これから幼稚園教諭を目指す方や、幼稚園教諭への転職を考えている方は、自分自身が幼稚園教諭に向いているかどうかが気になるところですね。

幼稚園教諭は、責任感も求められ、体力勝負になる仕事も多い職業であるため、ご自身の仕事観やキャリアプランなどと一致していない人が無理に就いてしまうと後悔してしまうこともあります。

本記事では、幼稚園教諭に向いている人・向いていない人の特徴を紹介しながら、幼稚園教諭としての働き方や幼稚園教諭になるための方法などをご説明します。

幼稚園教諭がどのような仕事かをしっかり理解していただき、幼稚園教諭になるべきかどうかを判断するための参考にしてみてください。

幼稚園教諭に向いている人の5つの特徴

幼稚園教諭は、小さな子どもを毎日お世話する仕事で免許も必要となるため、向き不向きがあります。

これから幼稚園教諭を目指す方は、自身の性格が幼稚園教諭に向いているかどうかを判断されてください。

また、すでに幼稚園教諭の免許を持っていて、幼稚園教諭として続けていくべきかを悩んでいる方も今一度振り返ってみると良いでしょう。

幼稚園教諭に向いている人には、次の5つの特徴が挙げられます。

子どもが好き

幼稚園教諭として働く上で、子どもが好きであることは大前提になります。

幼稚園教諭の仕事では、子どもの保育だけでなく教育もおこなっていきます。

子どもの成長を心から望んで、子どもの立場を考えてコミュニケーションを取れる方であれば、幼稚園教諭の仕事にやりがいを見出すこともできるでしょう。

ただし、幼稚園教諭の仕事では、1クラスで何十人もの子どもを相手にすることもあり、子どもの性格にも様々あります。

単に「身近にいる子どもが好き」というだけでなく、子どもそのものが好きな人でないと、様々な子どもを相手にしたときに苦労してしまうかもしれません。

職場体験などで、一度大人数の子どもを相手にする経験もしておくと良いでしょう。

細かい作業もマメにできる

幼稚園教諭の仕事は、子どもの保育や教育をするだけではありません。

園児がいない間には、書類や制作物の作成や、保護者への連絡帳への記入など細かい作業も多くあります。

何十人もの園児に対応する幼稚園教諭の仕事は、体力勝負の活動的な仕事をイメージしますが、このような細かい仕事も毎日こなさなくてはなりません。

コミュニケーション能力がある

どのような仕事にもコミュニケーション能力は求められますが、幼稚園教諭では特に幅広いコミュニケーション能力が求められます。

子どもに対するコミュニケーションはもちろんのこと、同僚の先生や園児の保護者に対する人間関係も避けては通れません。

例えば、1クラス複数の先生で担当する幼稚園であれば、他の先生と上手くコミュニケーションが取れないと、教育方針などで揉めてしまうようなことも起こりえます。

人間関係のトラブルで幼稚園を辞めてしまう幼稚園教諭も少なくないため、円滑なコミュニケーションが取れる人も向いていると言えるでしょう。

責任感がある

幼稚園教諭は、複数の子どもを預かるとても責任がある仕事です。

子どもの行動は予想不可なことも多く、無責任に目を離してしまったり、いい加減な管理をしてしまったりすることで、大きな事故を起こしてしまう危険もあり得ます。

幼稚園での事故を防ぐためには幼稚園の運営元の管理も重要ですが、根底には幼稚園教諭一人ひとりの責任感の強さも必要になります。

体力・忍耐力がある

元気いっぱいな小さな子どもたちは、たとえ数人の相手をするだけでもとても体力を使います。

幼稚園教諭になると、何十人もの子どもの相手をおこない、一緒に運動をしたり、おんぶや抱っこをしたりすることもあります。

最初のうちは、1日だけでもかなり大変な子どもの相手を毎日続けなくてはなりません。

体力面は徐々に付いてきて慣れてくる人も多いですが、元々体力がない方や病気がちな方は、このような活動的な仕事に付いていけないようなことも起こりやすくなります。

幼稚園教諭に向いていない人の5つの特徴

幼稚園教諭に向いている人の特徴はご紹介しましたが、反対に幼稚園教諭に向いていない人の特徴もお伝えします。

向いている人でお伝えした内容と重複する部分もありますが、どのような人が向いていないかまで知っておきましょう。

同年代とのコミュニケーションが苦手

幼稚園教諭になるにあたって、子どもとのコミュニケーションが必要であることは理解している人は多いでしょう。

しかし、仕事上、大人同士でのコミュニケーションを取る機会も多いため、同年代の人とのコミュニケーションも十分にとる必要があります。

たとえば、同じクラスを複数の先生で担当する幼稚園では、先生同士のコミュニケーションが取れていないことで、確執が生じて働きにくくなってしまうことがあります。

保護者と連絡のやり取りをする機会も多くありますが、コミュニケーションが上手くいっていないことで、余計なクレームをもらいやすくなってしまう原因にもなります。

同年代とのコミュニケーションが苦手な人は、同僚の先生や保護者と上手く連携が取れず、働きにくくなってしまうことも起こり得ます。

