20代でまだまだ若いITエンジニアの場合、技術職特有の悩みもあり、どうすれば今以上のキャリアを築けるのか、転職するにしても、なかなか行動に移せない方も多いでしょう。

Tech総研が行った、エンジニア100人に対する転職時の不安に関するアンケートによると、多くのエンジニアが『スキルへの不安：51%』『実務経験の少なさ：49.5%』などを挙げていることがわかっています。

本記事では、20代のITエンジニアが転職する際に知っておきたい前提知識や、失敗を避けるための対策について解説します。

関連記事：IT転職エージェントおすすめ比較28選！エンジニア向けに徹底解説【2024年最新】

20代ITエンジニアが転職に踏み切れない理由とは？

最初にも少し触れましたが、20代ITエンジニアが転職に迷う理由として「自分のスキルが他社で通用するか」といったものが挙げられます。

リクナビNEXT「Tech総研」の調査によれば、代表的な理由は以下の通りでした。

転職で抱いていた不安（複数回答）	割合（％）
自分のスキルが通用するか不安	51%
実務経験が足りない（といった）不安	49.5%
新しい環境にうまく溶け込めないかもしれない不安	40%
転職が失敗することに対する不安	31%
年齢が高い不安	27.5%
前職より評価待遇が下がる不安	22.5%
その他	1.5%

何年か実務経験を積んでいたとしても、使用する言語やフレームワークが異なれば、一から勉強し直しになるケースもあるでしょう。

あらゆる領域で通用するエンジニアになるのには膨大な時間を要するため、このような不安を抱くのも決して無理はありません。

20代ITエンジニアの転職が成功しやすい理由

よくある不安とは裏腹に、20代ITエンジニアの転職は成功しやすい傾向にあります。

ここではそれぞれ理由を解説しますので、ぜひ目を通してみてください。

20代はポテンシャルを期待されやすいから

基本的に転職は、若いうちの方がポテンシャルで採用してもらえて有利です。

仮に今の会社の将来性がなかったとして、25歳のときに転職しておけば将来性を見出してくれた企業が採用してくれることはあるでしょう。

しかし、30代を超えてから市場価値のあるスキルを身につけないまま転職活動するとなると、採用のハードルが一気に上がります。行動せずに転職の機会を逃すのもリスクです。

ポテンシャルとは文字通りこれからの伸びしろです。面接での印象やこれまでの努力などから判断されます。

仕事以外にも独自に最新の技術で何かを作ってみたり、難易度の高い資格を取得したりすることで、口だけではない根拠のある熱意を伝えられます。

20代を求めている企業が多いから

これはIT業界に限った話ではありませんが、年代が若いほど求人数も多い傾向にあります。

20代であれば応募を断られることも殆どありませんので、豊富な求人数から自分に合ったものを見つけることができるでしょう。

また未経験からITエンジニアに転身したいという場合も、20代であれば求人を見つけやすいはずです。

30代に突入すると一気に求人数が限られてくるため、未経験からの転職は早め早めの判断が吉といえるでしょう。

20代ITエンジニアに未経験で転職するコツ

結論から言うと、20代であれば未経験からでもIT業界に転職することは可能です。

と言うのも、IT業界は社会問題にもなるほど人材不足が深刻化しており、引く手あまたな状態です。

20代であれば、働きながら技術を習得することも可能ですので、IT業界に興味のある方はぜひチャレンジしてみてください。

目指したい職種を決める

ITエンジニアとひと口にいっても、開発系からインフラ系、さらに特定の系統に当てはまらない社内SEやQAエンジニアなど様々な職種があります。

各々のITエンジニアによって、必要なスキルや取得しておくべきスキルが異なります。

20代未経験でITエンジニアに転職したい！と思った際には、まずどの職種を目指すのかを明確にしておきましょう。

各職種について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事：未経験からITエンジニア転職はきつい？未経験可求人の実情やおすすめの職種を解説！

