文部科学省の「学生の修学状況（中退者・休学者）等に関する調査」によると、令和3年度時点で大学中退した学生は57,875人 でした。

中退理由の1位は転学、2位は学校生活不適応であることがわかりました。このことから、大学中退する方は珍しくありません。

しかし勢いに任せて中退すると後悔してしまう可能性があります。本記事を参考にして、大学中退すべきかを判断していきましょう。

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大学中退してよかったと感じる理由

大学中退者が「大学中退してよかった」と感じる理由は以下の4つでした。

自分のやりたいことに時間を使える

大学中退すると通学や講義に参加する必要がなくなるので、自分のやりたいことに時間が使えます。

空いた時間で、資格の勉強や留学のためにアルバイトや派遣社員として働くこともできます。

最初の数ヶ月は、休息期間を設けるのも良いでしょう。しかし、空白期間が1年以上あると就活時に不利になる可能性があります。

もしやりたいことがなければ、後述する「大学中退者の進路」をご確認ください。

学費の支払いがなくなる

大学を中退すれば、学費の支払いがなくなります。例えば国公立大学の場合、4年間通うと約240〜260万円かかります。

大学の種類	4年間の学費
国公立大学	約240～260万円
私立大学（文系）	約390万円
私立大学（理系）	約540万円
私立大学（その他）	約500万円

大学を中退すれば学費分が浮くため、資格の勉強や留学費用に当てることができます。

大卒者よりも早く社会人経験を積める

大学を中退すれば、大卒者よりも早く社会人経験を積めます。

大卒者と比べて、仕事に必要なスキルや知識を早く習得できるでしょう。職種を選ばなければ、1〜2年後にリーダーや店長などへステップアップできる可能性もあります。

未経験者歓迎やポテンシャル採用など、大学中退者でも応募できる求人もあるので求人サイトを確認してみてください。

悩みが軽減される

大学を中退すれば、さまざまな悩みが軽減されます。例えば以下のようなケースが想定されるでしょう。

体調面での不安や金銭面など、大学に関するストレスを抱えていた方にとっては、中退することで「よかった」と感じるケースが多いようです。

大学中退して後悔する理由

大学中退者が中退して後悔した理由は以下の4つです。

特別な理由もなく大学を中退すると後悔してしまう可能性があるため、よく考えましょう。

最終学歴は高卒となり就職先の選択肢が減る

大学中退者の最終学歴は高卒となります。学歴不問や高卒以上と募集している求人よりも、大卒以上で募集している求人の方が多いです。

将来就職したい職種があるなら、学歴不問もしくは高卒でも応募できるか確認してください。それを知らなければ、大学中退を後悔してしまう可能性があります。

就職に不利になる可能性がある

大学を中退すると最終学歴は高卒となります。

大学に在学していれば、就職課などがサポートをしてくれることもあるでしょう。また就職率をアップするために、先生たちが面接対策にも協力してくれます。

しかし大学中退者は、そのように協力してくれる先生がいません。就活に必要な知識を知らない状態で仕事探しをしてもうまくいく可能性は低いといえます。

しかし、後述する転職エージェントなどを利用すれば就職先を見つけられるでしょう。確認してみてください。

大学で知り合った友人と疎遠になる

大学を中退すると、大学で知り合った友人と疎遠になる可能性があります。

初めのうちは会っても気まずくないかもしれません。しかし社会人になったら、学生の友人とは話が合わなくなることもあります。

職種によっては土日に出勤することがあるため、大学の友人と会う機会がなくなることもあるでしょう。そのまま疎遠になってしまうということも珍しくありません。

両親や親族からの目が厳しくなる

大学を中退してしまうと、学費を出していた両親から厳しい目で見られる可能性があります。

大学を卒業している親族からも「やる気のないやつ」だと思われるかもしれません。就職に失敗した場合にも「大学中退したから」と周りから思われてしまう可能性があります。

大学中退すると、周りの人から批判的な目で見られるリスクも知っておきましょう。

大学中退を後悔しないために実践すること

勢いで大学中退してしまうと、後から後悔する可能性が出てきます。

いきなり中退を決めるのではなく、以下のような対処法を実践できないか考えてみましょう。

大学中退以外の手段は選べないか考える

大学を中退してしまうと、これまで支払ってきた学費が無駄になります。

休学、編入、転学など、中退以外の手段が選べないか考えてみましょう。例えば精神的な理由で中退を検討しているなら、休学して体を休めれば体調がよくなる可能性があります。

