「看護師4年目で希望の職場に転職できるか不安」
「4年目でワークライフバランスを重視した転職はありなの？」

と悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

看護職は人手不足のため、看護師4年目の方は希望どおりの職場に転職できる可能性が高いです。ワークライフバランスを意識した転職も問題ありません。

この記事では、看護師4年目の主な転職先やキャリアプランについて解説します。

また、看護師4年目の方が転職する理由や、抑えるべきポイントもお伝えするため、転職しようか悩んでいる方は読んでみてください。

関連記事：看護師向け転職エージェントおすすめ19選を徹底比較【2024年最新】

看護師4年目で転職を考える理由

看護師4年目で転職を考える理由は、以下のとおりです。

ひとつずつ見ていきましょう。

給料に不満を感じる

看護師4年目になると、業務量と比べて給料に不満を感じる方がいます。

「夜勤や日勤で忙しい職場なのに給料はこれだけか…」と感じる機会は多いでしょう。

また、看護学校の友人と会ったときに給料について話すと、自身の給料が少ないと感じるケースもあります。

4年目が該当する看護師の25～29歳の平均年収は、約474万円と報告されています。

毎日忙しい職場で自分の給料が少ないとわかると、転職を考えるきっかけとなるでしょう。

参考記事：看護職員の労働実態調査｜日本医療労働組合連合会

他の職場への興味・関心がある

看護師として働いていくと、今の診療科や職場以外でも働いてみたいと感じる機会があります。

たとえば、急性期病院で働いている方が「じっくり患者と向き合える職場に転職したい」「残業がない職場で働きたい」と考える機会は多いでしょう。

看護師は、人手不足に悩んでいる職場が多く、比較的転職しやすい職種です。大学病院などの大規模な病院でなければ、内定をもらえる可能性が高いでしょう。

他の職場への興味・関心が生まれたときは、転職するきっかけかもしれません。

年数が経過すると未経験の分野への転職難易度が高くなるため、4年目は良いタイミングといえるでしょう。

ワークライフバランスを整えたい

看護師の多くが働く一般病院で残業が日常的にあります。

出勤のたびに残業があると、ワークライフバランスを整えたいと感じて転職を考えるでしょう。

医労連によると、就業時間後の残業があると回答している方は、約8割と報告されています。

残業時間があると回答した方のうち、約半数は日勤のときに1時間以上残業しているのです。

1時間以上残業していると給料を稼ぐことはできますが、職場と自宅の往復となり自分の時間が取れません。

自分の時間が取れないと仕事で溜まったストレスを解消できず、精神的に疲れるリスクがあります。

残業時間が多く、毎日疲れている、やる気が出ないなどの症状があるときは、転職を検討しましょう。

参考記事：看護職員の労働実態調査｜日本医療労働組合連合会

寮に住めなくなり出費が増えてしまう

看護師の寮は、3～4年と契約期間が決まっている職場があります。看護師4年目になると、退寮を促されるため、出費が増えてしまいます。

特に大阪や東京など都市圏で家を借りようとすると、寮費の2倍以上かかるケースは少なくありません。

寮がある医療機関では、住宅手当などの手当が整っている場合もありますが、寮に住んでいたときと比べて出費は増えるでしょう。

転職により、転職先の寮を使えると、出費が増えることなく、看護師のスキルを磨ける可能性があります。

キャリアアップやスキルを身につけたい

スキルアップやキャリアアップを考えたときに、実現できない職場で働いている方は転職を考えます。

たとえば、慢性期病院ではワークライフバランスを整えられますが、最新の医療知識や技術の習得は難しいでしょう。

キャリアアップやスキルアップをしたいと考えたときに、叶えられない職場で働いているときは、転職のタイミングかもしれません。

仕事量や責任が増えて体力面で負担がある

看護師の経験が増えると、プリセプター業務やリーダー業務などの仕事を任されます。

慣れない仕事を任されると業務量が増えるため、体力的に負担があると感じるでしょう。

また、急性期や大規模の病院では3年で退職する方が多く、4年目以上になると人数が少なくなる職場があることも、業務を任され負担を感じる一因です。

やりがいを感じられる場合は問題ありませんが、やりがいが無い場合は大きな負担となるでしょう。

医労連によると、1年前と比較して仕事量が大幅に増えたと回答している25～29歳の方は、23.6％と報告されています。

参考記事：看護職員の労働実態調査｜日本医療労働組合連合会

人間関係の悪さやハラスメントにより精神的に辛い

看護師が働く場所には、人間関係の悪い職場やパワハラがあるところもあります。

人間関係が悪い・パワハラのある職場では働くのが辛いと感じて、精神的に追い込まれる可能性が高いです。

医労連によると、パワハラされた経験がある方は約3割と報告されています。