自主的に勉強する

ITエンジニア未経験の求人はたくさんありますが、全くの未経験では歯が立たないことがほとんどです。

前もってプログラミング言語の学習やシステム構築など、エンジニアにとって必要なスキルを学習しておきましょう。

まずは自力でコードを書いたりプログラムを動かしたりして、ITエンジニアそのものに適性があるのかを確かめておくのも重要です。

「独学で勉強すると挫折しそう……」と感じた方は、以下記事でおすすめしている無料のプログラミングスクールを活用してみるのも手です。

20代であれば無料で言語や資格を学べるほか、転職支援もおこなってもらえるケースがありますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事：プログラミングスクールおすすめ25選を比較【2024年5月版】闇や実情についても解説！

ITエンジニアの人脈を広げておく

一人で黙々と作業を進めるイメージの強いITエンジニアですが、実際は他職種と連携を取りながら進めることも多く、コミュニケーション能力が求められます。

エンジニアの学習会やスクールなどで人脈を広げておくと、新たな仕事につながったり、面接でプラスに働くかもしれません。

他のエンジニアと交流することで、仕事に対するモチベーションもぐっと高まるでしょう。

長期的な目線でキャリアプランを練っておく

ITエンジニアは将来性が高いことから、転職したいと考える人が多い職種でもあります。

ただし何となくで転職したり、年収の高さだけに惹かれて入社してしまうことはおすすめできません。

ITエンジニアは需要が高い分、常に学習し続けることが求められます。職種によっては夜勤や残業が多く発生することもあり、ミスマッチを感じてしまう方もいるかもしれません。

未経験からエンジニアに転職する場合は、5年後、10年後にどうなっていたいのかを見据え、適切なキャリアパスを練っておくことが大切です。

たとえば「スペシャリスト志向」か「ジェネラリスト志向」かといった観点から考えてみるのもよいでしょう。

20代ITエンジニアの平均年収は？

dodaが2024年に発表した調査によれば、20代ITエンジニアの年収は「380万円」と発表されていました。

以下で全職種と比較してみましょう。

属性	20代の平均年収
ITエンジニア	380万円
全職種（男女合計）	352万円
全職種（男性）	377万円
全職種（女性）	329万円

企業や職種・個人のスキルによっても異なりますが、全職種に比べて高い給与を受け取れることが分かります。

20代エンジニアが転職に失敗するケースと対策

20代ITエンジニアはポテンシャルが期待されることが多く、転職に成功しやすいとお伝えしてきました。

しかしそれは「しっかりと準備した場合」であって、全く準備せずに転職に臨んでしまうと失敗する可能性があります。

ここでは20代ITエンジニアが転職に失敗するケースと、その対策を紹介します。

必要なスキルを把握せずに転職活動を始めてしまう

20代の場合、スキルが足りないうちに転職活動を始めてしまう方も多いでしょう。

企業の求めるレベルに達していなかったり、自分のスキルを十分に理解していなかったりすると、希望の転職先が見つからない可能性も高くなります。

また企業によって選考方法は異なりますが、プログラミングの実技試験やトラブルシューティング問題など実技試験が課されるケースもあります。

応募先企業の試験内容を確認し、十分な対策をおこないましょう。

転職を考える際は、必要なスキルが身についているか確認しておきましょう。スキルが不十分な場合は勉強やスキル習得に励み、ある程度のスキルを得てから転職活動を始める手もあります。

