フリーランスエンジニアと聞くと高収入なイメージがありますが、その中でも年収2,000万円以上と聞くと「本当に可能なのか?」と疑ってしまう方もいるでしょう。
結論からお伝えすると、フリーランスエンジニアで年収2,000万円以上という金額は実現可能な数字であり、現に1.5%のフリーランスエンジニアが達成している収入です(参考フリーランス白書)。
とはいえ年収2,000万円を達成するのは簡単ではなく、IT開発の技術・知識はもちろん、顧客との信頼関係構築や営業力も必須といえるでしょう。
この記事では、フリーランスエンジニアで年収2,000万円を達成するためのポイントや必要なスキル、案件を獲得するコツを紹介します。
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目次
フリーランスエンジニアで年収2,000万円達成は可能?
前述した通り、フリーランスエンジニアで年収2,000万円は達成可能な収入です。
現に1.5%のフリーランスエンジニアが達成していることに加えて、フリーランスの働き方は自由度が高く、会社勤めよりもスキルに比例して年収が上がりやすいといえます。
会社に所属しているエンジニアは、勤務地や労働時間・仕事内容・給与が会社に決められていることがほとんど。
一方フリーランスは、交渉や提案など全て自分でおこない案件を獲得するため、仕事の幅を広げやすく、スキルに見合った報酬が受け取れる可能性があるのが大きな特徴です。
高いスキルが求められる案件は、その分単価も高くなる傾向があるため、年収2,000万円を実現できる可能性は十分考えられるといえるでしょう。
「フリーランス白書2022」によると、フリーランスのおもな収入源となっている職種の上位にエンジニア・技術開発系が挙げられています。
画像引用元:フリーランス白書2022|プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
クリエイティブな職種や高いスキルを要する技術系の職種は、自分の裁量次第で収入アップが見込めるため、フリーランスとして参入する方が増えている傾向が見られます。
次に、年収2,000万円の難易度・希少さを知るためにも、フリーランスエンジニアの平均年収と年収2,000万円以上の人の割合を詳しく見てみましょう。
フリーランスエンジニアの平均年収は約700万円
フリーランスエンジニア向けの案件を紹介してくれるサービス「Midworks」が年代・エンジニアの種類・言語毎にデータを出していて、それらをまとめると以下のとおりです。
【年齢毎の平均年収】 | |
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年齢層 | 平均年収 |
20代 | 約700万円 |
30代 | 約800万円 |
40代 | 約860万円 |
50代 | 約630万円 |
【エンジニアのタイプ毎の平均年収】 | |
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エンジニアのタイプ | 平均年収 |
システムエンジニア | 700~1,000万 |
プログラマー | 600万円 |
ネットワークエンジニア | 600~700万円 |
データベースエンジニア | 500~600万円 |
Webエンジニア | 500~700万円 |
マークアップ/フロントエンド | 500万円 |
制御・組み込みエンジニア | 600万円 |
テストエンジニア | 400~500万円 |
ブリッジSE | 500~800万円 |
プロジェクトマネージャー | 550~650万円 |
【開発言語による平均年収】 | |
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言語 | 平均年収 |
GO(Golang) | 600万円 |
Ruby | 900万円 |
JavaScript | 800~900万円 |
Python | 600~800万円 |
PHP | 700~900万円 |
【参考記事】Midworks
dodaの調査によると全職業・全年代の平均年収は403万円なので、フリーランスエンジニアの平均700万円は相当に高い収入といえます。
【参考記事】平均年収ランキング(年齢・年代別の年収情報)【最新版】|doda
【関連記事】フリーランスエンジニアの平均年収はいくら?年収をアップに必要なスキルとは
年収2,000万円以上を稼ぐエンジニアは1.5%
フリーランス協会の「フリーランス白書2019」によると、2019年に年収2,000万円以上を得たフリーランスエンジニアの割合は、全体の1.5%となっています。
引用元:フリーランス白書2019|一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
同じく年収2,000万円以上のフリーランスの割合は、ビジネス系では3.4%、コンサルタント系で0.9%となっており、エンジニアとともに2,000万円以上の割合が高い傾向が見られます。
フリーランスエンジニアは高収入を得られやすいほうであり、スキル次第で年収2,000万円も他職種と比べれば現実的といえるでしょう。
フリーランスエンジニアが年収2,000万円を達成するための4つのポイント
フリーランスエンジニアは年収2,000万円も可能と述べましたが、誰でも達成できるわけではありません。
ここからは年収2,000万円を達成するためのポイントを詳しく見ていきましょう。
実務経験を重ねる
エンジニアは技術職のため、やはり実務経験・実績が重要視されます。
たとえば、システム関係の案件募集がある場合、エンジニアのなかでも「システムエンジニアの実務経験がある方」が採用される確率が高くなるでしょう。
エンジニアにとって実務・実績は最も基本的な要素ですが、仕事の評価次第で継続や高単価の案件を紹介してもらえる可能性もあるので、やはり経験は重要といえるでしょう。
他のエンジニアにはない独自性をもつ
独自性をもつのも、年収をアップさせるポイントです。特に年収2,000万円を目指すのであれば、希少なスキル・経験が必須といっても過言ではないでしょう。
もちろん、独自性・希少性のつくり方はひとつではありません。
ある特定の分野に特化すれば、他者にできない希少な案件を獲得できる可能性も上がります。
医療や法務などの専門的、かつ単価の高い分野でスキルを持っていれば、より難易度の高い案件を任せられるかもしれません。
大手企業の案件や上流工程の案件を獲得する
大手企業の案件や上流工程の案件は必要スキルも多く、受注できると信頼性も高まるため収入も上がりやすいといえるでしょう。
上流工程の仕事では要件を分析したり、チームのメンバーをまとめたりと、プロジェクト全体の設計や管理を任されます。
まとめる力が求められる上流工程の案件を獲得・実行するには、マネジメントスキルも必要になるため、要求スキルも難易度も高くなるもの。
可能であれば積極的に案件に参画し、マネジメントの実務経験を積むのが年収2,000万円を狙うには必須といえるでしょう。
顧客と信頼関係を築き、継続的な受注を獲得する
案件を継続してもらう、上流工程の仕事を任せてもらうというのは、顧客からの高い信頼があってこそ成り立つもの。
高収入を目指すのであれば、顧客・クライアントとの関係構築や信頼を勝ち取るスキルは必須といえるでしょう。
『フリーランス白書2022』によると、フリーランスで活動している約半数以上の方が、個々の人脈や取引先から案件を獲得しています。
引用元:フリーランス白書2022|プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
年収2,000万円以上のフリーランスエンジニアがもっているスキル
年収2,000万円を達成しているフリーランスエンジニアは、IT開発の知識や技術はもちろん、高い営業力や自己管理力なども必須といえるでしょう。
高い営業力と交渉力
フリーランスとして活動する以上、案件を獲得するための営業力は必須です。
社員のように「この仕事をしてほしい」とお願いされるわけではなく、自分で自分を売り込まなくてはなりません。
高収入を目指すほど、自分でスキルのアピールをおこない、顧客と交渉が必要な場面が増えるといえるでしょう。
そのため、駆け出しのフリーランスにとってはハードルが高いと感じるかもしれません。
営業に自信がない場合は、クラウドソーシングやエージェントサービスの利用などから始め、少しずつ直接営業に移行していく方法もひとつです。
自己管理力と業務遂行力
エンジニアに限らず、フリーランスは自己管理力も必須といえるでしょう。
フリーランスは納期などのスケジュール管理や仕事量の調整など、全て自己責任になります。
たとえば、「年収アップするために、限界まで案件を引き受けた」としましょう。
自分でうまくスケジュールを組み立てコントロールしていかなければ、期限内に案件を納品できずに信頼を失ったり、無理をすれば自分の体調を崩してしまうかもしれません。
チームを組んでいる場合は、他のメンバーに迷惑がかかる可能性も考えられます。
フリーランスに安定はないため、信頼を失っては年収2,000万円どころではなくなってしまいます。
確定申告や社会保険の知識
年収2,000万円以上のフリーランスエンジニアであれば、確定申告や社会保険の知識も当然もっているでしょう。
収入が増えた分、納める税金も増えるためより正しい納税・節税の知識が必要になります。
確定申告で誤った申告をすると税務署の監査が入る可能性がありますし、経費処理が雑だと損をする場面も増えます。
税金周りの知識・対処法は税理士に相談する・依頼する、セミナーに参加する、書籍で勉強するなど、知識を身につけていくとよいでしょう。
年収2,000万円を達成するための案件獲得のコツは?
