訪問看護へ転職したい場合、志望動機は重要な項目の一つです。

意欲や熱意の伝わる内容にできれば、転職を成功に導きやすくなります。

訪問看護で働きたい理由や応募先を選択した理由、自分が貢献できる内容などを盛り込むとよいでしょう。

本記事では、訪問看護の志望動機のポイントや採用側のチェックポイント、履歴書に記載するときの注意点について解説します。

例文も紹介しますので、志望動機作成の参考にしてください。

訪問看護の志望動機のポイント4つ

訪問看護の転職を成功させるために重要なのは、志望動機です。履歴書作成や面接では必ず問われることになります。

志望動機のポイントは以下の4つです。

一つずつ解説しますので、志望動機を作成するときの参考にしてください。

1.訪問看護で働きたい理由

訪問看護で働きたい理由を明確に伝えてください。なぜ訪問看護なのかを伝えられるようにするのが大事です。

あいまいな志望動機は避けましょう。以下は一例です。

なぜ訪問看護に興味を持ったのか、訪問看護だからできることなどに焦点をあてて考えてみましょう。

2.応募先の事業所を選んだ理由

訪問看護事業所は地域内に複数あるため、なぜその事業所を選んだのかを考えておくのが重要です。

事業所にはそれぞれに特徴があります。

たとえば、末期がんの利用者さんが多い事業所、医療的ケア児の受け入れを積極的におこなっている事業所などです。

3.今までの経験で活かせること

看護師経験で活かせるスキルや、貢献できることを伝えましょう。

リーダー経験やスタッフ指導の経験がある場合は評価されやすいです。臨床経験年数や経験した診療科もアピールしましょう。

とくに、高齢者に対応した経験は訪問看護で活かせます。スキルを棚卸しし、採用された場合に貢献できることを考えておくのがおすすめです。

4.将来の目標

看護師としてどのようなキャリアを積んでいきたいか、どのように貢献していきたいかなど将来の目標を伝えると、意欲や熱意が伝わりやすくなります。

たとえば、認定看護師の資格取得や、管理職を目指したいなどの目標があると、事業所に貢献してくれる人材として好印象を与えられるでしょう。

訪問看護の志望動機で採用側がチェックするポイント6つ

訪問看護の志望動機で採用側がチェックするポイントを知れば、履歴書作成や面接対策を効果的にできます。

ポイントは以下の6つです。

それぞれ詳しく解説しますので、採用側の視点も考慮し、対策をおこないましょう。

1.意欲は高いか

採用側は、意欲の高い人、熱意のある人を採用したいと考えています。

その事業所を選んだ理由や今後どうなりたいかを含め、働く意欲が高いことを伝えましょう。

面接では退職理由を聞かれる可能性があります。

ポジティブな理由に言い換えて伝えるのが大事です。

2.事業所で活躍してくれそうか

経験やスキルをアピールし、入職した場合に貢献できることを伝えるようにしましょう。

たとえば、以下のような内容です。

3.事業所の理念にマッチするか

採用側は希望者とのミスマッチを防ぎたいと考えています。

事業所の理念にマッチするかもチェックされるポイントです。

経営理念や経営方針など事前に研究しておくと、履歴書作成や面接に役立ちます。

4.向上心や学ぶ姿勢があるか

向上心や学ぶ姿勢も大切です。

訪問看護が未経験の場合、転職に不安がある人もいるかもしれません。研修・セミナーなどへ参加し学び、看護に役立てたいなど意欲を示すと好印象を与えられるでしょう。

新しいことにも、前向きに取り組んでいく姿勢を見せるのが大事です。

5.コミュニケーションスキルはあるか

看護師の仕事はコミュニケーションが欠かせません。

なかでも訪問看護は、利用者さん・ご家族のほか、ケアマネジャーや他事業所のスタッフ、利用者さんの主治医など、事業所外の人とやりとりする機会が多いです。

エピソードを交えながら、コミュニケーションスキルがあることをアピールしましょう。

6.臨機応変な対応力はあるか

優先すべきことを考え、臨機応変に対応する能力が求められます。

訪問看護は利用者さんの居宅で看護を提供します。

「居宅」とは自宅のほか、有料老人ホームなどの居室を指し環境はさまざまです。病院にあるような物品はないため、ある物を工夫して利用しなければなりません。急変時は、自分で判断し対処する必要があります。