目的やキャリアプランを曖昧にしている

転職先を決める際に「年収が高いから」「誰もが知る大手だから」といった理由で決めてしまうのは危険です。

企業の採用担当者は日々何人もの求職者と接していますので、安易な目的で応募しても見抜かれてしまう可能性が高いでしょう。

なぜ転職するのか・どのようなキャリアを積んでいきたいのかを言語化しておかないと、「転職しなければよかった」と後悔することになりかねません。

「上流工程に携わりたい」「仕事と家庭を両立したい」など、まずは目的を明確にしておくことが大切です。

転職を先延ばしにして応募できる求人が減ってしまう

最も多いのが、そろそろ転職をしようかな〜どうしようかな〜と考えている間に20代も後半になり、エンジニアとしての転職時期を逃してしまうことです。

20代前半の若手であれば、まだまだ伸び代を感じて採用してくれる企業も多いですが、ITエンジニアの転職市場は30歳前後が１つの区切りになります。

30代のエンジニア転職求人はスキル重視、マネージャークラスなどが多くなり、スキルを求めない案件は格段に減ってしまいます。

そのため、20代後半から30歳という区切りを認識し計画を立て、少しずつでも具体的な行動をしていくことが大切です。

現場社員の声を聞かずに内定を承諾してしまう

インターネットで検索すれば、企業の評判などがたくさん出てきます。

中には参考になる情報もあるでしょうが、口コミなどではマイナスの意見が目立ちやすいため、必ずしも信ぴょう性が高いとは言えません。

評判や口コミだけを鵜呑みにせず、現場で働いている人の意見を聞くことが何よりも大切です。

転職先を選ぶ際は、転職エージェントを通して下調べしたり、応募先企業で働いている方の生の声を集めたサイトなどから情報を得るようにしましょう。

知り合いやOB・OGがいる場合は、職場見学をさせてもらうのも良いでしょう。

【経験者向け】20代ITエンジニア向けの転職サービス

ここでは、20代ITエンジニアにおすすめの転職エージェントを3つ紹介します。

なお経験者を想定して紹介しますので、未経験からエンジニアを目指している方は「【未経験者向け】20代ITエンジニアにおすすめの転職サービス」の章をご覧ください。

レバテックキャリア｜5人に4人が年収アップの実績あり

20代ITエンジニアで転職を考えているのであれば、まずおすすめしたいのがレバテックキャリアです。

主に年収アップと手厚いサポートに強みがあり、アドバイザーの中には元社内SEといった専門性の高い方も在籍しています。

さらに10,000回にわたる企業訪問をおこなっており、求人票では手に入らない職場の人間関係や残業率・有給消化率などの内部情報を教えてもらうことも可能です。

今の年収・キャリアに停滞を感じているのであれば、まずは相談から始めてみてはいかがでしょうか。

マイナビIT AGENT｜主に20代のエンジニア向け・初めての転職におすすめ

マイナビIT AGENTは、大手人材会社のマイナビが運営するエンジニア特化型の転職エージェントです。

主にSE・アプリケーションエンジニアなどの開発系に強く、年収アップを目指せる求人が豊富に揃っているのが強みといえるでしょう。

他エージェントに比べ20代向きの求人が多いため、まずは検索してどのような求人があるのか確かめてみてはいかがでしょうか。

Geekly｜IT業界・エンジニア特化！アドバイザーの知識に定評

首都圏・関西で転職を考えているエンジニアであれば、Geeklyを活用するのがおすすめです。

IT・Web・ゲーム業界に特化しており、プログラマーから開発系・インフラ系と幅広い求人を保有しているため、選択肢が広がるでしょう。

都市部にお住いの方は、先述したレバテックキャリアやマイナビIT AGENTと併用する形で取りこぼしをなくせるでしょう。

レバテックダイレクト｜自分の市場価値を知りたい20代エンジニアにおすすめ

レバテックダイレクトは、登録するだけでマッチ度の高いスカウトが届くITエンジニア向けの転職サービスです。

企業が厳選して質の高いスカウトを送っており、約93%が面接・面談確約のスカウトという実績が出ています。

公式サイトでは約60の職種、90のスキル（言語・フレームワーク、クラウド、ネットワーク機器など）で検索できますので、スキルを活かせる求人を見つけやすいでしょう。

すぐに転職を考えていない20代の方でも、登録することで思わぬ企業からスカウトが届くかもしれません。

サービス概要
サービス名	レバテックダイレクト
運営会社	レバテック株式会社
公開求人数	6,916件
対応地域	全国／海外
公式サイト	https://levtech-direct.jp/

