医師の転職において、失敗は避けたいものです。忙しい合間をぬって転職活動を進め、せっかく新しい職場に転職したのに、「思っていた仕事と違った」「年収が下がった」という事態に陥ると、仕事のモチベーションが下がってしまうかもしれません。
そこでこの記事では、医師の転職失敗に焦点を当てて、実際の失敗事例や成功のためのポイント、転職活動の注意点などを解説します。理想の転職を叶えたい医師の方は、ぜひ参考にしてください。
関連記事:医師向けの転職エージェント4選|選び方や成功するポイントも解説
目次
医師の転職でのトラブル&失敗談5選
転職後に思わぬトラブルを招いたケースなど、失敗事例から学ぶことが重要です。この章では、医師の転職における失敗事例を5つ紹介します。
人間関係が合わない
医療現場では協力と連携が不可欠ですが、中には人間関係のトラブルが原因で転職に失敗するケースがあります。
上司からのパワハラ、同僚との摩擦、性別による差別や同僚との不公平な待遇差に悩んでいるという声は少なからず存在します。
スキルアップにはよい環境で、症例も多かった。しかし部長がパワハラ体質で、過去にも何人もの先生が休職、退職に追い込まれていた。転職前に知っておけば…。
医師としてのスキルや経験だけでなく、職場の人間関係も、転職成功においては重要な要素です。
同僚のドクターとの人間関係や上司の評判を確認し、自身の価値観や職場に求める条件に合致するかどうかを検討するプロセスが欠かせません。
また、面接時に職場の雰囲気や仕事の進め方について質問することも大切です。
仕事内容がイメージと違った
医師の転職で頻繁に起こる失敗事例のひとつは、事前に聞いていた仕事内容と実際の業務が異なることです。
求人情報や面接で聞いていた仕事内容のはずが、実際には異なる科目への配置や業務量の増加につながることがあります。自身の専門知識やスキルを最大限に活かせず、不満を抱える医師が多いようです。
当直は月に3回程度と聞いていたのに、実態は倍以上割り振られている。事情を聴くと、育児休業を取得した先生がいるという。事情は分かるけれど、そのぶんをなぜ私だけで穴埋めするのか。
転職前に聞いていた情報よりも当直の回数が多かった、契約にはなかった仕事が職務に含まれていた、など「聞いていた話と違った」というギャップが起こり得ます。
事前に契約書や求人情報を詳細に確認しましょう。
口頭での約束だけでなく、文書に残された情報も注意深く確認してください。
事前に聞いていた雇用条件ではなかった
医師の転職において、実際の雇用条件が聞いていた内容と違ったという失敗事例も少なくありません。
たとえば、給与や手当の額が求人情報と異なり、思わぬ経済的な不満を抱えることがあります。また、勤務時間や休日の確認が不足していた結果、ワークライフバランスを保つことが難しくなるケースもあるようです。
最低の希望年収も伝えていたのに、いつの間にか話がすり替わっていた…。でも口約束だったので、転職直後で騒ぐわけにもいかず、泣き寝入りしました。
このような失敗を回避するためには、契約内容や労働条件を詳細に確認し、書面に残された情報に基づいて判断することが必要です。
面接時に雇用条件は、文書にして合意するように徹底しましょう。文書を取り交わして保存されていれば、勝手な条件変更はできませんし、労務の紛争になったときにも動かぬ証拠になります。
経営状況に不安がある
転職活動を成功させるためには、転職先の病院やクリニックの経営状況を調べることが欠かせません。財務報告書や業績データを確認し、将来的な安定性を見極めることが大切です。
経営状況が不安定な医療機関では、医療設備の不備などが発生しやすいほか、諸手当が削られるなど、医師の安定した勤務環境が保てないことがあります。
転職エージェントを通じて院内の情報を収集し、経営に関しての疑問点に対して理由を解明できるまでは、安易に転職を決断しないようにするべきです。
都合の悪いことは知らされないと思ったほうがいいです。看護師が集団で辞める話がすでに進行していたため、病床が閉鎖になって大幅に減収。事前に知っていたら絶対に転職していません。
なお、医療法人は都道府県への事業報告が義務づけられており、各都道府県のサイトからアクセスできるので経営状況の調査に役立てられます。
スキルアップが望めない
医師としてのスキルアップできるかは、転職活動において重要な要素のひとつです。しかし、聞いていたほど患者が集まらないなど、医師としての成長につながらないリスクがあります。
また上級医や同僚など切磋琢磨できる環境を信じて転職したのに、入れ違いで退職されてしまうといったケースもよくある失敗事例です。
地元では有名な先生がいたので、患者さんも多く集まっていました。その先生に憧れて入職を決意しましたが、私が入った頃にちょうど退職されました。患者さんも激減するなんて、聞いていませんよ。
医師が転職に失敗した理由
