未経験の仕事に転職する場合の年収は下がる?年収ダウンする際の交渉方法を解説

藤原友亮
           
編集者
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未経験の仕事に転職すると年収が下がるのは仕方ないかな?
年収を下げないコツはある?

「新しい仕事に挑戦したいけど、年収が下がらないか心配」と多くの方が考えているのではないでしょうか。

結論、未経験の仕事に挑戦する場合年収が下がるケースが多いので注意が必要です。

しかし、年収比較で大事なのは、現在との年収比較よりも転職した後の年収を見るほうが大切です。

仮に現在よりも年収が低い会社で働いても、働いていくことで年収が上がれば、収入を増やすことができます。一方、現職よりも高い年収でもなかなか給料アップが難しい場合、結果的に年収が上がらないケースもあります。

とはいえ、どの業界・職種がどのくらいの年収をもらっているのかを理解することは簡単なことではありません。

そこでまずは自分の現在の適性年収を理解することで、どの業界に転職すれば長期的にみて年収アップを実現できるかキャリアプランを作ることができます。

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    この記事の執筆者
    藤原 友亮 氏 ライター・ディレクター
    テレビ番組の制作の仕事から26歳で、営業職に就職。
    未経験ながら入社3年目からセールスマネージャーに就任し、年平均100社以上から契約を獲得。

    現在は法人を設立し、記事作成のほか営業コンサルティングなども行う。

    関連記事:未経験転職に強い転職エージェントおすすめ10選|未経験へ転職する時のポイント

    目次

    未経験の仕事に転職すると年収は下がるか

    未経験の仕事に転職した経験がある人を対象に行った調査結果によると、年収が「上がった」という回答が34.6だったのに対し、「下がった」と回答した人は51.2にのぼりました。

    年収が下がった理由を尋ねたところ、前職より基本給や賞与が少ないことに次いで「未経験の仕事だったから」という回答が多く寄せられています。(出典:ビズヒッツ

    一方、転職した人全体の傾向を調べた厚生労働省の調査では、前職より賃金が増加した割合は34.9%、減少した割合は33.9とほぼ変わりませんでした。(出典:令和4年雇用動向調査結果|厚生労働省)

    藤原友亮

    2つの調査の比較から、未経験の仕事に転職すると年収は下がりやすいと言えます。

    年収が下がる転職の特徴

    未経験の仕事であることに加えて、以下のような条件が重なるとより年収が下がりやすい状況になるでしょう。

    順番に解説します。

    異業種・未経験の業界へ転職した

    同業他社、同職種への転職はキャリアップにつながりやすく、収入も増えやすいと言われます。

    その反面、これまでのキャリアと異なる業種で、未経験の業界を選んだ場合には、待遇がよくなることはあまり期待できません。

    企業にとって即戦力とは言えない人材は、育成に時間がかかるためやむを得ないと言えます。

    また金融や住宅、マスコミといった給与水準が高い業界から、その他の一般的な業界に転職した場合には、同じぐらいの経験年数やポジションであっても年収がダウンする可能性が考えられます。

    残業や時間外手当がない

    働き方改革によって、以前より残業時間が減った職場も少なくありません。

    基本給や賞与は変わらなくても、時間外手当がなくなることで年収が下がることも考えられます。

    みなし残業が給与に含まれる場合もあるため、前職と比較して時間外手当がどう変わるか調査し、予測するのがよいでしょう。

    藤原友亮

    私は転職前、月40~50時間程度の時間外手当が支給されていましたが、転職後はゼロになりました。
    実際には時間外手当がなくなった給与明細を見てからインパクトの大きさに気づきました。

