ユニット型特養の仕事はきつい？仕事内容や夜勤を従来型と比較して解説！

「ユニット型特養はきつい、大変」といわれて、ユニット型特養で働くのをためらっている方も多いかと思います。

近年数が増えてきているユニット型特養ですが、夜勤があり体力的にきついと感じる部分があるのも事実です。

この記事では、ユニット型特養の仕事はきついのかという疑問に答えるほか、仕事内容や働くメリット、転職の際に気を付けることなどを解説します。

本記事をとおしてユニット型特養がきついかどうか見極め、あなたにあった職場選びの参考にしてください。

記事を読めば、きっとあなたにあった職場が見つかるでしょう。

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ユニット型特養がきついといわれる理由

「ユニット型特養の仕事がきつい」と感じている方がいますが、どのような理由できついと思っているのでしょうか。

ここでは、ユニット型特養で働く人が、なぜきついと感じているのかを解説します。

本章を読んでユニット型特養がきついといわれる理由を理解し、あなたが仕事についていけるかどうか、検討してみましょう。

きついといわれる理由は、以下の2つです。

一人で夜勤を担当するから

従来型の特養に比べて、ユニット型の夜勤はきついと感じる方も多いようです。

ユニット型は10人の入居者を1ユニットとし、介護スタッフは特定のユニットに対し専任でケアを提供するのが一般的です。

夜間帯では基本的に2ユニットに対し、一人以上のスタッフが担当します。深夜では巡回しての安否確認だけでなく、排泄ケアや体位変換などを行います。

ほとんどの入居者さんが朝まで休まれているのなら、夜勤は楽な仕事といえるでしょう。

しかし、昼夜逆転している方や認知症のある方の見守りを行わなければならないことも多く、またさまざまな事情で何度もコールを鳴らす方もいるのです。

毎日同じ人を相手にするから

ユニット型特養では毎日同じ入居者と接することも、きつい理由にあげられます。

ユニット型特養では、入居者と馴染みの関係を築きやすいように、また個々のニーズに対応しやすいように少人数の入居者を担当します。

その反面、相性の合わない入居者と距離を置くことが難しいため、精神的に疲れてしまう方も多いようです。

また、同じ人を相手にするのは入居者さんだけでなく、介護スタッフ同士でも同様の問題があります。

介護スタッフは少人数で1ユニットを担当するため、気の合わないスタッフとも毎日仕事をしなければなりません。

ユニット型特養（特別養護老人ホーム）とは

ここでは、あらためてユニット型特養について解説します。

ユニット型特養に興味はある方でも、どのようなものか説明できる方は少ないかと思います。

そのため、本章でユニット型特養への理解を深め、自分が働きやすい施設かどうかの判断材料としてください。

ユニット型特養の概要

ユニット型特養とは、少人数の入居者が家庭的な環境で生活することを目的とした高齢者施設です。

各ユニットはおおよそ10人前後の入居者で構成され、それぞれが個室や共有スペースを持っています。

入居者を10人前後のユニットに分けることで、プライバシーを保ちながらほかの入居者やスタッフとも馴染みの関係を築くことが期待できるのです。

従来型特養と比べて、ユニット型特養は個別ケアに重点を置いており、入居者さん一人ひとりのニーズや希望に応じたケアが提供されます。

また、家庭的な雰囲気や馴染みの関係作りを大切にするため、食事やレクリエーションの時間も各ユニットで行われます。

人員配置基準

特養施設の人員配置は、介護保険法や老人福祉法で定められており、施設は入所者の数に応じた介護スタッフを配置しなければなりません。

特養における詳しい人員配置は、以下の表を参考にしてください。

職種	配置基準
施設長（管理者）	1
介護職員・看護職員	3：1以上
生活相談員	100：1
機能訓練指導員	1以上
介護支援相談員	1以上（入所者の数が100又はその端数を増すごとに1を標準とする）
栄養士	1以上