優先すべきことを考え、臨機応変に対応する能力が求められます。臨機応変の対応が功を奏したエピソードを伝えてみるといいでしょう。

【ケース別】訪問看護の志望動機の例文5つ

志望動機を書く場合は、伝わりやすい流れで書くのが大事です。

具体的には、志望した理由から書き始め、経験やエピソード、自分が貢献できることの順で書くといいでしょう。

志望動機別の例文を紹介します。

あくまでも一例ですので、自分で考え、自分の言葉で伝えられるようにしてください。

1.未経験から転職したい

2.地域に貢献したい

3.認定看護師の資格を取得し看護に活かしたい

4.精神科訪問看護で利用者・家族のケアをおこないたい

5.利用者に寄り添ったターミナルケアをおこないたい

志望動機を履歴書に記載するときの注意点

志望動機を履歴書に記載するときの注意点は、以下のとおりです。

それぞれ解説しますので、履歴書を記載するときの参考にしてみてください。

1.結論を最初に書く

志望動機を履歴書に書くときは、結論から先に書くようにしてください。

たとえば、「私は～と考えたため、貴社を希望いたしました」のような書き出しがおすすめです。

その後は理由、具体的なエピソード、将来の目標や貢献できることなど書くと、考えが伝わりやすいでしょう。

2.「学びたい」だけはNG

ありがちなNG例は、「学びたい」だけを強調することです。

学ぶ意欲はもちろん大切ですが、学んだことで、利用者さんや事業所にどのようなメリットがあるのかを添えるようにしてください。

「研修制度が整っていて成長できそうだから」という理由も避けた方がいいでしょう。自分にとってのメリットであり、採用側のメリットではないためです。受け身であると捉えられる恐れもあります。