    大企業から中小企業へ転職した

    一般的な傾向として、大企業と中小企業を比べると企業規模の大きいほうが給与水準は高くなります。

    これまでの勤務先よりも、従業員数や売上規模の少ない企業に転職することは、年収が減る一因になるでしょう。

    さらに上場企業には持ち株制度をはじめ、福利厚生も充実していることが多くみられます。

    一方で急成長するスタートアップでは、給与が大きく上昇する場合や、上場によって莫大な利益がもたらされる可能性も秘めています。

    勤務地を都会から地方へ移した

    東京や大阪、名古屋といった都市部と地方を比較すると平均賃金には差がつきます。

    Iターン・Uターンなどで都会から地方へと拠点を移す人もいますが、転職すると年収ダウンになる可能性があるでしょう。

    ただし、地方では家賃をはじめ生活費も安くなることが多いので、額面ほど悲観する必要はないかもしれません。

    年収ダウンを提示された場合の対応

    年収を含めた待遇面の条件提示は、選考が進んでからというケースも多いようです。

    入社の意志はあるものの、現在よりも年収が下がると分かったらどのような対策を取ればよいでしょうか。

    以下で解説します。

    入社後の給与体系を確認する

    入社時の給与が希望額に届かないとしても、活躍が認められれば早く昇給することもあります。

    給与体系や昇給のタイミングと条件を調べておくとよいでしょう。

    企業にとっては、未経験者に対していきなり好待遇を保証するのは慎重にならざるを得ません。

    勤続年数の長い社員より、未経験者に高い給料を支払った場合には周囲も納得しないため、早期に成果を出そうとする姿勢が何よりも大切です。

    家族とよく相談する

    結婚し、子どもがいる家庭では転職活動を進めるために家族、特にパートナーの理解は欠かせません。しかし収入が減る転職は賛同を得られにくいのも事実です。

    パートナーも働いている場合には、互いの協力によって減収分を補えることもあるでしょう。

    また先述のとおり、一時的に年収が減っても活躍次第ではすぐに昇給して取り返せる可能性があります。

    固定費を削減して生活を見直す

    転職を優先した結果、収入が下がると見込まれるときは、早めに固定費の削減に着手しましょう。

    家賃や通信費などのほか、最近ではサブスクリプションサービスにかかる費用も年間で換算すると決して小さな金額ではありません。

    家計の収支バランスが崩れないように、ときには我慢も求められます。

    年収ダウンを許容できるケース

    未経験の仕事には思わぬ適性が隠されているかもしれません。

    経験がある仕事にイヤイヤ取り組むよりは、未経験でも意欲をもって働ける仕事のほうが活躍できる可能性も高まるでしょう。

    短期的な年収ダウンを受け入れても影響が少ない、または長期的にはメリットが得られるケースは以下のとおりです。

    数年後の年収アップが見込める場合

    事業成長が見込まれ、給与体系も成果と連動している場合など、近い将来に年収アップが見込める場合には、一時的な年収ダウンを気にする必要性は低いでしょう。

    藤原友亮

    転職直後は年収10%ほど落ちましたが、2年後にはV字回復できました。
    セールスマネージャーになったことで基本給が上がったためです。
    転職先の業績がよかったので、賞与も多く支給されました。

    目指したいキャリアを実現できる場合

    長い社会人人生において、自身が到達したいキャリア像を描いてみましょう。

    そのなりたい姿に近づくには、スキルや経験を積み重ねるのはもちろん、人脈や運といった要素も重要になります。

    もし転職先で新たに得られる知識や技術、ノウハウに価値があると考えれば、短期的な年収ダウンを受け入れてもよいでしょう。

    カリスマ性のある経営者を支える、尊敬できるマネージャーのもとで学ぶなど、将来の目的が明確ならば自身も短期間で驚くほど成長できるかもしれません。

    年収ダウンと引き換えに得られる自由がある場合

    収入が減ることで、人生の魅力が失われるわけではありません。

    「時間外労働がなくなった分、手当が減った」というケースでは、お金の代わりに自分が自由に使える時間が増えるという見方もできます。

    この時間を使って資格取得に励んだり、ビジネススクールに通って仕事では得られない新たなスキルを身につけたりすることも可能です。

    人材としての価値を高めることで、将来の収入アップにつながると期待できます。

    また副業が認められている環境なら、本業の収入の不足分を別の仕事で補うという方法もあります。資格の勉強などと同じく、個人で稼ぐ力を身につけることにもつながります。

    藤原友亮

    未経験の仕事でも、副業ならリスクが少なく挑戦できます。
    私は本業と無関係のライターを副業で始めて、結局は退職して独立
    副業が本業になったパターンです。

    年収アップにこだわったほうがよいとき

    短期的には年収ダウンを悲観する必要はないとお伝えしましたが、以下のケースに該当する場合は、注意が必要です。

    条件の改善を求めるか、もしくは選考を辞退することも視野に入れてもよいでしょう。

    正当な評価を受けていないと感じた

    転職希望先から条件の提示を受けた際に、自身のキャリア、経験やスキルが評価に反映されていないと感じることがあるかもしれません。

    未経験者として扱われるため、自己評価とのギャップは一定の確率で起こるでしょう。

    極端な例として前職で5年の社会人経験があるにもかかわらず、転職先で「新卒社員と同じ給与体系を適用する」と言われた場合、5年分の経験値はまったく考慮されていないことになります。

