看護師3年目の転職は、メリット・デメリットをよく考えておこなうことが重要です。

3年の経験が、臨床経験として認められる場合と、経験不足ととられる場合の両方があるためです。

明確な目的や理由がある際も、まる3年働いてから転職した方が有利なケースもあります。

この記事では看護師3年目が転職するメリット・デメリット、転職を成功させるためのポイント、おすすめの職場を解説します。

看護師が「とりあえず3年」といわれる理由もみていきましょう。

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看護師3年目で転職するメリット

看護師3年目で転職するメリットは、以下のとおりです。

ひとつずつ解説しますので、迷っている方は参考にしてみてください。

臨床経験が認められ選択肢の幅が広がる

医療機関で3年働くと、臨床経験として認められ、転職先の選択肢が広がります。

看護師は3年の実務経験で、基本的な知識や技術が身につき、一人前として認められる傾向があるためです。

転職先でも即戦力として期待されます。

新しい環境に適応しやすい

働き始めて3年であれば、新しい環境に適応しやすいでしょう。

看護師になるにはいくつかの養成課程があり、高校を卒業後、看護学校や看護大学で学び、看護師になる方が多い傾向です。

3年目は20代前半であり、新しい環境にもなじみやすいといえます。

忙しい看護業務をこなせる体力もあると判断されるでしょう。新たな知識を覚えるのにも向いています。

興味・関心のある分野で経験が積める

3年働くと、自分の興味・関心のある分野、極めたい分野が明確になる方もいます。

将来のキャリアを考える場合、早い段階でその分野に進むのも手です。

また、幅広い知識を身につけたい方も、転職するには向いている時期といえます。

看護師3年目で転職するデメリット

看護師3年目の転職はメリットだけでなく、デメリットもあります。デメリットは以下のとおりです。

それぞれ解説しますので、メリットとデメリットの両方を考えて、決めるようにしましょう。

目的が曖昧だと後悔する可能性がある

目的が明確でなく曖昧な場合、転職で後悔する可能性があります。

転職したい理由を明確にしておくことが大事です。

経験不足ととられる可能性もある

3年の経験は「一人前」と認められる場合と、経験不足ととられる場合の二通りがあります。

職場によっては経験不足とみなされ、不利になるケースもあるかもしれません。

スキルの獲得は個人差があり、リーダー業務や後輩指導の経験が浅い方もいます。

転職活動する際は、経験年数や、あると望ましいスキルなど条件をよく確認するのが重要です。

退職金が支給されない場合もある

多くの医療機関では、退職金制度を導入しています。

しかし退職金は、勤続3年以上で支給されるところが多い傾向です。そのため3年目途中の退職では、支給されないこともあります。

退職金をもらうには、年度末まで働くのがベストです。

看護師が「とりあえず3年は続けた方がよい」といわれる理由5つ

看護師はよく「とりあえず3年は続けた方がよい」といわれます。理由は以下の5つです。

それぞれ詳しく解説します。

3年で一定の教育プログラムが終了するため

新卒で入職した場合、3年で一定の教育プログラムを終了とする医療機関が多いです。

看護師に必要な最低限の知識や技術は、3年で身につくと考えられています。

1年目は、新卒のプログラムをこなし、仕事を覚えるのに大変な時期です。先輩からの指導が欠かせません。

2年目は、今まで身につけたスキルを一人でおこなえる時期です。後輩ができて、先輩としての自覚も出てくるでしょう。

3年目では、リーダー業務やプリセプターなども経験するようなり、チームを支える人材となります。

これらを経験し、一人前として認められるようになるのです。

プリセプターやリーダーを経験できるため

3年目は、プリセプターなどの新人看護師教育の役割を任せられるようになります。

リーダー業務も始まり、リーダーシップやチーム運営について考える機会が増えるでしょう。

任せられた役割を果たせば、信頼感も得られるでしょう。転職の際に有利になります。

スキルアップしたい分野での経験が積める