医師の転職失敗は、情報収集不足や自己分析の不足、転職への焦りが原因として挙げられます。
この章では、それぞれの失敗理由とその解決策について解説します。
転職先の情報収集不足
医師の転職活動が失敗に終わる理由のひとつは、転職先の情報収集不足です。求人情報を見て良さそうだと思い、すぐに転職を決断してしまうと、あとで後悔する原因になりかねません。
求人情報では、ワークライフバランスを強調していても、実際には過重労働がある場合もあります。
また、人間関係や医療設備の面でも情報収集が不十分なまま転職すると、現場でのストレスや不満が生じ、転職後にギャップを感じるかもしれません。
情報収集を怠らず、客観的で正確な情報を手に入れることが、転職を成功させるために大切です。転職エージェントのアドバイスを活用し、転職先の実態を把握することで、転職の失敗を避けられるでしょう。
自己分析不足
自己分析の不足も、転職の失敗をもたらす可能性があります。
自分が転職で何を求めているのか、将来的にどのような医師になりたいのかを明確にしないまま転職活動を進めると、目的が不明確になり、転職先の選択基準が曖昧になります。
転職活動を成功させるには、入念な自己分析をおこない、希望条件を具体的に設定することが大切です。
たとえば、条件面だけでなく、業務内容やキャリアプラン、勤務環境など、多角的な視点から自分の目標を明確にしましょう。
自己分析を怠ると、転職先とのミスマッチが生じる可能性が高まります。自分のキャリアプランと転職活動の方針を整理し、目指す将来像を明確にすることが大切です。
焦って転職した
転職活動における焦りも転職に失敗する要因のひとつです。
現在の医療機関に不満があり「急いで転職したい」と思う気持ちは理解できます。しかし、焦っている状態では、転職先の状況を正しく分析する期間も取れなくなるかもしれません。
自分にあった転職先を見つけるためには、焦らずに慎重に活動を進めることが重要です。希望条件に合った求人が出るかどうかはタイミング次第であり、焦りから妥協してしまった結果、後悔するケースも珍しくありません。
焦って転職を失敗しないためには、転職エージェントを活用するのがおすすめです。希望条件を明確に伝えて、適切な求人紹介を受けるチャンスを増やしましょう。
希望にマッチした職場への転職を叶えるためには、焦らずに計画的に転職活動を進めることを心がけてください。
医師の転職を成功させるポイント
医師の転職を成功させるためには、慎重な計画と具体的なステップが必要です。以下では、転職を成功させるためのポイントについて詳しく説明します。
転職活動のポイントを意識することで、希望に合った職場へ転職しやすくなるでしょう。
転職の希望条件を明確にする
転職を成功させるためには、まず自身の希望条件を明確にすることが重要です。
自己分析を念入りにおこない、転職先に何を求めるのか、どのような職場環境が理想なのか、希望の給与や勤務時間などを具体的にリストアップしましょう。
- 譲歩できない条件
- 妥協してもよい条件
求人選びに迷う場面が減るだけでなく、転職した後のミスマッチを防ぐことにもつながります。
キャリアプランを立てる
転職を自分の道で切り拓こうとする先生は、医局人事を離れて、自身でキャリアプランを立てているはずです。
今回の転職に限らず、将来的にどの分野で活躍したいのか、専門医の取得、結婚や子育て等も含めたキャリアの方向性を明確にしましょう。
転職までのスケジュールを決める
医師としての転職を成功させるには、適切なスケジュールの計画が欠かせません。事前におおよそでもスケジュールを立てておかないと、転職活動が長引く可能性があります。
まず、現職での退職交渉や手続きに時間がかかることを考慮し、転職を叶えるデッドラインを自身で設定しましょう。
医師の転職活動では、半年~1年の期間を要するのが通常です。
適切な期間を見積もることで、余裕をもって転職活動を進めることができ、好条件の求人を待てるメリットがあります。
人材不足の医療現場が多いため、採用する病院側の対応にも時間がかかることがあります。焦らず、計画的に行動しましょう。
医師に特化した転職エージェントに登録する
転職エージェントは、医師の転職活動をサポートしてくれます。
医療機関の情報や内情に精通しており、一般的な求人情報にはない貴重な情報を提供してくれます。また、条件交渉の代行もでき、給与や労働環境について不安がある場合でも、エージェントを通じての確認が可能です。
複数の転職エージェントに登録すると、多くの求人情報を収集できます。
求人の内容によっては一部のエージェントのみを頼っている医療機関もあるため、幅広い求人から自分の希望にマッチする病院を選べる点もメリットです。
転職に失敗したくない医師におすすめの転職エージェント
ここでは転職に失敗したくない医師におすすめの医師に特化した転職エージェントを3社紹介します。
医師転職ドットコム
- 業界トップクラスの求人数