介護職員・看護職員の3：1とは、入所者3人に対して1人以上の職員配置を表しています。

また、ユニット型では以上の表にある配置基準に加えて、以下の基準が適用されます。

【出典】
厚生労働省「介護老人福祉施設（特別養護老人ホーム）の報酬・基準について（検討の方向性）」
厚生労働省「介護老人福祉施設（特別養護老人ホーム）」

平均給与

平均給与について、ユニット型と従来型の給与を比較した公的なデータはないようです。

ただし令和4年度の厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況調査結果」より、介護職員の施設別平均給与をみると、特養（介護老人福祉施設）の平均給与は、34万7,520円でした。

以下の表は施設ごとの平均給与をまとめたものですが、特養施設の給与は最も高いことがわかります。

施設	平均給与
介護職全体	31万7,540円
特別養護老人ホーム	34万8,040円
介護老人保健施設	33万9,040円
通所介護事業所（デイサービス）	27万5,620円
グループホーム	29万1,080円

出典：厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」

ユニット型特養の仕事内容

ユニット型特養では個別ケアにより焦点を置いているところが、従来型特養との違いです。

本章では、ユニット型特養での仕事内容を解説します。

内容に目をとおして、ユニット型特養でどのような働き方をするのか、イメージしてください。

健康管理

ユニット型特養における健康管理には、入居者の日常的な健康チェックや薬の管理、医療機関との連携が含まれ、主に看護師が対応します。

看護師は入居者の体温・血圧・脈拍などのバイタルサインを定期的に測定し、異常がないかを確認します。

また、持病のある入居者には医師の指示に従い、薬の管理や投薬などを行うのも重要な業務です。

さらに、入居者が体調を崩した場合や緊急時には医療機関と連絡を取り、必要な対応を行います。

身体介護

ユニット型特養で提供する身体介護は、以下の内容になります。

食事介助では入居者さんが安全に食事をとれるようにサポートし、入浴介助では身体の清潔を保つために、安全に配慮しながら身体洗浄の介助を行います。

また、排泄介助では入居者さんのプライバシーを尊重しながら、トイレの使用やおむつ交換をサポートします。

そのほかにもさまざまな日常生活のシーンで介助を行いますが、入居者さんのできない部分をサポートし、できるだけ自力を活かした介助を提供するのが基本です。

生活援助

ユニット型特養における生活援助では、掃除や洗濯、食事の準備などの日常生活を支えるサポートが行われます。

生活援助でもなるべく利用者さんのできるところを活かし、できない部分を支える姿勢が基本です。

レクリエーション

レクリエーションは入居者さんの心身の健康を促進する大切な活動で、主に軽い体操や簡単なゲーム、手芸や音楽活動などを行います。

レクリエーションは入居者さんの身体機能維持や認知機能向上、さらには入居者さん同士の交流なども期待できるため、非常に重要な業務です。

家族への連絡・相談

ユニット型特養においてご家族とのコミュニケーションは、より良い介護を提供するために欠かせません。

介護スタッフは、入居者の健康状態や日常生活の様子をご家族に報告し、必要に応じて相談や対応を行います。

ユニット型特養職員の勤務スケジュール

ここでは、ユニット型特養で働く介護職員の、仕事の流れを見ていきます。

以下にユニット型特養での仕事をイメージできるように、日勤・夜勤のタイムテーブルを掲載しています。

ユニット型特養の仕事に興味がある方は、ぜひ目をとおしてください。

日勤のスケジュール
時刻	仕事内容
09：00	朝礼 夜勤者からの申し送り
10：00	入浴介助 排泄介助
11：00	洗濯 昼食準備 居室で休まれていた入居者さんの離床介助
12：00	昼食介助 口腔ケア 排泄介助 着床介助
13：30	休憩
14：30	各種記録 事務処理
15：30	レクリエーション
17：00	夕食準備 夜勤者へ業務の引き継ぎ

夜勤のスケジュール
時刻	仕事内容
17：00	出勤 日勤者からの申し送り
18：00	夕食介助 片付け 口腔ケア 排泄介助 居室への案内～着床介助
21：00～4：00	巡視・安否確認 排泄介助 体位変換 各種記録
5：00	起床準備
6：00	起床介助
7：30～8：00	朝食準備 朝食介助 口腔ケア 排泄介助
9：00	日勤者へ引き継ぎ