3年の経験を積むと、キャリアについて考える機会が増えます。

今の職場でスキルアップしていくか、興味・関心のある他の分野を経験するかなどです。

専門性を高めたい分野があれば、早い段階からさまざまな経験を積むとよいでしょう。

奨学金の返済があるため

看護師の中には、学生時代に奨学金制度を利用した方もいます。

奨学金の減免や免除のために、指定の病院で働くケースも少なくありません。いわゆる「お礼奉公」です。

この期間を3年としている医療機関が多く、3年を経過すれば、職場を変えられるようになります。

退職金は3年勤続でもらえるケースが多いため

退職金は、勤続3年以上で支給されるケースが多めです。

就業規則を事前に確認しておきましょう。

看護師3年目で転職した方がよい場合

看護師3年目で転職をした方がよいのは、以下のケースです。

自分が該当するかチェックしてみてください。

明確な目標がありスキルアップしたい

自分の目指す看護師像や目標が明確で、スキルアップしたい方は、3年目途中で転職してもよいでしょう。

今の職場で働き続けても、目標達成が困難なときは、転職活動をスタートするのがおすすめです。

ただし専門資格を取得したい場合、「臨床経験5年」などといった条件を満たす必要があります。

日本看護協会の認定看護師は以下の要件をクリアしないと、教育機関に入学できません。

看護師免許取得後、実務研修が通算5年以上あること（うち3年以上は認定看護分野の実務研修）

専門性を高めたい方は、要件を確認するようにしましょう。

【参考記事】認定看護師／公益社団法人 日本看護協会

今の職場で働き続けるのが難しい

仕事や職場環境が原因で心身に影響が出ているときは、今の仕事での継続は難しいといえるでしょう。

看護師を続けるために、職場を変える選択肢もあります。向き・不向きも考えて選択するのがおすすめです。

環境が変わると、状況が改善する可能性もあります。

とはいえ、衝動的な退職は避けなければなりません。信頼できる方に相談したり、休みをゆっくりとったりしてよく考えて決めるのが大事です。

看護師転職サイトで相談してみるのもよいでしょう。

看護師3年目で転職しない方がよい場合

看護師3年目で転職しない方がよいのは、以下のケースです。

該当する方は、今の職場で働き続けることをおすすめします。

転職の目的がはっきりしない

転職の目的がはっきりしないケースや、なんとなく転職したいといった理由ではおすすめできません。

まずは、目指す看護師像やキャリアの目標を考えてみてください。現状に不満がないのであれば、今の職場で働き続けましょう。

今の診療科が好き

今の診療科が好きで経験を積みたい方は、転職せずに続けましょう。

好きな分野での専門性を高められるためです。管理職としてのキャリアを考えている方も、今の職場で経験を積んでから考えるとよいでしょう。

将来的に転職するときも、選択肢が広がります。

看護師3年目で転職を成功させる6つのポイント

看護師3年目で転職を成功させるには、ポイントを理解して活動するのが大事です。6つのポイントを紹介します。

ひとつずつ解説しますので、現時点で転職を考えている方は参考にしてみてください。

転職の目的を明確にする

3年目に限った話ではありませんが、転職は目的を明確にしておくことが重要です。

たとえば、キャリアアップするためか、ワークライフバランスを重視するためか、などです。

目的を明確にしておけば、求人も探しやすくなり、ミスマッチも防げます。

職場のストレスなどで転職したい方も、ポジティブな目的に変換し、転職活動するようにしてください。

キャリアの目標を考える

理想とする看護や働き方が実現できるかを考えて、転職活動してください。

キャリアの目標をよく考えましょう。結婚や出産などライフイベントの予定も合わせて検討するのが大事です。

長く働ける職場を探す

仕事を長く続けられる職場を探しましょう。

看護業界は人手不足であるため就職には困らない傾向ですが、1～2年未満で退職してしまうと、すぐ辞めてしまうのではと懸念されます。

忍耐力がないと思われる可能性もあり、注意が必要です。できれば同じ職場で長く働いた方が、看護師の経験を積めます。

