活動	宿題の見守り・サポートをおこなう 一緒に遊んだり、遊びを見守ったりする 子どもの障がい・発達に合わせた活動を実施する
17:30	送迎	子どもを自宅に送迎する
18:30	室内の清掃 教材・玩具の消毒	室内の清掃をおこなう 教材・玩具を消毒する
19:30	申し送り	保護者からの連絡事項を伝える 子どもの健康状態や気になる行動などを共有する
20:00	退勤	退勤して帰宅する

 職員は、子どもの成長を促す活動を提供しつつ、子どもたちが安全・安心に過ごせる環境を作っていきます。

放課後等デイサービスの仕事のきつさで職員が悩む9つの場面

職員が仕事のきつさで悩むのは、主に以下9つの場面です。

ひとつずつ見ていきましょう。

体力を消耗する

体力を消耗する働き方に、きつさを感じる職員がいます。

放課後等デイサービスでは、子どもの障がいや発達の程度に応じて、以下のような支援が求められます。

体力的・肉体的なサポートに疲労がたまり、悩む職員は多いです。

子どもとの関わりや支援の仕方に迷う

子どもとの関わりや支援の仕方に迷い、精神的にきつさを感じる方もいます。

放課後等デイサービスには、障がいの種類や程度、年齢が異なる子どもたちが通っています。

個別の配慮や適切な支援を考えるのに苦労して、気持ちの面できつくなる職員も多いです。

子ども同士のトラブル対応が難しい

子ども同士のトラブル対応の難しさに、きつさを感じる職員もいます。

障がいの特性により、トラブルに発展しやすかったり、解決までに時間がかかったりする子もいます。

トラブル対応を間違えると子どもの信頼を失うだけでなく、保護者からクレームが起きる原因になります。

日常的にトラブルが起これば、ストレスを感じるでしょう。

保護者対応に神経を使う

保護者対応に神経を使って、精神的にきつくなる職員もいます。

難しい要望を伝えてきたり、過度な期待を抱いたりする保護者も少なくありません。

職員の人間関係に問題がある

職員の人間関係に問題が発生し、きつい状況に陥る職員もいます。

たとえば、以下のような状況がよく現場で起こります。

人間関係が悪いと、職場に向かうのが億劫になるでしょう。

給料に満足できない

給料に対する不満から、きつい感情が大きくなる方もいます。

放課後等デイサービスでは、定員10名以内の事業所には2名以上の児童指導員または保育士の配置が義務付けられています。

以下は、全職種・児童指導員・保育士の平均月収を示した表です。

放課後等デイサービスで働く職員の平均月収は、全職種よりも10万円以上低いです。

役職	平均月収（円）
全職種	35万6,138
保育士	22万1,369
児童指導員	21万9,413

参考記事：全職種の月収｜令和4年賃金構造基本統計調査
参考記事：保育士・児童指導員の月収｜障害福祉サービス等経営実態調査結果

納得のいく給料がもらえないと、仕事の意欲が低下してメンタルがきつくなっていきます。

人手不足で業務の負担が大きい

放課後等デイサービスは、人手不足の施設も多いです。

人手不足の環境で働くと、職員一人あたりの業務負担が増え、残業が発生しやすいです。

事務作業に追われる

放課後等デイサービスは、事務作業が多いです。

人手不足の職場や作業効率の悪い職場の場合、残業になる確率が上がります。

プライベート時間が削られ、精神的にきつくなるでしょう。

子どもの命を預かるプレッシャーを感じる

子どもの命を預かるプレッシャーに、気持ちが押しつぶされる方もいます。

放課後等デイサービスには、障がいの特性により、危険予測の認知力が低い子や転倒しやすい子が多いです。

緊張感をもって働く環境に、メンタル的にきつくなる職員も少なくありません。

放課後等デイサービスの仕事でやりがいを感じる3つの瞬間

放課後等デイサービスの仕事は、やりがいも多いです。

代表的なやりがいを3つ紹介します。

放課後等デイサービスの仕事の魅力に触れていきましょう。

子どもが成長する場面に立ち会える

子どもが成長する場面に立ち会えたときに、職員は大きなやりがいを感じます。

障がいがある子どもたちは、成長が緩やかな子も多いです。日々の生活や支援をとおして、少しずつ進歩していきます。

成長を目撃したときは、特別な喜びを感じられるでしょう。

保護者に頼りにしてもらえる

「保護者に頼りにしてもらえている！」と思った瞬間に、やりがいを感じる職員もいます。

頼りにされているのは、自分の人柄やスキル、知識などを評価されている証です。

感謝の言葉を受け取る機会も増えるので、やりがいを感じる機会が多いです。

社会的価値のある仕事だと実感する

仕事に社会的価値を見出して、やりがいを感じる職員もいます。

求められる支援や関わりを提供したときに、社会的価値のある仕事だと実感します。

社会貢献できていると認識をもてば、仕事にやりがいを感じます。

放課後等デイサービスの仕事に向いている人の特徴

向いている人の特徴を、以下にまとめました。

障がいがある子どもと関わる仕事なので、共感力をもって寄り添える人は向いています。

人や社会の役にも立つため、貢献心がある方も合っているでしょう。

放課後等デイサービスの仕事に向いていない人の特徴

向いていない人の特徴は、以下のとおりです。

 子ども相手の仕事なので、柔軟性や体力がないと苦労しやすいです。

放課後等デイサービスの職探しにおすすめの就職・転職支援サービス5選

ここからは、放課後等デイサービスの職探しにおすすめの就職・転職支援サービスを5つ紹介します。

就職・転職支援サービスを利用すると、求人紹介から内定獲得までを完全フルサポートしてくれます。