ユニット型特養で働くメリット

きついといわれるユニット型特養ですが、さまざまなメリットがあります。

本記事ではユニット型特養で働くと得られるメリットを3つ取り上げ、それぞれ詳しく解説します。

取り上げるメリットを理解し、ユニット型特養で働くかどうかの指針としてください。

入居者さんと深くかかわれる

ユニット型特養で働くメリットのひとつは、入居者さんと深くかかわれる点です。

ユニット型特養では少人数のユニットごとにケアを行うため、入居者一人ひとりと親密な関係が築けます。

そのため、入居者さんの個々のニーズや希望を把握しやすく、ニーズに応じた細やかなケアが提供できます。

高度な介護技術を身に付けられる

ユニット型特養での勤務は、高い介護技術を身に付け、スキルアップする絶好の機会です。

個別ケアが重視されるため、コミュニケーション能力が磨かれます。また、認知症を患っている方も多いため、認知症ケアについての学びも多くなります。

さらに、喀痰吸引や胃ろうといった医療的ケアも、身に付けられる環境です。

介護業界でキャリアアップを考えた場合でも、ユニット型特養での経験は大きな意味を持つことでしょう。

対応力が身につく

ユニット型特養での勤務では、さまざまな状況に柔軟に対応する力を養えます。

入居者の状態や状況は日々変化するため、状況に応じた適切な対応が求められるでしょう。

認知症のある方が思いもよらぬ行動を取った場合でも、なぜそのような行動をしたかを考え、その人に合った対応をしなくてはなりません。

そのため、観察力や判断力が磨かれ、ほかの職場でも応用できる幅広い対応力が身につきます。

ユニット型特養に向いている人の特徴

ユニット型特養の仕事では、以下にあげる特定の資質を持った人が向いています。

どのような資質が重要なのかを理解すれば、自ずと向き不向きがわかるでしょう。

コミュニケーション能力が高い人

ユニット型特養で働くには、コミュニケーションは非常に重要です。

入居者さん一人ひとりのニーズや希望を把握し、ニーズに応じたケアを提供するためには、日々の会話や相手に寄り添った対応が欠かせません。

また、家族との連絡や相談も頻繁に行われるため、丁寧でわかりやすいコミュニケーション能力が求められます。

さらに、ほかのスタッフとの連携を深めるためにも、コミュニケーションは大切です。

段取りをつけて仕事を進められる人

ユニット型特養では複数の業務を効率よく進める必要があるため、段取りを上手につけられる人が向いています。

ユニット型特養では時間管理が重要で、身体介護や生活援助、利用者さんとのコミュニケーションなどのさまざまな業務を、効率よくこなさなくてはなりません。

とくに夜勤は一人で対応するケースも多く、段取りよくこなさないと業務がまわりません。

さらに、緊急時の対応や突発的な事態に対しても、柔軟に対応できる段取りの良さが必要です。

そのため、次の仕事を見据えててきぱきと業務を進め、予想外のことが起こっても冷静に対処できる方は、ユニット型特養で活躍できる資質を持っています。

精神的にゆとりがある人

ユニット型特養で働くには、精神的なゆとりも大切です。

入居者さんの介護は肉体的にも精神的にも負担がかかるため、何があっても冷静に対応できるメンタルの強さが求められます。

忙しいときに入居者さんに話しかけられて、イライラすることもあるでしょう。

また、入居者さんに受け入れられないからといって、落ち込みそうになるかもしれません。

介護士の資格が無くても大丈夫？

介護福祉士の資格や介護関係の資格がなくても、ユニット型特養で働けます。

介護福祉士の資格は医師や看護師の資格と違い、資格がなくても業務にたずさわれます。そのため、介護職員として介護の仕事をすることに、問題はありません。

とはいえ、資格があると業務内容も幅広く担当できるようになり、就職や転職も有利になります。資格を取得すれば専門的な知識と技術を身に付けられるため、ケアの質も向上することでしょう。

