看護師で管理職に就かれている方の中には、仕事量の多さや人間関係などの悩みから管理職を辞めたいと思われている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、管理職を辞めたいと感じている看護師の方向けに、対処法を紹介していきます。

また、転職サービスも紹介しているので転職を検討中の方はぜひ参考にしてみてください。

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看護師の管理職とはどんな職種？

看護師の管理職とは、看護師長・看護部長・看護主任の3つに分けられており、それぞれ業務内容も異なります。

看護主任

看護主任は看護業務の全般を担い、看護師長のサポートや代理業務をおこないます。

所属部署内の人間関係の円滑化をはかり、新人の教育・指導も担当します。

看護師長

看護師長は経営と現場の調整をおこない、部署内では看護環境の向上・整備を担当します。

クレーム・トラブル対応や仲介、シフト管理も担っています。

看護部長

看護部長は経営・運営への参加に参加し、看護師の採用などの人事業務をおこないます。

看護部全体の年間目標や、看護師の教育計画を決定することや看護師の労働環境の改善・整備も看護部長の業務です。

管理職は、現場スタッフのマネジメントから運営側の業務までを担っているので常に忙しいといえます。

その分給料が良いのは確かですが、不満の声が多いのも現実です。

一般的な会社の役職とも似ており、「看護主任＝係長」「看護師長＝課長」「看護部長＝部長」のように当てはめることができます。

看護師が管理職を辞めたい理由は？

看護師のトップである管理職の悩みは、なかなか理解してもらうことが難しい場合が多いです。

そのため、悩みを打ち明けることができずに一人で抱え込んでしまい、負の連鎖から抜け出せないことも珍しくありません。

実際に管理職の方が多く抱えている悩みをご紹介します。

関連記事：看護師を辞めたいときの対処法5選｜辞めたい理由や退職の判断基準も解説

上司と部下の板挟みになる

上司から仕事に対する圧力があるなかで、新人看護師の教育やスタッフのシフト調整などのタスクをこなしていくのが管理職の仕事です。

自分より年上の部下ができることも珍しくなく、接していくなかでやりづらいと感じることもありますが、そんな状況でも、業務目標を達成しなければいけないという責任が重くのしかかります。

管理職って経営とかスタッフの管理とかそういう仕事がメインなのかもしれないけど、患者のこともスタッフのことも病棟の仕組みも理解してないし、もちろん仕事ぶりも見られてない。業務のしわ寄せ全部主任さん。師長として新規の患者に挨拶ぐらいいったらええのに。

— 復帰が嫌な美人でイケメンな黒い看護師 (@kuroikangoshi) September 5, 2019

どんな業界でも上司と部下の板挟みは存在しますが、人との連携が大切な看護の現場では、より一層ストレスに感じてしまいます。

業務内容が多い

3つの管理職すべてに共通して、看護師としての基本業務をやりながらそれぞれの仕事がプラスされるので、必然的に忙しくなってしまいます。

スタッフに対するクレーム処理もトップに立つ管理職の役割で、看護業務とは直接関係のないことも任されています。

また、医療現場の最前線で指揮をとることになり、たった一つのミスが大きな事故になりかねないという重責を感じます。

責任の重さ

管理職になると、その分責任も重くなります。

時には部下のミスであっても自分が責任をとらなければならない場合もあります。

また管理職は患者さんや同僚から頼りにされる一方でプレッシャーに感じる人もいるようです。

恐ろしい話。
しかしおそらく似たような話は全国何処にでもあるだろう。一方で年数関係なく任せられない看護師もおり、全てが年数に依存する訳ではない。
しかしこれくらい客観的にまずい事実が揃っていれば、万が一患者転帰に悪影響が出た時に責任を取るのは管理職だ。 https://t.co/mibeOv25xN

— 澤野豊明(Toyoaki Sawano)|外科医 (@Toyoakisawano) July 28, 2019

職場での人間関係

看護の現場では、20代〜60代まで幅広い世代が働いています。

そのため、価値観や仕事のスタイルなども年代によって異なり、協調性を保つため一人ひとりケアを怠らないよう気を張らないといけません。

基本的に女性の看護師が多い職場ですので、スタッフをマネジメントするだけでも疲れてしまいます。

それがな。。。
管理職も平気で言うんよ。。。
可能じゃないこと。
パワハラやで。
そりゃ看護師辞めたいと口にするやろなぁ〜(′︿‵｡)

— ナースたいふーん　提唱者どすえ (@king65booooo) October 18, 2018

現場での仕事が減る

管理職になると、看護業務はもちろん行うのですが、メインの仕事ではなくなってしまいます。

そうなると、おのずと患者さんと接する機会が減ってしまうので、看護師という実感が薄れてしまう場合があります。

看護師としての実力が認められ管理職になったものの、「こんな仕事をするために看護師になったんじゃない...」と、もどかしさを感じる方も多いです。

管理職の看護師が辛い！辞めたいと感じた時の対処法

責任のある管理職の仕事をしていて、精神的にも肉体的にも辛いと感じることは誰でもあります。

管理職という立場上、周りのスタッフに心配をかけないよう一人で抱え込んでしまいがちですが、かえって逆効果になることも。

辛いと感じている時はどうしても周りが見えなくなってしまい、仕事にも影響が出てきてしまうので早急に対処しましょう。

上司に相談する

もし現在の仕事で悩んでいたら、まずは直属の上司に相談してみましょう。

軽い悩みでしたら相談することで楽になるケースも多いので、同期や仲の良いスタッフに相談してみてもいいのですが、辛いと感じるのであれば、同じ悩みを経験している上司に相談した方が親身になって的確なアドバイスをしてくれます。

