「いきなり退職届を出すのは失礼？」
「退職の意向を伝えてないけど、すぐに退職届を出したい！」

退職希望者には、なかなか自分の意思を伝えられず、長い間我慢して働き続ける人もいるでしょう。なかには、できるだけ短期間のうちに仕事を辞められるよう、すぐに退職届を出したいと考えている方もいるかもしれません。

実際に、いきなり退職届を出すこと自体は問題ではありません。本記事で、問題ではない理由と、出さない方がよい場合について解説します。

関連記事：仕事を辞めたいあなたに！原因と対処法・辞める際の判断基準

いきなり退職届を出すのが失礼ではない理由

いきなり退職届を出すのが失礼ではない理由として、以下の点が挙げられます。

失礼かどうかは、退職届を提出するタイミングだけでは決まりません。誠意をもって伝えれば、失礼には当たらないのです。

いきなり退職届を提出すること自体違法ではないから

いきなり退職届を提出すること自体、違法にはならないうえに、とくにマナー違反でもありません。

会社によっては、退職届を出すまえに口頭で相談し、双方の意見が一致したうえで提出してほしいと考える所もあるでしょう。

組織によって常識は異なるため、「退職届を出すまえに相談するのが礼儀」とされる職場では、失礼と思われる可能性もあります。

しかし、それぞれのマナーは、限られた組織内で作り出された固定観念に過ぎないのです。

マナーがなっていないと思われるのが不安な方は、退職届の提出とともに相談をもちかけるだけでも失礼なイメージは払拭できます。

退職届を渡すときに詳細を話せばよいから

前項でも軽く述べましたが、退職届を提出する際に、詳細を話せば失礼にはなりません。事前に報告しなくても、退職届を提出しつつ詳しい事情を説明して、会社側から承諾を得られればよいのです。

詳細の話し方としては、退職の意向を伝えたのち理由を話し、上司からの承諾を促すのがおもな順序です。

退職届を提出する際に、相手が理解できる、または納得できるような説明とともに感謝の気持ちを述べればよいでしょう。

就業期間や法律に基づいて退職すれば問題ないから

いきなり退職届を出すのがいけないのではなく、仕事を辞める際は就業期間や法律に基づいていればなにも問題はありません。民法第627条では、退職を申し出たのち2週間後に仕事を辞めてもよいと定められています。

また、職場によっては退職する1ヵ月前には申し出て欲しいなど、さまざまな期間が決められているでしょう。失礼に当たるかどうかは、退職届を出すタイミングだけではありません。

問題なく退職したい場合は、できるだけ就業規則や法律に沿って考えましょう。

参考：労働相談Q＆A｜日本労働組合連合会

理由によってはやむを得ないから

いきなり退職届を出す人には、やむを得ない理由で仕事を辞めたいと考えているケースも見られます。まともに相談していると、強引に退職を引き止められたり、うやむやにされたりする場合もあるでしょう。

なかには、パワハラやセクハラなど、ハラスメントに苦しめられている人もいないとは言い切れません。また、病気や家の都合など、個人の事情で退職を余儀なくされる人もいます。

都合によっては、急に退職しなくてはいけない人もいるため、退職届を出すタイミングはあまり気にしなくてもよいのです。

退職届をいきなり出さないほうがよいケース

いきなり退職届を出すこと自体問題はありませんが、以下の場合は出すのを控えるべきです。

上記に該当する際は、退職届を提出するまえに、出すタイミングを考えましょう。

円満に退職したい場合

いきなり退職届を出さないほうがよい状況として、できるだけ円満に退職したい場合が挙げられます。いきなり出すよりは、事前に相談したほうが誠実だと思われやすくなるためです。

退職届の提出とともに相談する行為も、決して失礼ではありません。しかし、事前に口頭のみで相談したほうが、丁寧な印象をもたれます。

とくに、尊敬している上司や会社である場合、より円満に退職できるようになるでしょう。

繁忙期で忙しい場合

いきなり退職届を出す以前に、職場全体が忙しいときに退職の意向を伝えるのはよくありません。繁忙期では、タイミングの問題であったり、上司も仕事に追われて話を聞ける余裕がないためです。

忙しい時期に退職したい旨を伝えると、空気が読めない人だと思われるうえ、上司に不快感を与えてしまいます。

退職届は、繁忙期が過ぎ去ったあとか、比較的落ちついているときに提出するよう心がけましょう。

自分の仕事が多く残っている場合

自分の仕事が多く残っている場合も、退職届を提出するタイミングとしてはふさわしくありません。

仕事を終えていないにも関わらず、退職の相談をもちかけてしまうと、場合によってはふざけていると思われかねないためです。

取引先との会合やプレゼンなど、大きな仕事がある場合や仕事が多く残っている場合は、いったん退職届を出すのは控えましょう。退職は、仕事がひと段落してから考え直してもよいのです。

