ハードワークで有名な記者は、仕事とプライベートの差が大してありません。仕事にやりがいを感じていたとしても、激務が続くと転職を考えるきっかけになるものです。
転職をするには、転職先選びに失敗しないことが肝心です。
本記事では転職を検討する理由や記者のスキル、おすすめの転職先について解説するので、ぜひ最後までご覧ください。
記者が転職を検討する理由
エリートな職業ともいわれる記者を、辞めたいと思うのはどうしてなのでしょうか。
まずは、記者が転職を検討する理由を5選紹介していきます。
締め切りがきつい
新聞記者の場合、毎日刊行されるため、締め切りが毎日あるということになります。
締め切りにようやく間に合ったとしても、またすぐ次の締め切りに間に合わせなければなりません 。
いつも締め切りの緊張感のあるなかで取り組むことに、次第にストレスが溜まり転職を検討するようになります。
激務でプライベートが充実できない
記者の仕事は警察回りや張り込み取材、夜遅くや早朝に取材先へ出かけるなど、多くの時間とエネルギーを必要とします。ストレスや睡眠不足などもあるため、体に不調をきたすことも珍しくありません。
仕事のオンとオフがつけられないほどの長時間勤務もあり、社会に何らかの動きがあれば即座に動かなければいけないこともあります。
プライベートを充実させたいと考えると、記者の仕事を辞める方向に決意が固まっていくでしょう。
新聞・出版業界の将来が不安
近年はインターネットやスマホの普及によって、新聞の購読数は非常に減っている状態です。若い世代のほとんどはネットニュースを利用するようになったため、新聞業界の先行きに不安を感じて転職を検討することがあります。
以前は花形職業といわれていましたが、最近では新聞各社や出版社は斜陽産業へと追い込まれる日が近づいていると考えている方は少なくありません。
業界に将来性がないなら、少しでも若いうちに転職活動をしたほうが困らないと思い、転職を考え始めます。
記事の情報がつかめない
記者にとって情報を集めることは困難な仕事のひとつであり、難しさに挫折を感じる方が多くいます。
有能な記者であっても最初から豊富な情報のネットワークがあるわけではないため、人脈は地道に広げなければいけません。
また、不祥事や事件事故といったニュースの場合は、取材を受けられないこともあります。そのため、夜討ち朝駆けを行いますが、それでも情報が取れないこともよくあるので、情報をつかむことの難しさに記者の仕事をつらく感じて転職を考えるようになります。
転職で活かせる記者のスキル5選
転職活動では、自分が持っているスキルや能力を転職先でどのように活かせるかをアピールすることが大切です。
記者の方が転職で活かせるスキルを5選紹介するので、自己アピールや志望動機を作成するときの参考にしてください。
文章力
記者は限られた紙面のなかで、限られた文字数で伝えたいことを記さなければいけません。記事を書くことが仕事の記者は、一般の方よりも高い文章力を持っていることが強みです。
文章力がある方は、文章で的確な言葉や表現を選択でき、意図やメッセージを正しく伝えることができます。誰が読んでもわかりやすい文章を構成する能力は、記者ならではのスキルです。
語学力
外国語の題材を扱っていたのであれば、記者の仕事で培ってきた語学力をアピールすると転職活動に有効です。
以下の事柄に該当する方が語学力の高い方といえます。
- 外国語を読む・聞くことで理解できる
- 語学に関する基本的な文法や構文、単語がわかる
- 自分の伝えたいことを外国語で表現できる
知識以外にも、ネイティブに近い発音で会話ができるスキルも重要です。語学力は転職先に高いスキルとして評価されやすいので、自信を持ってアピールしていきましょう。
体力・精神力
激務である記者の仕事は、体力や精神力がおのずと鍛えられているでしょう。
どの職種でも体力や精神力は必要なので、早朝から深夜にかけて取材をすることにも慣れている記者は「少しのことでは辞めない」と評価されることが少なくありません。
記者時代に経験した大変だったことや、どのように乗り越えたのかをうまく説明できれば、採用担当者に好印象を与えることができるはず。面接ではネガティブな内容ではなく、前向きに頑張ったことをアピールするようにしましょう。
また、事件があればどこでも駆けつけるフットワークの軽さも記者ならではの魅力です。特に営業職への転職に有効なスキルなので、転職を検討している方は上手にアピールしてみてください。
専門的な知識
記者の仕事は、専門分野の知識や深い分析力が身に付きやすいといった特徴があります。
専門的な知識は転職活動の際に有利に働くスキルのひとつなので、自分の知識を活かせる転職先を考えてみましょう。