中退後の将来像を思い描けているか考える

中退後にどのようなことを実行したいか、具体的なプランを立てていますか？

中退後の将来像が思い描けていなければ、ニートになってしまう可能性があります。空白期間が長く、職歴がなければ就活時に不利になるでしょう。

どのように将来像を考えればいいかわからない方は、「大学中退者の進路」を参考にしてみてください。

自分ひとりではなくさまざまな人の意見も参考にする

大学の学生支援センター、親、友人、知人、公的就職支援サービスなど色々な人の意見を聞いてみましょう。

特に大学の学生支援センターでは、大学を中退するべきか悩んでいる人の相談実績があります。あなたが知らないだけで利用できる制度があるかもしれません。

大学中退をするなら、親の許可とサインが必要です。

学生支援センターや公的就職支援サービスで情報収集をしてからの方が、親も真剣に大学中退の話を聞いてくれるでしょう。

大学中退者の進路

大学中退者の進路は以下が多いようです。中退前にどのようなことに挑戦してみたいか考えてみましょう。

休息期間を設ける

精神的な理由から大学を中退した場合、休息期間を設けましょう。体調が悪いうちから次のことを進めてもうまくいかないためです。

焦る気持ちはわかりますが、まずは体を休めてください。ただし休息期間は1年未満がおすすめです。1年以上休息してしまうと、ニートや引きこもりになってしまう可能性があるためです。

20代なら、職歴がなくても正社員として就職できる可能性があります。しかし、空白期間が長く年齢を重ねた場合、応募可能な求人が少なくなってしまうので気をつけてください。

