「仕事に行きたくない」と感じる看護師は多くいます。

過酷な労働環境に加え、人間関係の悪さや人の命を預かるプレッシャーなどがおもな理由です。

ライフステージの変化で、仕事と家庭の両立に悩み、仕事に行きたくない人もいます。

仕事に行くのがつらいときは、朝日を浴びたり、軽い運動をしたり、すぐできる対処方法をとってみてください。

悩みが慢性化すると、心身に影響を及ぼす恐れもあるため注意しましょう。

この記事では、看護師が仕事に行きたくないと感じる理由やすぐにできる対処方法、状況が続くときの対処方法について解説します。

ストレスのセルフチェックについても紹介しますので、状況改善の参考にしてみてください。

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「仕事に行きたくない」と感じる社会人は多い

看護師に限らず、多くの社会人は業務上何かしらのストレスを抱えています。

厚生労働省の「令和4年労働安全衛生調査」の個人調査によると、現在の仕事や職業生活に関して、強い不安や悩み、ストレスを感じている労働者の割合は82.2%でした。

そのため「仕事に行きたくない」と感じる人は多いと推測されます。

【参考資料】令和4年  労働安全衛生調査（実態調査）結果の概要「個人調査」／厚生労働省

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仕事に行きたくないと感じる原因は2種類

仕事に行きたくないと感じる原因は、以下の2つに分かれます。

それぞれ解説しますので、自分の「行きたくない」はどちらに該当するかチェックしてみましょう。

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一時的な原因

一時的な原因は、そのときの自分の体調や環境が影響します。

たとえば、休み明けや前日遅くまで残業をしていたとき、先輩に注意されたあとは「行きたくない」と感じることが多いでしょう。

今バリバリと働いているベテランの人も経験しています。

一定の時間が経過すると、気持ちも落ち着くため、大きな心配はありません。

慢性的な原因

慢性的な原因は、日常的なストレスの蓄積があげられます。

職場の人間関係や過酷な労働環境、職場風土などです。

改善が期待できない場合、仕事に行きたくないと感じてしまうのです。

憂うつな状態が続くと、メンタルヘルスにも影響を及ぼす恐れがあるため、注意しなければなりません。

看護師が仕事に行きたくないと感じる理由10選

看護師が仕事に行きたくないと感じる理由はさまざまです。

よくある理由は以下のとおりです。

ひとつずつ見ていきましょう。

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1.職場内の人間関係に悩んでいる

職場内の人間関係に悩み、仕事に行きたくないと感じる人は多いでしょう。

日本看護協会の「2017年看護職員実態調査」によると、不安や悩みを「常に感じる」と回答した人は27.1％、「ときどき感じる」と回答した人は55.2％でした。

悩みや不安の内容は「勤務先での仕事や人間関係について」とした人が54.6％と、最も多い結果でした。

上司や先輩の対応がきつかったり、職員同士のトラブルでつらくなったりして、仕事に行きたくないと感じる人もいるでしょう。

【参考資料】2017年 看護職員実態調査 日本看護協会調査研究報告 ＜No.92＞ 2018／日本看護協会　p31・32

2.多忙で心身が疲弊している

看護師の仕事は、精神的にも身体的にもさまざまな負担があります。

加えて、人手不足の職場では、看護師一人当たりの業務量も多くなる傾向です。

夜勤や残業もあり、疲労がたまりやすいといえるでしょう。

疲れきってしまうと意欲が低下し、仕事に行きたくないと感じるのです。

3.夜勤や残業がつらい

夜勤があると生活リズムが乱れ、疲労が回復しにくくなります。

残業が続けば気力がなくなり、プライベートの時間をうまくとれなくなる場合もあります。

家族との時間が十分とれないと、申し訳ない気持ちになる人もいるでしょう。

夜勤や残業がつらくて、仕事に行きたくないと感じるのです。

4.仕事でプレッシャーを感じる

仕事でプレッシャーを感じることも、仕事に行きたくなくなる理由のひとつです。

