失業保険の申請後に病気やケガをしてしまい、求職活動ができないことに焦りを感じている人も多いのではないでしょうか。
とくに長期間の療養が必要な場合は、安定した収入がないことへの不安は大きいと思います。
そこで本記事では、突発的なアクシデントが起きた際に申請できる雇用保険の傷病手当を解説しました。
傷病手当の受給条件や受け取れる期間、失業保険の基本手当との違いも紹介しています。
記事の後半では傷病手当の申請方法もわかりやすく解説したので、ぜひ参考にしてください。
事前に読みたい⇒退職後にもらえる給付金まとめ!自己都合退職でももらえる条件とは?給付期間・金額も解説
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実際にもらえる給付金の額については以下の表の通りです。
実際にもらえる金額の一覧表
平均月収 | 月間でもらえる金額 |
---|---|
月収30万円 | 約20万円 |
月収40万円 | 約26万円 |
月収50万円 | 約33万円 |
月収60万円 | 約40万円 |
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目次
雇用保険の傷病手当とは
傷病手当の概要を説明します。
病気やケガで求職活動ができない場合に申請できる
失業中に病気やケガをした方は求職活動や就職ができないため、療養中の経済的な支援を目的に作られました。
例えば、採用面接へ向かう途中に事故に巻き込まれ足を骨折した場合、15日以上連続して働けないと治療担当者が診断した際に傷病手当は申請できます。
また求職活動中に病気になり、3週間自宅で療養をした場合も、治療担当者が働けないと判断した期間は傷病手当の申請が可能です。
長期間の体調不良やケガのため今すぐ働けない方は病院で治療を行い、ハローワークで手続きをしてください。
雇用保険の基本手当と傷病手当の違い
2つの制度はどちらも失業中の方を支援する目的で作られましたが、受給条件には大きな違いがあります。
具体的な違いを、以下の表にまとめました。
失業保険(雇用保険の基本手当) | 傷病手当 | |
---|---|---|
目的 | 失業中の方の経済的な支援をする | 失業中に病気やケガで求職活動や就職ができない場合に、経済的な支援をする |
受給条件 | 現在失業している ハローワークで失業保険の申請をしている 再就職を希望しており積極的に求職活動を行っている 雇用保険の被保険者期間が一定期間ある | 失業保険の受給資格を持っている 病気やケガで15日以上働けない状態にある ハローワークで失業保険の申請をした後に病気やケガが発生した |
就職が可能な方には失業保険が支給され、病気やケガで働けない方は傷病手当を申請できます。
制度ごとに申請対象者や受給条件は異なるので、自身の状況にあわせて申請をおこないましょう。
傷病手当は前職がパートやアルバイトでも受け取れる
パートやアルバイトを辞めた後、失業保険の申請後に病気やケガで求職活動や就職ができなくなった場合に、傷病手当を申請できます。
ただし、前職で雇用保険に加入しており、被保険者期間が一定期間以上ないと傷病手当の申請はできません。
傷病手当の申請に必要な雇用保険の被保険者期間は、退職した理由によって異なります。
- 会社都合退職:退職日以前の1年間に雇用保険の被保険者期間が通算6ヶ月以上ある
- 自己都合退職:退職日以前の2年間に雇用保険の被保険者期間が通算12ヶ月以上ある
例えば、パートで働いた期間が5ヶ月しかない場合は、雇用保険の被保険者期間が不足しているため申請はできません。
同様に、労働時間が少ないアルバイトをしていた場合も、雇用保険に加入できないため失業保険の支給対象外となります。
退職時には雇用保険の被保険者期間を確認し、申請できるかどうかをチェックしましょう。
傷病手当は在職中に申請できない
傷病手当は失業中の方を支援する制度のため、現在会社で働いている方は利用できません。
在職中に病気やケガで働けなくなった場合は、健康保険の傷病手当金や労災保険を活用してください。
また、個人事業主やフリーランスで雇用保険に加入していない方も、傷病手当の申請はできません。