- 相談からアフターフォローまで充実したサービスを提供
- 利用者満足度93.4%
医師転職ドットコムは、5万人(※1)に上る医師の転職を支援してきた転職エージェントです。
求人数の多さは業界トップクラスで、約4万件(※2)の公開求人と非公開求人の中から希望条件に合う求人を紹介してもらえます。
特に「納得いく転職」に力を入れており、経験豊富なコンサルタントがキャリアプランの相談から内定後のアフターフォローまで、充実したサービスを提供しています。
実際に訪問したからこそわかる院内の雰囲気や勤務状況なども教えてもらえるうえ、採用担当者と医師の両者に会ってからマッチングをおこなっている点もポイントです。
利用者満足度が93.4%(※1)であることからも、サポートの質の高さが伺えるでしょう。
(※1)医師転職ドットコムの公式ホームページより
(※2)2023年10月時点
サービス概要 | |
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サービス名 | 医師転職ドットコム |
運営会社 | 株式会社メディウェル |
公開求人数 | 常勤 :29,470件 非常勤:17,360件 |
非公開求人数 | 非公開 |
対応地域 | 全国 |
公式サイト | https://www.dr-10.com/ |
マイナビDOCTOR
- 年収2,000万円以上や非常勤・スポットの求人を多数保有
- 大手転職エージェントならではの情報力
- さまざまな病院・企業の求人を取り扱う
常勤だけでなく、非常勤・スポットの求人も検討したい方には、マイナビDOCTORの利用がおすすめです。
「日給12万円」「健診」などの非常勤求人や、都合のいいときに勤務できるスポット求人が充実しているため、理想のワークライフバランスに合わせて選択するといいでしょう。
年収2,000万円以上の常勤求人も多数取り扱っており、年収アップにも期待できそうです。
運営会社は大手人材紹介企業の株式会社マイナビとあって、長年培った転職ノウハウをもとに医師の転職をサポートしてくれます。
多分野での転職支援実績から、医療業界だけでなく企業にも太いパイプをもつため、さまざまなキャリアの選択肢を提案してもらえるでしょう。
臨床医だけでなく、訪問医や産業医の求人も多数取り扱っています。
サービス概要 | |
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サービス名 | マイナビDOCTOR |
運営会社 | 株式会社マイナビ |
公開求人数 | 常勤 :20,174件 非常勤:26,527件 スポット:3,802件 |
対応地域 | 全国 |
公式サイト | https://doctor.mynavi.jp/ |
M3キャリアエージェント
- 医師登録者数11年連続No.1
- 32万人以上の医師が登録する「m3.com」の関連サイト
- 使い勝手のいい検索機能
M3キャリアエージェントは、登録医師数11年連続No.1(※1)と、圧倒的な支持を集める転職エージェントです。
32万人以上(※1)の医師が登録する医療情報サイト「m3.com」を関連サイトにもち、独自の情報網で得た病院の内部事情まで詳しく共有してもらえます。
関東内の約40%(※1)もの病院の求人を取り扱っているとあって、関東圏で転職を考えている方はまず登録しておきたいエージェントです。
サイトの使いやすさもうれしいポイントで、「年収1,800万円可能」「休日しっかり」「女性医師におすすめ」などの選択肢から指定して、希望条件に合う求人を手軽に検索できます。
専任のコンサルタントが条件交渉を代行してくれるため、まずは理想の条件を伝えてみるといいでしょう。
(※1)M3キャリアエージェントの公式ホームページより
サービス概要 | |
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サービス名 | M3キャリアエージェント |
運営会社 | エムスリーキャリア株式会社 |
公開求人数 | 常勤 :20,441件 非常勤:10,837件 スポット:12,486件 |
非公開求人数 | 非公開 |
対応地域 | 全国 |
公式サイト | https://career.m3.com/ |
転職後に後悔した医師が教える事前の確認ポイント4選
医師の転職活動は、将来のキャリアに大きな影響を及ぼす重要なステップです。ただし、転職を成功させるためには、いくつかの注意点があります。
以下では、医師の転職における主な注意点を紹介します。
勤務内容を把握する
まず、転職先の勤務内容を詳細に把握することが不可欠です。給与や待遇だけでなく、実際におこなう医療業務や患者との関わり方、勤務時間、当直の頻度など、具体的な勤務内容を確認しましょう。
学会などへの参加がしやすいか、つまり休暇の取りやすさもチェックポイントです。