看護師の仕事は、患者さんの命や健康に直接関わります。

小さなミスが大きな事故につながる可能性があるので、プレッシャーを感じるときも少なくありません。

5.仕事で失敗やミスをした

仕事で失敗やミスをしたときは、落ち込み、仕事に行きたくないと感じます。

とくに、患者さんのケアでミスした場合は、自分を責める人も多いでしょう。

自分の失敗で、上司や先輩にも迷惑をかけてしまうため、つらくなります。

「自分は看護師に向いていない」と考えるときもあるでしょう。

6.仕事にやりがいを感じられない

仕事にやりがいを感じられないことも、仕事に行きたくないと感じる理由のひとつです。

たとえば、毎日同じ作業を繰り返すルーティンワークでは、飽きてしまう人もいます。

逆に忙しすぎると、業務に追われてしまい、思い描いていた理想の看護ができずに悩むことになります。

患者さん一人ひとりとじっくり関われず、「自分のやりたいことと違う」「やりがいがない」と感じてしまうのです。

7.仕事と家庭の両立で疲れている

仕事と家庭の両立で疲れてしまうと、仕事へのモチベーションを保てなくなることがあります。

中堅看護師は、結婚や子どもの誕生により、家庭での役割が増えることも多いです。

ベテラン看護師になると、家族が要介護状態となることもあり、介護者としての役割を担うケースもあります。

家庭での役割が増えると、仕事に疲れていても家庭のこともこなさなければならず、仕事と家庭の両立が大変だと感じるのです。

8.委員会や看護研究など看護業務以外の負担がある

委員会や看護研究など看護業務以外の負担で、つらく感じる人もいます。

病院勤務の場合、委員会活動や病棟内の係、看護研究や勉強会があります。

時間外で活動することも多いため、プライベートの時間にも影響を及ぼすときもあるのです。

中堅やベテランになると一人で何役も任され、つらいと感じる人もいます。

9.苦手なメンバーと同じシフト

看護師にとって、同じシフトで働くメンバーは重要です。

怖い先輩や気の合わない人と一緒の日は、仕事に行きたくなくなってしまいます。

とくに同じ夜勤の際は、日勤以上にチームワークが大事であるため、不安になるときがあります。

コミュニケーションにも気を遣い、精神的な疲れを感じるでしょう。

10.休み明け

休み明けで、仕事に行きたくないと感じる人は多いです。

連休明けは、楽しい気分からの切り替えがうまくできないこともあります。

また、患者さんが入れ替わっていたり、状態が変化したりしていることもあり、対応できるか不安を感じるのです。

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仕事に行きたくないときにすぐにできる3つの対処方法

仕事に行きたくないときは、すぐにできる対処方法を取り入れてみましょう。

以下の3つを試してみてください。

それぞれ解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

1.やる気のスイッチを入れる

気分をリフレッシュすると、仕事に行きたくない気持ちも和らぎ、前向きになれるでしょう。

以下はおすすめの方法です。

やる気のスイッチを入れる方法
起床後朝日を浴びる	朝日を浴びると脳内物質のセロトニンが分泌される。 セロトニンは脳内の神経伝達物質の1つで「幸せホルモン」とも呼ばれ、意欲や幸福感を高める効果が期待できる。
好きな音楽を聴く	自分の好きなアーティストの曲や、気分が高まる曲を聴く
好きなアロマを楽しむ	気分が爽やかになる香りがおすすめ。 ローズマリーやペパーミント、スイートオレンジなどの精油で芳香浴（ティッシュやハンカチに数滴たらす）をおこなう。 ※妊娠中の人は注意が必要な香りもあるため、注意事項をよく確認する。
朝食後にコーヒーや緑茶を飲む	カフェインの作用ですっきり目覚め、意欲の向上も期待できる

2.軽い運動をする

出勤前に軽い運動をするのもおすすめです。

屋外でウォーキングやストレッチなどをおこなえば、朝日を浴びることもできるため、一石二鳥です。

夜間睡眠の質の向上にもつながります。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動指針（アクティブガイド）」では、「1日60分、元気に体を動かすこと」を推奨しています。