また、さまざまな分野の一般教養やビジネスモラルを身に付けていることも、転職において評価されるアピールポイントです。
コミュニケーション力
記者は記事を書くために、取材対象から情報をつかみ事実確認を行います。取材対象から情報を得るには、どのようなスキルよりもコミュニケーション能力が必要になります。
コミュニケーション能力がない記者には、情報を話したくないと考える方が少なくありません。そのため、取材活動をおもに行ってきた記者は、高いコミュニケーション能力をアピールすることができます。
また、情報を得るための人脈も、地道に努力を続けて広げてきた記者の強みです。人脈が多いということは、周りの方に信頼されている証拠です。外交能力が高い証拠なので、こちらも存分にアピールしていきましょう。
記者のキャリアを生かせる転職先
ここからは、記者のキャリアを活かせる転職先を3選紹介していきます。
仕事内容や年収も合わせて紹介するので、これまでの経験を活かしたい方はチェックしてみてください。
ローカル新聞社
大手新聞社の記者をしていたのなら、取り上げるニュースも大きく、情報をつかむために激務が続くこともあるでしょう。
そういった状態に耐えられなくなった場合は、地元に根付いた情報を提供するローカルな新聞社への転職を検討してはいかがでしょうか。同じ記者の仕事なら業務内容が変わらないため、これまでの経験が十分役立ちます。
ローカルな新聞社では、全国紙では小さな記事になってしまう内容でも写真付きで大きく取り上げられることが少なくありません。
全国紙では掲載されることが少ない、地域のイベントや季節の風物詩などを細かく取材することも多くあるので、大手新聞社よりも取材のストレスが軽減できる可能性が高いです。
とはいえ、大手新聞社と比べると年収は減ってしまいます。
読者数が多いエリアのローカルな新聞社でも、650～750万円ほどが相場なので年収を落としたくない方は不満を感じる恐れがあります。
IT関連企業
IT関連企業も転職先としておすすめです。現代は急速にネットニュース市場規模が拡大していることで、紙面以外にもさまざまな媒体からニュースを読めるようになっています。
PCがあればニュースを配信できる時代なので、記者として高い能力があるなら、企業に属さずフリーランスになることも可能です。
今後IT関連企業は需要が高く将来性があり、求人数が多いところも魅力です。時代の最先端で仕事ができるため、やりがいも感じられるでしょう。
IT関連企業の年収は職種によって異なります。職種ごとの年収は以下を参考にしてください。
| 職種 | 平均年収 |
|---|---|
| SE（システムエンジニア） | 約516万円 |
| 営業 | 約450万円 |
| ITコンサルタント | 約590万円 |
| Webライター | 約450万円 |
記者と比べると年収は落ちてしまう場合もありますが、全国平均で考えるとIT関連企業の年収は高めです。
IT関連企業は実力があればどの会社でもどこの国でも働けるため、国外で働きたい方からの人気も高い業種です。
専門学校の講師
専門学校の講師という転職もあります。記者をめざす若い世代に向けて講義を行う仕事は、これまでの経験を活かせる仕事のひとつ。
記者は政治、経済、国際情勢、文化、スポーツなど、豊富な取材経験と知識を持っています。そのため、専門学校以外にも企業や地方自治体などの研修や集まりに、講師として需要もあります。
専門学校の講師であれば、年収はおよそ450万円です。人に教えるのが得意な方や、これまでの経験を誰かに伝えたい方はやりがいを感じる仕事でしょう。
記者からの転職におすすめの異業種
記者とはまったく違った仕事をしてみたいと思う方もいるでしょう。異業種に転職するには、記者で得たスキルを活かすことで採用率を上げましょう。
ここからは、記者のスキルが活かせるおすすめの異業種を3選紹介していきます。
OA事務
記者で積み重ねてきた文章作成能力を活かすなら、OA事務がおすすめです。
OA事務は事務職のなかでも書類作成業務が多いため、構成やわかりやすい言葉選びが得意な方に向いています。
作成する書類は企業によって異なりますが、取引先への案内文書、社内報告書や議事録の作成では、記者の文章作成能力を発揮することができるでしょう。
また、OA事務は土日休みで残業が少ないところが多いため、プライベートの時間を十分確保できます。
しかし、年収はおよそ300万円前後になるので、記者よりもずっと下がってしまいます。年収が下がっても体に無理のない仕事をしたい方は、OA事務への転職を検討してみてください。
営業職
コミュニケーションスキルの高い記者の方には、営業職への転職も人気があります。
営業はノルマがあって大変なイメージがありますが、毎日締め切りに追われていた記者の方であれば難なくクリアできるはず。激務によって鍛えられた精神力や体力は、営業職で十分役に立ちます。
