いざ専門学校を中退したくても、なかなか決断できない方も多いのではないでしょうか。

専門学校を中退した人の就職率は21〜29％（※1）となっており、中退後のキャリアに対して不安に感じる方も多いはずです。

参考：（※1）大学等中退者の就労と意識に関する研究｜独立行政法人労働政策研究

このような点を踏まえて本記事では、失敗しない就職活動のコツについて詳しく解説します。

専門学校の中退を検討中の方やすでに中退して就職活動に取り組んでいる方は、最後まで読んでみてください。

また、専門学校を中退した人におすすめの転職エージェントも、以下の記事にまとめています。就職活動に悩んでいる方は、合わせて活用してみてはいかがでしょうか。

関連記事：未経験に強い転職エージェントおすすめ12選｜転職時のポイントを徹底解説

関連記事：フリーターにおすすめの転職エージェント16社比較ランキング｜選び方と転職/就職成功のポイント

専門学校を中退した人の就職率は21〜29％

専門学校を中退した人の就職率は、約21〜29％（※1）となっています。「独立行政法人労働政策研究」の資料によると、就職割合は以下のデータがでています。

大学を卒業した新卒の就職率が98.1％（※2）と比較すると、非常に低いことが分かります。

筆者は美容専門学校に通っていた過去がありますが、途中で専門学校を中退したクラスメイトは就職先がなかなか決まらず、アルバイトをしながら生計を立てていた方もいるため上記の結果に納得する節もあります。

とはいえ、専門学校中退後の就職率が低いのは事実ですが、これは乗り越えられない壁ではありません。

中退した理由を明確にして、ポジティブにアピールできれば就職先は必ず見つかります。そのため、諦めずに粘り強く就職活動を続けてみてください。

参考：（※1）大学等中退者の就労と意識に関する研究｜独立行政法人労働政策研究
参考：（※2）令和6年3月大学等卒業者の就職状況｜厚生労働省

専門学校の中退率が6.31％と高い3つの理由

専門学校の中退率が6.31％と高い3つの理由は、以下のとおりです。

詳しく解説します。

クラスメイトとの人間関係が一定数うまくいかない

専門学校の中退理由として、クラスメイトと人間関係がうまくいかないケースも少なくありません。

専門学校では中学や高校同様に、クラスメイトとの共同作業が多くあります。

たとえば、次のような場面で相性の悪いクラスメイトと共同作業すると、学校に行くのがイヤになるかもしれません。

このような場面で相性が悪いクラスメイトがいると「あの子と一緒の席になるのはイヤだな...」「話したくないな...」など、不満がでてきていじめやケンカなどのトラブルに発展するケースも珍しくないでしょう。