普段から体を動かすことで、生活習慣病やうつになるリスクの低下が期待できるのです。

【参考資料】健康づくりのための身体活動指針（アクティブガイド）／厚生労働省

3.その日限定で仕事を休む

体調が優れない場合は、思い切って休むのもひとつの方法です。

倦怠感が強くて起き上がれないときや、何事もやる気が起きないときは、心身を回復させる必要があります。

無理して仕事をすると、ミスやトラブルをおこしてしまう恐れもあります。

「今日はしっかり休んで明日から元気に出勤する」と決めるのが大事です。

仕事に行きたくない状況が続くときの6つの対処方法

仕事に行きたくない状況が続くときは、前述の方法とは異なるアプローチが必要です。

以下の方法をとることをおすすめします。

それぞれ解説しますので、悩みをため込まないようにしてください。

1.生活習慣を整える

仕事に行きたくないと感じるときは、生活習慣を見直してみましょう。

看護師の仕事はシフト制のところが多く、そもそも生活リズムが乱れやすいです。

生活リズムの乱れは、自律神経の乱れにもつながり、倦怠感や不眠・イライラなどの不調の原因になります。

できる範囲で一定の生活リズムで過ごすのが大事です。

スーパーやコンビニ食に頼りがちな人も、栄養バランスを考えて食事をとりましょう。

スマートフォンやパソコンを夜遅くまで見ていると、不眠につながる可能性があります。

寝室にはスマートフォンを持ち込まず、寝る前はゆったり過ごしてみてください。

【参考記事】「ストレスとは」働く女性の心とからだの応援サイト／厚生労働省

2.つらい気持ちを紙に書き出してみる

つらい気持ちや、自分の感じていることを紙に書き出すこともおすすめです。

思いつくままに書いてみましょう。

書き出すことでネガティブな感情が見えるため、頭の中が整理されます。

自分を客観的に見ることができ、受け止められるようになります。

きれいに書く必要はありません。5分でも10分でも書いてみるとよいでしょう。

ただし、書くことで不安になったりつらくなったりする場合は中止してください。

3.一人で悩まずに誰かに話を聞いてもらう

仕事に行きたくないと思うようなつらい状況のときは、一人で悩まず、信頼できる人に話を聞いてもらいましょう。

家族や友人、信頼できる職場の同僚や上司などに相談することをおすすめします。

話を聞いてもらうだけでも、気持ちが楽になるかもしれません。

別の角度からの意見をもらえ、解決方法に気づける場合もあります。

関連記事：看護師転職の相談先とは？よくある相談内容や解決方法を紹介

4.専門家に相談する

「何事にも悲観的になる」「日常的にできていたことが、頭が回らず進まない」などといった体調の変化が現れているときは、専門家に相談してください。

厚生労働省では「こころの耳　相談窓口」を設置しており、電話やSNS（LINE）、メールでの相談が可能です。

働いている本人だけでなく、家族や企業の担当者も利用できます。

受診することにためらいがある人は、活用してみるとよいでしょう。

5.休職や異動を検討する

仕事に行きたくない状況が慢性化している場合や、体調を崩している場合は休職を申し出る方法もあります。

体調を崩しているときは、仕事で正しい判断ができない可能性があります。

心身を十分に休めることで、気力が回復し前向きになれるかもしれません。

期間限定の対処方法として考えてみるとよいでしょう。

業務内容やシフト制での悩みの場合は、異動など相談してみてください。

すぐに希望がかなうわけではないことも意識しておきましょう。

6.転職を検討する

さまざま対策をとっても悩みが解決しない場合は、転職を検討する方法もあります。

仕事に行きたくない理由を整理し、転職で同じ状況にならないようすることが大事です。

看護師転職サイトのアドバイザーから情報を得たり、口コミをチェックしたりすると、転職の失敗を防げるでしょう。

関連記事：看護師の病院以外の転職先15選！珍しい職場や転職を成功させるコツも解説

仕事に行きたくない看護師が避けるべき行動

仕事に行きたくない原因を「自分が甘えているだけ」「対応力不足」などと決めつけないようにしましょう。

仕事に行きたくない看護師が避けるべき行動は以下のとおりです。

ひとつずつ解説しますので、仕事にいきたくないときの参考にしてください。

1.無断欠勤をする

