土木施工管理として働きたいけど、「やめとけ」と聞くと心配になってしまう方も少なくないでしょう。

本記事では、そのような疑問を解決していきます。

結論、土木施工管理は大変な仕事ではありますが、社会貢献が出来る大変やりがいのある仕事です。

この記事を読むことで、以下の内容がわかります。

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関連記事：建築・建設業界に強いおすすめ転職エージェント12選｜選び方のコツや注意点も解説

土木施工管理がやめとけといわれる理由

ここでは土木施工管理がやめとけといわれる理由を8つ紹介していきます。

1つずつ紹介していきます。

長時間労働

土木施工管理は他の業界に比べて、長時間労働になりやすい傾向にあります。

国土交通省が発表したデータでは、建設業界の労働時間について以下のように示しています。

	全産業	建設業
所定内労働 （始業時間から就業時間を指す）	132時間/年	160時間/年
所定外労働 （終業後から労働した時間）	1,609時間/年	1,918時間/年

全産業と建設業を比較すると、どちらも長時間労働になってしまっている状態です。

また、国土交通省は所定内労働について以下のように解説しています。

他産業と比べて多い傾向。週休2日がとれていないことが主な要因。

引用元：建設業及び建設工事従事者の現状｜国土交通省

こういった部分から、土木施工管理および建設業をやめとけという人がいるのです。

休日の少なさ

土木施工管理は、休日の少なさからやめとけといわれています。

政府統計の総合窓口が発表した資料では、令和2年の建設業界は平均年間休日が107.6日です。

全業界の平均が116.0日のため、比較すると建設業界の休日数が少ないとわかります。

また、業界全体で休日が少なく、土木施工管理はとくに少なくなる傾向にあります。

なぜなら、なにか異常が発生した時に、責任者である土木施工管理が対応するからです。

そのため、休日出勤も増えてしまうことがあり、なかなか休めないことが増えてしまいます。

参考元：就労条件総合調査｜政府統計の総合窓口

転勤や出張をする可能性がある

現場によって土木施工管理は転勤や出張により、遠くに行かなければなりません。

基本的に土木施工管理は、現場にずっといる必要があります。

全国規模の会社になると自宅や会社から遠い現場に配属されることもあるため、長い期間その場所に出勤し続ける必要があるのです。

また、工事ごとに作業期間が変わってくるため、大きな施工に配属された場合は数年間遠くの現場で働き続ける可能性があります。

通勤時間などを考慮すると、近くに引っ越したり、単身赴任したりと大きく動く必要があるのです。ですので、あまり遠くに出張したくない場合は、地元密着型の会社に入るのがおすすめです。

資料作成が大変

土木施工管理では現場で管理するだけでなく、デスクワークも仕事の一部として対応します。

作業の中で必要な書類や地面など膨大な量を作成してまとめる必要があるため、資料作りが大変だといえます。

日中に進めたいですが、現場の仕事や打ち合わせなど他の業務も一緒にこなしていく必要があるため、夕方くらいから作業を始めることが大半です。

また、作成する資料も大量にあるため、残業をすることになってしまうことも多く、残業の長さにも関わってきてしまうのです。

給料が低い

新人の土木施工管理は、労働の大変さの割に給料が低いため、やめとけといわれてしまいます。

厚生労働省のデータによると土木施工管理の平均年収は603.9万円です。

国税庁によると建設業界の平均給与は493万円といわれており、国民の平均年収が458万円のため、土木施工管理の給与の水準は高いことがわかります。

しかし、新人の時は年齢や技能によって給料が低くなってしまうことも多く、仕事が辛くなって転職を考えてしまう方がいるのでしょう。

もちろん、年数を重ねるごとに給料は増えていきますが、貰える給料が業務量に見合っていないと感じる方が多いのです。

参考元：
土木施工管理技術者 - 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））|厚生労働省
1.　平均給与｜国税庁
令和４年分　民間給与実態統計調査｜国税庁

幅広い年齢の人とのコミュニケーションが難しい

土木施工管理として現場で仕事する時には、現場にいる幅広い年齢の人に対してマネジメントをする必要があります。

自分より年上だったり、作業歴が長かったりしても仕事の関係上コミュニケーションを取りながら適切に指示を出す必要があるため、コミュニケーションが苦手な人はやめとけといわれてしまうのです。

土木施工管理は、作業を滞りなく、安全に進めるためには普段からの適切なコミュニケーションが重要となってきます。

もし、自分の伝えたい内容が誤って伝わってしまったり、うまく伝わらなかったりすると作業の進捗にも影響してくるでしょう。このことから、コミュニケーションや人のマネジメントが苦手な場合は、仕事に影響してしまうためやめとけといわれているのです。

