このように考える保育士もいるのではないでしょうか。

結論として保育士は時短勤務可能です。

ただし、時短勤務で起こりうるデメリットを知らず、利用してしまうと後悔する可能性もあるので注意が必要です。

本記事では、時短勤務を申請できる条件や、時短勤務のメリット・デメリット、フルタイムとの給料の違いを解説しています。時短勤務で後悔しないよう一緒に学びましょう。

関連記事：保育士転職エージェントおすすめ比較19選│求人数や口コミも紹介！

保育士は時短勤務できる！

結論として、保育士は適用条件を満たせば時短勤務が可能です。

保育士の多くが女性であり、出産・育児によって、仕事を休職します。しかし、復職する方は少なく人材不足なのが実情です。

時短勤務できれば、子どもを保育園に預けながら働くことも可能になり、大好きな保育士の仕事を続けられるでしょう。

ただし、冒頭でお伝えしたとおり、時短勤務するには条件があるため、要件を満たすことが必須条件です。

次章から、時短勤務の制度内容、時短勤務の条件を解説します。

保育士時短勤務の内容

時短勤務は、育児・介護休業法で義務化された労働者の権利です。所定の勤務時間より短くして勤務できるようにする制度です。

短くできる時間は原則5時間45分から6時間までとされています。

なお、1時間だけ時短したり、隔日勤務にして所定労働日数を短くしたり、労働者が柔軟に利用できるようにしています。

保育士時短勤務の条件

時短勤務の条件は、以下のとおりです。

上記のように、3歳未満の子どもを養育している方が対象です。

パート、アルバイトも時短勤務と表現されるかもしれませんが、正確な時短勤務とは異なります。

時短勤務制度は、フルタイムで働く正社員や契約社員が活用できる制度と理解しておきましょう。

時短勤務で働く保育士の実情

時短勤務で働く保育士は、働く環境によって居心地が悪くなる可能性があります。

例えば、他の保育士が大量の仕事を抱えている中、定時であがるケースです。申し訳ない気持ちを抱いてしまい、逆にストレスに感じる保育士も多いのが実情です。

また、保育園によっては人手が足りず、時短勤務の保育士にもフルタイムと同様の業務を任せるケースもあります。特にベテラン保育士は、時短勤務であってもクラス担任を任されることもあるようです。

ですので、保育園に体制によっては時短勤務ではなく一旦辞職して、あらためて保育園へ転職する方が得策かもしれません。

異業種も含めて、定時で帰れる仕事を検討される方は、以下の記事をご覧ください。

関連記事：定時で帰れる仕事15選｜早く帰れる・残業がない企業の特徴を解説

保育士時短勤務の給料

時短勤務した際の給与の計算方法は、以下のとおりです。

時短勤務で給料はどのようになるのか時短勤務前20万円の給料を受け取っていた場合で説明します。

基本給	20万円/月
所定労働時間	8時間/日
実労働時間	6時間/日（時短勤務のため）
所定労働日数	20日
【時短勤務の計算式を当てはめる】 20万円×（6時間×20日）÷（8時間×20日）＝15万円