パワハラを受けた相手の多くは上司であり、医師や同僚からも受けた方がいると報告されているのです。

4年目看護師は、上司や後輩から挟まれるため、相談できる人が少なくなります。

その結果、働くのが辛いと感じてしまい、精神的に追い込まれてしまうのです。精神的に辛い日々が続いたときは、転職して職場を変えましょう。

参考記事：看護職員の労働実態調査｜日本医療労働組合連合会

看護師4年目の主な転職先

看護師4年目の主な転職先には、下記があります。

それぞれ解説します。

訪問看護

訪問看護は、患者の自宅に訪問して処置や観察をおこなう仕事です。

病院よりも患者と関わりを持てるため、関係を築いて看護を実践したいと考える方におすすめできます。

日勤のみの勤務となるため、病院と比較してワークライフバランスを整えられます。

しかし、オンコール制度を採用している訪問看護ステーションでは、夜間に対応するかもしれません。

2022年時点でオンコールを取り入れている訪問看護は、約8割と報告されています。

オンコール担当の日は、夜間に対応する可能性がある点には注意してください。

訪問看護は需要が高くなっているため、看護師4年目の方であれば採用される可能性が高いでしょう。

関連記事：訪問看護の転職で失敗しないためのポイント5選！失敗したと感じる理由や対処法も解説

総合病院

総合病院は、複数の診療科があるため、経験を活かせたり、新しい分野に挑戦できたりします。

キャリアアップやスキルアップしたいと考えている方に人気の職場です。

キャリアアップできると、好条件で働ける可能性が高くなるでしょう。また、管理職経験があれば、今後の転職にも役立ちます。

総合病院は、中途採用をおこなっている職場もあれば、4月入職のみ採用している場所もあります。

4月入職の場合は、自身で情報を集めて、採用試験に挑戦しなければなりません。

総合病院に転職を考えている場合は、定期的に求人を検索したり、ホームページを確認したりする習慣を身につけておきましょう。

関連記事：看護師がホワイト病院に転職する5つの方法！特徴やブラック病院を見分けるポイントも紹介

介護施設

介護施設は、状態の安定した方が生活する場所です。

利用者の入れ替わりが少ないため「信頼関係を築いて関わりを持ちたい」「利用者のことを深く知って看護を実践したい」と考える方に向いています。

しかし、医療処置の機会が限られるため、スキルアップを目標にしている方にはおすすめできません。

介護施設には夜勤のない職場があります。残業はほとんどないため、ワークライフバランスを整えて働きたい方におすすめできます。

慢性期病院

慢性期病院は、医療的なケアが必要な方が多く入院しています。

採血や末梢確保の機会が定期的にあるため「落ち着いて働きたいけどスキルは身につけておきたい」と考える4年目の看護師におすすめです。

看護よりも介護的なケアが多くなるため、体力的な負担はありますが、残業がないためワークライフバランスを整えることが可能です。

クリニック

クリニックは日勤のみで働けるため、ワークライフバランスを整えたい方に人気の職場です。

また、土日休みのクリニックであれば子育てと並行して働けます。

主な業務は医師の診療補助となるため、検査の介助などをおこないます。診療科によって仕事内容が異なるため、事前に確認しておきましょう。

美容クリニック

美容クリニックは、機械を使用した施術や点滴投与などが主な仕事です。

看護師経験を求められる職場が多く、4年目の看護師であれば採用される可能性が高いでしょう。

美容クリニックは、残業がほとんどないため、ワークライフバランスを重視して働けます。

しかし、始業時間が遅いために、終業時間も遅くなるクリニックが多いため、夕方に帰宅したい方にはおすすめできません。

関連記事：美容クリニック転職は難しい？受からない理由や採用されるコツを紹介

看護師4年目で転職を考えるときのキャリアプラン

看護師4年目で転職を考えるときの主なキャリアプランは、以下のとおりです。

それぞれ見ていきましょう。

スペシャリスト

スペシャリストとは、専門看護師や認定看護師のことです。特定の分野に特化した知識や技術を持つことが可能であり、需要のある資格です。

資格を取ると、医療機関内のスタッフに指導や教育をおこなったり、患者へ知識を活かしたケアを提供できたりします。

資格を取るためには、5年以上の看護師経験かつ、資格を取りたい分野の経験が3年以上必要です。

参考記事：認定看護師｜日本看護協会
専門看護師｜日本看護協会

診療看護師（NP）

診療看護師は、特定行為を医師の手順書をもとに実践、もしくは医師からの指示により、相対的医行為である気管挿管や救急対応などをおこなえる資格です。

看護師として、さらに知識・スキルを高めたいと考える方が取得する資格です。

診療看護師を取得するためには、5年以上の経験かつ診療看護師を養成している大学院を卒業する必要があります。