また、専門学校に集まるクラスメイトは全国各地から集まる場合も多く、生活習慣や育った環境も違うため相性が悪いクラスメイトも多かれ少なかれいます。

このように自分と相性が悪いクラスメイトがいた場合、中退する学生もでてくるでしょう。

専門分野への勉強意欲が低下している

入学後に専門分野への勉強意欲が低下すると、学習するのがイヤになり最終的に中退を選択する学生もいるでしょう。

入学当初はやる気マンマンだったのに、いざ入学してみると「自分の想像と違う...」なんてことも十分にありえます。

筆者の経験では自動車整備士を目指して工業高校に入学したものの、授業の内容が合わず後から美容専門学校にキャリアチェンジして入学した経験があります。

筆者の場合は高校だったので中退まではしませんでしたが、勉強意欲が低下した状態だったので、中身のない時間を過ごしてしまいました。

このように専門分野への勉強意欲が低下した場合、専門学校を中退する要因の1つとなるので注意が必要です。

授業とアルバイトの時間配分が難しい

専門学校の中退率が高い要因の一つに、授業とアルバイトの時間配分が難しいことが挙げられます。

とくに学費や生活費を賄うためにアルバイトしている学生にとって、日頃のスケジュール調整は大変です。

また、専門学校は2年間で専門知識や技術を身につけるため、授業や実習が集中的に組まれるケースも多くあります。

そのため、授業ペースも早いのでアルバイトに集中しすぎてしまうと、学業が疎かになりついていけなくなります。

このように授業について行けなくなり、心が折れて中退してしまう学生も一定数いるのではないでしょうか。

専門学校を中退しても人生が終わりではない2つの理由

専門学校を中退しても人生が終わりではない2つの理由は、次のとおりです。

世の中には多くのキャリアパスが存在している

専門学校を中退しても、人生が終わることはありません。現在は多くの企業が人手不足となっており、あなたに合った仕事は必ず見つかります。

実際、従業員数9人以下の小規模企業では30.6％（※3）、300人以上の中規模企業でも67.2％（※3）が人手不足と答えています。

このため、多くの企業は自社で働いてくれる従業員を探していると言えるでしょう。

また、学歴関係を重視せずに採用活動している業界も、次のように多くあります。

このように専門学校を中退したとしても、多くのキャリアパスがあるので特別心配する必要はありません。

自分自身に合う職業を見つけられるよう行動してみましょう。

参考：（※3）「人手不足」・「人材不足」に立ち向かうための取り組み｜労働政策研究・研修機構

合わない環境から離れることで本来の実力が発揮できる

専門学校の中退は、合わない環境から離れて本来の実力が発揮できるチャンスでもあります。

たとえば、手先がすごく不器用なのに美容師を目指してもうまくいかないケースが多いでしょう。しかし、コミュニケーション力が人一倍優れていれば営業職として成功するかも知れません。

また、自分自身が向いていないと感じて早めに中退できれば、ムダな時間を過ごさなくて済みます。

学費は金銭的なものなので取り返せますが、時間は有限なので取り返せません。

専門学校を中退しても人生が終わるわけではないので、中退したくなった場合は一度落ち着いて人生について考えてみてください。

家族や友人、就活エージェントなどに相談してみるのも一つの方法です。

専門学校を中退すると就職ができないと言われている理由｜3選

専門学校を中退すると就職ができないと、言われている理由について3つ紹介します。

それぞれ見てみましょう。

忍耐力が無くすぐに辞めると思われる

専門学校を中退すると「忍耐力がなくすぐに辞める応募者なのかな...」と思われる場合もあります。

とはいえ、企業の採用担当者はあなたがなぜ、中退したのか深い理由までは把握していません。

このため、採用担当者が納得できるような明確な理由を伝えられると特別問題にはならないでしょう。

もし、忍耐力がない印象さえ払拭できれば、採用確率は大きく向上するはずです。

ただし、書類選考の段階では気持ちを直接伝えられないため、まずは書類選考に合格する必要があります。第一の壁、書類選考通過率を向上させるためにも、履歴書や職務経歴書の作成にはこだわってみてください。

もし、履歴書作成や職務経歴書の作成方法に不安を抱えている方は、就活エージェントに相談してみて添削やアドバイスを受けてみるとよいでしょう。

基本的に無料で利用できるため、安心して利用できます。

最終学歴が高卒になるので就職先が限られる

専門学校を中退してしまうと、就職先が限られてしまうのも事実です。

たとえば、以下のような職種へ就職したい場合は基本的に大卒の資格が必要です。

このように最終学歴が高卒だと、現実的に就職できない職種はあります。

とはいえ、近年は学歴問わずポテンシャル採用している企業もたくさんあります。特別なりたい職種がない場合は、それほど気にする必要はないでしょう。

新卒枠が使えなくなる

専門学校を中退すると「新卒枠」での就職機会を失ってしまいます。

新卒採用は多くの企業が学歴や学位よりも、学生としてのフレッシュさや柔軟性を求めて採用しています。

そのため、大手企業にも中途採用より好条件で入社しやすいです。

一方、中途入社になってしまうと経験を重視した採用を企業側も前提としています。このため、優良企業や大手企業への就職難易度は新卒入社より高くなるのか通常です。

とはいえ、20代の第二新卒扱いになる場合や30代前半までであれば、ポテンシャル採用してもらえる可能性もあります。そのため、新卒枠が使えないからといってそれほど悲観的に捉える必要はありません。