上記計算のとおり、時短勤務により15万円になります。

ただし勤務先の保育園によっては、上記計算式とは異なる方法で算出しているケースもあります。必ず、務める保育園で確認するようにしてください。

また、時短勤務によって世帯年収も変化します。年収ダウンしても家計はやりくりできるか、あらかじめシミュレーションしておくと安心です。

保育士時短勤務の特徴

保育士の時短勤務の特徴を紹介します。具体的には、以下のとおりです。

変則的な勤務体制なのが保育士の働き方です。

時短勤務によって、どのような配慮が受けられるのか1つずつチェックしましょう。

1日6時間勤務で融通が利きやすい

時短勤務制度を活用すれば、1日の勤務時間の中で6時間だけ働きます。

育児のために時短勤務を希望する場合、朝から夕方まで働くケースが多いですが、朝と夕方に勤務して、昼間は中抜けすることも可能です。

介護で時短勤務を希望している方は、昼間だけ抜け出したい方もいるため、適した働き方が実現可能でしょう。

夜間残業が免除される

時短勤務制度と併用して利用できる制度で、夜間残業を免除できます。

具体的には下記のとおりです。

所定外労働の制限 （法第16条の8）	3歳未満の子を養育する従業員が申し出た場合には、事業主はその従業員を、所定労働時間を超えて労働させてはなりません。
法定時間外労働の制限 （法第17条）	小学校就学前までの子を養育する従業員が申し出た場合には、事業主は、1か月24時間、1年150時間を超える時間外労働をさせてはなりません。
深夜業の制限 （法第19条）	小学校就学前までの子を養育する従業員が申し出た場合には、事業主は、その従業員を深夜（午後10時から午前5時まで）において労働させてはなりません。

制度申請すると、夜間勤務や通常時の残業時間も配慮されます。

制度を利用することで、仕事と子育ての両立がしやすくなります。

早番遅番のシフトが配慮される

時短勤務することで、早番遅番のシフトが配慮されやすくなります。

時短勤務の場合、働く時間が短くなるため、早番をすれば遅番のシフトが削れるため、夕方早く帰ることが可能になります。

もちろん、子どもの送り迎えで、朝夕の保育園が忙しい時間に働けない方は、朝番遅番をせず時短勤務できます。

ただし、勤務する保育園によって対応は異なるため、直接確認しましょう。

保育士時短勤務の1日

保育士が時短勤務した際の1日のスケジュールの一例を作成しました。

あくまで一例ですが、時短勤務によって子どもとの時間を重視しながら、保育として働けます。

ただし、園の方針によって、朝番のシフトは入ってほしいなど指示されるケースもあるため、勤める保育園で確認するようにしましょう。

保育士が時短勤務するメリット・デメリット

保育士が時短勤務するメリットとデメリットを紹介します。

メリット・デメリットを知ることで、時短勤務すべきか判断材料になるはずです。

時短勤務のメリット

時短勤務のメリットは以下のとおりです。

小さな我が子の成長を見られる時間はわずかです。その貴重な時間を大切にしたいと子を持つ親の多くは思うのではないでしょうか。

だからこそ、時短勤務して子どもとの時間を確保できることは大きなメリットです。

また、一度保育士を退職してしまうと、1からキャリアを積み上げていかなくてはなりません。時短勤務制度を利用することで、キャリアを途絶えさせることなく、働き続けられます。