人手不足が深刻な介護業界では、勤務と並行して研修や資格取得の支援を行う施設も少なくありません。

きついユニット型特養を避ける方法

ユニット型特養は楽な仕事ではありませんが、労働環境の悪い施設ではさらにきつくなります。

転職を考える際は、環境の悪い施設を避けることが肝心です。

以下で解説するきつい施設を見極める方法に目をとおし、働きにくい施設を避けてください。

頻繁に求人を出しているところには注意する

頻繁に求人を出しているユニット型特養は、人手不足が常態化している可能性があり、労働環境は厳しい可能性があります。

労働環境の悪い施設では業務量の多さだけでなく、人間関係にも問題がある可能性が高いといえます。

求人情報を見るたびに求人を出している施設は、できるだけ多くの情報を集め、慎重に判断してください。

口コミの評価を確認する

元職員や現職員の口コミでは、求人情報だけではわからない内部の状況がわかるでしょう。

しかし、インターネットの情報は匿名のため、情報が正しいか本当のところは判断できないため、参考程度にとどめておく方が賢明です。

とはいえ、あまりにも悪い口コミばかりが数多く並んでいる場合は、避けた方が無難でしょう。

施設見学で雰囲気を確かめる

施設の見学を行えば、職場の雰囲気やスタッフの働き方、施設の清潔さや設備の充実度を直接確認できます。

実際にスタッフの対応や入居者とのコミュニケーションの様子を観察すれば、働きやすい職場かどうかを感じられます。

面接で気になることを確認する

面接時では気になることを、遠慮なく確認してください。

具体的には、以下の事項を確認するのがおすすめです。

人員配置は、職員ひとりに対して何人の利用者さんをケアしているかを見ます。

2016年の独立行政法人福祉医療機構の「ユニット型特別養護老人ホームの実態調査について」によると、ユニット型特養の平均配置割合は1.94：1でした。

この数字は職員一人につき、1.94人の利用者さんをケアしていることになります。

利用者の比率が平均（1.94）より高い人員配置だと、職員が少なくきつい施設の可能性があるため、注意してください。

出典：独立行政法人福祉医療機構「ユニット型特別養護老人ホームの実態調査について」

転職エージェントを活用する

転職エージェントを活用すれば、きついユニット型特養を避けられる確立が高くなります。

転職エージェントは求人情報の提供だけでなく、職場の内部情報やリアルな労働環境といった情報も提供してくれます。

また、自分に合った施設を見つけるサポートや面接のアドバイス、給与交渉の代行など転職活動全般にわたる支援も期待できるでしょう。

さらに、直接確認しにくい離職率や有給取得率なども、転職エージェントが教えてくれます。

きついユニット型特養を避けたいならプロに頼もう

労働環境の悪い施設に転職してしまわないように、転職活動は転職エージェントを利用するのが安心です。

とくに、介護職に特化したエージェントであれば内部情報に精通していることが多いため、転職で失敗する可能性が低くなります。

介護に特化した転職エージェントでは、以下の3つがおすすめです。

それぞれ詳しく解説するため、最後までご覧になって信頼できる転職エージェントを見つけてください。

レバウェル介護（旧きらケア）

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それだけでなく、あなたの雰囲気に合いそうな求人も積極的に提案してくれるでしょう。

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ユニット型特養がきついかはあなた次第

ユニット型特養はたしかにきついところはありますが、メリットも多くやりがいのある仕事です。

一方でユニット型特養の中でも、とりわけきついといわれる施設があるのも事実といえます。

そのため、ユニット型特養に興味がある方は、きつい施設を避けて転職活動をしてください。

とはいえ、転職しようとしている施設がきついのかどうかは、外から伺い知ることは難しいものです。面接でいろいろ質問しても、はぐらかされてしまう可能性もあります。

それゆえ、ユニット型特養への転職は、転職エージェントを頼るのが確実です。

転職エージェントはあなたの希望にあった求人情報だけでなく、施設の離職率や有給所得率といった面接では聞きにくい情報も提供してくれます。

転職エージェントを利用してきついユニット型特養を見極め、働きやすい職場であなたらしい介護を実践してください。