リーダーやプリセプター、さまざまな役割を経験すれば、転職でも有利になるでしょう。短期間で転職を繰り返さないよう注意してください。

長く続けられる職場には、以下の特徴があります。

求人を探す場合、チェックしてみましょう。

3年目の年度末に退職する

体調を崩して働き続けることが難しいときは、早めの退職がおすすめです。

しかしそれ以外は、3年目の年度末、3月の退職を目指してください。

退職金の支給要件を満たすところが多いためです。また、3年のキャリアを積めば選択肢も広がります。

転職活動は早めにはじめる

転職を決めたときは、早めに活動を開始しましょう。新卒者と同じタイミングで入職できればベストです。

4月から働くには、3年目の途中から転職活動をおこない、内定をもらっておくとよいでしょう。

時間に余裕を持ち、求人探しをおこなえば、転職の失敗も防げます。

履歴書や面接対策をおこなう

履歴書や面接対策を入念におこないましょう。

3年目は、転職が初めての方が多めです。内定をもらうには、ポイントをおさえた対策が重要です。

面接の服装やマナーも理解しておきましょう。看護師転職サイトでは、履歴書の添削やアドバイス、模擬面接のサービスを受けられます。

【目的別】看護師3年目の転職でおすすめの職場

3年目看護師の転職でおすすめの職場を、目的別に解説します。

ひとつずつみていきましょう。

医療行為のスキルを身につけたい

どのような状況でも対応できる医療行為のスキルを身につけたい方は、以下の職場がおすすめです。

急性期病院の患者さんは、病状が安定せず急変しやすいです。急な検査や手術が必要になるときも少なくありません。

脳血管疾患や循環器疾患での入院が多く、アセスメント力や医療機器管理のスキルが求められます。常に知識を学ぶ姿勢も大事です。

救命救急センターでは、事故や災害、病気で緊急性が高い患者さんの看護をおこないます。

さまざまな状況の患者さんに対応するため、幅広い知識やスキルが身につきます。

医療行為のスキルを身につけたい方や急性期の勉強が苦にならない方、テキパキと仕事ができる方におすすめです。

関連記事：救急看護師は責任が重くてきつい？対処法からやりがいまで徹底解説！

夜勤のない職場で働きたい

夜勤のない職場で働きたい場合は、以下の職場がおすすめです。

入院施設のないところは、日勤で働けます。夜勤がないため、給料は下がると考えてよいでしょう。

どの程度下がるのか、事前に計算しておくとよいかもしれません。残業が発生するときもあります。

美容クリニックは夜勤がなく、比較的給料が高い傾向です。美容への関心が高い方に向いています。

健診センターや病院の外来、保育園を選択肢にするのもよいでしょう。

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専門性を高めたい

看護師の経験を積み、さらにスキルアップしたいと考える方は多いです。

専門的な資格取得を目指している場合、関連する診療科を検討してみてください。

特別なスキルは、臨床の場面で役立つほか、転職で有利になります。

広く知られているのは、日本看護協会の認定看護師や専門看護師です。認定看護師は2019年に、規定が改正されました。

特定行為研修を組み込んだB過程認定看護師教育が始まり、認定看護分野が再編されています。

現在、認定看護師・専門看護師は以下の分野があります。

認定看護師
A課程（2026年度をもって教育終了）	B課程（2020年度から教育開始）
・救急看護 ・皮膚・排泄ケア ・集中ケア ・緩和ケア ・がん化学療法看護 ・がん性疼痛看護 ・訪問看護 ・感染管理 ・糖尿病看護 ・不妊症看護 ・新生児集中ケア ・透析看護 ・手術看護 ・乳がん看護 ・摂食・嚥下障害看護 ・小児救急看護 ・認知症看護 ・脳卒中リハビリテーション看護 ・がん放射線療法看護 ・慢性呼吸器疾患看護 ・慢性心不全看護	・感染管理 ・がん放射線療法看護 ・がん薬物療法看護 ・緩和ケア ・クリティカルケア ・呼吸器疾患看護 ・在宅ケア ・手術看護 ・小児プライマリケア ・新生児集中ケア ・心不全看護 ・腎不全看護 ・生殖看護 ・摂食嚥下障害看護 ・糖尿病看護 ・乳がん看護 ・認知症看護 ・脳卒中看護 ・皮膚・排泄ケア