看護教育者

看護教育者は、主に大学や専門学校で看護師を目指す方への指導をおこなう仕事です。

患者への関わりだけでなく、看護師の教育に興味・関心のある方に人気のキャリアです。

看護学校の教員になるには、看護師経験が5年以上必要です。

また、看護教育は学校の教員以外にも、看護学生の実習を担当できる研修を終了すると教育の機会に関われるでしょう。

参考記事：看護師等養成所には、教務主任、専任教員｜厚生労働省

訪問看護ステーション開業

訪問看護ステーションの開業は、地域医療や在宅看護のケアを提供する役割があります。

開業するためには、在宅看護に関する知識だけでなく、法律や資金、経営戦略など看護師以外のスキルも必要です。

訪問看護の開業を考えている場合は、訪問看護で働いてみて、知識を身につけるとよいでしょう。

看護師4年目で転職するときのポイント

看護師4年目で転職するときのポイントは、下記のとおりです。

ひとつずつ解説します。

経験した業務や身につけたスキルを確認する

これまでに経験した業務や、身につけたスキルを確認しておきましょう。

たとえば、経験した業務やスキルには下記があります。

経験した業務や身につけたスキルは、職務経歴書に記載可能です。

ほとんどの職場で書類選考があるため、身につけたスキルが少ないと、面接まで進めない可能性があるのです。

身につけたスキルや経験は、採用担当者へのアピールとなるため、必ず確認しておきましょう。

自己分析をおこなう

転職活動を始めるときは、自己分析をおこないましょう。

自己分析をおこなうと、転職する目的が明確になったり、目指すキャリアプランが見つかるきっかけになったりします。

転職する目的が決まると、自分に合うと感じる転職先を見つけやすくなるでしょう。

自己分析をおこなわずに転職すると、目的が明確になっていないために、入職してから失敗したと後悔するかもしれません。

転職先とのミスマッチを予防するためにも、自己分析をおこないましょう。自身で分析が難しい場合は、転職のプロへの相談もひとつの手段です。

希望条件を決めておく

転職するときは希望条件を決めておきましょう。

看護師4年目の方はこれまでに働いてきた経験から、職場に不満を感じたことがあるのではないでしょうか。

不満を解決できる条件を決めておくことで、転職への成功率を高められます。

主な希望条件には、下記があります。

全ての希望を叶える求人は見つかる可能性が低いため、あなたが重視する条件を決めておきましょう。

希望条件を決めていれば、好条件の求人を見つけたときにすぐ申し込みができて、採用される可能性を高められるでしょう。

やりたくない仕事を決める

看護師が転職するときは、やりたくない仕事を決めましょう。

たとえば、患者の吸引をしたくない、子どもの対応をしたくないなど、あなたのやりたくない仕事があるはずです。

やりたくない仕事が決まれば、それ以外の職場に転職するとよいでしょう。

看護師が働く職場はさまざまで、病院や施設以外にも行政や企業など多くの選択肢があります。

関連記事：看護師資格が使える珍しい求人22選！仕事を見つけるポイントも解説

応募する前に転職先の情報を集める

求人票で気になる職場が見つかったら、情報を集めましょう。

求人票でよい点が記載されていても「働いてみると違った」と感じる可能性があるからです。

情報を集める方法には、口コミサイトやSNSがあります。ほかにも転職エージェントの利用も効率的に情報を集められます。

情報を集めると、職場の情報がわかるため納得したうえで転職できるでしょう。

転職エージェントを活用する

看護師4年目の方が転職するときは、転職エージェントの活用がおすすめです。

転職エージェントは、希望に合う求人を紹介してもらえます。ほかにも、キャリアの相談や気になる職場の情報を集める際にも役立ちます。

転職エージェントは無料で利用できて、情報収集のみの相談も可能です。良い転職先を見つけるために、相談してみてください。

看護師4年目で転職するときに利用したいエージェント

看護師4年目で転職するときに利用したい転職エージェントは、下記の3つです。

それぞれの特徴を解説するため、あなたに合うエージェントを利用しましょう。

レバウェル看護（旧：看護のお仕事）

レバウェル看護は、ワークライフバランスを重視した求人を取り扱っており、自分の時間を作りたい看護師におすすめです。

キャリアアドバイザーから教えてもらえる情報は、実際に働いた方の情報のため、転職後のミスマッチを予防できるでしょう。

レバウェル看護はキャリアアドバイザーに相談すると、面接で尋ねにくい給料などを代わりに聞いてもらえます。

不安や悩みを解決できるため、安心して転職できるでしょう。

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）

ナース専科は、2005年から今までに100万人以上の転職サポート実績があります。