退職届を出すのに良いタイミング

いきなり退職届を提出するにしても、出すタイミングは大切です。退職届は、以下のタイミングで出すとよいでしょう。

理由によっては、自分の都合でタイミングを決めてもよいのです。

退職の理由がまとまったとき

退職届を出すタイミングとしては、仕事を辞めたい理由がまとまったときがおすすめです。退職の理由がある際は、紙でもパソコン上でもよいので、わかりやすくまとめてください。

ハラスメントや家庭の事情、原因不明の不安感など、仕事を辞めたい理由は人によってさまざまなものがあります。退職理由をまとめた際は、本当に退職してもよいのか、自分自身と最終確認をおこないつつ決めましょう。

仕事により体調不良になったとき

退職届を出すタイミングとして、仕事や職場の環境が原因で体調不良になった場合も挙げられます。体調を崩してまで、今の仕事を無理に続ける必要はありません。

うつ病などを発症すると、治るまでに時間がかかり、復帰も難しくなります。症状の深刻さによっては、入院も必要になってしまうため、我慢するのはよくないのです。体調不良を感じた場合、また過度なストレスを感じた場合は、無理をせず早めに退職を決めてください。

上司によるパワハラが発覚したとき

上司からのパワハラがひどい場合も、すぐに退職届を出してよいでしょう。パワハラが起こる職場で働き続けても、なにも良いことは起こりません。むしろ働くこと自体がトラウマになり、転職も難しくなってしまいます。

環境や仕事の内容がつらいと感じた際は、すぐに辞めてもよいのです。とくに、理不尽な扱いを受けている方は、いきなり退職届を提出してでも職場から離れましょう。

関連記事：パワハラで退職する際の退職理由は？退職前にやるべきことや退職の流れを解説

キャリアについて新たな目標ができたとき

本当にやりたい仕事が見つかった場合や、新しい目標ができた場合も、退職届を提出する良いタイミングといえます。

誰しも一生懸命に仕事をしていれば、高みを目指したくなったり、未知の経験に挑戦したくなるものです。

目標に向かって進みたいと考えた方は、気が変わるまえに退職届を提出しましょう。新たな挑戦には勇気がいります。確実に成功する保証はありませんが、行動してみる価値は十分にあるのです。

退職届を受け取り拒否された場合の対処法

退職届は、提出されたからには必ず受理しなくてはいけません。しかし、上司によっては不正に受け取りを拒否するケースもあるでしょう。退職届を受け取られなかった場合は、以下の対処を実行してください。

ひとつずつ解説していきます。

内容証明郵便にて郵送する

退職届を受け取ってもらえなかったからといって、退職を諦める必要はありません。受け取りを拒否された場合は、内容証明郵便にて職場へ郵送しましょう。

内容証明郵便で郵送すると、郵便物の内容や発送日・相手が受け取った日付等が、郵便局側により記録されます。退職の意向を伝えた証拠が郵便局側にも残るため、会社側は「受け取っていない」などと誤魔化すことは不可能です。

手渡しの場合、上司側に受け取らない選択ができる状況が生まれます。正確に受理されるよう、受け取りを拒否された際は、内容証明郵便を利用しましょう。

労働基準監督署に相談する

退職届の受け取りを拒否された場合は、労働基準監督署に相談するのもよいでしょう。

労働基準監督署とは、職場の労働環境に問題があると疑われた際、相談すれば調査してくれる公的機関です。

上司側の態度にもよりますが、退職届の受け取りを拒否するような会社は、あまり良い環境とはいえません。退職届を受け取ってもらえなかった旨を相談すれば、自分の代わりに注意してもらえる場合もあります。

退職届が受理されなかった方は、受け取ってもらえない証拠を残しつつ、労働基準監督署への相談を検討してみましょう。

退職代行サービスを利用する

退職届が受け取られなかったときの対処法として、退職代行サービスを利用するのも有効です。退職代行サービスに相談すると、自分の代わりに退職の旨を職場に伝えてくれます。

担当者に依頼するだけで、出社する必要も直接連絡を取る必要もありません。手続きをスムーズに進められるため、時間の節約も可能です。なるべく少ないストレスで退職したい方、上司に退職届の受け取りを拒否されている方は、ぜひ利用を検討してみましょう。