    入社後に昇給する可能性はありますが、現時点で納得がいかなければ安易に受け入れるべきではありません。

    仕事内容に強いやりがいを感じなかった

    業務のモチベーションは、仕事のやりがいやもらえる給与によって影響されます。

    未経験の仕事ということは、具体的な業務内容を思い描くのは難しいため、転職前から強いやりがいを感じられないこともあるでしょう。

    就業開始後に思っていたよりやりがいが感じられない場合に、給与もダウンしてやる気がわかない状態は不健全です。

    無条件で「未経験だから給与ダウンは仕方ない」と思い込むのはおすすめしません。

    キャリアパスが描けないと感じた

    転職先に「自分も将来こうなりたい」と思える上司や先輩がいるか、よく調べましょう。

    こうした存在が見当たらない場合、入社後に理想的なキャリアパスが描けない可能性が高くなります。

    そのような環境で、給与が下がったままで働き続けるのは困難でしょう。収入面でのモチベーションを保てるように、再交渉しましょう。

    未経験の転職でも年収を下げないコツ

    未経験でも企業から「ぜひ欲しい」と思ってもらえれば、はじめから希望年収が保証される可能性はあります。

    転職活動を進めるうえでの大切なコツを紹介します。

    経歴やキャリアが評価される場所で働く

    未経験の仕事でも、これまでのキャリアを評価してくれる会社はあるはずです。

    こうした会社は、能力に見合った給与の支払いを惜しみません。

    「業界は未経験だが営業職として成果を残してきた」「マーケティング職は初めてだがIT業界に詳しい」などこれまでの専門性を活かせる環境なら、即戦力に近い存在として給与にも反映されやすくなるでしょう。

    自身の経験とスキルが、新しい職場でどう活かせるかを採用面接でうまく伝える力が必要です。

    藤原友亮

    「私のこの業務経験が御社のこんな業務でも活かせると思っている」
    自分の強みと想定している業務を結びつけると印象がよくなるはずです!

    成長している業界や企業へ転職する

    成長している業界や会社は、常に積極的な採用活動をおこなっています。

    特に人材不足とされる業界では、他社に先駆けて人材を確保しようとするため、より高い年収で求人が出されているケースもあるでしょう。

    また業績の拡大スピードが目覚ましい企業では「あらゆる職種の人材が欲しい」などと、オープンポジションでの採用をおこなうケースも見られます。

    未経験者でも採用されやすいので、狙い目と言えます。

    転職エージェントを活用する

    未経験の仕事に挑むなら転職エージェントを活用して、情報収集や自己分析、実際の転職活動を進めることをおすすめします。

    とにかく幅広いジャンルから適切な求人を紹介してくれる総合型エージェント、特定の業種や職種に強い専門型エージェントから何社か登録してコンタクトをとってみましょう。

    その中で自身と相性の合うエージェントをメインに活用すると、効率的に転職活動を進められます。

    自己分析や求人紹介、応募書類の作成サポートなどさまざまなサービスが受けられますが、転職先との条件交渉もおこなってくれます。

    「自分では給与の交渉はしづらい」という方でも、転職エージェントが客観的に交渉してくれるので安心です。

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    関連記事:マイナビエージェントの評判はひどい?口コミや利用におすすめな人を解説

    未経験の転職の年収に関するよくある質問や悩み

    最後に未経験転職する際の年収に関するよくある質問にお答えします。

    未経験の仕事に転職すると年収はどのくらい下がりますか?

    未経験の仕事に転職した経験がある人を対象に行った調査結果によると、約半数の人が「年収が下がった」と回答したデータがあります。

    未経験の方は、2030%年収が下がるケースもあります。(出典:ビズヒッツ

    未経験の転職でも年収を上げるにはどうしたらよいですか?

    未経験でも、これまでのキャリアでの経験やスキルを評価してくれる企業を探すのがよいでしょう。

    またそもそも、求人の多い業界や企業では、未経験も積極的に採用しているため給与アップが期待できるかもしれません。

    未経験の仕事で年収はいつ確認すべきですか?

    最終選考のときや内定通知の際に企業側から説明、提示があるのを待ったほうが無難です。

    求人票に給与が書いていない場合を除いて、選考の初期段階で細かく質問するとよい印象を持たれない可能性があります。

    また転職エージェントを通じて確認する、希望を伝えるほうがスマートと言えるでしょう。

    未経験の転職で年収が低いからという理由で辞退してもよいですか?

    雇用契約を結ぶうえで給与は大切な要素です。未経験であっても、自身が納得できない年収で入社する必要はありません。

    最低限の希望額を伝えても、企業の事情で折り合いがつかない場合には丁重に辞退しましょう。

    まとめ

    未経験の転職では年収がダウンする割合がやや高くなりますが、企業側の条件次第、こちらの伝え方次第では年収アップを実現することも可能です。

    自分ひとりで自分に合っている求人を探すことから年収交渉まですべておこなうのは簡単なことではありません。

    だからこそ、転職エージェントを頼って、より有利に、また自身を高く評価してくれる企業を選ぶことをおすすめします。

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