危険が伴う仕事だから

土木施工管理の仕事は基本的に工事の現場で過ごすため、現場の危険と常に隣り合わせで仕事を進める必要があります。

厚生労働省が発表した資料では、令和4年に発生した労働災害での死亡者数は建設業が281人と各業界の中で1番多い人数です。

そして、事故が発生してしまう原因として多いのが「墜落・転落」だといわれています。

また、長時間労働が続くと心身ともに休むことが難しく、体がフラフラしてしまったり集中力が切れたりして事故を起こしてしまう可能性があるでしょう。

現場作業は危険が身近にあるため、やめとけという方も多いのです。

参考元：令和５年の労働災害発生状況を公表｜厚生労働省

体力勝負だから

土木施工管理は現場の管理を進めるため、仕事が激務になりやすく体力勝負の場合が大半です。

なぜなら1日中現場の責任者としてマネジメントしたり、実際に現場で肉体労働をすることもあるからです。

たとえば、1日の業務で以下のように動くことがあります。

肉体労働が多いなかで、なかなかゆっくり休めずに疲弊してしまうことが多くなります。

また、冬なら寒く、夏なら暑いなど季節によって作業環境が変動してしまうことも体力を使う原因のひとつです。

そのため、1日中働き続けることになるため体力勝負になってしまいやすく、やめとけといわれるのです。

やめとけといわれる土木施工管理の仕事内容

土木施工管理は道路、トンネル、橋などの土木工事に関して、適切な施工計画を立ててスケジュールの進捗管理をする仕事です。また、施工全体の安全やコスト、品質など全体の管理もおこないます。

重要書類の作成や作業現場の確保、行政への手続きなども任されることがあるため、業務の量が膨大となってしまうのです。

たとえば、工事が開始すると以下のような仕事の管理を進めます。

また、基本的に現場では、管理を中心に作業を進めていくことが大半です。

関連記事：施工管理はブラックな仕事なのか？ホワイト企業の見極め方と選び方を解説

やめとけといわれる土木施工管理で働くメリット

ここでは土木施工管理で働くメリットを4つ紹介していきます。

1つずつ紹介していきます。

社会貢献のやりがいが大きい

土木施工管理は直接的に社会貢献が出来るため、仕事にやりがいを持って働けるでしょう。

土木工事は、道路やトンネル、ダムなどといったインフラに関わる工事が大半です。

そのため、自分の作った建設物が社会を支えていると感じられたり、生活の基盤に携われていると思ったりするためやりがいを感じやすいのです。

また、土木工事は大規模になることが多く、管理する中で複雑になってしまったり、大きな壁にぶつかってしまうことがあります。

ですが、その困難を乗り越えて完成した時には大きな達成感を得られるためやりがいが強く感じるでしょう。

努力によって高い給料も目指せる

先述した通り、若手や新人の時には土木施工管理の給料が低いと考えられています。

しかし、各業界の平均で見ると給与水準は高い傾向にあり、十分だと考える方もいるのです。

さらに、大手企業に勤務する場合は年収がさらに高くすることもできるでしょう。

もちろん、大手企業に入ったら給料が上がるわけではないため、現場の中で施工管理のスキルを身につけていく必要があります。

経験を積みながら資格取得を目指すことで、会社から任せてもらえる業務の幅が広がり給料も上がっていきます。

そのため、最初の下積み期間は長くなってしまいますが、経験を積んで高収入を目指せるところもメリットだといえるでしょう。

将来性がある

土木施工管理は需要が高いため、将来性があるといえます。

なぜなら、インフラ工事を中心に請け負っているため需要がなくなりにくいからです。

さらに、修繕や更新工事などでも仕事を貰えるため需要が増え続けるでしょう。

土木施工管理の担当する工事のほとんどが公共工事であることから、景気によって左右されにくく常に仕事があるのも魅力的です。

また、土木施工管理は細かく複雑な作業が多いため、機械に代替されにくく将来的にも仕事がなくならないと考えられます。

昨今では、土木施工管理をサポートするアプリなど普及していますが、機械自体が変わって仕事することは出来ません。

そのため、長期間にわたって需要があり、仕事も機械に奪われにくいため将来性があるといえるでしょう。

未経験からでも挑戦が出来る

土木施工管理は未経験からでも始められるため、やりたいと思った時に挑戦出来ます。

なぜなら、就職する時には資格や学歴を判断されることが少なく、意欲を見られていることが多いからです。

土木施工管理の仕事をしながら専門的な資格を取得していけばいいため、最初は未経験から始められます。

また、最初から管理する側に回るのは大変そうだと感じる場合は、まず現場の作業員として働いてみて知識や経験を身につけていきましょう。

そのため、現場を経験している分、作業員の気持ちがわかるようになり土木施工管理として働く時でも役に立ちます。

土木施工管理で働くための資格

実は、資格がなくても土木施工管理として働けます。

先述した通り、資格がなくても施工管理会社には就職が出来て現場に配属されるため経験で積み上げていくことも可能です。

しかし、必ず工事現場に配属する「主任技術者」や「監理技術者」の仕事をする場合は、資格の取得、または一定以上の実務経験が必要となります。

特定の技術者として働くために必要な国家資格は以下の通りです。

土木施工管理として働く場合には必要ありませんが、さらに上位の役職としてキャリアアップするためには、資格の取得を目指しましょう。

参考元：建設業法における配置技術者となり得る国家資格等一覧｜国土交通省

土木施工管理に向いている人の特徴

ここでは土木施工管理に向いている人の特徴を4つ紹介していきます。

1つずつ紹介していきます。

ものづくりに関わりたい

土木施工管理に向いている人の特徴として、ものづくりに関わりたい人が挙げられます。

土木工事を含め、建設業界ではものづくりを基本としているからです。

自分の管理した建築物が何年にも渡って、多くの人の生活を支えるため、好きなものづくりが社会の役に立ちます。

また、仕事のなかで、困難や壁が出てきても好きな仕事の場合だとあまり苦にならずに進められるでしょう。

そのため、ものづくりが好きで仕事にも活かしていきたい方におすすめです。

社会貢献出来る仕事がしたい

社会貢献をしてやりがいのある仕事をしたいと考えている方にも、土木施工管理は向いているといえます。

先述した通り、ものづくりが好きな人は向いていますが、ものづくりの経験がなくても社会貢献をしたいという気持ちがある方は仕事のやりがいを感じられます。

また、土木施工管理は業務量や忙しさから大変といえますが、社会に役に立つものが出来た瞬間のやりがいは他と比べて比べものにならないでしょう。

なお、国土交通省が建設業に勤めている方に対して調査した結果では、仕事を始めたきっかけの36％は「地域や社会への貢献度の高さ」、42％は「形に残る仕事だから」と回答しています。