関連記事：退職代行おすすめランキング13選｜サービス内容を比較【最新版】

退職届を自分で出しづらい場合におすすめの退職代行サービス

退職届を自分で出すのがつらい方におすすめの退職代行サービスを紹介します。少ない負担で退職したい方は、ぜひ参考にしてください。

退職代行Jobs

退職代行Jobsは、弁護士監修のもと代行をおこなうため、違法性なく利用できる退職代行サービスです。代行費用2万7,000円に加え、追加料金2,000円で労働組合とも連携できるため、交渉なども安心して任せられます。

また、簡単な審査を受けるだけで、現金後払いも可能です。退職完了後に支払えばよいため、数万円の費用を無駄にする心配もいりません。

退職を終えたあとも、転職先の紹介や社宅からの引っ越しなど、アフターフォローも充実しています。気になる方は、ぜひ相談してみてください。

関連記事：退職代行Jobsの口コミ紹介！メリットや注意点、評判、料金などを解説

退職代行ガーディアン

退職代行ガーディアンは、低いコストと高い安全性が評判の退職代行サービスです。労働組合法人との連携で、利用者の安全を守ります。

残念ながら、職場によっては嫌がらせのような行為をおこなう所も存在します。しかし、長年の経験で培った実績とノウハウで、あらゆる会社にも徹底的に対応可能です。

退職代行ガーディアンは、利用料金が2万4,800円と比較的低価格であり、追加料金は一切かかりません。非営利団体だからこそ、高い費用をかけることなくサポートをおこなえるのです。

関連記事：退職代行ガーディアンの口コミ・評判・体験談は？料金や注意点なども解説

退職代行OITOMA

退職代行OITOMAは、弁護士監修のもと業務を遂行しているため、安心・安全な利用が約束できる退職代行サービスです。業務を担当する以上、利用者が円満に退職できるようサポートします。

「労働組合運営日本通信ユニオン」により運営しており、交渉権も保有しています。有給の消化や、未払い賃金の支払い交渉などは安心してお任せください。

退職代行OITOMAでは、退職届や引き継ぎ書を無料で受け取り可能です。できるだけ時間を節約したい方は、ぜひ相談してみてください。

関連記事：退職代行OITOMA（オイトマ）の口コミ・評判・体験談は？料金や注意点なども解説

【雇用形態別】退職するときの注意点

退職する際は、正社員以外の場合、雇用形態別に注意する点があります。本項では、以下の雇用形態ごとに、気をつけるべき項目を解説します。

該当する雇用形態がある方は、今のうちに注意点を把握しておきましょう。

契約社員・派遣社員の場合

契約社員や派遣社員など、有期雇用契約を結んでいる場合、定められた契約期間内は原則として退職できません。円満に退職したい際は、契約が満了するまで待ってから考え直しましょう。

しかし、やむを得ない理由がある人は、契約期間中でも退職できるケースがあります。パワハラなどの被害に遭っている方や、理不尽な思いをしている方は、公的機関または弁護士に相談してみてください。

アルバイト・パートの場合

アルバイトやパートは、正社員と同じく2週間、もしくは定められた就業規則に沿って辞められます。ただ、あらかじめ契約期間が定められている場合、期間が満了しない限り退職はできません。

アルバイトを辞めたい方や変えたい方は、就業規則により定められている契約期間を確認してみましょう。ちなみに契約社員や派遣社員と同様、やむを得ない理由がある際は、期間中であっても退職できるケースはあります。

役職者が退職する場合

役職者が現職を辞める場合は、退職届ではなく「辞表」の提出が求められます。役職や管理職となると、抱えている業務量も多く、どれも責任が問われる重要な業務ばかりです。つまり、正社員とは異なり、できるだけ早めに退職の意思を伝えるのがよいとされています。

辞職の意向を伝えるのが遅くなると、次の仕事が回ってくるおそれがあるためタイミングを逃してしまうでしょう。辞表は、就業規則に沿った期間内で出すのがよいとされていますが、最低でも2ヵ月前には提出するのをおすすめします。

まとめ｜いきなり退職届を出すまえに正しいタイミングを見極めよう

いきなり退職届を出すこと自体、とくに問題はありません。しかし、事前に口頭で上司へ相談しておいたほうが、丁寧な印象を与えやすくなるでしょう。

また、会社によっては「退職届を出すまえに口頭で告げるのが先だ」という考えをもつ所も存在します。退職届を提出する際は、後にも先にも口頭で相談するのを忘れずにおこなってください。

また、口頭で告げる際も、できるだけ丁寧な表現を意識する姿勢が大切です。今までお世話になった感謝の気持ちを込めて、円満に退職するよう心がけましょう。