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平均月収 | 月間でもらえる金額 |
---|---|
月収30万円 | 約20万円 |
月収40万円 | 約26万円 |
月収50万円 | 約33万円 |
月収60万円 | 約40万円 |
月収70万円 | 約46万円 |
月収80万円 | 約53万円 |
月収90万円 | 約60万円 |
月収100万円 | 約66万円 |
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雇用保険の傷病手当の受給条件
傷病手当の申請時に確認するべきことを、2つ解説します。
傷病手当を受け取るには失業保険の申請が必要
傷病手当を受け取るには、失業保険の申請が必要なことを覚えておきましょう。
失業保険の申請条件は、以下の通りです。
- 現在失業している
- 再就職を希望しており積極的に求職活動を行っている
- 雇用保険の被保険者期間が一定期間ある
ハローワークでの手続きがわからない方は、以下の記事を参考にして失業保険を申請してください。
関連記事:失業保険のもらい方がわからない方必見!失業保険をもらう流れや条件を解説
待期期間や給付制限期間は傷病手当を受け取れない
傷病手当は、失業保険の申請後に設定される待期期間や給付制限期間には受給できません。
以下の期間は失業保険の給付対象外となり、同時に傷病手当も受け取れません。
- 失業保険の申請後に設定される7日間の待期期間
- 待期期間終了後に設定される2ヶ月~3ヶ月の給付制限期間
失業保険の待期期間や給付制限期間は以下の記事で詳しく解説したので、あわせて読んでみてください。
関連記事:失業保険の待期期間は7日間!手続き方法やアルバイトについても解説
雇用保険の傷病手当の受給期間
傷病手当の受給期間は、失業保険(基本手当)の所定給付日数から、すでに支給された失業保険の日数を差し引いて計算します。
例えば、失業保険の所定給付日数が90日ある場合は、傷病手当を受給できる期間も最大90日です。
失業保険の所定給付日数が90日あり、70日分の失業保険をすでに受け取った方は、残りの20日間が傷病手当の支給対象期間となります。
失業保険の所定給付日数はハローワークで問い合わせできるほか、雇用保険受給資格者証にも書いてあります。
雇用保険受給資格者証の表面「20.所定給付日数」に記載してあるので、傷病手当を申請する際は一度確認をしてください。
雇用保険の傷病手当と失業保険の関係
給付金の関係を、3つのポイントに分けて解説します。
傷病手当の申請では、以下のポイントに注意してください。
傷病手当と失業保険は同時に受け取れない
なぜならば、傷病手当は病気やケガを理由に失業保険を受け取れない方に対して、代替で支給される制度だからです。
具体的には、失業保険は再就職を希望しており、積極的に求職活動を行っている方が受給できる給付金です。
一方で、傷病手当は求職活動中にアクシデントがあり、治療担当者から長期間働けないと診断されたた方が申請できます。
2つの制度は受給できる条件が異なるため、同時に受け取れないことに注意してください。
傷病手当と失業保険は受け取れる金額が同じ
傷病手当の受給金額は、給付日数×失業保険の基本手当日額で計算が可能です。
失業保険の基本手当日額に働けないと診断された日数を掛けると、傷病手当の受給金額を算出できます。
例えば、以下の条件で計算した場合、一日あたりに受け取れる傷病手当の金額は5,634円です。
- 退職時の年齢は30歳未満
- 雇用保険の被保険者期間は1年以上5年未満
- 退職前6ヶ月の給与総額は150万円(ボーナスを除く)
5,634円に働けない日数を掛けると、受給金額を計算できます。
失業保険の基本手当日額はハローワークのWebサイトで計算できるので、ぜひ活用してください。
傷病手当と失業保険を切り替えるタイミングを紹介
傷病手当と失業保険を切り替えるタイミングは、病気やケガで働けない日数によって判断します。
具体的な基準は、以下の通りです。
- 働けない日数が14日以下の場合:失業保険の基本手当を受給(ハローワークに病気やケガの証明書を提出)
