女性にとって事務職は人気の職種の一つです。

「事務職」と一言でいっても仕事内容は会社や組織によって異なり、実際に勤務してみたものの、思っていたのとは違うと感じたという人も多いのではないでしょうか。

これまで一般的に抱かれていた、「事務職」のイメージとは、書類作成やデーター入力、電話や来客の応対を担うものだというものかもしれません。

しかし、最近の「事務職」は、テクノロジーが進化すると共に、今までより専門的な知識や経験が求められることも多いようです。

また、事務業務は派遣やアウトソーシングを使う会社も増えていて、正規雇用の事務職員を採用する企業は減少傾向にあると言われています。

そのような状況の中でも、事務職の転職を実行し、成功している20代女性もいます。

そんな彼女たちの転職成功には何か秘策があるのでしょうか。

今回は、実際に事務職の転職を経験した20代女性から学ぶ、事務職の転職を成功させるための法則をご紹介します。

事務の仕事内容

はじめに事務の仕事内容を解説します。

一般的に、事務の仕事でおこなう業務は以下になります。

事務の仕事は、書類作成やファイリング、データ入力などコツコツとひとりですすめていくものが多いです。

企業には顧客情報や売上など膨大な情報があります。個人情報や重大な情報を管理することも多いです。事務職の仕事は、会社経営に重要な多くの情報を整理するために欠かせない仕事になります。

中にはデータ入力などだけではなく、データの分析などの経営の根幹をサポートをするような業務もあります。ひとりで行う業務が多いですが、来客や電話対応などもおこないます。

社内の人や社外の人とコミュニケーションをとりながら全体業務が円滑に進むようにサポートするのが事務の仕事です。

事務職のやりがい

事務職の仕事のやりがいは、まわりの人の役に立てることです。

事務の仕事はよく「縁の下の力持ち」と呼ばれます。

自分の成果が数字で直結する訳ではありませんが、社内の仕事をサポートする重要な役割を担っています。事務をおこなう人がいなければ、全体業務はうまく回りません。

頼まれた仕事をきちんとおこなうと、感謝されることも多いです。

また、自分でこうしたら仕事がやりやすいかもしれないと思う部分があれば、追加で業務を行うと感謝されることも多いです。まわりの社員がスムーズに仕事を進められるように役立てる点は事務職のやりがいです。

20代で転職した場合の事務職の給料はどれくらい？

正社員の事務職の月の手取り全国平均は、16〜18万円となります。ボーナス等も合わせた年収でいうと、300万円程度です。

また、企業の規模や地域によっても給料は変動します。

派遣社員の場合は時給1,300円程度であることが多く、特に都心部と地方での地域差が大きい印象があります。

20代女性でも転職におすすめの7つの事務職

事務の仕事にはさまざまな種類があり、業務内容も異なります。

ここでは20代の女性の転職におすすめの事務職を7つ解説します。

一般事務

働く場所

一般企業、学校、官公庁、大きな医療機関　など

仕事内容

売り上げ管理、売掛金の管理、現金や預金管理、決算、給与計算　など

一般事務とは、企業のオフィスで働く事務職のことで、書類のファイリング、データ入力などをおこないます。

必要書類の作成、顧客データの整理、プレゼン資料の作成などをして、他の社員をサポートします。電話対応や来客対応もあるので、基本的なビジネスマナーも必要になります。

基本的にはひとりでコツコツと進める仕事が多いですが、必要に応じて社内外の人とコミュニケーションをとりながら業務を進めましょう。

経理

働く場所

一般企業、学校、官公庁、大きな医療機関　など

仕事内容

売り上げ管理、売掛金の管理、現金や預金管理、決算、給与計算　など

経理も事務の仕事に含まれます。経理の事務職では、会社のお金の流れを記録します。

会社の資産や売り上げを把握できるので、経営を数字で示すのが経理の仕事です。

また、売り上げの管理だけでなく、社員の給与支払い処理や保険料の支払いも経理が担当します。月ごとの決算処理、年次決算処理等もおこない、営業成績や企業の財政状況を把握します。

本格的に数字を扱う仕事なので計算が得意な人や、正確に情報を入力できる几帳面な人などが経理に向いています。

総務

働く場所

一般企業、学校、官公庁、大きな医療機関など

仕事内容

書類のファイリング、備品管理、来客対応、労働管理、社内イベントの企画運営

会社の業務が円滑に進むようにサポートするのが総務の仕事です。総務の仕事も事務に分類されます。

幅広い業務があるのが総務の仕事の特徴です。細かな備品管理や、社内の残業管理や、社内方策の取り決めを行ったり、社外イベントの企画運営をおこなったりします。

会社全体の業務が滞りなく進むように「専門部署が存在しないけれど会社の運営に必要な業務」を総務が担当します。

営業事務

働く場所

一般企業

仕事内容

見積書、契約書、納品書などの作成、営業担当不在時の顧客対応

営業のサポートをおこなうのが営業事務の仕事です。

他の事務職の仕事は裏方のサポート的な業務が多く、売り上げなどに直接関わりがないことも多いのですが、営業事務の仕事は売り上げに直結するものです。

具体的な仕事内容としては、契約前の見積書や契約書の作成、納品完了後の納品書、請求書の作成を行います。

また、営業担当者が社内にいない時の顧客対応も営業事務の仕事です。失礼のないように最低限のビジネスマナーが求められます。

貿易事務

働く場所

商社、通関業者など

仕事内容

貿易書類の作成、輸出入時の業者の手配、出荷や納品の管理

商社や通関業者で、輸出入に必要な書類作成やサポートをおこなうのが貿易事務の仕事です。

貿易に関する専門知識や、英語力が必要で、事務の中でも専門性の高い仕事です。必要な英語力に関してはTOEIC600点程度の英語力が目安と言われています。

一般的な事務よりも給与が高く設定されていることが多く、英語を活かして働きたい人や、専門性を身につけたい人にはおすすめです。

法律事務

働く場所

法律事務所

仕事内容

必要書類の入手や作成、依頼者からの電話対応

法律事務では法律事務所で弁護士のサポートを行います。

法律知識が求められる事もあり、民事事件の裁判や、刑事事件の裁判における弁護士の仕事を手助けします。

法律関連の業務以外に挙げられるのは、依頼者の電話対応、調査、必要書類の入手などです。

需要が高く、専門性も身につけられるので長く働ける仕事です。

医療事務

働く場所

医療機関、クリニック

仕事内容

受付、カルテの整理、レセプト業務

医療事務の仕事では、クリニックや病院などの医療機関で働きます。患者さんとの関わりなど、人との関わりが多いのが医療事務の仕事です。

患者さんが来院したら受付をして、院内へ案内するなど患者対応をします。カルテの整理などの情報管理業務もあります。

また、医療事務で特徴的な仕事はレセプト業務です。

レセプト業務とは、健康保険の保管者に診察報酬を請求する業務のことです。

一般事務の1日の流れ

一般事務の1日の流れを紹介します。事務の仕事にはさまざまな種類がありますが、ここでは一般事務の1日の流れを紹介します。

一般事務の1日の流れは、以下のような流れでおこなわれます。

一般事務の1日の流れ
8:45	出社
9:00	勤務開始　メールチェック、1日の仕事内容の確認
12:00	昼食・休憩
13:00	勤務再開
18:00	退社

一般的な企業は9時始業の会社が多いです。出社後はメールのチェックや仕事内容を確認して、仕事を行います。

事務の仕事は必要書類を今すぐ作ってほしいなどと依頼されることもあります。

自分の抱えている仕事内で優先順位を付けて仕事をすることが重要です。

20代で転職して事務職に就くメリット

20代で転職して事務職に就くメリットとデメリットには何があるのでしょうか？

まずは事務職につくメリットを解説します。

残業が少ない

事務職は残業が少ない仕事です。

営業の仕事などでは残業が発生してしまうことも多くありますが、事務職の仕事では、業務時間内に終わることがほとんどです。

プライベートも大切にしながら働きたいという人にもおすすめです。

ノルマがない

事務の仕事にはノルマがありません。

営業の仕事では売り上げノルマが定められており、それを達成しないと居心地が悪くなってしまうこともあると思います。

事務職では営業ノルマなどが無いので、プレッシャーが少ない仕事になります。

転勤がほぼない

事務職は転勤がほぼありません。

正社員の場合、技術や営業などの総合職の仕事は転勤があることも多いです。

事務の仕事は勤務条件が限定される一般職での採用が多いので、転勤することはほとんどありません。

転勤は新しい人間関係の構築や、引っ越し、家族や友人と離れてしまうことなど、多くのストレスがあります。

会社の都合で急に住む場所を変えたりする必要が無いため、ストレスフリーに働けます。

長く働ける

事務職は長く働ける仕事です。

20代の女性に人気の仕事として、アパレル店の店員や雑貨のショップ店員などがあります。

しかし、販売員の仕事などは立ち仕事が多いです。在庫管理などで力仕事等もあるアパレルショップ店員の仕事は、歳をとってくると足腰の疲れがひどく出てきて働けなくなる可能性があります。