営業の平均年収は約540万円ほどです。しかし、大手の広告代理店では1,000万円ほどと高額な場合もあるので、記者からの年収を落としたくない方は挑戦してみてはいかがでしょうか。
MR
MRは医療情報担当者を指し、製薬会社などで募集をしています。
医療関係者に対して医薬品の効果や副作用などの情報を提供し、病院や薬局などに自社の医薬品の売り込みを行います。未経験からでも転職ができ、医療業界で活躍できることで注目を集めている職種です。
MRは初対面の医師に時間をもらい、医薬品の買い付け契約を結ばなければいけません。記者の方の取材時に行う取材先へのアポイントメントや、取材を拒否する方を説得した経験は、MRでの交渉に効果を発揮します。
最初は相手との距離があり時間がかかるかもしれませんが、記者時代の取材で得た粘り強さや高いコミュニケーションスキルがあれば、難なくこなせるでしょう。
MRは給与水準が高いところも魅力で、平均年収は700～1,000万円を超える方もいます。高収入のため、記者時代の年収を維持して転職できるでしょう。
記者が転職に成功する方法
最後は記者が転職に成功する方法を紹介します。激務な記者の方は、転職をしたくても十分な活動時間が取れないこともあるでしょう。
スムーズに転職活動を行うために、これから紹介する方法を意識したり実践したりしてみてください。
優先順位を付ける
転職に成功するには、希望に沿った転職先選びが大切です。
転職先選びを失敗しないために、希望条件に優先順位をつけてみましょう。
条件については以下を参考にしてください。
- 残業が少ない
- 転勤がない
- 土日祝日が休み
- 年収〇万円以上
- キャリアを活かしたい
- 自宅から通勤しやすい
転職先の候補が複数ある場合、上記のような条件で優先順位を決めておくと、自分の希望に沿った転職先を見つけやすくなります。
やみくもに転職先を探していると多くの時間を要するため、優先順位を決めて効率的に転職先を見つけましょう。
強みを生かせる転職先を探す
記者の経験がある方はさまざまなスキルを兼ね備えているため、強みをアピールすると採用率が高まります。そのためには、自分の強みを活かせる転職先探しがポイントです。
本記事で紹介したように、記者はエリートな方が多いため、持っているスキルや強みも豊富です。
しかし、自分の活かしたい強みだけを意識するのではなく、企業の求めているものとマッチしているかに注目してください。
自分の強みを活かせない職場を選んでしまうと、やりがいが感じられずに再度転職を繰り返してしまう恐れがあります。改めて自分のスキルや強みを整理し、求人情報でマッチしているものを探してみてください。
転職エージェントを活用する
転職活動に時間を割けない方は、ぜひ転職エージェントを活用しましょう。
ここでは記者の方におすすめの転職エージェントを3選紹介します。
リクルートエージェント
転職エージェントを初めて利用するなら、転職成功率No.1のリクルートエージェントがおすすめです。業界最大手のため求人数が圧倒的に多く、非公開求人の数も豊富です。
また、各業界に精通したキャリアアドバイザーが在籍しているので、記者のスキルを活かした転職先を紹介してくれます。転職イベントや企業セミナーなども充実しているため、さまざまなサービスを受けられることも嬉しいポイントです。
マイナビエージェント
20代や30代前半の方には、若い世代の求人数が多いマイナビエージェントが人気です。
マイナビエージェントは非公開求人数が充実しており、独占求人も多数あります。採用率を高める豊富な転職支援があるので、初めて転職を行う方でも安心です。幅広い業種や職種を網羅しているので、記者のキャリアやスキルを活かせる転職先が見つかりやすいでしょう。
doda
dodaは経験者採用や即戦力人材の採用に強みがあるため、転職後すぐに活躍したい方に利用してほしいサービスです。
幅広い業種や職種で専門性を持った方にアプローチしてくれる特徴があり、記者のスキルを活かした求人探しも得意です。登録しておくと企業からスカウトがくることもあるので、まずは気軽に登録をしてみてはいかがでしょうか。
最後に｜記者のスキルを活かせば優位に転職できる
記者の方は文章力や精神力、コミュニケーション能力など、多くの強みを持っている方が珍しくありません。激務をこなしてきたからこそ、採用側にはタフで有能な人材だと思われることも多くあるでしょう。
記者から転職をしたいなら、これまでのスキルを活かせる転職先を探してみてください。自分の強みと企業が求めているものがマッチしていれば、優位に転職できるはずです。
転職先選びに迷ったときは、本記事で紹介した転職先や転職エージェントをぜひ利用してみてください。
