「異動したばかりだけど仕事が辛い……」
「人事異動してすぐに退職できるの？」

このような悩みをお持ちではないでしょうか。

異動したばかりなものの仕事や人間関係が合わず、退職を考える方は多くいます。

異動したばかりの退職に問題はありませんが、言いづらさや気まずさを感じるかもしれません。円満退職のためには、注意するべきポイントを知っておくことが大切です。

そこで、本記事では異動したばかりで退職を考える理由やメリット・デメリットを解説します。対処法や注意点・スムーズに辞める手順についても紹介しているため、参考にしてください。

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異動したばかりでの退職に問題はない

たとえ異動したばかりでも、会社を辞めることに問題はありません。

働いた期間にかかわらず、労働者には退職する権利があるためです。

無期雇用（一般的な正社員）であれば、2週間前までに退職の意志を伝えると、会社の同意がなくても退職が可能です。

第六百二十七条　当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

（引用：民法第627条）

異動先の人間関係もまだ構築されておらず、業務上の影響も大きくないため、異動したばかりのほうがかえってスムーズに辞められる可能性があります。

異動したばかりで退職を考えてしまう理由

異動したばかりで退職を考えてしまう理由として、次のことが挙げられます。

一つずつ見ていきましょう。

業務内容が合わない

まず、異動したことでこれまでと異なる業務内容になることが考えられます。

場合によってはゼロから覚えなければならず、もともと知識や興味がない分野ではモチベーションも上がらないのも無理はありません。

異動前の業務内容が自分に合っていたなら、なおさら辛く感じてしまうでしょう。

人間関係が合わない

異動すると人間関係がリセットされるため、新たに構築する必要があります。

中には合わない人がいたり、パワハラやいじめにあったりすることも考えられるでしょう。

エン転職の「職場の人間関係意識調査」によると、転職経験者の半数以上が「人間関係が転職のきっかけになったことがある」と回答しています。

それだけ、仕事における人間関係は重要であり、人間関係が合わないことで退職を考える人も多いといえます。

関連記事：職場の人間関係が合わない・疲れたから会社を辞めたい時にすべき行動とは？

キャリアアップできない

異動先でキャリアアップが見込めないことも、退職を考える原因の一つです。

やりがいを感じられない仕事内容ではモチベーションも低下し、今後頑張っていく気力が湧かないのも当然だといえます。

通勤や日常生活に支障が出た

異動によって、通勤や日常生活に支障が出るケースもあります。

異動には引っ越しをともなう場合も多く、それによって通勤時間が伸びたり、プライベートの時間が減ったりすることもあるでしょう。

会社によっては定期的に異動があるため、異動のシステムそのものが自分に合わないと感じる可能性があります。

異動したばかりで退職するメリット・デメリット

ここでは、異動したばかりで退職するメリット・デメリットを見ていきましょう。

異動したばかりで退職するメリット

異動したばかりで退職するメリットは次のとおりです。

異動したばかりではまだ仕事を覚えておらず、引き継ぎも発生しないのがメリットです。

また、人間関係も構築できていないため、面倒な思いをしなくて済むでしょう。

早めに方向転換ができ、本当に就きたい仕事に就ければキャリアアップの道もひらけます。

さらに、やりたくない仕事や嫌な職場で感じるストレスもなくなります。

異動したばかりで退職するデメリット

異動したばかりで退職するデメリットは次のとおりです。

早い段階で辞めてしまうと、自分に合っているかを見極められないことはデメリットだといえます。

また、転職グセがついたり、辞めるまで気まずかったりする可能性もあるでしょう。

くわえて、すぐに転職しない場合は経済的に不安定になることも挙げられます。

上記のデメリットも踏まえた上で、退職するか判断するといいでしょう。

異動したばかりで退職する前のチェックポイント

異動したばかりで退職するときは、次のポイントをチェックしてください。

くわしく解説します。

まだ慣れていないだけの可能性がないか

まずは、異動したばかりで、まだ慣れていないだけの可能性も考えてみましょう。

数ヶ月続けると、意外に自分に合っている業務だとわかったり、気の合う人が見つかったりするかもしれません。

一時的な衝動で辞めるのではなく、冷静に判断することが大切です。

異動先で得られるものがないか

異動先で得られるものがないかどうかも、改めて確認してみましょう。

知らなかった分野の知識を得られたり、これまで出会わなかったような人と出会えたりする可能性もあります。

「これまでの仕事のほうが自分に合っている」と感じていたとしても、別の側面から考えてみることが大切です。

家族や友人に相談したか

退職する前に、家族や友人に相談してみるのも方法の一つです。

自分では「辞めるしかない」と思っていても、第三者の視点から異なる意見をくれるかもしれません。

辞めたほうがいいのか残ったほうがいいのか、客観的な意見が参考になるでしょう。

ほかにやりたい仕事や希望条件があるか

ほかにやりたい仕事や希望条件があるかどうかも重要です。

目標や今後のキャリアプランが明確になっていれば、転職活動もスムーズに進められるでしょう。

ただ「嫌だから」という理由では、辞めても同じ繰り返しになる恐れがあるため注意してください。

転職先が決まっているか

辞める前に、転職先が決まっていることが理想的です。