3.待遇や条件だけに着目している

待遇や条件だけに着目しているような書き方をしないようにしましょう。

「給料やボーナスがいいから」「福利厚生が充実しているから」など志望動機には書くのは避けましょう。

待遇や条件面を強調すると「ほかにいい条件のところがあれば、辞めるのではないか」と懸念を持たれる可能性があるためです。

看護の仕事内容や事業所の理念にそった内容にしましょう。

4.誤字・脱字に注意

履歴書を記載するときは、誤字・脱字に注意してください。

誤字・脱字があると、注意不足のイメージを持たれるかもしれません。

訪問看護では、作成した書類を事業所外の人に送付する機会も多いです。誤字・脱字は事業所の信頼性にも関わります。提出前には数回見直しましょう。

5.志望動機と自己PRの違いに注意

志望動機と自己PRの意味は異なるため、記載する際は注意してください。

応募先の事業所に合った志望動機を書くためには、事業所についてよく研究しておくのも大事です。経営理念や看護師に求めていることを知るようにしてください。

事業所が得意としていることやほかとは異なる点もチェックしておきましょう。

志望動機を面接で伝える際のコツ

志望動機を面接で伝える際のコツについてもみていきましょう。

一つずつ解説しますので、面接前には確認してください。

1.履歴書に記載した内容を詳しく話す

志望動機を面接で伝える際は、履歴書に記載した内容について詳しく話しましょう。志望した理由や背景、具体的なエピソードについてです。

記載した内容と異なったことを話すと、採用担当者が混乱する可能性もあるので、軸がずれないように注意してください。

2.その場の状況に応じて答える

面接では必ず志望動機を聞かれるため、事前に準備はできますが、想定外の質問をされる場合もあります。

その場の状況に応じて答えるのが大事です。

基本的なところはずれないようにし、自分の思いや考えを伝えましょう。

3.練習しておく

面接にのぞむ前に練習しておきましょう。

緊張すると忘れてしまったり、うまく話せなくなったりするためです。

看護師の転職サービスでは、履歴書や面接の対策をおこなっているところもあります。履歴書作成や面接に不安がある人は、サービスを利用するのがおすすめです。

訪問看護の転職でおすすめの看護師転職サイト3選

訪問看護の転職でおすすめの看護師転職サイトを紹介します。

ナース人材バンク

ナース人材バンクは、「ナース専科」を運営している株式会社エス・エム・エスによる看護師転職エージェントです。

都道府県ごとにキャリアパートナーが在籍しているため、希望エリアの求人に詳しいのが特徴です。求人の取り扱いはトラベルナースや美容クリニック、訪問看護師など多岐にわたるため、自分の働きたいところが見つかりやすいでしょう。

相談は電話・メールのほかLINEでも可能です。履歴書の作成サポートや添削サービスも受けられるため、書き方に自信がない人は相談してみるのがおすすめです。

看護roo!転職

看護roo!転職は、看護師向けメディア「看護roo!」が運営する、充実した求人数が魅力の転職サービスです。

全国の求人を豊富に取り扱っているほか、LINEで気軽にやり取りできるため在職中の方でも利用しやすいのが特徴といえるでしょう。

ナースではたらこ

ナースではたらこは、「はたらこねっと」や「バイトル」を運営しているディップ株式会社が運営する看護師転職エージェントです。

2009年からサービスを開始し、数多くの転職をサポートしてきました。転職するかどうか決めていない人でも、キャリア相談を受けられるのがポイントです。

「働いてみたい病院」「こだわり条件」など希望に合った医療機関を「逆指名」できるのが特徴です。求人が出ていない医療機関へも、キャリアアドバイザーが状況や条件を確認してくれるため、好条件の求人を探しやすいでしょう。

訪問看護の志望動機でよくある質問

訪問看護の志望動機でよくある質問についてまとめました。

1.訪問看護が未経験でも働ける？

訪問看護師として働くための特別なスキルは不要で、看護師または准看護師の資格があれば働けます。

事業所によっては、数年の臨床経験を求めるところもありますが、近年は新卒の採用に力を入れている事業所が増加傾向です。

全国の訪問看護事業所も年々増え「2021年度　ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」によると、訪問看護ステーションの求人倍率は3.22倍と、施設種別で最高となっています。

【参考記事】2021年度　「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」分析報告書／日本看護協会

2.志望動機が思いつかない場合は？

志望動機が思いつかない場合は、事業所について情報不足かもしれません。特徴や理念、看護の方針などを洗い出しましょう。

事業所のホームページや、各都道府県看護協会のホームページなどで情報収集するのも一つの手です。

看護師転職サイトを利用すると、効率的に情報収集ができます。

自分が看護師になったきっかけや経験からの学び、看護観を整理するのも大事です。訪問看護は地域包括ケアシステムで欠かせない職種であるため、そのことに触れてみるのもいいでしょう。

情報収集しても思いつかないときは、担当アドバイザーに相談してください。多くの事例を見ているため、効果的な志望動機について意見をもらえるでしょう。

3.志望動機の文字数の目安は？

志望動機の文字数は200〜300字程度が目安です。記入欄は8割程度埋められるようにしましょう。

空白が目立つと、意欲が低いと判断される可能性があります。とはいえ、長ければ有利になるわけでもありません。

必要な情報を、簡潔にわかりやすく書くことが大事です。看護師転職サイトを利用して、添削してもらうといいでしょう。

まとめ

訪問看護の志望動機は、なぜ訪問看護で働きたいのか、なぜ応募先の事業所を選んだのかを明確にするのが重要です。

今までの看護師経験を棚卸しし、訪問看護で活かせることを伝えるようにしましょう。大切なのは訪問看護への思いや熱意が伝わる内容であることです。

書き方や伝え方のポイントをふまえつつ、自分らしい志望動機を作成しましょう。