専門学校を辞めてよかったと思う3つの瞬間

ここからは、専門学校を辞めてよかったと思う3つの瞬間について紹介します。

選択肢が広がった

専門学校を中退し、むしろキャリアの選択肢が広がったと感じる方も少なくありません。

専門学校を中退すると、固定された進路から解放されて時間ができます。

まずは実家に帰ってゆっくり就職先を探したり、アルバイトを続けながら別の専門学校や大学を目指してみたりと、専門学校を中退するとさまざまな選択肢が広がります。

本当に続けたい専門学校であれば中退する必要はありませんが、今後就職してまでやりたくないと思った職業であれば中退を早めに決断して新たな道に進んでみてはいかがでしょうか。

新しい人との出会いにつながった

専門学校を中退すると新しい人々と出会う機会が増え、視野が広がるケースも多くあります。

新しい人と出会える機会は、次のような場面が考えられるでしょう。

このように専門学校を中退すると新たな行動をして環境が変わるため、必然的に出会う人が変わります。筆者自身も多くの転職経験があるので、人との新たな出会いの大切さはわかります。

専門学校を中退するには勇気も必要ですが、辞めたとしても新たな出会いが必ずあるので前向きに捉えましょう。

お金と時間を有効に使えるようになった

専門学校を中退してすぐはお金と時間にゆとりができ、空いた時間は有効に使えるようになります。

学費の負担がなくなり、自由に使える時間が増え、自己投資や新たなキャリア構築に集中でき辞めてよかったと感じる方も多いでしょう。

専門学校中退は、一見するとキャリアの後退に思えるかもしれません。

しかし、お金と時間の使い方次第で、むしろキャリアアップできます。

自由になった資金と時間を有効活用し、市場価値の高いスキルを身につけて魅力的な人材として就職活動に臨んでみてはいかがでしょうか。

専門学校を中退した際の就職活動でのデメリット

専門学校を中退したことによる就職活動でのデメリットは、次のようなものがあります。

上記のように専門学校を中退してしまうと入学した費用がムダになったり、技能が身に付かなかったりなど、就職が不利になる可能性があります。

また、最終学歴が高卒になってしまい、就職先の選択肢が狭くなる点もデメリットと言えるでしょう。

とはいえ、専門学校を中退してもデメリットばかりではありません。次章では専門学校を中退しても就職を成功させるポイントについて紹介します。

専門学校を中退後、就職を成功させる3つのポイント

専門学校を中退で、就職を成功させる3つのポイントは次のとおりです。

詳しく解説します。

早めに就職活動をする

専門学校を中退して、別の専門学校や大学に行く予定がなく就職する場合は、早めに就職活動するのがおすすめです。

専門学校を中退した場合、他の新卒者と比較して「中退」という履歴書の空白期間ができるので不利に働く場合もあります。

空白期間ができると採用担当者も「なぜ、この子はこの期間何もしていないんだろう...」と心象が悪くなります。

そのため、すぐに就職したいときは、中退する前から就職活動の準備をしておくとよいでしょう。

とはいえ、早めに就職活動をはじめてもすぐに就職先が決まるとも限りません。

このような場合、金銭的に余裕がある場合は資格取得してみたり、金銭的に余裕がない場合はアルバイトや派遣の仕事をしたりしてみましょう。

空白期間をどのように過ごしているかをうまく説明できると、採用確率をアップできます。

中退理由はポジティブに伝える

専門学校中退後の就職活動で失敗しないようにするには、中退理由をポジティブに伝えましょう。

たとえば以下のようにネガティブな内容でもポジティプに伝えられると、採用担当者への印象もよくなります。

「学校の勉強について行けなかった」→「早く社会人になる方が自分に向いていると感じた」

このようにネガティブな内容でも、ポジティブな理由に言い換えられます。

そのため、辞める理由がネガティブな場合も、ポジティブな理由に変換できないか考えてみてみてください。

ただし、嘘をついてしまうと話が矛盾してかえって印象が悪くなるので、説明する際は正直に伝えるのを心がけましょう。

若さをアピールする

専門学校を中退した後の就職活動では、自分の「若さ」を強調するのがポイントです。

