転職すべきだと頭では分かっていても、なかなか一歩を踏み出せない方は多いのではないでしょう。

「今すぐこの職場から離れたい」「他の職場でもっとスキルを身に付けたい」など、人によって転職したい理由はさまざまです。

ただ、ネガティブな理由であれポジティブな理由であれ、多くの人が「転職先が見つかるかな」「職場の人とうまくやっていけるかな」と、転職するのが怖いと感じています。

今回は、転職したいけど怖いと感じてしまう理由と、その恐怖に打ち勝つ対策を紹介します。

転職が怖いと感じる理由を明確にすることで、具体的な改善方法がおのずと見つかるでしょう。ぜひ参考にしてください。

転職したいけど怖いのはあなただけじゃない！怖いと思うのは当たり前

転職したいけど怖いと感じている自分に対して、「なんて弱い人間なんだ」と卑下してはいませんか。

転職が怖いと思うのは、ごく当たり前のことです。

人によって転職に対する恐怖のレベルは違えど、コミュニケーションが得意な人も新しいことに挑戦するのが好きな人でも、転職は怖いと感じています。

というのも、人は環境が変わることに恐怖心を抱く傾向があるからです。

転職したいけど怖いと思っているのは自分だけだと、後ろ向きに考える必要はありません。

まずは、転職したいけど怖いと思う自分を受け入れることから取り組んでみましょう。

転職したいけど怖いのはなぜ？みんなの理由を6つ紹介

転職に対する恐怖は、転職の何に対して怖いと感じているのか、以下のようにもう少し細かく分類することができます。

自分が特に当てはまる、転職したいけど怖いと感じる理由を探してみましょう。

自分に合った対策をすることで、恐怖心を克服できるでしょう。

克服方法は後ほど紹介するので、ぜひ記事の後半もチェックしてください。

辞める意思を伝えるのが怖い

会社を辞めたいと思っても、上司から引き止められたりお世話になった先輩から失望されたりすることを想像すると、なかなか一歩が踏み出せないものです。

「自分が辞めることでみんなに迷惑がかかるのでは」と、責任感が強い人ほど考えてしまいます。

とくに人数が少ない職場であれば、自分が辞めた後の一人ひとりにかかる負担が目に見えて分かるので、転職を躊躇してしまうでしょう。

ただ、辞めるのが申し訳ないと思っていると、いつまで経っても転職活動に踏み切れません。

引継ぎがスムーズに済むように、さらに閑散期に退職できるよう、退職までのスケジュールを立てるのがおすすめです。上司や先輩との関係悪化を避けるためにも、転職理由をポジティブに伝えることも重要です。

新しい仕事が怖い

新しい業務内容や、よりレベルの高い業務への挑戦などを目指して転職を希望する方は、新しい仕事に対する恐怖を抱きやすい傾向にあります。

たとえば、新しい仕事を一から覚えなければならないことに対するプレッシャーや、自分の能力は通用しないのではと自信喪失してしまうなどが挙げられます。

とくに全く異なる業界への転職の場合は、分からないことだらけの状況に対して不安を感じやすいものです。

転職する企業や業界について事前に調べたり、資格を取得したりすることで、新しい仕事への恐怖感を軽減することができるでしょう。

転職先で馴染めるか不安で怖い

転職が怖いと感じる理由の一つに、「転職先の人間関係や社風に馴染めるのか不安」が挙げられます。

人間関係が原因で現職を辞めたい方も多く、慎重になる人が多い傾向にあります。

ただ、人間関係や社風は、入社してみないことには分からないのが難点です。

さらに、1回でも人間関係に対して苦痛を感じると「辞めたい」と思うようになり、仕事に対するモチベーションが維持できなくなります。

サービス業であれば直接店舗に来店してみる、企業SNSアカウントや企業HPで社員の年齢層や雰囲気をチェックするなど、応募前に可能な範囲で情報を集めておきましょう。

転職してから後悔しそうで怖い

今より悪い環境になり、転職を後悔するのではないかと不安になる人もいます。

自分にとって働きやすい職場を求めて転職したにもかかわらず、さらに状況が悪化してしまえば、転職した意味がありません。

給料や待遇などが今の職場より良い条件だったとしても、必ずしも転職したほうが働きやすい、働きがいを持てる、とは限りません。

転職を急がず、ゆっくり時間をかけて自分にとって良い企業かどうか判断するのがポイントです。

前職と同じ目に遭いそうで怖い

嫌がらせを受けた、深夜まで働いていた、ノルマがきつかったなど、前職のトラウマが原因で転職をしたいけど怖いと感じている方もいます。

「前職と同じ目に遭ったらどうしよう」とトラウマがフラッシュバックし、転職活動に踏み切れない可能性が高いです。

心の傷は、時間が経っても癒えることはありません。

まずは転職を急ぐ気持ちを押さえ、自分は何が嫌だったのか、自分はどのような環境を求めているのかなど、自己分析にしっかり時間をかけましょう。

転職活動そのものが怖い

面接で上手く話せるのか不安、自分をアピールすることに抵抗があるなど、転職活動そのものに不安を抱いているケースも考えられます。

とくに転職活動をしたことのない方にとって、イメージが湧きづらいことが、不安になる大きな要因といえます。

転職活動のキーポイントは、事前準備と慣れです。

企業研究や面接対策をしっかりおこなうことで、自信を持って面接に挑めるようになります。そして、履歴書を何度も書いたり面接を何度も受けたりして慣れていくことで、転職活動のコツを掴めるようになり、合格へと一歩ずつ近づいていきます。