年収2,000万円を達成したくても、案件が獲得できなければもちろん実現はできません。
案件を獲得する方法は、主に以下のようなものが挙げられます。
【例】
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顧客は、ポートフォリオや応募文などから、応募者の知識や実績を見極めています。
そのため、これまでの実績や具体的な業務内容の記載などを、簡潔にまとめて記載することが重要です。
また、上述しましたが、友人や取引先からの紹介が案件獲得につながるケースも珍しくありません。
フリーランスエンジニア駆け出しの場合は、転職エージェントの利用もおすすめです。
自分に見合った案件を紹介してもらえるので、検討してみてはいかがでしょうか。
【関連記事】フリーランスエンジニアの案件獲得方法6つ!受注するためのコツを解説
会社員勤めのエンジニアで年収2000万以上は達成できる
会社員勤めエンジニアで年収2,000万円以上を得ることも不可能ではありません。
ただ、フリーランスエンジニアと比較するとやはり難しいと判断するのが無難でしょう。
経済産業省が発表した「我が国におけるIT人材の動向」によると、2018年の日本のIT人材の年収は以下のようになっています。
- 20代:平均値413万円
- 30代:平均値526万円
- 40代:平均値646万円
- 50代:平均値754万円
【参考記事】我が国におけるIT人材の動向|経済産業省
40代・50代と年齢が上がるにつれ、平均値は上昇しているのが読み取れます。
昇進して役職に就くなどの理由が考えられますが、40代・50代になっても平均年収1,000万円を超えるのは簡単ではないのが現実。
20代・30代と若いうちから高い年収を目指すなら、平均年収も高くスキル次第で収入も上がりやすいフリーランスへ転身したほうが可能性は高いといえます。
フリーランスエンジニアで年収2,000万を達成したいならフリーランスエージェント
年収2,000万円を稼げるフリーランスエンジニアになりたい方には、フリーランスエージェントの利用がおすすめです。
フリーランスエージェントに営業活動を行ってもらうことで、高単価な案件を多く受注することができるでしょう。
レバテックフリーランス
レバテックフリーランスは、常時案件数4,000件以上を保有しています。希望の案件を見つけやすいエージジェントといえるでしょう。
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Midworks
Midworksは、保有案件のうち80%が非公開案件となっています。そのため、新規サービスに関与しやすいといえるでしょう。
また、担当者による月に1回の定期面談が設けられているため、手厚いサポートを受けたい方にはおすすめです。
ITプロパートナーズ
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加えて、即日払いの導入や納品物に欠陥が生じた場合の補償、病気やケガで就労困難となった場合の生活費用サポートなど、万が一のリスクに備えたサービスが充実しているのも特徴です。
実績を作りたい方、高単価案件を積極的に受注したい方に特におすすめのエージェントといえます。
まとめ
フリーランスは自由度が高く、高収入も狙える働き方ですが、それだけ高いスキルや経験が求められます。
自分で行動しなければならないため、営業力がなければ案件を獲得すること自体が難しいでしょう。
また、顧客との信頼関係を築くためのコミュニケーションスキルなども重要になります。
技術面以外のスキルも身につけて仕事の幅を広げ、年収2,000万円の達成につなげていきましょう。