若い人材は吸収力があり覚えるのが早い傾向があるので、企業側としても長期雇用の目線で成長に期待しています。

このため、専門学校を中退しても10代後半から20代前半の人材は企業側としても積極的に採用してくれるでしょう。

筆者の場合、20代前半にフリーター期間はありましたが、25歳の転職時に若さとやる気だけで内定を獲得した経験があります。

書類上では若さをアピールしにくいですが、一度書類選考に通過できれば面接で気持ちを伝えられます。

あなたの若さを採用担当者にぶつけて内定を獲得してみてください。

専門学校中退後はハローワークと転職エージェントの活用がおすすめ

専門学校中退後すぐに就職活動する場合であれば、ハローワークと転職エージェントを積極的に活用すると非常に効果的です。

ハローワークと転職エージェントには、次のようなメリットとデメリットがあります。

	ハローワーク	転職エージェント
メリット	無料で利用できる	無料で利用できる
	地域密着型の求人が多い	優良な非公開求人がある
	職業訓練が利用できる	応募先企業との交渉を代行してくれる
デメリット	求人数が限られている	合わない求人を紹介される場合がある
	深いサポートは基本的にない	登録に手間がかかる

「ハローワーク・転職エージェント」ともに利用料金は無料です。

一度、無料登録してみてあなたに合うサービスを利用するようにしてみてください。

【専門学校中退した人向け】おすすめ転職エージェント｜3選

専門学校中退した人向けのおすすめ転職エージェントは、次の3つがあります。

それぞれ見てみましょう。

えーかおキャリア

ハタラクティブ

就職カレッジ

専門学校中退に関するよくある質問

専門学校中退に関するよくある質問を3つ厳選したので、それぞれ解説します。

専門学校を中退するとどんなデメリットがありますか？

専門学校を中退すると技能が身につかないので、専門学校に支払った費用がムダになってしまいます。

また、最終学歴が高卒になってしまう点も大きなデメリットと言えるでしょう。

専門学校を中退する人は多いですか？

専門学校を1年間で中退する割合は6.31％で、大学生の1.94％と比較すると多いと言えるでしょう。

教育機関	中退者数	中退率
専門学校	30,403人	6.31%
大学	52,459人	1.94%

専門学校を中退する人は100人いたら約6人が中退するため、人によっては多いと感じるかもしれません。

ただし、先行している専門分野によって中退率は変わるので、目安として捉えてみてください。

専門学校を中退した女の人の就職先はどのような企業がありますか？

専門学校を中退した女の人の就職先には、次のような企業があります。

職種	就職先の例
事務職	一般企業全般
販売職	洋服店、雑貨屋、携帯ショップなど
サービス業	飲食店、カフェ、ホテルなど
介護・福祉	介護施設、福祉施設、養護学校など
IT技術職	一般企業全般
営業職	一般企業全般

専門学校を中退したとしても、多くの企業が人手不足のため就職できないケースはほとんどないでしょう。

自分に向いている職種と企業を見つけて、今後のキャリア形成をしてみてください。

まとめ：専門学校を中退しても特別心配はいらない

専門学校を中退した後のキャリアアップに関して、特別な心配は必要ありません。

むしろ専門学校を中退したことで、自分に向いているキャリアを身につけられるチャンスです。

また、10代後半から20代前半のあなたであれば、別の専門学校や大学で学んだり、ポテンシャル採用で大手企業に就職できたりできます。

そのため、専門学校の専攻した内容が合わず中退した場合、悲観的になる必要はないでしょう。

もし、それでも不安が残る場合は転職のプロ、転職エージェントに相談してみてください。

転職エージェントであれば、あなたの生活状況や今までの経歴などを踏まえて、転職先の紹介とサポートをしてくれます。

また、多くの企業と日頃からやり取りをしているので、企業の求めている人材も把握しています。

そのため「専門学校を中退してしまい今後が不安...」と悩んでいる方は、転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか。