「オペ看護師の年収は？」
「オペ看護師の年収を上げる方法は？」

オペ看護師に興味があるものの、給料がいくらなのか気になる方もいるでしょう。

結論からいうと、オペ看護師の平均年収は約480万円と、看護師全体の平均とほぼ同水準です。

しかし、夜勤の有無や手当の額などで年収は異なります。

本記事では、オペ看護師の平均年収や年収を上げる方法を詳しく解説します。

また、オペ看護師に向いている人の特徴も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

オペ看護師の仕事内容

手術を安全かつ円滑に行うためには、オペ看護師（手術室看護師）の存在が欠かせません。

オペ看護師の主な業務は、以下の2つに分けられます。

それぞれがどのような業務なのかを見てみましょう。

器械出し看護師

器械出し看護師は、手術中に医師をサポートする役割があります。

主な業務内容は、以下のとおりです。

器械出し看護師には、医師と円滑にコミュニケーションを取るスキルや手術の流れを理解・予測する専門知識や高い集中力が必要です。

外回り看護師

外回り看護師は、手術全体のサポートと患者さんのケアをする役割があり、器械出し以外を担当します。

主な業務内容は、以下のとおりです。

外回り看護師は、患者のケアをしながら手術がスムーズに進むよう全体を調整する重要な役割があります。

オペ看護師と病棟看護師の違いは？

オペ看護師と病棟看護師とでは、具体的にどのような違いがあるのか知りたい方もみえるでしょう。

それぞれの業務内容の違いは、以下のとおりです。

	オペ看護師	病棟看護師
業務内容	手術に特化した専門的な業務が中心で、主に器械出しと外回りに分かれる	入院患者への医療処置や服薬管理など幅広いケアを行う
患者との関わり方	手術前後の限られた時間での関わりが多い	入院期間全体を通して継続的に関わる
勤務体制	基本的に日勤のみ、またはオンコール体制が多い	24時間体制のため、交代制で夜勤がある
専門性	手術や器械に関する専門知識が求められる	医療に関する幅広い知識が求められる
チーム編成	医師・麻酔科医・臨床工学技士などとの連携が必要	他の看護師との連携が中心で他の職種との連携も必要

このように、オペ看護師はより専門的な知識や特定の職種との連携が必要となります。

オペ看護師は緊張感のある環境で正確さと集中力を発揮できる方に向いている一方、病棟看護師は複数の患者との関わりが多く、臨機応変な対応ができる人に向いているでしょう。