引用元：建設従事者向けインターネット調査集計｜国土交通省

そのため、自分たちの仕事で社会の役に立ちたい方におすすめの職業といえるでしょう。

体力に自信がある

体力に自信がある人は、土木施工管理に向いています。

なぜなら、現場でマネジメントの作業をしたり、肉体労働したりと幅広く業務を進める必要があるからです。

また、1日の作業が終わると資料作成などの事務作業が始まるため、休みにくく一日中体力使うことになります。

体力に自信がある方は、途中で失速せずにずっと一定のペースで稼働し続けられるため業務の効率化を図れるでしょう。

結果、残業を減らせるため空いた時間で体を休めることが可能です。

仕事をしながら体力をつけていくことも可能ですが、元々体力に自信がある人は土木施工管理に向いているといえるでしょう。

コミュニケーション取るのが好き

人とコミュニケーションを取るのが好きな方は、土木施工管理に向いています。

なぜなら、土木作業の現場は幅広い年齢の方達といっしょに進めるチームプレイだからです

作業者の方やお客様とコミュニケーションを取りながら、作業を進めることで円滑な工事を実現出来ます。

そのため、元々コミュニケーションが好きな方は、積極的な意思疎通が出来たり、問題なども協力して解決が出来たりするため適職といえるでしょう。

このように、土木施工管理として円滑に現場を回すスキルは必要なためコミュニケーションが好きな方は向いています。

関連記事：施工管理に向いてない人の特徴30選！向いている人の特徴も解説

土木施工管理に転職するためのステップ

ここでは土木施工管理に転職するためのステップを3つ紹介していきます。

1つずつ紹介していきます。

就職の軸を決めるために自己分析する

土木施工管理に転職を考える前に転職の軸を決める必要があります。仕事についてから自分に合わなかったと後悔してしまう可能性を減らす必要があるからです。

自分に合っている仕事の場合はやりがいを持って楽しく仕事が出来ます。しかし、合わない仕事の場合は心身ともに疲弊してしまうことになります。

そのため、転職の軸を決める時には自己分析をおこないましょう。

自己分析をおこなうことで自分の好きや得意、強み、経験を客観的に見られるようになり今後の職業選択がみえてくるようになります。

そのため、自己分析の結果から転職の軸を決めると、自分にあった職種や企業につきやすくなるでしょう。

自己分析で考えるべき内容は以下の通りです。

まずは自分を知って、土木施工管理が向いているか判断してみましょう。

土木施工管理の勉強をする

土木施工管理の仕事をすると決めたら、仕事に関する勉強を始めましょう。

なぜなら、あらかじめ勉強しておくことで実際に働いた時のギャップを減らせるからです。

働き始めてから「思っていたのと違う」となってしまう前に、業界や仕事についてを調べてから転職を始めるようにしましょう。

また、先に勉強しておくことで、面接や入社後に役立つようになるため早いうちから勉強するのがおすすめです。

勉強方法は以下の通りです。

入社前から勉強すると早く身につけられるため、早めに土木施工管理の勉強を始めましょう。

転職エージェントを利用する

土木施工管理に就職するために転職エージェントを利用しましょう。

建設業に詳しいプロのアドバイザーが丁寧なヒアリングを元にあなたにあった企業を紹介してくれます。

現状の仕事が忙しくてなかなか転職活動が進められなかったり、勉強が忙しくて任せたい方におすすめのサービスです。

また、企業に関する不安もアドバイザーに連絡すると代理で企業に質問をしてくれるため、不安がない状態で転職活動を進められるでしょう。

そのため、初めての転職で不安な方やプロの意見を聞きながら転職を進めたい方にはおすすめです。

土木施工管理になるために利用したい転職エージェント

ここでは土木施工管理になるために利用したい転職エージェントを3つ紹介していきます。

1つずつ紹介していきます。

ビルドジョブ

RSG建設転職

リクルートエージェント

やめとけといわれる土木施工管理になる時によくある質問

ここではやめとけといわれる土木施工管理になる時によくある質問を3つ紹介していきます。

1つずつ紹介していきます。

離職率はどのくらいですか？

厚生労働省が令和4年に発表した業界別での離職率では、建設業界は10.2％といわれています。

全産業を合わせた数値では離職率が15％といわれているため、建設業界は離職率が低いのです。

ですが、建設業の入職率を見ると8.1％なっており、全産業の15.2％と比較すると入職率が低い状態になっていることがわかります。

数値の結果、業界全体の入職率が低いため離職率も低いと考えられます。

このように、入職者が少ないため、業界全体の高齢化が進んでおり人手不足による影響が建設業界で問題視されているのです。

土木施工管理の年収は低いですか？

厚生労働省が発表している土木施工管理の年収は603.9万円だといわれています。

国税庁によると国民の平均年収が、458万円といわれているため給与の水準は高いことがわかります。

しかし、若いうちは給料が低いことや、忙しさに見合っていないと感じることが多いのです。

経験を長い年数積んで、実績やスキル、資格の勉強などで評価されてくると給料がどんどん上がってきます。

最初のうちは低いと感じてしまうかもしれませんが、年数を重ねるにつれて平均の年収年収よりも大幅に増える可能性があるといえるでしょう。

土木と建築を比べた時にどちらが儲かりますか？

厚生労働省が発表しているデータを参考に比較をしてみましょう。

職種	給料
土木施工管理	603.9万円
建築施工管理	632.8万円
建築・土木作業員	411.1万円

国税庁によると国民の平均年収が、458万円といわれているため、土木施工管理と建築施工管理のどちらも高水準の給料だといえます。

施工管理同士を比較すると、建築施工管理の方が30万円ほど年収が高いことわかります。

作業員の場合は、土木も建築も変わらないため儲かることを考えると施工管理の仕事を選択する方がいいでしょう。

参考元：
土木施工管理技術者 - 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））｜厚生労働省
建築施工管理技術者 - 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））｜厚生労働省
建設・土木作業員 - 職業詳細 | job tag（職業情報提供サイト（日本版O-NET））｜厚生労働省

まとめ

本記事では、土木施工管理がやめとけといわれる理由について解説してきました。

改めて、土木施工管理がやめとけといわれる理由をおさらいしていきましょう。

土木施工管理は業務の複雑さで難しいため、大変な仕事だといえます。

しかし、施工が完了した時や社会貢献で役にやっている時はこの上ないやりがいを感じられるでしょう。

土木施工管理の良い面と大変な面をしっかり把握して、自分に向いていると感じた場合はぜひ挑戦してみてください。

この記事が就職活動の参考になってくれたら嬉しいです。