ゲームやイラストを描くのが好きと言う理由で、ゲーム会社に就職・転職したい方は少なくありません。

しかしゲーム会社の特徴を知らないと、就職・転職して後悔する可能性があります。

結論からお伝えすると、すぐに飽きてしまう方やチームで働くのが苦手な方は、ゲーム会社への就職・転職はやめておいた方が良いでしょう。

本記事を参考にして、ゲーム会社の求人に応募するか検討してみてください。

ゲーム会社はやめとけと言われる理由

ゲーム会社はやめとけと言われる理由は以下のとおりです。

人手不足により残業が発生する可能性があるから

ゲーム会社はやめとけと言われる理由1つ目は、人手不足により残業が発生する可能性があるからです。

ゲーム開発中にはバグの修正や原因追求に時間がかかり、リリース後も定期的にメンテナンスが必要です。

納期までに対応する必要があるため、残業が発生します。特に11月〜12月の繁忙期には残業時間が50時間〜80時間以上になることもあります。

業務量が多い割に年収が低いことから、ゲーム業界の離職率は他業界よりも高めです。

厚生労働省の「令和4年雇用動向調査結果の概況」によると、平均離職率は15.0%でした。

ゲーム業界の離職率は企業にもよりますが、15.6〜27.3%になっています。

【ゲーム業界の離職率】

会社名	離職率
ソニー・インタラクティブエンタテイメント	0%
任天堂	1.2%
バンダイナムコエンタテイメント	15.6%
スクウェア・エニックス	27.3%
コナミデジタルエンタテイメント	12.0%

しかし、在宅ワークの普及や2019年4月1日から施行された働き方改革関連法により、残業時間が削減されたケースもあります。

例えばゲーム制作・開発職の残業時間は2018年では45.3時間、2023年には24.4時間になりました。

ゲーム業界全体で職場環境が改善されているため、昔ほど残業しなくても良さそうです。

納期が厳しく精神的にストレスがかかるから

ゲーム会社はやめとけと言われる理由2つ目は、納期が厳しく精神的にストレスがかかるからです。

発売日や配信日までにゲームを完成させる必要があるため、厳しい納期が設定されています。

納期に間に合ったとしても、ゲームの配信日直前にバグが発生する可能性があります。バグ修正のために徹夜で作業することも珍しくありません。

そういった精神的負荷のかかる業務対応をしなければいけないので、ストレスになることもあります。

ゲームが好きで就職したのに、ゲーム会社で働いてからゲームが嫌いになった方も珍しくありません。

バグ修正・原因解析に追われるから

ゲーム会社はやめとけと言われる理由3つ目は、バグ修正・原因解析に追われるからです。

バグとは、プログラム内の不具合を指す言葉です。ゲーム開発中やリリース後にバグが発生する可能性があります。

バグを放置すると、プログラムが仕様書や想定どおりに動かなくなります。そうすると、ゲームで遊んでいても次のシナリオに進めなくなったり、データが消えてしまったりするリスクがあるのです。

このような場合は、バグの発生理由や対策方法を検討しなければいけません。

バグの原因が特定できるまで、いくつも検証する必要があるので、時間がかかります。バグの発生理由がわからなければ、徹夜で原因を探すこともあります。

この作業はどのゲームを開発・リリースしても起こりうるので、「ゲーム会社はやめとけ」といわれるのかもしれません。

平均年収が579.8万円と業務量に比べ安いから

ゲーム会社はやめとけと言われる理由4つ目は、平均年収が579.8万円（※）と業務量に比べ安いからです。

国税庁の調査によると令和4年の日本企業の平均年収は458万円※なので、比較すると高い年収に見えます。

しかしあくまでも平均年収のため、勤務歴や担当業務によってはさらに年収が低くなる可能性があります。

【ゲーム業界と日本企業の平均年収比較】
ゲーム業界の平均年収（ゲームクリエイターの場合）	579.8万円
日本企業の平均年収	458万円
ゲーム業界の平均年収は日本の平均年収よりも、121.8万円分高い