- 連続して15日以上働けない場合:傷病手当を受給
- 連続して30日以上働けない場合:傷病手当を継続して受給・または失業保険の受給期間を延長
連続して30日以上働けない場合は、傷病手当を継続して受け取る方法と、失業保険の受給期間延長どちらかを選べます。
なお、失業保険の受給期間を延長した後でも、傷病手当への切り替えは可能です。
傷病手当と失業保険を切り替えるタイミングは、担当の医師と予想される療養期間を相談してから決めてください。
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実際にもらえる金額の一覧表
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---|---|
月収30万円 | 約20万円 |
月収40万円 | 約26万円 |
月収50万円 | 約33万円 |
月収60万円 | 約40万円 |
月収70万円 | 約46万円 |
月収80万円 | 約53万円 |
月収90万円 | 約60万円 |
月収100万円 | 約66万円 |
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雇用保険の傷病手当と健康保険の傷病手当金の違い
雇用保険の傷病手当と名前が似ているため混同されやすいですが、受給条件や申請先は異なります。
傷病手当と傷病手当金の違いを比較するので、ぜひ参考にしてください。
傷病手当と傷病手当金を比較
傷病手当と傷病手当金の特徴を、以下の表にまとめました。
傷病手当 | 傷病手当金 | |
---|---|---|
対象者 | 雇用保険に加入していた労働者 | 健康保険に加入している被保険者 |
対象者の状態 | 失業中に病気やケガをした | 在職中に病気やケガをした |
受給条件 | 失業保険の受給資格を持っている 病気やケガで15日以上働けない状態にある ハローワークで失業保険(基本手当)の申請をした後に病気やケガをした | 仕事以外の時間に病気やケガをした 病気やケガのため働けない状態 連続する3日間の休業を含めて4日以上仕事を休んでいる 給料が支払われていない |
受給期間 | 90日~330日 (障がい等があり就職が困難な方は最大360日) | 支給開始日から通算して1年6ヶ月まで |
申請先 | ハローワーク | 協会けんぽ |
2つの制度は管轄する機関が違うため、受給条件や期間、必要書類の提出先も異なります。
また、雇用保険や健康保険に加入していない個人事業主やフリーランスなどは、制度を利用できないため注意してください。
傷病手当金の申請書は事業主と治療担当者の記入が必要
傷病手当金の申請書には、会社の担当者と治療担当者が記入する項目があります。
例えば、貯金が少なく退職後の生活に不安のある方は、早めに会社の担当者へ勤務条件や賃金の記入を依頼しましょう。
また、混雑しがちな病院では治療担当者の記入に時間がかかる場合もあるため、予約をしておくと安心です。
傷病手当金の申請書は協会けんぽのWebサイトからダウンロードできるので、記入例や添付書類などを事前に確認してください。
傷病手当と傷病手当金は同時に受け取れない
傷病手当と傷病手当金は受給できる条件が異なるため、同時に給付を受け取れません。
なぜならば、傷病手当は失業中に病気やケガをした人を対象としているのに対し、傷病手当金は在職中の病気やケガをした場合に申請できる制度だからです。
具体例をあげると、会社の休日にスポーツをしてケガをし、長期間仕事ができない場合は傷病手当金を申請します。
一方、求職活動中に体調が悪化して、15日以上働けない状態になると傷病手当を申請できます。
傷病手当と傷病手当金の申請条件はまったく異なるので、自身の状況に合わせて制度を活用してください。
雇用保険の傷病手当を申請する方法
傷病手当を申請する方法を、3つのステップに分けて解説します。
傷病手当支給申請書に必要事項を記入する
申請者本人が記入する項目は、以下の通りです。
- 氏名・性別・生年月日
- 支給申請期間
- アルバイトや家事手伝いをした日と収入額