後ほど紹介する履歴書や面接対策の方法をぜひチェックしてください。

転職したいなら、転職が怖いと思う理由を明確にしよう

転職が怖いと思う理由を明確にすることで、怖さを払拭する解決策を考えられます。

人は、漠然とした不安や恐怖を抱えることで、さらに不安になり行動できない特性があります。

「転職できないのは転職が怖いから」といった抽象的な理由ではなく、何に対して、どんな状態に不安を感じるのか、具体的に考えてみましょう。

ただ頭で考えただけでは思考が整理できず、不安を払拭できないことが多いので、不安要素を紙に書き出してみてください。

転職したいけど怖い！それでも転職したほうがいい人の特徴とは

以下の内容に当てはまる方は、転職したほうがいいといえます。

それぞれ詳しくみていきましょう。

転職したい目的が明確な人

転職したい目的が明確な方は、今すぐ行動に移しましょう。

「スキルアップしたい」「自分のスキルを活かせる職場で挑戦したい」など、目的が明確にもかかわらず転職が怖いという理由で同じ職場に居続けると、後悔するおそれがあります。

目的が明確な人は、好き嫌い、得意不得意など、自分自身をある程度把握しているといえます。

自己分析をして本当に自分が進みたい道が間違っていないと確信できたら、履歴書や面接対策に移り、転職活動をスタートさせましょう。

現職では成長できない環境にいる人

日々働く中で「社会人として成長している気がしない」「何一つスキルを得られていない」などと感じることが多い方は、転職するのがおすすめです。

自分の成長につながらない会社で働き続けると、モチベーションが低下し、目的がないまま働くことになります。

さらに、数年後に転職しようとしたとき、企業にアピールできる強みやスキルがなく、転職先が決まらない可能性もあります。

成長できていない職場で働いている方は、なるべく早めに転職を決意して、転職活動に取り掛かりましょう。

現職で強いストレスを抱えている人

嫌がらせをされている、残業が多いなど、強いストレスを抱えながら働いている方は、なるべく早めに転職すべきです。

我慢し続けて働いても、問題が解決するわけではありません。

心身の健康を大きく損ねて生活に悪影響を及ぼす前に辞めるのが、賢明な判断です。

ただ、退職したい旨を伝えづらい方もいるでしょう。

一人で抱え込まず、家族や友人はもちろんのこと、あえて部署が異なる先輩に相談してみることをおすすめします。

転職したいけど怖い！ひとまず転職しないほうがいい人の特徴

以下の内容に当てはまる方は、転職しないほうがいいといえます。

それぞれ詳しくみていきましょう。

転職したい理由が曖昧な人

「ただ今の職場が嫌だから転職したい」といった理由だけで転職するのはおすすめしません。

というのも、転職理由を明確にしていないことには、次の職場が決まってもまた転職をするおそれがあるからです。

仕事に求めるものや、自分が働くうえで大切にしていることなど、自分の軸をしっかり持ったうえで転職しましょう。

そうすることで、希望する職種や年収など転職の軸にブレがなくなり、自分に合う企業を見つけやすくなります。

現職に対する不満だけが転職理由の人

現職の会社に対する不満だけが転職理由となっている場合は、ひとまず転職しないほうが良いでしょう。

「この不満が解消するならどの職場でも良い」と考えている方は、転職の軸がない方です。

転職の軸とは、転職先を選ぶ際に自分が重視する条件のことで、転職の軸が明確であるほど入社後のミスマッチを防げるといわれています。

現職に対して感じている不満だけを理由に転職すると、転職してもまた不満を感じたり、短期間での転職を繰り返してしまったりする可能性があります。

現職に対する不満だけでなく、転職によって何ができるようになりたいか、どんな状況だったらモチベーションを維持したまま働き続けられるかなどを考えてみてください。

環境を変えるために自らアクションをしていない人

現職に対して不満を感じて転職したい場合、本当にその不満を解決することはできないのか、一度考えてみましょう。

実は簡単に解決できることにもかかわらず、失敗を恐れたりアクションを起こすことを面倒に感じて逃げているだけかもしれません。

ただ、パワハラなどの深刻な問題は、自分一人では解決できない可能性が高いです。

自らアクションすることで解決できる問題なのか、まずは同僚や家族、友人に相談してみることをおすすめします。

転職したほうがいい人が転職しない場合のリスク

転職したほうがいいにもかかわらず、転職しないまま同じ職場に居続けると、さまざまなリスクを抱えることになります。

たとえば、成長できない環境に違和感を感じながら働き続けると、数年後に「転職してスキルをもっと身に付ければよかった」と後悔するおそれがあります。