以上のように、キャリアと子育てを両立したい方にとって時短勤務は大きなメリットです。

時短勤務のデメリット

時短勤務のデメリットは以下のとおりです。

勤務時間が減少するので、収入が減るのは当然ですが、想像以上に減少する可能性があるため注意が必要です。

例えば、出産前に時間外労働手当を受けていた方は、その金額も受け取れなくなります。そのため、時短勤務の計算式の減少割合より大きくなる可能性もあります。

また、時短勤務することでパートナーより、家事や育児の割合が増加する可能性があります。

パートナーとよく話し合わないと、時短勤務しているあなたばかり家事や育児をすることになり、不満を溜めこむ原因になるので注意が必要です。

もし、時短勤務のデメリットが負担と感じるなら、親やパートナーと協力する体制を構築して、フルタイムでも働ける体制を検討すべきといえるでしょう。

次章の「パートナーとの家事分担体制」で詳しく紹介します。

保育士が時短勤務で働くためのコツ

保育士が時短勤務で働くためのコツを紹介します。

具体的には、以下のとおりです。

タスクなど活用して時間内で仕事を終わらせるよう努力する

時短勤務の場合、フルタイムで働くよりさらに短時間で業務を終わらせなくてはいけません。

そのため、今日やるべきことをリスト化して、やることを目で見えるようにしましょう。

やるべきことや任されたタスクは、スピーディーに終わらせれば、定時で帰れる可能性は高まります。

また、同僚の仕事のサポートまでできれば、時短勤務の後ろめたさも感じることは少なくなるでしょう。

ただし、オーバーワークして本来大切にしたい子どもや家族との時間を疎かにしないように、無理のない範囲で働くことを心がけてください。

家族からサポートを受けられる体制を作っておく

時短勤務とはいえ、共働きを実現するためには家族のサポートが必要不可欠です。

例えば、あなたやあなたの両親が近くに住んでいたら、子どもの送り迎えを手伝ってもらえる体制を整えておくと、どうしても残業が必要なときに対応してくれるでしょう。

また、子どもの発熱で保育園から呼び出されるケースも少なくありません。そういった際にサポートを受けられる家族が近くにいると、もしもの時に安心です。

ですので、時短勤務を実現するためにも家族からサポートを受けられるよう、相談しておきましょう。

パートナーとの家事分担体制を作っておく

時短勤務を検討するためにも、パートナーと家事の分担をよく話し合っておきましょう。

時短勤務とはいえ、仕事内容はフルタイムの保育士と変わりません。それにもかかわらず、時短勤務をしているのを理由に、家事育児に偏りが出てくるケースが多いのが実情です。

不公平感や不満を解消する方法の1つに、タスクを「可視化」することをおすすめします。

例えば、食事づくりは担当するが、洗い物はパートナーがおこなうようタスク表に書き出しておきます。

以下のようなチェックリストを作成して家事をシェアするのもおすすめです。

料理	パパ	ママ	2人で
朝食づくり	□	□	□
朝食の後片付け	□	□	□
洗濯	パパ	ママ	2人で
洗濯物を干す	□	□	□
洗濯物を取り込む	□	□	□

書き出しルール化しておけば、不満が溜まることは少なくなるはずです。

保育士が時短勤務で働く際の注意点

保育士が時短勤務で働く際の注意点を紹介します。

注意点を守らないと、時短勤務したことを後悔しかねません。本章の内容をよく読み、対策してください。

要件をよく理解した上で申請をおこなう

時短勤務の要件を理解せず申請すると、思い描いていた働き方ができない可能性があります。

例えば、時短勤務の保育士に休憩時間を与えないケースです。「休憩なしはおかしい」と抗議しても、休憩時間は6時間以上働いた際に、45〜60分設けることが法律で定められています。

つまり、6時間以内であれば休憩なしであっても問題ありません。

もちろん、時短勤務であっても休憩時間を設けるのが一般的なため、上記のような体制の保育園はないでしょう。しかし、要件を把握していないと自分を守れない可能性が出てきます。

ですので、時短勤務を申請する前に、必ず要件に目を通し理解するようにしましょう。不明な部分は質問したり、調べたりしてウヤムヤなままにしないでおきましょう。

条件によって申請が通らない可能性がある

時短勤務の条件を満たしていないと申請が通らないのはもちろんのこと、保育園の人員配置状況によって、すぐ申請が通らないケースはあります。

例えば、常勤配置ギリギリの人数で運営しており、保育の質を担保できないケースです。

時短勤務できても、同僚の保育士への負担は大きくなってしまいます。

また、申請が通った後に辞職を切り出す保育士が出た場合、新しい職員を採用するまでフルタイムで働けないか打診される可能性もあります。保育園の運営状態を確認した上で申請しましょう。

時短勤務ができる状況ではない保育園に勤めている場合、転職も視野に入れるべきです。

時短勤務しても理想の働き方を実現できない可能性がある

例え時短勤務が実現できても、理想の働き方ができるとは限りません。

なぜなら、時短勤務であっても残業を依頼されるケースがあるからです。

同僚が体調不良による突発で休んだ場合、対応をあなたに求められるケースは十分考えられます。

もちろん、特定の要件を満たせば残業は免除されますが、適用要件を満たしていなければ、残業しなければいけません。時短勤務だからと残業を断り続けていると、同僚から悪い印象をもたれてしまい、関係悪化するケースもあります。