その点、事務職の仕事はデスクワークで体力が必要ないため、年齢を重ねても働き続けられます。

イレギュラーな事態が起きない

事務の仕事ではイレギュラーな事態が起きることは少ないです。

書類の作成、管理、データ入力など毎日の業務はルーティン化されていることも多いです。毎日決まった業務を行うことが多いので、急な事態に対応することはほとんどありません。

とっさの判断が苦手な人や、自分のペースを乱されることが苦手な人でもストレスなく働けますよ。

人との関わりもとれる

コツコツひとりで仕事を進め、人との関わりは少ないことがイメージされる事務の仕事ですが、人との関わりもあります。

来客対応を任されることもありますし、社内の人から業務のサポートをお願いされることもあります。

人とのコミュニケーションもとりながら仕事を進められます。

20代で転職して事務職に就くデメリット

反対にデメリットとなる点を解説します。

単調な仕事が多い

事務職の仕事は単調なものが多いです。

書類作成やデータ管理、ファイリングなどを1日中繰り返す場合もあります。

適正のない人が事務の仕事をはじめてしまうと、業務内容に飽きてしまったり、つまらないと感じてしまうことも考えられます。

人気があるため受かりにくい

転職が少ない理由や、長く続けられる点からも事務の仕事は人気です。

アルバイトやパートの採用でも倍率がかなり高くなるケースも多く、書類の時点で落とされる場合もあります。有効求人倍率をみてみても事務職は全体における有効求人倍率と比べても低く出ています。

応募の際に何件も応募してようやく合格をもらえる人も多いです。

特に未経験の場合はしっかり対策をしていないと受かりにくい傾向があります。

昇給しにくい

事務の仕事は他の仕事と比べ、昇給がしにくい業種になります。

事務職の仕事は、営業のようなノルマが課せられないことや、残業が少なくワークライフバランスを保ちやすいといったメリットがあります。

しかしその反面、簡単な仕事内容であることが多く昇給しにくいといったデメリットがあるのです。長く勤めても収入は月に20万円程度で維持される場合が多いです。

マルチタスク能力が求められる

事務の仕事ではマルチタスク能力が求められます。

社内の人に必要書類やプレゼン資料の作成を頼まれることが多いのですが、多くの人から依頼される場合もあります。

やることが重なっている時は仕事に優先順位をつけてうまく進めていく必要があります。

マルチタスクが苦手な人にとっては厳しい恐れがあるため注意しましょう。

未経験からでも事務職への転職は成功する？

よく「未経験からでも事務職への転職は成功する？」と質問が多いです。

結論、未経験からでも事務職に就くことは可能です。

特に20代の場合、未経験でも、アパレル店ショップ店員や工場勤務から、事務職の仕事に転職する人はよくいます。

ワークライフバランスを重視したい人や、なるべくストレスが少ない仕事で働きたい人、体力のいらない仕事がしたい人に事務職の仕事はおすすめです。

事務職の仕事に就くには、事前の情報取集や資格の取得が有効です。

また、これ以降の章では、「20代女性の為の事務職転職の成功法則」を解説していきます。事務職の仕事に就きたい人はぜひ参考にしてみてください。

20代女性の為の事務職転職の成功法則

ここからは20代女性が事務職に転職する際に強みとなる点や有利になる点を解説します。

アピールポイントとして履歴書や面接で伝えれば、採用に近づくかもしれません。

資格を取得している

いつの時代でも、資格を取得していることは求職活動を行う際の大きなセールスポイントになります。

事務職の転職に成功している20代女性はどのような資格を取得しているのでしょうか。

ここでは、転職を目指す20代の女性たちに人気の資格をご紹介します。

人気の資格はIT系

何といっても、今人気の資格はIT系の資格です。

日進月歩で進化するテクノロジーに通じていることは、仕事を効率よく行うためにも、そして転職でキャリアアップを狙うためにも、大きなプラスになります。

数あるコンピューター系の資格の中でも、マイクロソフトオフィス製品の利用スキルを証明する資格「マイクロソフトオフィススペシャリスト（MOS)」が人気です。持っていれば勤務先で重宝されること間違いなしの資格です。

MOSは世界共通の認定証があるので、世界中で通用する民間資格です。海外でのキャリアチャンスを見出したい人にもおすすめしたい資格です。

貿易事務も給料が高い

2003年以降、国土交通省が中心となり民間と促進している「ビジット・ジャパン」キャンペーンの効果もあり、日本を訪れる外国人の数は増加の一途をたどっています。

また、世界全体を見ても、海外旅行をする人が増えているといいます。

このようにグローバル化が加速する中、海外との貿易もこれまで以上に活発化しているので、貿易事務の有資格者の求人の需要は上昇傾向にあります。

「通関士」は、貿易関係の資格で唯一の国家資格で、貿易系のスペシャリストを目指したい人、そしてキャリアアップしてより高い給料獲得を目指したいという人にもおすすめの資格です。