【未経験者向け】20代ITエンジニアにおすすめの転職サービス

続いて、ITエンジニア未経験者におすすめの転職サービスを見ていきましょう。

Green｜企業とカジュアルに面談ができる

リクルートエージェントIT｜未経験可の求人が充実

20代未経験からITエンジニアを目指したい場合は、大手人材会社であるリクルートが運営する「リクルートエージェントIT」がおすすめです。

未経験者向けの求人を多数取り扱っており、地方での求人も充実しているため、希望する勤務地での求人が見つかりやすいでしょう。

また1977年の創業以来、リクルートが蓄積してきた転職ノウハウをもとに書類添削・面接対策などを受けることが可能です。

エンジニア以外の求人も取り扱っていますので、選択肢を広げたい方はぜひ利用してみてください。

ワークポート｜全国50ヶ所に拠点があり地方転職に強い

地方で転職を考えている20代の方におすすめなのが、全国50ヶ所に拠点を持っているワークポートです。

IT業界に精通した転職コンシェルジュが在籍しており、応募書類の添削から面接対策・条件交渉まで丁寧におこなってくれるのが魅力です。

エンジニア未経験向けの求人も充実しているため、納得のいく求人が見つかるでしょう。

20代ITエンジニア転職の難易度【前半後半別・男女別】

ここでは20代ITエンジニアが転職する際に、20代前半か後半かで難易度が異なるのか、男女によって違いはあるのか解説します。

【男女別】20代ITエンジニア転職の難易度

20代でITエンジニア転職を考えるにあたって、男女で差があるのか気になる方もいるのではないでしょうか。

2018年にパソナテックが実施した「エンジニア職における職場の女性比率」では、エンジニア職の男女比を「9:1」と回答している方が33%と最多でした。

一見女性が入りにくい業界のように感じる方もいるかもしれませんが、実際にはIT人材の不足が問題視されており、2030年には59万人もの人材が不足されると予想されています。

20～25歳の女性であれば、経験やスキルではなくポテンシャルを重視して採用する企業も多いため、難易度はそこまで高くないと判断できるでしょう。

【前半・後半別】20代ITエンジニア転職の難易度

IT業界に限らず、20代前半であれば伸びしろを見込んで採用する企業も多いため、難易度はあまり高くないといえます。

ただし20代後半かつ未経験から転職したい場合は、難易度が上がる傾向にあります。

20代後半となると5年以上の社会人経験を積んでいる方も多いため、企業側も一定の経験・スキルを求める傾向にあるからです。

20代前半のうちに転職を決断するか、あるいはスクールや独学などでスキルを身につけ、企業に貢献できるとアピールすることで成功しやすくなるでしょう。

転職回数が多いと不利になる？

スキルが年収に反映されるエンジニアでは、より評価される環境を求めて転職するケースは少なくありません。

ただし短期離職が多い方の場合は「採用してもすぐに辞めるのでは？」と不信感を持たれてしまうリスクもあります。

転職理由を伝える際は、ネガティブな理由であってもポジティブな表現に言い換えるなど、工夫を凝らすことが重要といえるでしょう。

まとめ｜20代ITエンジニアの転職は成功しやすい！

20代はポテンシャル採用が期待できるため、経験者・未経験者ともに転職しやすい年代といえます。

またITエンジニアは経験を積むごとに年収が上がりやすい職種ですので、早めに決断することでより良い待遇が得られるかもしれません。

ただし「何となく」で転職するのではなく、自身のキャリアプランを綿密に練って計画することが大切です。

自分ひとりで考えることが難しい際は、IT転職のプロである転職エージェントに相談してみるのもおすすめです。

業界の動向やトレンドをもとに、あなたにぴったりの求人を見極めて紹介してくれるでしょう。