残業が多く納期も厳しい環境だと、ゲームが好きでも仕事を続けるのは難しいと思う方は少なくありません。

ハードワークだと体やメンタルを壊してしまう可能性もあるため、離職する人も多いのです。

関連記事：任天堂の年収は？職種ごとの平均年収や人事制度について解説

別業界の転職に不利だから

ゲーム会社はやめとけと言われる理由5つ目は、別業界の転職に不利だからです。

ゲーム業界で重宝されるスキルや知識は別業界では活かしにくい傾向です。そのため、異業種に転職する際は年収が下がることを意識して転職活動しなければいけません。

年収を下げたくない場合は同業界に転職するか、ゲーム会社で身につけたスキル・知識が活かせる職種に挑戦した方が良いといえます。

20〜30代であれば未経験枠で転職可能です。しかし、40代以上になると、別業界への転職は難しくなるので気をつけてください。

ゲーム業界の仕事は別業界への応用が難しいと思われているので、「ゲーム会社はやめとけ」といわれるのかもしれません。

ゲーム会社に向いている人の特徴

ゲーム会社に向いている人の特徴は、以下の4つです。

これらに当てはまっていれば、ゲーム会社で活躍できる可能性があります。

コミュニケーション能力を活かしたい人

ゲーム会社に向いている人の特徴1つ目は、コミュニケーション能力を活かしたい人です。

ゲーム制作・開発するにはゲームプランナーを始めさまざまな人と協力し、時には意見交換する必要があります。そのためメンバーと円滑なコミュニケーションを取れる人は、社内で重宝されます。

定期的にコミュニケーションを取っていれば、色々なトラブルを未然に防げるためです。

接客や営業経験があるほか、年齢関係なくコミュニケーションを取れる人はゲーム会社に向いているといえます。

チームで働くのが好きな人

ゲーム会社に向いている人の特徴2つ目は、チームで働くのが好きな人です。

ゲーム会社の業務は、基本的にチームで担当します。

ゲーム制作・開発をスムーズに進めるためには、メンバーとの連携が欠かせません。相手の気持ちを汲み取るのが得意な人やチームをまとめた経験がある方には向いているといえます。

頻繁に意見交換する機会があるので、一人でコツコツ作業したい方は別業界に就職・転職した方が良いでしょう。

モノづくりが好きな人

ゲーム会社に向いている人の特徴3つ目は、モノづくりが好きな人です。

ゲーム業界は、ユーザーを楽しませるために頻繁にゲームを制作・開発しています。

新しいゲームを生み出すためには、柔軟な発想力や想像力が必要です。

自分が作ってきた作品からヒントを得て、新しいゲームのアイディアが思いつくかもしれません。

そのため、モノづくりが好きな人はゲーム業界で活躍できる可能性があります。場合によってはゲーム業界の発展に貢献できるかもしれません。

妥協しない人

ゲーム会社に向いている人の特徴4つ目は、妥協しない人です。

ユーザー満足度の高いゲームを完成させるためには、細部までこだわる必要があります。

例えば以下3つのことを注意深く確認できる人は、ゲーム会社に向いているといえます。

一つひとつは小さな問題でも、放置してしまったらゲームユーザーの不満を招き、炎上してしまう可能性があります。

作品をより良いものにするために、最後まで妥協しない方はゲーム会社で重宝されるでしょう。

ゲーム会社に向いていない人の特徴

ゲーム会社に向いていない人の特徴は以下のとおりです。

これらに当てはまる人は、別業界に就職・転職した方が良いでしょう。

一人でコツコツ仕事がしたい人

ゲーム会社に向いていない人の特徴1つ目は、一人でコツコツ仕事がしたい人です。

プログラミングやバグの発見など一人で作業を進める業務もあります。

しかし基本的には、ゲームの制作・開発はチームで担当することが多いです。定期的にメンバーとコミュニケーションを取ったり、意見交換をしたりする必要があります。

そのため、一人でコツコツ仕事がしたい人にはゲーム会社に向いていません。

すぐに諦めてしまう人

ゲーム会社に向いていない人の特徴2つ目は、すぐに諦めてしまう人です。

バグを修正したり、原因を追求したり、ゲームのクオリティをアップさせるためには、根気強く働く必要があります。

バグを見つけたり、キャラクターのセリフに誤字・脱字がないか確認したりするのは大変です。それらを放置してゲームをリリースしてしまうと、重大なミスにつながる可能性もあります。

それに伴いユーザーからクレームが来る可能性も否定できません。

制作したゲーム会社の評判を下げてしまうので、すぐに諦めてしまう人はゲーム会社に向いていないといえます。

モノづくりが嫌いな人

ゲーム会社に向いていない人の特徴3つ目は、モノづくりが嫌いな人です。

ゲームをリリースした後は、また別のゲーム制作・開発に携わります。

「今リリースされている作品よりも魅力的なモノをつくりたい」という思いがなければ、長続きしないでしょう。

ゲーム会社に勤務している人はモノづくりが好きな方も少なくありません。ゲーム制作・開発に対する温度感が他のメンバーと違うと、周りから浮いてしまう可能性があります。

そのためモノづくりが嫌いな人はゲーム会社に向いていないでしょう。

長時間労働ができない人

ゲーム会社に向いていない人の特徴4つ目は、長時間労働ができない人です。

特にゲームの大型アップデート前、リリース前、試作発表前や繁忙期の場合は深夜残業しないといけない可能性があります。

また就職先のゲーム会社が人手不足だと、休日出勤を頼まれる可能性も出てきます。

近年では、在宅ワークの普及や働き方改革関連法により、残業時間の軽減に成功した企業が多いです。

しかし残業がゼロになったわけではないので、家庭の事情で長時間労働ができない人はゲーム会社に向いていないでしょう。

未経験者がゲーム会社に就職・転職するなら転職エージェントがおすすめ

未経験者がゲーム会社に就職・転職するなら、転職エージェントの利用をおすすめします。

未経験者でもゲーム業界に応募できる転職エージェントは以下の3つです。

本章では各転職エージェントの特徴を解説します。

自分にあった転職エージェントを利用してみてください。

手厚いサポート体制を完備！「ギークリー（Geekly）」

ギークリー（Geekly）は、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントです。

首都圏エリアの求人が多く、独占求人を含めると2万件以上の求人が掲載されています。

【取り扱い求人例】

会社名	職種	年収
株式会社バンダイナムコオンライン	イラストレーター	〜800万円
PUBG JAPAN株式会社	コンテンツ企画	〜700万円
株式会社セガ	ゲームプランナー	〜800万円
株式会社WFS	3DCGデザイナー	〜800万円
株式会社ネクソン	バックエンドエンジニア	〜800万円

豊富な業界知識を持ったエージェントがしっかりサポートしてくれるので、転職経験がない方も安心して利用できます。

掲載求人の中には「リモート勤務が多い」という好条件なものも多いため、職場環境の良い会社へ働きたい方にもおすすめです。

ファミ通ドットコムと連携して運営中！「ファミキャリ！」

ファミキャリ！は、クリーク・アンド・リバー社とファミ通ドットコムが連携し、運営している転職エージェントです。

定期的に転職イベント・交流イベント・セミナーも開催しており、ゲーム業界の知識を身につけられるのも強みです。

大手企業の募集が多く、全国エリアの求人を掲載しています。

【取り扱い求人例】

会社名	職種	年収
ソレイユ株式会社	ゲームデザイナー	年収300万円〜
株式会社ハ・ン・ド	ゲームUIデザイナー	年収300万円〜
株式会社スクウェア・エニックス	モーションキャプチャースタジオエンジニア	年収300万円〜
ポールトゥウィン株式会社	ゲーム・エンタメ事業部のデバッグリーダー	年収300万円〜
プラチナゲームズ株式会社	エンジンプログラマー	年俸制