英語を勉強している

労働環境もグローバル化が進む昨今、多少なりとも英語ができる、または英語に抵抗がないというのは、転職する上で有利に働きます。

ここでは、英語を勉強することで転職の際にどのようにプラスになるのかをご紹介します。

英語が多少できるだけで事務の転職は有利になる

小中高と英語は勉強したものの、得意ではないという人も多いと思います。

しかし、学校で受験対策として学んでいた英語と実用英語は違います。

実際に英語を使ってみて、コミュニケーションが取れれば、勉強するモチベーションも上がるのではないでしょうか。

世界が近くなったと言われる現在、英語ができれば自分の職業人としての価値を高めることは間違いありません。転職の際にも必ず有利になります。

外資系の会社は給料が高い

英語ができれば、外資系の会社への転職を希望したいという人も多いのではないでしょうか。

一般的に外資系の会社の方が給料も良く、また処遇の面でも恵まれていると考えられています。

日本の会社も「働き方改革」が進んでいるとはいうものの、外資系の会社と比較すると、もう少し企業努力が必要なのではと思わざるを得ない場合が多いようです。

ただし、外資系の会社は日本の企業よりもっとシビアに人員削減を実施します。個人、そして会社の実績次第では失業を余儀なくされることもよくあります。

外資系の会社での勤務を希望する場合は、日本の会社よりもっと実力主義だという現実を心に留めておきましょう。

転職の目的がはっきりしている

転職する際に重要なことは、目的をはっきりさせることです。

まずは転職の目的を明確にしておくことが大切です。

ここだけは譲れないというポイントを書き出して、その条件を満たしてくれる職場を探してみましょう。

キャリアアップを求めての転職であれば、自分の目標達成を会社がサポートしてくれる「キャリアパス制度」のある会社を選ぶのも選択肢の一つです。

プライベートを重視するための転職であれば、長時間の残業がない会社やフレックス制度を導入するなど福利厚生がしっかりした会社を選ぶのが望ましいでしょう。

希望にあった勤務環境を提供してくれる会社が見つけられるよう、譲れないポイントを考えてみてください。

また、「5年後には海外赴任」「結婚・出産前には会社にとって必要な人材になっている」など、はっきりとした未来像をイメージした上で転職先を探すことをおすすめします。

イメージが具体的であればあるほど、自分の目標を達成するために適した会社を見つけやすくなります。

転職支援サイトなどを活用して情報収集する

まずは転職支援サイトでの情報収集をおすすめします。

ほどんどの転職支援サイトは無料で利用できます。

自分の好みの検索条件で企業を探すことができ、中には無料の会員登録をするとスカウト情報をメールで案内してくれるところもあるので、情報収集にはもってこいです。

転職エージェントを利用すると、履歴書や面接を通じて、自分では気付いていない意外な長所を指摘してくれます。

自分では高く評価していなかった経験が、転職のプロの目には大きなセールスポイントとして映ることが多々あります。

自分が考えている以上に、多くの企業であなたのスキルが必要とされているかもしれません。

転職エージェントにアドバイスを受けて、スキルアップをした上で転職を試みるのもポイントです。

実際に職場を見学できればベスト

職場環境は、実際に中に入って自分の目で確認しないとわからないことが多いです。

何について知りたいかをはっきり先方に伝えて、職場見学を申し込んでみるのもおすすめです。

「百聞は一見にしかず」というように、職場内の雰囲気や職員の働き方などを自分の目で確かめることができれば、ミスマッチが起こることはないでしょう。

すでにその会社で働いている人の体験談が聞ける

転職エージェントを利用すると、すでにその会社で働いている人の体験談が聞ける機会を提供してくれることもあります。

転職エージェントは企業の経営層や人事部長レベルとコネクションを持っている場合があります。

その会社に既に人材を紹介した経験があれば、容易に体験談を語ってくれる人を見つけられます。内部の人から話を聞くことで、企業イメージをつかむことが可能でしょう。

事務職への転職に強い20代女性のための転職エージェント

リクルートエージェント

マイナビエージェント

ビズリーチ

まとめ

今回は、事務職の転職に成功している20代女性の法則を紹介しました。

引き続き活発化が予想されている転職市場です。20代女性に人気の事務職の転職も、数多くのチャンスがありそうです。

自分の描く未来像を実現できるように、自分の希望に叶った職場に転職できるようにさまざまな方法を活用して転職活動を行いましょう。

あなたがこれまでに経験したどのような業務も、あなたにとってプラスになっていることを覚えておいてください。