育児や介護に際して時短勤務が可能か確認する
医師としてのキャリアを築きながら、育児や介護と両立させたい場合、時短勤務の選択肢を検討することがあります。しかし医療機関のスタッフ数や状況によっては、時短勤務が簡単に認められない可能性もあります。
男性の育児休業についても、上司や同僚の理解が得やすい病院もある一方で、後ろ向きな職場があることも知られています。
時短勤務を認めなければならないという決まりはないので、制度の有無や条件は病院やクリニックによって異なります。
書面で確認し年収が下がる可能性があることを知っておく
医師の転職において、もっとも気になるポイントのひとつが年収です。
現在の職場から転職する際、年収が下がる可能性もあります。医師としての経験や専門性がどのように評価されて報酬に反映されるかは、医療機関の判断によって異なります。
一般的に公的病院や大学病院などは、年収は低めですが、それだけを基準に転職を判断するのはおすすめしません。
たとえ年収が現職より低くても、働きやすい職場や将来性のあるポジションであれば、その価値は高いといえます。
給与については必ず書面で取り交わすことで、金銭をめぐるトラブルが発生するのを防ぎましょう。
医局に所属する医師は基本的に異動を拒否できない
医局に所属する医師が異動を断るのは、一般的には難しい場合が多いようです。
医局は患者の安全や医療の円滑な運営を図るために、医師の配置を計画的におこないます。そのため、医師が自身の都合で異動を断ることは、医療機関や患者にとって大きな影響を及ぼす可能性があるため、慎重に考える必要があるでしょう。
転職を検討している方は、転職希望時期から6ヵ月~1年程度の余裕をもって、医局に退職について相談することが重要です。前もって伝えておくことで、医局人事の異動対象から外してもらえる可能性があります。
また、異動の希望調査や人事発表のタイミングも考慮して、転職活動を開始するのがおすすめです。
医師の転職によくある質問
医師が勤務先をやめる理由とはなんですか?
ワークライフバランスの欠如や待遇への不満、人間関係の問題や家庭の事情などが主な理由として考えられます。
各医療機関では医師不足に悩むケースが少なくないため、勤務している医師にとってはさらに過酷な労働環境となり、退職に拍車がかかる事態も想定されます。
医師は平均して何回転職しますか?
一般的な企業に勤める会社員と比べると医師の転職回数は多めだと言われています。通常は、転職回数が多いと転職活動を進めるうえでのデメリットとる可能性があります。
しかし専門性のある医師は、売り手市場であり、転職先を見つけることは難しくないため、転職回数が増える傾向にあるようです。
3年目の医師が辞める理由とその割合は?
初期研修を終えた段階で、最も忙しくなるといわれる時期のため、退職率が上がるようです。ただし、3年目での離職率をはっきり示す統計やデータはありませんでした。
3年目の後期研修医は、初期研修医が帰宅した後に残った業務を引き受けなければならない場面も多く、負荷がかかっています。
転職を繰り返す医師は転職難易度は高い?
医師の転職回数が多くても転職活動が難しくなる可能性は低いでしょう。正しいスキルと経験値、人間性を備えた医師なら、より恵まれた環境を求めて転職することは当然と言えます。
しかし前の勤務先での退職理由や悪い評判は簡単に出回ると思っていたほうがよいでしょう。常に、裏表のない対応が求められます。
医師は転職すると後悔する?
医師が転職した後に、転職先の職場環境や待遇が期待と異なるなど、後悔するケースも一定数存在します。転職前に十分な情報収集と現場見学を行うことが、後悔を防ぐ鍵です。
医師以外に転職できる職種は?
医師そのものに疲れて、別の仕事を探す場合には、医師免許を活かせる次のような仕事が考えられます。
- 製薬会社の開発職や学術職
- 医療機器メーカーの開発職や営業職
- 医療コンサルタント
- 医療ベンチャー企業の経営者や役員
- 医療系の官公庁や公的機関の職員
- 医学部の教員や研究者
- 医療ジャーナリスト
最後に|転職の失敗を避けたいなら、転職エージェントを活用しよう
この記事では、医師の転職失敗に焦点を当てて、その原因や事例、成功させるためのポイントについて詳しく説明しました。
医師が転職に失敗する原因には、転職先の情報収集不足や自己分析の不足、転職への焦りが挙げられます。その結果、人間関係が悪い職場への転職や、希望の仕事内容・雇用条件との不一致などの問題が起こり得るのです。
転職を成功させるには、希望条件の明確化やキャリアプランの具体化、スケジュールの策定、転職エージェントへの登録がポイントとなります。
とくに、転職エージェントは医療機関の情報に詳しく、条件面の交渉を代行してくれるため、安心して転職活動を進めるためには不可欠な存在です。また、複数のエージェントに登録することで、多彩な求人情報を収集でき、自身に合った転職先を選択できるでしょう。