放課後等デイサービスの就職・転職市場に詳しいキャリアアドバイザーが担当するため、内定率アップが期待できるでしょう。

保育士ワーカー

保育士ワーカーは、保育士の就職・転職をトータルサポートする支援サービスです。

入社後のフォローまで万全なので、放課後等デイサービスでの勤務がはじめての方も相談できる環境があるので安心です。

保育や福祉系の資格保持者や実務経験がある方は、スカウト機能をうまく使って、施設からの直接オファーを待ってみるのも良いでしょう。

保育士人材バンク

保育士人材バンクは、上場企業のエス・エム・エスが運営する保育士向けの就職・転職支援サービスです。

匿名で条件確認や交渉をしてもらえるので、納得のいく条件で応募できるでしょう。

働きやすさや実際に働いている人の口コミなど、求人票には載っていない情報もチェックできます。現場の様子を把握できるので、就職・転職後のミスマッチを軽減できます。

保育のお仕事

保育のお仕事は、5万件以上の求人を保有しており、放課後等デイサービスの求人も多く掲載されています。

登録しておくと、紹介してもらえる求人が増え、比較検討して就職・転職先を決められます。

保育のお仕事は好条件の非公開求人も豊富です。「月収25万円以上」「年間休日120日以上」といった条件の求人もチェックできるので、理想の職場を探せるでしょう。

ヒトシア保育

ヒトシア保育は、スカウトや直接応募の就活・転職活動もおこなえるエージェントです。

可能性を広げた就職・転職活動を進めたい方は、登録してサービスを受けてみましょう。

ヒトシア保育では、首都圏を中心に就職・転職フェアを定期開催しています。採用担当者や現場の職員と直接話せるので、放課後等デイサービスに関する具体的な情報を集められます。

マイナビ保育士

マイナビ保育士は、大手マイナビが運営する保育士特化の就職・転職支援サービスです。

条件をこまかく設定できるので、高年収・高待遇の放課後等デイサービスの求人も絞り込んでチェックできます。

口コミや離職率などリアルな情報も教えてもらえるので、就職・転職のミスマッチを軽減できるでしょう。

放課後等デイサービスの仕事に関する7つの質問

最後に、放課後等デイサービスの仕事に関する質問と回答をまとめます。

放課後等デイサービスの離職率は？

放課後等デイサービスを含む医療・福祉産業の離職率は、15.3%です。

産業全体の離職率は15.0%なので、平均をやや上回っています。

【参考記事】厚生労働省｜令和４年雇用動向調査結果の概況

放課後等デイサービスを辞める理由として多いものは何ですか？

福祉医療機構が調査した、児童系の障害福祉サービス事業所における退職者の退職理由は、以下のとおりです。

退職理由（転職を除く上位3位）	割合
体調不良	39.1%
職場の人間関係	21.8%
賃金水準	13.6%

 

体調不良の詳細は書かれていませんが、体力的・精神的なきつさから心身の体調を崩す方もいるでしょう。

放課後等デイサービスで働くためには資格が必要？

放課後等デイサービスは、以下のように従業員の配置基準が国で定められています。そのため、該当する役職につくための資格があると優遇されやすいです。

従業員	必要な人数
児童発達支援管理責任者	1人以上
指導員または保育士	2人以上

保育士資格がある人は、現場で求められる人材といえます。

「児童発達支援管理責任者」「指導員」のなり方と必要な資格は、以降で解説します。

児童発達支援管理責任者はどうやったらなれますか？

児童発達支援管理責任者とは、個別支援計画の制作や外部機関との連携を担う、児童発達支援のリーダー的ポジションです。

児童発達支援管理責任者になるには、以下の4つの手順を踏む必要があります。

【参考記事】厚生労働省｜サービス管理責任者等研修制度について

児童発達支援管理責任者を目指せば、大きくキャリアアップできます。

児童指導員にはどうやったらなれますか？

 児童指導員は、個別支援計画書に基づき、日常生活のサポートや療育支援をおこなう役職です。

児童指導員は、任用資格なので、試験や研修などはありません。一定の要件を満たし、児童指導員の配置が必要な施設に勤めていれば「児童指導員」と名乗れます。

児童指導員になるには、以下のいずれかに該当するのが条件です。

【参考記事】e-Gov｜児童福祉法第43条

当てはまる経歴や実務経験があれば、児童指導員として活躍できます。

放課後等デイサービスで働けるのは何歳までですか？

年齢制限はありません。

各企業が定める定年退職の時期を迎えるまでは、現役として働けます。

ただし、介助に必要な筋力や体力に衰えを感じたときは、子どもの安全のために退職を検討する必要があります。

放課後等デイサービスの闇を教えてください

全ての施設に闇があるわけではありませんが、放課後等デイサービスを運営する施設の中には、以下のような職場もあるようです。

このような職場は、労働環境が悪質だといえます。

放課後等デイサービスの仕事はきついこともあるが魅力も多い

放課後等デイサービスの仕事はきついこともありますが、子どもの成長に立ち会ったり、保護者に頼られたりとやりがいも多いです。

以下は、放課後等デイサービスの仕事に向いている人の特徴です。

放課後等デイサービスの仕事に興味があり、特徴に当てはまる方は就職や転職を検討してみると良いでしょう。

という方は、保育士向けの就職・転職支援サービスの利用がおすすめです。

仕事内容を具体的に教えてくれるのはもちろん、気になる施設の内部情報も共有してくれます。

職場の雰囲気を事前に掴めるので、安心して応募できるでしょう。

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