ですので、時短勤務する前に、勤めている保育園の人員は充足しているのか、時短勤務している保育士はいるのか確認しておくことが重要です。

時短勤務可能な求人を探すには

時短勤務可能な求人を探す際は、以下の3点に注意してください。

時短勤務実績のある保育園を選ぶ

「時短勤務」の実績を公表している保育園だと、時短勤務する際も理解を示してくれる可能性が高いため安心して求人を探せます。

保育士専門の転職サイトで「時短勤務」と打ち込み検索してみましょう。

出典：保育のお仕事

おすすめの保育士転職サイトを知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

関連記事：保育士転職サイトおすすめ18選｜評判や目的別に比較して紹介！

保育士の口コミサイトも活用する

転職サイトで検索しただけでは、時短勤務できるか判断できないケースもあります。

その際は、口コミサイトも活用しましょう。

口コミを見れば働いている方のリアルな声を聞けます。情報収集する際は、口コミサイトの意見も参考にしてください。

ただし、口コミサイトは保育園に対する不満を書き込む方も少なくありません。

あくまで参考に留めておくことが重要です。保育士の口コミサイトは、以下に掲載します。口コミを調べる際に利用してください。

転職エージェントに相談する

転職エージェントに相談するのも効果的です。

エージェントは、希望に合った求人を見つけ出してくれるため、効率的に転職活動を進められます。

また転職の専門家が、以下までサポートを行ってくれるため、内定確率が高まります。

もちろん転職エージェントに登録しても、必ず転職する必要はなく無料で利用できるので、金銭面で悩む必要もありません。

次章では、保育士におすすめの転職エージェントを紹介します。

時短勤務を希望している方におすすめの保育士転職エージェント

時短勤務を希望している方は、以下の保育士転職エージェントを活用して、時短勤務する状況になっても安心して働けるようにしておきましょう。

保育士ワーカー

保育士ワーカーは「転職サポート経由」のコースがあり、選択すれば専任アドバイザーが選考書類の添削や面接対策までサポートしてくれるため、転職初心者の方も安心して活用できます。

また入職後のサポートも対応してくれるため、転職先で起きた問題の相談も対応してくれます。

保育士ワーカーを運営する会社は、7つの人材紹介事業を手がけており、選考対策のノウハウが蓄積しています。

他の転職エージェントにはない内定獲得ための実践対策を受けられるのも保育士ワーカーの強みです。

保育士人材バンク

※医療・介護・保育分野における有料職業紹介事業者

保育士人材バンクは、保育士専門のキャリアパートナーが在籍しているため、保育業界の採用に詳しいことが特徴です。

保育士人材バンクは、独自の求人情報を保有しているため、他のサイトにない情報を得られます。

また、担当者が保育士業界に詳しく、書類添削や面接対策のサポートが充実しています。

保育園のディープな採用情報もキャッチしやすいため、激務なのかどうか判断する際にも心強い味方です。

労働環境の改善を重視したい方は、ぜひ保育士人材バンクを活用してみてください。

保育のお仕事

保育のお仕事は、保育士業界の転職に精通した転職サイトです。

保育のお仕事は、非公開求人が充実しています。

好条件の求人が多数掲載されているので、普段よい求人に出会えなくても非公開求人を探すことで、自分にピッタリな求人に出会えるかもしれません。

公式サイトでは、「エリア検索」や「注目の求人特集検索」ができ、働きたい場所・働きたい条件を自分で決めることが可能です。

他の求人サイトを使ってよい求人に出会えていない方は保育のお仕事の利用を検討してみてください。

まとめ｜保育士は時短勤務制度を賢く活用しよう

今回は、保育士の時短勤務制度を解説してきました。

保育士は、時短勤務制度が利用できます。保育園のメンバーの同意を得て、時短勤務できれば、ワークライフバランスを保ちながら保育士の仕事を続けられるでしょう。

ただし、時短勤務を取得する保育士が他にいない場合や、そもそも時短勤務をよく思っていない園にいると、時短勤務制度を利用しづらいかもしれません。

時短勤務が可能な保育園に転職を希望する場合は、求人検索の際に「時短勤務」を条件に加えるか、キーワード検索を活用してみてください。

もし希望に合う求人が見つからない場合は、転職エージェントを利用するといいでしょう。