オペ看護師の年収はいくら？

手術中に高い緊張状態を強いられるオペ看護師の年収について、知りたい方もいるかと思います。

ここでは、オペ看護師の年収に関して以下の3点を解説します。

一つずつ見てみましょう。

オペ看護師の平均年収は約480万円

オペ看護師の年収は、450～500万円程度です。

これは、厚生労働省が発表したデータの看護師全体の平均年収の508万円と同等水準といえます。

ただし、実際の年収には幅があり、のちほど述べる各種手当や勤務先の規模によって異なります。

【参考】厚生労働省 令和５年賃金構造基本統計調査

看護師の年収は夜勤の有無で変わる

オペ看護師の年収に大きく影響するのが、「夜勤」の有無です。

多くの中小規模の病院では手術は日中に行われるため、オペ看護師は日勤のみという職場が多いです。

一方、大学病院や大規模な総合病院では、夜勤の緊急手術に対応するため、夜勤体制を取っている場合があります。

夜勤手当は二交代制では1回あたり約11,000円ほどが相場なので、月に4～5回の夜勤があると、ひと月に4～5万円の差が出ます。

そのため、同じオペ看護師でも夜勤がある場合は年収が多くなるのです。

関連記事：看護師が日勤のみで働くのはきつい？メリットや働きやすい職場も解説

病院規模による年収の違い

オペ看護師の年収は、勤務する病院の規模によっても大きく変わります。

大学病院や大規模な総合病院では、高度な医療技術を必要とする複雑な手術が多く行われるため、オペ看護師に求められるスキルも高度になります。

その分、給与水準も高く設定されている傾向があります。

また、大規模な病院ほど緊急対応が多くなり、それに伴い残業時間も多くなるため、年収も増えるでしょう。

オペ看護師の収入に関する手当の種類と金額

オペ看護師の給料は、基本給の他にさまざまな手当で支給額が決まります。

収入に大きく影響するオペ看護師の手当には、以下のようなものがあります。

それぞれ見てみましょう。

手術室勤務手当

手術室勤務手当は、オペ看護師に支給される基本的な手当です。

支給額は病院によって異なりますが、月額5,000～3万円程度が相場です。

オペ看護師は専門的なスキルが要求されるため、手術室勤務手当が支給されます。

ただし、中には支給されない病院もあります。

オンコール手当

オンコールとは、勤務時間外でも緊急手術に備えていつでも出勤できるよう待機する体制のことです。

手術を行う病院の中には夜間や休日の緊急手術に対応するため、オンコール体制を取っている場合があります。

オンコール手当の相場は1,000～3,000円程度で、実際に呼び出されて出勤した場合は別途手当が支給されることが多いです。

しかし、手当の額は病院によって差があります。

オンコール体制では、常に連絡が取れるよう職場付近や自宅で過ごすなどの制限があることを考えると、報酬額は決して高いとはいえないでしょう。

特殊業務手当（危険手当）

手術では臓器や血液を扱ったりレントゲン照射装置を使ったりすることによる感染や身体的なリスクがあるため、これらを考慮した上で特殊業務手当が支給されます。

一般的に「危険手当」と呼ばれることもあります。

手当の額は病院によって異なりますが、1万～25,000円程度が相場です。

手術室勤務手当と同様、病院によっては支給されない場合もあるので、もしオペ看護師への転職を希望する場合は、事前に手当があるか確認するといいでしょう。

オペ看護師の給料が「安い」と言われる理由

オペ看護師の給料が「安い」と言われることがありますが、それには以下のような理由があります。

それぞれ見てみましょう。

夜勤回数が少ないから

先ほども述べたように、多くのオペ看護師は夜勤がないか、あっても少ない勤務体制です。

一方、病棟看護師は月に4～5回の夜勤勤務をするのが一般的で、それに伴う夜勤手当によって収入が多くなります。

そのため、二交代制勤務（夜勤手当約11,000円）の場合、ひと月に4～5万円ほどの収入があります。

年間では50～60万円ほどの差になるため、「オペ看護師は給料が安い」というイメージにつながっているのでしょう。

病院によって手当の有無があるから

オペ看護師の収入に大きく影響するのが、各種手当の有無です。

手術室勤務手当やオンコール手当などが充実している病院は、手当による高収入が期待できます。

しかし、これらの手当がない、もしくは金額が低い場合は、仕事の内容に見合わない給料となるでしょう。

特に中小規模の病院では手当に対する体制が整っていないケースもあるため、勤務する病院によって金額の差が生まれてしまいます。

専門性の高さと給料にギャップを感じるから

オペ看護師は、手術に関する高度な専門知識と技術を要求される職種です。

手術に関するさまざまな知識を習得し、医師と連携しながら緊張感のある環境で働く必要があります。

しかし、こうした高い専門性や精神的・身体的な負担に見合った給料が支払われていないと感じるオペ看護師もいるでしょう。

特に経験年数に応じた昇給制度が整っていない病院では、スキルを磨いたとしても給料に反映されずに不満を感じる場合があるかもしれません。

オペ看護師が年収を上げるための方法

オペ看護師として働きながら年収をアップさせるには、具体的にどうすれば良いか知りたい方もいるでしょう。

ここでは、オペ看護師が年収を上げる方法として以下の4つを紹介します。

それぞれ解説します。

手当が充実している病院への転職

オペ看護師が年収を上げる方法で効果的な方法のひとつは、手当が充実している病院へ転職することです。

転職先を探す際は、以下のポイントをチェックしましょう。

特に大学病院や大規模な総合病院は、経営基盤がしっかりしているため、手当が充実している傾向があります。