他の大学や職業訓練校に通学する

学校のレベルが高すぎて、講義についていけなくなった場合は編入という選択肢も検討してみてください。単位認定してもらえれば4年で卒業できる可能性があります。

大学に通うつもりはないし、すぐ就職するつもりもない方は職業訓練校に通学してみるのも良いでしょう。

職業訓練校とは、ハローワークが運営しているスクールのようなものです。受講すれば、エンジニアやWebデザイナースキルを身につけられます。

職業訓練校はテキスト代や通学費用を除けば基本的に無料で利用できます。一定条件を満たせば、職業訓練受講給付金が手に入れられるのも職業訓練校の魅力です。

留学する

大学を中退したらまとまった時間が確保できるため、留学する人もいます。

語学留学や海外大学への進学、ワーキングホリデーを使ってお金を稼ぐ人もいるでしょう。

特にワーキングホリデーは18歳〜30歳の年齢制限があります。挑戦したいなら早めにチャレンジしてください。

将来的に海外で働きたいと思っている人や語学を活かして就職したい人は、留学を視野に入れてみると良いかもしれません。

就職する

特にやりたいことがなければ、就職することをおすすめします。

なぜなら空白期間が長いと、書類選考で通過する可能性が下がってしまうためです。

職務経歴書や履歴書の書き方がわからない方は後述する就職支援サービスを利用してください。面接対策などのサポートを受けられます。

アルバイト経験がなく、いきなり正社員として働けるか不安な方は、期間を決めてアルバイトや派遣社員として働くのが良いでしょう。

アルバイトや派遣社員として長く勤めれば、正社員雇用に切り替えてくれる可能性があります。

資格を取得する

就職できる可能性をあげるために、資格を取得するのも良いでしょう。

特にこだわりがなければ、以下の資格がおすすめです。

簿記はお金の流れや出入りなどを細かく知ったり、管理するうえで必要な資格になります。

経理、営業事務、会計事務所のスタッフを希望しているなら役立ちます。2級以上を習得すると就活に有利です。

宅地建物取引士は、不動産業界の仕事をするうえで役立つ資格です。

宅建を保有していると、土地や建物の契約を締結する前のお客様に重要事項を説明できるようになります。

不動産取引に関する知識を保有している証明になるので、 不動産営業や建築業界への就職を目指せます。

登録販売者とは、薬品の販売・説明ができる資格です。

国家資格の一種であり、登録販売者が在籍していれば、第2・第3薬品の取り扱いが可能になります。ドラックストアの店舗スタッフとして活躍できるでしょう。

大学中退すべきか悩んでいるなら就職支援サービスを活用しよう

就職を検討している場合、大学在籍中に進めておいた方がスムーズに就活できます。

内定がもらえるまで時間がかかることもあるので、余裕があるうちに就職支援サービスを活用してみましょう。

えーかおキャリア

えーかおキャリアは、10〜20代の既卒者・フリーター・ニートに特化した転職エージェントです。

えーかおキャリアでは、短期間で内定を獲得するよりも長く働ける職場かどうかに重きを置いています。

その人の要望にあった求人を紹介してくれるため、入社1年後の定着率は97%と高い水準を誇っています。

マンツーマンで指導してくれるので、就活のやり方がわからない場合は都度サポートしてもらえるでしょう。

ハタラクティブ

ハタラクティブは20代の未経験者向け求人を多く取り扱っているサイトです。

取り扱い求人の8割が未経験でも応募できるため、自分に合った求人を選べる可能性が高くなります。

書類作成や面接対策ほか、就活に必要な情報はキャリアアドバイザーが教えてくれます。

特に面接対策では、採用担当者に好印象を与えられる回答を教えてもらえるため、面接本番でも自信を持って答えられるでしょう。

丁寧にヒアリングするので利用者の強みを理解し、適切な仕事を紹介してもらえます。そのため適職につける可能性が高くなるでしょう。

就職カレッジ

就職カレッジは、フリーター、大学中退者、就職・転職未経験者の支援に特化している就職・転職サービスです。

就職カレッジの特徴は大学を中退していない人でも使えることです。これまでに大学中退者2,218名の就職を支援してきた実績があります。

相談後に無料就職講座を受講できるのも強みです。就職に成功するためのコツからやりたい仕事の見つけ方までのノウハウが学べます。

講座受講後には、書類選考なしで最大20社と面談する機会が与えられます。

参加企業は、大学中退者や社会人未経験者を歓迎している企業ばかりのため、気負わずに話ができるでしょう。

大学中退に関するよくある質問

大学中退に関するよくある質問をまとめました。

親に内緒で大学中退できる？

大学中退には親の同意が必要です。

自分ひとりで手続きを済ませたとしても、後日学校から親に連絡がいきます。

そして、奨学金を借りている場合は奨学金返済手続きの書類が親元に届くので、親に内緒で大学中退はできません。

大学中退後の就職は厳しい？

大学中退者は「中途扱い」になるので、新卒の求人には応募できません。

高卒OKや未経験者歓迎、ポテンシャル採用など学歴に左右されない職種を選べば就職できます。

より就職率をアップさせたい場合は、資格を取得すれば有利になる可能性があります。

就活のノウハウがある転職エージェントを利用した方が良い条件で就職しやすいので、登録だけでもしてみましょう。

関連記事：大学中退者におすすめの就職サイト・就職エージェント7選｜正社員就職を成功させるコツも解説！

大学中退後にフリーターとして活躍するのはあり？

叶えたい夢があるなど目的があるなら、期限を決めてフリーターとして働くのもよいでしょう。

ただし20代のうちはよくとも、年齢を重ねるとフリーターを続けることも厳しくなってくる傾向にあります。

正社員登用を狙う・決めた期限が終わったら就職活動をするなど、リスクヘッジをした上で臨むことをおすすめします。

関連記事：フリーターの末路は悲惨？将来は暗い？正社員に就職する方法を解説

大学中退してもなんとかなる？

大学中退してもさまざまな選択肢があるため、なんとかなります。大学中退者の進路先には、以下の傾向が多いようです。

大学中退は人生終了？

大学中退は、人生終了ではありません。20代であればまだまだやり直せます。

留学や資格など、就職に有利な知識を習得すれば、正社員として働ける可能性がアップします。

まとめ

大学中退者が「大学中退してよかった」と感じる理由は以下の4つでした。

しかし、特別な理由もないまま大学を中退してしまうと後悔してしまう可能性もあります。

大学中退を後悔しないために、以下を実践してみてください。

本記事を参考にして、大学中退以外の選択肢が取れないか考えてみましょう。