また、上司に悩みを打ち明けることで業務内容を軽減してくれる場合もありますので、些細なことでも辛いと感じたらすぐに上司へ相談するのがおすすめです。

関連記事：看護師転職の相談先とは？よくある相談内容や解決方法を紹介

管理職向けの研修に参加する

看護師向けの研修に参加することで、他の管理職の看護師と交流することができ、管理職ならではの悩みを共有できるでしょう。

研修や他の参加者の話が、今の悩みを解決する助けとなるかもしれません。

またマネジメントや部下の指導法など、普段の業務に役立つ有益な情報も得られるでしょう。

専門看護師など現場で活躍できる資格をとる

専門看護師など現場で活躍できる資格を取るという対処法もあります。

専門看護師とは「高水準の看護を効率よく行うための技術と知識を深めて、卓越した看護の実践が可能である」と日本看護協会が認定した看護師です。

5年以上の実践経験を持ち、看護系の大学院で修士課程を修了して必要な単位を取得した後に、専門看護師認定審査に合格することで取得できます。

参考：専門看護師とはどんな資格ですか？｜公益社団法人日本看護協会

専門看護師となることで、管理職の重圧から解放され、高い技術を活かして再び現場で活躍することができます。

看護師が管理職から降りる方法

なかには管理職から降りることを決意された方もいるでしょう。

以下では、看護師が管理職から降りる方法について解説します。

降格願いを出す前に仕事への前向きさをアピールする

降格願いを出す前に、仕事への前向きさをアピールしましょう。

降格を希望する理由としては、業務内容や職場の環境に関することより体調不良や家庭事情など引き止めにくい個人的な理由にする方が納得してもらいやすいです。

同時に、管理職を辞めても看護師として今後の仕事に前向きに取り組むことを伝えておくと好印象です。

引き継ぎを丁寧に行う

管理職の降格が決まったら、引き継ぎを丁寧に行うことが重要です。

引き継ぎには余裕をもって十分な時間をとり、後任に業務内容や注意点、ポイント等を引き継いでおきましょう。

引き継ぎをしっかり行うことで混乱なく新しい仕事に移ることができます。

管理職をしている看護師が転職すべきケース

以下では管理職をしている看護師が転職すべきケースをご紹介します。

これらのケースに当てはまったら転職を検討したほうが良いでしょう。

職場環境が改善されない

上司に相談してみたり、自分なりに業務の改善を図ったりしたものの職場環境が変わらず、今後も改善される見込みがなかったりする場合は転職すべきです。

現在の職場環境が変わらないならば、早めに自分に合った働き方ができる職場を探すことをおすすめします。

心身ともに負担が強く限界を感じている

心身ともに管理職を続けることの負担が強く、限界を感じているのならばすぐに転職を考えましょう。

強い負担を抱えながら仕事をしていると、体調を崩してしまうおそれがあります。

限界を感じたら、無理に管理職を続けずに自身の健康を優先しましょう。

管理職の仕事が好き

管理職の仕事は好きだけど、現在の職場で管理職は続けたくないという方にも転職をおすすめします。

現在の職場の人間関係や労働環境が合わないと感じている人もいるでしょう。

管理職の仕事自体が好きならば、環境を変えることで今までの以上の活躍ができるはずです。

管理職の転職をサポートしてくれる看護師向けサービス

ここでは転職を決意した際におすすめの転職エージェントをご紹介します。

転職エージェントは登録したら必ず転職しなければいけないわけではないため、相談相手や情報収集として利用することも可能です。

登録は無料なので、気になるエージェントがあれば一度登録することをおすすめします。

レバウェル看護

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）

看護師ワーカー

管理職を辞めたい看護師からよくある質問

最後に管理職を辞めたい看護師からよくある質問を２つご紹介します。

師長や主任に向いていない看護師の特徴は？

看護師長や主任は部署内での人間関係の円滑化を図ったり、他の部署とも連携をとったりする機会が多いです。

部下の意見を取り入れながら、部署内をまとめる必要があるので、リーダーシップがとれなかったり、多くの人とコミュニケーションをとったりすることに苦手意識を持っている方には向いていないかもしれません。

円満退職のコツはある？

看護師の管理職を円満に退職するには余裕をもって退職の意思を伝え、引き継ぎをしっかりおこなうことが大切です。

急な退職は十分な引き継ぎも行えず、職場を混乱させてしまう可能性があります。

管理職として最後まで責任をもって業務をおこなうことで円満に退職できるでしょう。

まとめ

管理職の看護師は、リーダーシップを発揮する職業柄、責任感が強く一人で頑張ってしまいがちですが、仕事が嫌いになるほど辛いと感じている場合は、身体に負担がかかってしまうので無理に続ける必要はありません。

業務のことで頭がいっぱいになり、他のことに時間を費やせなくなってしまうのもしょうがないことですが、メリハリをつけ息抜きすることも管理職の大事な仕事です。

身体は何よりも大事な資本なので、限界へ達する前に対策を講じる必要があります。

管理職を辞めることは決してマイナスなことではないので、自分自身と見つめ合う時間を作ってみてはいかがでしょうか。