関連記事：看護師向け転職エージェントおすすめ19選を徹底比較【2025年最新】

スキルアップによる昇給・昇格

多くの病院では、看護師のスキルや実績に応じた評価システムを導入しています。

そのため、積極的に新しい技術を学んだり、手術での評価を高めたりすれば昇給につなげられるでしょう。

また、院内研修への積極的な参加やリーダーシップを発揮するのも効果があるかもしれません。

自発的に行動し、上司からの信頼を得ることで昇給や昇格のチャンスが増え、結果的に収入を増やすことができます。

専門資格の取得

認定看護師などの専門資格を取得することも、キャリアアップと収入アップにつながる可能性があります。

認定看護師の資格取得には、以下の条件を満たしている必要があります。

病院によっては資格手当がない場合もあるため、事前に確認しておくといいでしょう。

資格を取得することで、上司からの評価が期待できるだけでなく、より好条件で転職できるかもしれません。

参考：日本看護協会

管理職ポジションを目指す

収入を確実にアップさせる方法は、主任や部長といった管理職ポジションに就くことです。

一般看護師と中間管理職では、年収で約200万円ほどの差があります。

管理職を目指す場合は、リーダーシップを発揮し上司からの信頼を得る必要があります。

大規模な病院では競争が激しいため、中小規模の病院の方が管理職になりやすいでしょう。

主任になるには一般的に10年以上の臨床経験が必要ですが、小規模の病院ではスキルや実績次第で10年未満でも主任に昇格できる可能性があります。

オペ看護師に向いている人の特徴

オペ看護師としてキャリアアップを目指す場合は、この仕事が自分に合っているかどうかが重要です。

ここでは、オペ看護師に向いている人の特徴として以下の3つを解説します。

ひとつずつ見ていきましょう。

精神的に強く冷静さを保てる人

手術室での勤務は常に緊張感があり、予期せぬ事態が発生することもあります。

そのような場合でも冷静さを保ち、的確に判断・行動できる精神力が必要です。

特に緊急手術や長時間におよぶ手術では、集中力も保つ必要があります。

そのため、プレッシャーに強く、臨機応変に対応できる人がオペ看護師に向いているでしょう。

解剖学や医療機器に興味がある人

オペ看護師には、解剖学的知識やさまざまな医療機器に関する専門知識が必要です。

このような分野に興味があり、自ら積極的に学ぼうとする意欲がある方に向いています。

また、新しい手術の方法や医療技術への好奇心も重要です。

医療の進歩は速いため、常に最新の知識を習得していく姿勢がある方が向いています。

チームワークを重視できる人

手術室は、医師、臨床工学士などのさまざまな職種の方との連携が必要な職場です。

チームワークを重視し、他のスタッフとスムーズにコミュニケーションが取れる人が向いています。

また、医師の指示を的確に理解し、先を読んで行動できる判断力も重要です。

特に器械出し看護師は、執刀医の次の動きを予測しながら必要な器械を準備する能力が求められます。

オペ看に転職したい方におすすめの転職エージェント

オペ看への転職を決めた方におすすめの転職エージェントを紹介します。

レバウェル看護

ナース専科 転職

看護roo！転職

オペ看護師の年収に関してよくある質問

オペ看護師の年収に関するよくある質問は、以下のとおりです。

それぞれ解説します。

オペ看のつらいことは何ですか？

オペ看護師の仕事には、以下のようなつらさがあります。

手術中は基本的に立ちっぱなしで、特に長時間手術では身体的な負担が大きくなります。

また、手術は患者の命に直結するため、常に高い緊張感のなかで業務をこなす必要があります。

特に、器械出し看護師は、間違いが許されないプレッシャーの中で働かなければいけません。

他にも、緊急手術が入った場合は定時で帰れなかったり、専門的な知識を覚えたりと精神的な負担になることもあるでしょう。

ただし、このような辛さを経験することで、専門性の高い看護師として自信が持てます。

さらに、高いスキルを身に付けられるため、転職時にもキャリアの幅が広がるでしょう。

関連記事：オペ看を辞めたい！向いている人・続けるメリットやよくある悩みを解説

オペ看は夜勤はありますか？

オペ看護師の夜勤の有無は、勤務する病院の規模や体制によって異なります。

夜勤がある病院は、大学病院や大規模な総合病院などが挙げられます。

一方、夜勤がない病院は、中小規模の病院や日中のみ手術を行う専門クリニックなどがあるでしょう。

大規模な病院では、三交代や二交代で24時間体制を取っていることが多く、夜勤勤務があります。

夜勤の有無は年収に大きく影響するため、転職や就職を考えるときには、どのような勤務体制なのかを事前に確認しておくといいでしょう。

オペ看になるには何年必要ですか？

オペ看護師になるための年数は、特に規程はありません。

看護師免許を持っていればオペ看護師になれますが、ある程度の経験が求められるため、新卒で配属される可能性は低いといえます。

すでに看護師としての経験がある方であれば、部署異動を申し出るといいでしょう。

まとめ：オペ看護師はスキルや資格習得によって年収を増やせる！

オペ看護師の平均年収は約480万円と、看護師全体の平均とほぼ同じです。

ただし、勤務する病院の規模や手当の有無によって大きな差があります。

夜勤のない場合は、病棟看護師より収入が少なくなる傾向があるでしょう。

ただし、手術室勤務手当やオンコール手当などが充実している病院であれば、高収入を期待できます。

高い専門性が必要なオペ看護師は、医療現場で重要な役割がある職種といえます。

単に年収だけでなく、自分が向いているかどうかややりがいなども含めて今後のキャリアを考えてみるといいでしょう。