また、強いストレスを感じながらも働き続けると、心身ともに疲弊し、最悪の場合、休職せざるを得ない状況になるかもしれません。

転職が怖いからといって転職しないままだと、転職しないリスクを背負うおそれがあることを頭に入れておきましょう。

転職活動から入社後に感じる恐怖に打ち勝つための対策

転職を成功させるには、自分に当てはまる転職が怖いと感じる原因に講じた対策をする必要があります。

どういった恐怖心を抱える方におすすめの対策なのかも解説しながら紹介するので、ぜひ実施してみてください。

自己分析をして自分の強みを把握する

転職してから後悔しそうで怖い方は、自己分析をして自分の強みを把握しましょう。

自己分析をして自分の強みや企業に求めるものなどが明確になることで、転職の軸が定まります。

転職の軸が定まれば、その軸に沿って転職活動をしていくだけなので、自分にマッチする企業に転職できる可能性が高まります。

自己分析には、さまざまな方法があります。

やりやすい方法から取り掛かるのがベストですが、自己分析の種類によって得られる情報が多少異なるので、ぜひ全てに取り掛かることをおすすめします。

業界や企業の研究をして履歴書・面接対策をする

新しい仕事が怖い、転職活動そのものが怖いと感じている方は、まず業界や企業の研究に取り掛かり、それから履歴書・面接対策をしましょう。

業界や企業研究を徹底することで、気になる職種や企業に対する漠然とした不安が解消され、どうしても不安なポイントがあれば、選択肢から除外することができます。

企業HPはもちろんのこと、企業SNSアカウントや創業者が書いた本などもチェックしておきましょう。

その企業で働く人の意見や思いを、さまざまな視点から得ることができます。

次に、業界・企業研究で得た情報をもとに、履歴書を作成しましょう。

志望動機や自己PRでは、企業があなたを採用するメリットを提示する必要があります。

ただ「〇〇の経験があります」「貴社の〇〇に惹かれました」と伝えるのではなく、「〇〇というスキルを使って、貴社の〇〇の事業に貢献したいです」と結びつけることを意識してみてください。

焦って一気に対策をするのではなく、書類審査に合格したら面接対策をするなど、順番に取り掛かることをおすすめします。

自分のペースで転職を進めることができれば、転職そのものに対する恐怖心が徐々に消えていくでしょう。

転職に役立つ資格取得や知識の習得

スキルアップしたいなどの目的で転職をしたい方は、転職先が決まる前に資格取得を目指して勉強してみてはいかがでしょうか。

気になる企業で役立つ資格を取得している、または取得に向けて勉強中であることを伝えると、合格率がアップします。

目に見える形でスキルを得られれば、自信にもつながります。

また、資格の勉強中に業務内容をある程度把握できる場合もあるので、新しい仕事についていけるか不安を抱えている方にも有効です。

転職活動のスケジュールを立てる

転職活動そのものが怖い方は、転職活動のスケジュールを立てましょう。

何をいつまでにするのか決めておかないと、転職活動が長期化してしまう場合があります。

スケジュールは、退職希望日を起点に逆算するのがおすすめです。

ぜひ、以下の期間を目安にスケジュールを立ててみてください。

転職エージェントを活用する

転職に対する恐怖が拭えず、なかなか転職活動をスタートできない方は、転職エージェントを使うのもおすすめです。

転職エージェントとは、求職者と求人募集を出している企業の間に立って、転職成功を支援するサービスのことを指します。

あなたの悩みを聞き出し、客観的視点からアドバイスをしてくれるのはもちろん、あなたの背中を押してくれるので、一人ではなかなか行動できない方にもおすすめです。

転職したいけれど怖い方におすすめの転職エージェント3選

転職したいけど怖い方におすすめの転職エージェントを3つ紹介します。

それぞれ特徴が異なるので、自分の性格に合っているのかどうか、使いやすいのかどうかなどをチェックして、活用する転職エージェントを決めてみてください。

リクルートエージェント

マイナビエージェント

ビズリーチ

まとめ

転職したいけれど怖いと感じる方は、まずはなぜ恐怖心を抱いているのか書き出してみましょう。

そうすることで、原因に講じた対策ができるようになります。場合によっては、焦って転職しないほうが良いこともあります。

今の職場で解決できることなのか否か判断し、今後の仕事の方向性を決めていきましょう。

ただ、一人ではなかなか判断がつきにくいところです。

効率良く転職活動を進められるよう、ぜひ、転職エージェントを頼ってみてください。