豊富な転職サポートの経験から、あなたが満足できる転職先を紹介してもらえるでしょう。

キャリアパートナーは、看護業務を理解していたり、看護師経験のある方が在籍しています。

業務における悩みや不安に共感してもらえて、安心して転職活動を進められます。

また、ナース専科のキャリアパートナーは地域担当制です。地域を長く担当しているからこそわかる情報や、転職先を紹介してもらえるかもしれません。

看護roo!転職

看護roo!転職は、20万件以上の豊富な求人数が魅力です。求人数が豊富であれば、あなたの条件に合う求人が見つかるかもしれません。

また、転職しようかどうか悩んでいる段階から利用できるため、不安や悩みを解決する目的でも相談できます。

キャリアアドバイザーとの連絡はLINEやメールでできます。

必ず電話で連絡を取る転職エージェントもありますが、電話が苦手な方には看護roo!転職がおすすめといえます。

看護師4年目で転職するときの注意点

看護師4年目で転職するときの注意点には、下記があります。

ひとつずつ見ていきましょう。

給料が下がる可能性がある

看護師4年目の方が転職すると、給料が下がる可能性があります。

職場によって、基本給や賞与、夜勤手当などの各種手当てに差があるからです。

働いている職場の待遇が良い場合、給料が下がると転職に満足できない可能性が高いです。

また、夜勤手当が高い職場では夜勤回数が少ないと、給料が低くなるリスクがある点についても理解しておきましょう。

転職により給料が下がる可能性があるときは、今の職場で働き続ける選択肢もひとつです。

もし給料が下がっても、今よりも通勤時間が減る、ワークライフバランスが整うなど、他のメリットが上回る場合は転職してもよいでしょう。

人間関係の再形成が必要である

転職すると、人間関係の再形成が必要です。

看護師は、業務量の多さからストレスが多く、人間関係がよくないと感じる職場が少なくありません。

合わないと感じる同僚や医師がいても、一から関係を作り直さなければなりません。

しかし、今よりも人間関係の良い職場で働ける可能性があるため、事前に転職先の情報を集めておきましょう。

転職先が決まる前に退職しない

看護師は経験があれば、転職しやすい職業です。

しかし、転職先が決まる前に退職するのはおすすめできません。

もし退職して転職先が決まらないと、安定した収入がなくなるため、妥協して転職先を決めてしまう可能性があるからです。

妥協して転職した結果、条件に合わないと感じて早期離職するリスクもあるのです。

転職で失敗したくない方は、転職先が決まってから退職しましょう。

転職先のルールを覚えなければならない

転職すると、新しく職場のルールを覚える必要があります。

たとえば、点滴作成時のルールや看護処置の手順、必要物品、電子カルテなどが医療機関ごとに違います。

一番大変と感じるのは電子カルテであり、医療機関ごとに同じシステムでもバージョンが違うために、今まで使えていた機能が使用できないことがあるのです。

ルールを覚えるまでしばらく時間がかかるため、慣れるまでは大変と感じるでしょう。

未経験分野に転職する場合は学習が必須である

看護師4年目の方が未経験分野に転職する場合、新たに学習が必須になります。

看護師として経験があると、職場の方からは知識がある前提で業務を任されるからです。

初めておこなう処置や検査は、見学できます。しかし、観察項目は理解しておかないと、患者に不利益となってしまうでしょう。

学習していないことで指導を受ける可能性があります。新しい分野に転職するときは、勉強する時間を作っておきましょう。

看護師4年目で転職を考えている方からよくある質問

看護師4年目で転職を考えている方からよくある質問は、以下のとおりです。

それぞれ見ていきましょう。

看護師の平均勤続年数はどれくらいですか？

医労連によると、看護師の平均勤続年数は12.4年と報告されています。

参考記事：看護職員の労働実態調査｜日本医療労働組合連合会

希望の職場が見つからないときはどうしたらいいですか？

希望の職場が見つからないときは、条件を妥協したり、先にやりたくないことを決めたりしましょう。

それでも見つからない場合は、転職エージェントへ相談すると求人が見つかるかもしれません。

円満退職のコツはありますか？

円満退職のコツには、下記があります。

上記を意識しておくと、円満に退職できるでしょう。

関連記事：【退職理由別】退職の伝え方と円満退職の秘訣！

まとめ

今回は、看護師4年目の転職理由や主な転職先、キャリアプランについて解説しました。

看護師4年目の方は、これまでに経験やスキルを身につけているため、希望が叶う転職先から内定をもらえる可能性が高いです。

転職する目的や条件を決めて、あなたの条件に合う転職先を探しましょう。

条件に合う転職先を見つけるためには、転職エージェントの利用がおすすめです。 転職エージェントは無料で利用できるため、転職しようか悩み始めたら相談してみてください。