傷病手当支給申請書はハローワークで取得できるほか、インターネットサービスからもダウンロードできます。
診療担当者に必要事項を記入してもらう
傷病手当支給申請書を用意できたら、診療担当者に必要事項を記入してもらいましょう。
診療担当者が記入する項目は、以下の通りです。
- 病気やケガの名称
- 病気やケガの経過状況
- 初診日
- 病気やケガのため働けないと判断した期間
- 診療担当者の氏名
- 診療機関の電話番号
病院やクリニックによっては混雑している場合もあるため、事前に連絡を入れるとスムーズに必要事項を記入してもらえるでしょう。
ハローワークに提出する
ハローワークへ提出する際に必要な書類は、以下の通りです。
- 失業認定申告書
- 傷病手当支給申請書
- 雇用保険受給資格者証
必要書類を郵送する場合は、返信用の封筒も一緒にハローワークへ送付しましょう。
返信用の封筒を送付する際は、住所や氏名の記入も忘れずに行ってください。
また、体調が良くなく外出できない場合は、電子申請でも傷病手当支給申請書を提出できます。
申請方法に不安のある方は退職給付金サポートに相談しよう
ひとりで行う申請に不安のある方は、退職給付金サポートへの問い合わせもおすすめです。
とくに、退職コンシェルジュではLINEでの無料相談やWEB説明会を開催しており、はじめて失業保険を申請する方へのサポートを行っています。
無料のWEB説明会は定期的に開催しており、参加後は退職の専門家へ個別に相談も可能です。
WEB説明会はパソコンやスマートフォンからも参加できるので、視聴しながら自身に適した申請方法を確認してください。
雇用保険の傷病手当に関するよくある質問
傷病手当に関するよくある質問を、3つ紹介します。
傷病手当はうつ病でも申請できますか?
申請では、診療担当者から傷病手当支給申請書に必要事項を記入してもらい、雇用保険受給資格者証とあわせてハローワークに提出をしましょう。
一方、ハローワークで失業保険の申請をする前からうつ病を患っており、就労が困難な場合は傷病手当の申請資格はありません。
前職を退職後うつ病を理由にすぐ働けない方は、ハローワークで失業保険の受給期間延長手続きを行ってください。
傷病手当金をもらって退職したらどうなりますか?
傷病手当金をもらいながら退職した場合でも、失業保険の申請はできます。
ただし、失業保険は今すぐに働ける状態の人が申請できる制度のため、病気やケガが回復してからハローワークで手続きを行いましょう。
また、失業保険の申請後に症状が再度悪化して働けない場合は、失業保険の延長手続きも可能です。
雇用保険の傷病手当は何ヶ月支給されますか?
失業保険の支給期間は90日~330日のため、傷病手当も同じ期間が支給対象です。
失業保険の申請期間が4ヶ月ある方は、傷病手当も病気やケガが治るまでの最大4ヶ月支給されます。
失業保険の所定給付日数は雇用保険受給資格者証に記載してあるので、一度確認してください。
まとめ|病気やケガで求職活動ができない場合は雇用保険の傷病手当を申請しよう
この記事では、求職活動中に病気やケガをした場合に申請できる傷病手当を解説しました。
傷病手当は、求職中に病気やケガで働けなくなった場合に申請できる制度です。
体調が良くない状態のまま求職活動を続けると、心身へ大きな負担がかかり、回復により時間がかかる可能性もでてきます。
病気やケガをした場合は治療担当者と相談して、傷病手当の申請を検討してください。
会社辞めたらお金もらえるって知ってる?
『社会保険給付金サポート』では、退職後にもらえる給付金を受け取るサポートをしてもらえます。
実際にもらえる給付金の額については以下の表の通りです。
実際にもらえる金額の一覧表
平均月収 | 月間でもらえる金額 |
---|---|
月収30万円 | 約20万円 |
月収40万円 | 約26万円 |
月収50万円 | 約33万円 |
月収60万円 | 約40万円 |
月収70万円 | 約46万円 |
月収80万円 | 約53万円 |
月収90万円 | 約60万円 |
月収100万円 | 約66万円 |
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