専門看護師（2022年12月現在）
・がん看護 ・精神看護 ・地域看護 ・老人看護 ・小児看護 ・母性看護 ・慢性疾患看護 ・急性・重症患者看護 ・感染症看護 ・家族支援 ・在宅看護 ・遺伝看護 ・災害看護 ・放射線看護

ほかにも民間団体が認定している資格もあります。自分の目指すキャリアを考えて、転職先を選びましょう。

関連記事：看護師の転職に有利な資格30選｜分野別の難易度やおすすめの資格を紹介

在宅医療・緩和医療に興味がある

在宅医療や緩和ケア医療に興味がある方は、以下の職場がおすすめです。

2025年を間近に控え、厚生労働省では地域包括ケアシステムの構築を目指しています。

その中で、訪問看護ステーションや介護老人保健施設、緩和ケア病棟が担う役割は大きいです。

地域包括ケアシステムの定義は以下のとおりです。

重度な状態になっても、住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、医療・介護・予防・住まい・生活支援が包括的に確保される体制

看護師の需要も高く、将来性があるといえるでしょう。

一人ひとりとじっくり向き合いたい方は訪問看護師、退院・退所後の生活を考えた看護をおこないたい方は、介護老人保健施設や緩和ケア病棟がおすすめです。

【参考記事】地域包括ケアシステム／厚生労働省

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関連記事：老健の看護師を辞めたい理由は？対処方法や転職を成功させる5つのポイントも紹介！

看護師3年目の転職でおすすめの看護師転職サイト

看護師3年目は、初めての転職になる方が多いでしょう。

初めての転職におすすめの看護師転職サイトを3つ紹介します。

ナースではたらこ

ナースではたらこは、全国各地の求人情報が豊富で、希望を満たす医療機関が見つかりやすい看護師転職サイトです。

転職支援のプロが、希望を丁寧にヒアリングし、仕事の紹介から条件交渉までサポートしてくれます。

履歴書の書き方や面接対応、入職後の悩みに対するフォローも受けられるため、初めての転職でも安心です。

希望に合った医療機関を「逆指名」でき、求人が出ていない場合はキャリアアドバイザーが確認してくれます。

求人に出ていなくても、気になる医療機関があれば相談してみるとよいでしょう。

看護師ワーカー

看護師ワーカーは、数多くの紹介実績があり、医療機関からの信頼性も高い転職サイトです。

看護師の特殊性や知識、市場ニーズを理解しているため、希望に合った求人紹介を受けられます。

労働環境や職員の人柄などの内部情報も把握しているため、気になる点が確認しやすいでしょう。

求人応募は「転職サポート経由」と「直接応募」の2とおりから選べ、自分のペースで転職活動ができます。

転職が初めての方は、履歴書添削や条件交渉のサポートが受けられる「転職サポート経由」がおすすめです。

レバウェル看護

レバウェル看護は、職場のリアルがわかる転職支援サイトとして、累計40万人以上の看護師に利用されています。

妥協したくない条件のヒアリングをもとに、希望する労働条件にあった求人の紹介を受けられます。

職場環境の情報提供や履歴書の添削、模擬面接、面接の日程調整などをサポートしてもらえるため、転職に不安がある方にとっては心強いでしょう。

アドバイザーへの連絡はLINEやメール、ショートメッセージなどから選べます。気軽に相談でき、効率的に転職活動を進められるのもポイントです。

まとめ

看護師3年目の転職は、まる3年働いてから転職するのがおすすめです。

看護師としてスキルアップができ、プリセプターやリーダーなどといった、指導やチーム運営に関わる業務を経験できるためです。

将来の目標が明確になる時期でもあります。転職の目的やキャリアの目標を考え、4年目に入るときに転職できるよう準備をすすめるとよいでしょう。

転職を成功させるには、早めに転職活動をスタートするのが大事です。

看護師転職サイトも利用し、効率的に転職活動をおこなってください。