闇雲に辞めてしまうと経済的に不安定な状態になり、転職活動にも焦りが生まれてしまいます。

転職活動は在職中から始めておき、目処が立ってから退職を伝えるようにしましょう。

異動したばかりで退職したいときの対処法

異動したばかりで退職したいときは、次の対処法を試してみてください。

一つずつ解説します。

1ヵ月続けてみて判断する

辞めたいと思っても、まずは1ヵ月続けてみて判断するのがおすすめです。

異動したばかりでは本当に自分に合っているかわからず、機会損失する可能性があります。

そのうえで、やはり合わないと判断できたら、改めて退職を検討してみてもいいでしょう。

人間関係を構築する

異動したら、まずは人間関係を構築する努力をしてみましょう。

気の合う人が職場に一人いるだけで、働きやすさは変わります。

反対に、味方がいない職場で働くことは大きなストレスにつながります。

仕事内容に不満があったとしても、人間関係がよければ続けられるケースもあるため、意識してみてください。

副業を始める

働きながら、副業を始めるのも方法の一つです。

もし、異動後の業務内容にやりがいを感じられなくても、副業でやりたいことをやってお金を稼いだり、趣味を突き詰めたりできます。

副業がうまくいって本業になり、独立する人も多くいるため、やりたいことが明確にあるなら挑戦してみてもいいでしょう。

転職活動を始める

退職する前に、転職活動を始めておくことをおすすめします。

退職後すぐに転職することで空白期間がなくなり、収入も途切れません。

また、転職のマイナスイメージを払拭することにもつながります。

可能なかぎり、内定できたタイミングで退職を伝えるといいでしょう。

異動したばかりで退職する際の注意点

異動したばかりで退職する際は、次のことに注意してください。

くわしく解説します。

納得してもらえる退職理由にする

退職理由は「業務内容が合わない」「人間関係が合わない」などのネガティブなものではなく、納得してもらいやすいものにしましょう。

たとえば、次のような退職理由がおすすめです。

上記の理由であれば上司も引き止めにくく、退職を前向きに検討してくれる可能性を上げられるでしょう。

関連記事：【具体例付き】理想の退職理由と例文｜円満に退職するためのポイント

伝えるタイミングは繁忙期を避ける

退職を伝えるタイミングは、繁忙期を避けてください。

たとえば、長期のプロジェクトが始まる前などは、一人抜けるだけでも迷惑をかける可能性があります。

その場合は、一段落するまで様子を見るのも選択肢の一つです。

また、退職時期は2〜3月や8〜9月など、人が入れ替わりやすいタイミングに合わせるのがおすすめです。

申告する時期は退職の1ヵ月前や2ヵ月前など、就業規則に定められていることが多いため、確認しておきましょう。

関連記事：退職時期や切り出すベストタイミングは結局いつ？円満退職を実現させるポイントとは

円満退職できるよう伝え方を工夫する

円満退職を目指すには、次のように伝え方も工夫してください。

退職するという結果は同じでも、伝え方に気をつけるだけで相手の印象は変わります。

会社や上司の立場になり、どう辞めたら角が立たないかを考えてみてください。

異動したばかりで退職する際に辞める手順

異動したばかりで退職する際に辞める手順は次のとおりです。

順番に確認していきましょう。

1.上司に退職の意志を伝える

まずは直属の上司に退職の意思を伝えます。

あらかじめ上司に相談し、会議室など2人きりになれる時間・場所を作ってもらいましょう。

そして、上司が納得できるような退職理由を、誠実な態度と言葉で伝えてください。

2.退職届を提出する

その後、退職願を提出します。

法律上は必須ではないものの、提出を求めている会社が多いため、就業規則を確認しておくと確実です。

退職届の提出をもって、正式に退職を申し出たとみなされることから、退職希望日の2週間前までに届け出ましょう。

退職理由は「一身上の都合」で問題ありません。

3.引き継ぎや取引先への挨拶を済ませる

退職日まで、引き継ぎがあれば後任の社員に伝えましょう。

また、取引先へも担当が変わる旨を伝えておくとスムーズです。

4.貸与品を返却する

退職日までに事務手続きを済ませ、貸与品があれば返却します。

退職日当日、またはそれ以降に離職票などの必要書類を受け取ってください。

5.有給消化して退職する

有給休暇があれば、退職日までに消化しておきます。

退職日はなるべく出社し、短期間とはいえお世話になった上司や同僚に最後の挨拶をしましょう。

これで退職は完了です。

異動したばかりで退職しにくいときは退職代行がおすすめ

異動したばかりで会社を辞めにくいときは、退職代行を利用するのがおすすめです。

退職代行は、退職の意思伝達を代わりにおこなってくれるサービスです。

会社と直接やりとりせずに済むため、退職の言いづらさや気まずさがありません。

サービスによっては即日対応しているところもあり、「なるべく早く辞めたい」という場合にぴったりです。

おすすめのサービスについては、以下の記事でくわしく解説しているため、参考にしてください。

関連記事：退職代行おすすめランキング23選｜サービス内容や料金・評判を比較【最新版】

まとめ

異動したばかりでも退職は可能ですが、本当に今辞めるべきなのか、きちんと考える必要があります。

まだ慣れていないだけだったり、移動先で得られるものがあったりする可能性があるため、焦って判断しないようにしましょう。

そのためには、まずは1ヵ月続ける、気の合う人を見つける、副業するなどの方法がおすすめです。

退職を伝える際はタイミングや伝え方に気をつけ、円満退職を目指しましょう。

気まずくて辞めづらい場合は、退職代行サービスを使う方法もあります。

自分にとってもっともいい選択ができるよう、行動してみてください。