ゲーム業界未経験者も利用できますが、公式サイトで「未経験者からゲーム業界の就職・転職は難しい」と記載しています。

そのため、未経験者歓迎の求人は少なめです。

2024年4月11日現在、未経験者OKの求人数は、85件でした。

ゲーム業界への就職・転職を成功させるなら、ギークリー（Geekly）やワークポートも併用しましょう。

異業種からゲーム業界に転職したいなら「ワークポート」

ワークポートは、異業種からゲーム業界に転職したい方におすすめの転職エージェントです。

掲載求人は8万件以上あり、そのうちの3,000件が未経験者を歓迎しています。

取り扱い職種はエンジニアからデザイナー、企画職、シナリオライター、サウンドクリエイターまでとさまざまです。

【取り扱い求人例】

会社名	職種	年収
株式会社Cygames	サウンドデザイナー	年収400万円〜
株式会社スパイク・チュンソフト	プランナー	年収240万円〜
グリーエンターテインメント株式会社	サーバーサイドエンジニア	年収350万円〜
株式会社マトリックス	プロデューサー	年収400万円〜
株式会社Without	ゲームプランナー	年収270万円〜

またリクナビNEXT『GOOD AGENT RANKING ～2022年度下半期～』（2022年10月～2023年3月）にて、『転職決定人数部門 第1位』を受賞した実績もあります。

利用者からの満足度も高いため、活用してみてください。

関連記事：ゲーム業界に強いおすすめの転職サイト・エージェント11選｜未経験やキャリア向けに解説

ゲーム会社に関するよくある質問

ゲーム会社に関するよくある質問をまとめました。

ゲーム会社に就職・転職するために必要なスキルや知識はなんですか？

未経験者からゲーム会社に就職・転職する時に必要とされるスキルや知識は、希望職種によって異なります。

職種	未経験からの就職・転職は可能か	必要なスキル・知識
ゲームプロデューサー、ゲームディレクター	不可能	ゲーム業界での就業経験 リーダー経験 ゲームディレクター、ゲームプランナー、アシスタントプロデューサー経験 コミュニケーションスキル プログラミング知識など
ゲームデザイナー	可能	コミュニケーションスキル デザインスキル プログラミングの基礎知識
シナリオライター	可能	柔軟な発想力
ゲームプランナー	可能	企画力 ストーリー作成スキル
ゲームプログラマー	不可能	プログラミングスキル
デバッガー	可能	基本的なゲーム開発知識

未経験者は開発後のゲームをプレイし、バグを探す「デバッガー」の仕事に応募するのが良いでしょう。

ゲーム会社の平均年収はどれくらいですか？

ゲーム会社の平均年収は、ゲームクリエイターの場合579.8万円です。

未経験者や担当業務によっては、年収が低くなります。

ゲーム会社の平均残業時間はどれくらいですか？

ゲーム会社の平均残業時間は、2023年で24.4時間でした。

閑散期と繁忙期によって残業時間は変動します。閑散期の場合、定時で退社できる可能性が高いです。

しかし、ゲームの大型アップデート前、リリース前、試作発表前や繁忙期の場合は深夜残業が発生する可能性もあります。

未経験者でもゲーム会社へ就職・転職できますか？

未経験者でもゲーム会社への就職・転職は可能です。

ゲーム業界の転職ノウハウを保有している転職エージェントを利用すれば、就職・転職に成功する可能性がアップするでしょう。

さまざまな転職エージェントの中で未経験者におすすめなのが、先ほどご紹介した以下の3つです。

詳しくは「未経験者がゲーム会社に就職・転職するなら転職エージェントがおすすめ」をご確認ください。

ゲーム会社はやめとけと言われる理由まとめ

本記事では、ゲーム会社はやめとけと言われる理由を解説しました。

しかし、近年ではゲーム業界の職場環境が改善されており、残業時間の軽減に成功しています。

そのため、ゲームが好きなら挑戦してみる価値はあります。

また以下の特徴に当てはまっていれば、ゲーム会社に向いているといえるでしょう。

ゲーム会社への就職・転職を希望する方は、未経験者でも利用できる転職エージェントを活用してみてください。