仕事に行きたくないときは、後ろめたい気持ちがあったり、億劫に感じたりして、連絡することがつらいときもあるでしょう。

とはいえ、連絡をせずに欠勤することはしないでください。

無断欠勤すれば職場の人だけでなく、患者さんにも心配や迷惑をかけてしまいます。

また、「無断欠勤する人」とレッテルを貼られ、居心地が悪くなる可能性もあります。

社会人のマナーとして、始業前には必ず連絡しましょう。

2.限界まで我慢する

行きたくない気持ちが続いている状況で、限界まで我慢するのは避けましょう。

つらいまま働くと、仕事に集中できずにミスしてしまう恐れがあります。

人によっては、こころの病気にかかるかもしれません。一度ゆっくり休んでみることをおすすめします。

慢性的につらい場合は、病院の受診やカウンセリングを検討してください。

3.突然の退職

無計画に、突然退職することがないようにしてください。

看護師の仕事は、チームで働く仕事です。急に一人抜けると、職場の業務全体に支障が出る可能性があります。

何より、患者さんに迷惑がかかるかもしれません。次の職場が決まらないまま退職すると、熟慮せず転職先を決め後悔する恐れもあります。

退職は計画的におこないましょう。

あなたのこころは大丈夫？ストレスセルフチェック

仕事に行きたくないのは、ストレスが蓄積しているせいかもしれません。

厚生労働省の『こころの耳』で提供している、ストレスセルフチェックをおこなってみるとよいでしょう。

自分の状態の判断に役立ち、必要なストレスケアがわかります。

以下のサイトで確認してみてください。

【引用元】5分でできる職場のストレスセルフチェック／厚生労働省

チェックが終了すると、下記のような結果が表示されます。

下記の画面からアドバイスを確認できます。

あくまでもセルフチェックによるものであるため、こころがつらいときは受診してください。

今の仕事を続けるべきか迷うときは看護師転職サイトの利用を

今の仕事を続けるべきか迷うときは、看護師転職サイトを利用し、相談してみましょう。

各社にキャリアアドバイザーが在籍しているため、働き方のアドバイスを受けられます。

おすすめの看護師転職サイト3つを紹介します。

看護師ワーカー

看護師ワーカーは、数多くの看護師が利用し、転職成功者数年間1万人以上の実績があります。

会員登録すると、求人の提案や面接対策などのフォローを受けられ、マイページで履歴書作成もできます。

キャリアアドバイザーのサポートがある「転職サポート経由」と、施設からスカウトが受け取れる「直接応募」の2つの応募方法があるのが特徴です。

転職サポート経由では、休日・勤務時間外の相談、メール連絡が可能であり、忙しい人も使いやすい転職サイトです。

レバウェル看護

レバウェル看護は、職場のリアルがわかる転職サイトで、利用者からの好評価を得ています。

残業が少ない、年間休日数が多いなど待遇面や環境で好条件の非公開求人を多数取り扱っているのが特徴です。

希望条件のヒアリング内容から、職場環境や上司・同僚とのマッチングも考え提案してくれるため、理想の転職先を見つけやすいでしょう。

履歴書の添削や面接対策、条件交渉のサポートが受けられるため、転職が初めての人も安心して利用できます。

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）は、年間10万人以上の看護師が利用する、実績豊富な看護師転職サイトです。

求人は電話やメール、LINEなどで紹介してもらえるため、自分のペースで転職活動をすすめられます。

履歴書の作成や添削・面接対策などもおこなってもらえるため、自信をもって面接を受けられるでしょう。

病院のほか、美容クリニック、企業看護師などの求人も取り扱っているため、希望の職場に出会いやすいメリットがあります。

仕事に行きたくない看護師のよくある質問

仕事に行きたくない看護師のよくある質問についてまとめました。

まとめ

看護師が「仕事に行きたくない」と感じる理由はさまざまです。

過酷な労働に加え、人間関係のストレスなどがおもな理由です。「仕事に行きたくない」ときは、すぐにできる対処方法をとってみてください。

つらい気持ちは慢性化させないことが重要です。状況に応じた対策をとり、自分をいたわりましょう。

転職を考えるときは、看護師転職サイトで相談しましょう。

今の状況に対して、転職のプロからアドバイスを受けられます。

意見を参考に、転職すべきか留まるべきかを検討しましょう。