子どもと接することにストレスを感じる

幼稚園教諭で働こうと考えている人ですから、子どもが好きな人がほとんどでしょう。

しかし、毎日の頻度で何人もの子どもを相手にしていると、子どもの相手をすることに対してストレスを感じてしまうようなことも起こり得ます。

また、何人もの子どもがいれば、それだけ様々な性格を持つ子がいることにもなります。

合わない子がいた場合に、ストレスを抱えながら接してしまうことも起こり得るでしょう。

特に幼稚園教諭としての使命感や責任感が強すぎる方であればあるほど、柔軟な対応が難しくなってしまうことも多いです。

他の先生と協力しながら、寛大な心を持って子どもと接する余裕がないと、幼稚園教諭を続けることに苦痛を感じてしまうことも起こってしまうかもしれません。

きれい好き

小さな子どものお世話をしていると、どうしても食べ物や汚物などで汚れてしまう場面が多くあります。

子どもの動きは予測が付けづらく、排泄処置中に排泄物が体に付着してしまったり、子どもが振り向いた瞬間に鼻水がついたりするケースが多々あるでしょう。

きれい好きな方は、このような子どものお世話で身の回りが汚れてしまうことにストレスを感じてしまうこともあり得ます。

体力に自信がない

何度か触れていますが、幼稚園教諭として小さな子どもと接することは、非常に体力を要します。

体力面での問題は、慣れによって改善されていくこともありますが、元々体力に自信がない方は幼稚園教諭の仕事についていくことが大変になってしまうことが予想されます。

体力がない場合、仕事に付いていくことが大変になるだけでなく、周りの人とのコミュニケーションが上手く取れなくなってしまったり、子どもに対してきつく当たってしまったり、注意散漫になってしまったりと、悪循環に陥ることもあります。

体力に自信がなくても幼稚園教諭を目指している方は、まずはパートなどの短時間勤務から徐々に慣らしていく方法も検討してみましょう。

複数の仕事に同時対応することが苦手

幼稚園教諭の仕事では、書類作成や行事の準備、保護者との連絡事項などの子どもに関わる仕事以外にも数多くの業務が控えています。

複数の仕事を同時に進めていけるマルチタスクの能力を持ち合わせていないと、仕事が終わらずに大きな負担になってしまうようなことも起こり得ます。

また、他の雑務がきちんと終わっていないと、子どもに対する対応もおざなりになってしまい、幼稚園教諭の仕事全体が上手くいかないようなことにもなりかねません。

幼稚園教諭として上手に仕事をこなしていくためには、仕事内容の全体像を把握して、優先度や計画を立てて仕事をこなしていくようにやり方を工夫してみましょう。

幼稚園教諭の主な仕事内容

自分が幼稚園教諭に向いているかどうかを判断するためには、幼稚園教諭の具体的な仕事内容もイメージしておくと良いでしょう。

こちらの項目では、一般的な幼稚園教諭の仕事内容についてご説明します。

幼稚園教諭の1日のスケジュールをまとめると、次のようになっていることが多いです。

時間	仕事内容	仕事の概要
8時前	登園前の準備	登園してくる園児を受け入れるための準備 先生同士の打ち合わせ
8時〜	園児の出迎え	登園してくる園児の出迎え 出席状況や体調の確認
9時〜	午前の活動	園児と遊んだり、活動したり、勉強 幼稚園や日によって内容は異なる
12時〜	昼食	幼稚園教諭が配膳をおこなう 幼稚園によっては園児に配膳を手伝ってもらう
13時〜	午後の活動	昼食の片付けをして、午後の活動 自由遊びになることが多い
14時〜	降園	帰りの会をおこない、降園の準備 送迎バスに載せたり、迎えに来た保護者と対応したりする
15時〜	預かり保育	預かり保育を実施している園では、残った園児のお世話も必要 幼稚園教諭がそのまま対応するか、シフト出勤の保育士パートなどが対応
15時〜	事務作業 打ち合わせ	園児が帰った後の事務作業や片付け 行事が近い場合には、行事の準備
17時〜	退勤	全ての業務が終わると退勤 1日の労働時間は9〜10時間になることが多い

幼稚園教諭は、だいたい1日9〜10時間ほどの労働時間になっており、土日祝日も基本的には休みになるため、長時間労働になり過ぎるようなことはあまりありません。

ただし、近年では預かり保育を実施している幼稚園も増えてきており、幼稚園教諭が残った園児の対応にも追われると、必然的に業務量と労働時間が増えてしまいやすい傾向にあります。

幼稚園教諭と保育士との違い

幼稚園教諭として働くことを考えている方は、似た職業として保育士の仕事も検討している方も多いことでしょう。

制度や資格の種類が違うだけで、子どもを預かる仕事をすることには大きな違いはありません。

幼稚園教諭に向いている方は、同じく保育士にも向いていると言えます。

ただし、制度の違いによって幼稚園と保育園にも違いがありますので、その結果、幼稚園教諭と保育士の働き方にも若干の違いが出るようになっています。

まずは、幼稚園教諭と保育士の制度の違いをまとめると、次のようになります。

	幼稚園教諭	保育士
必要資格	幼稚園教諭免許	保育士資格
管轄	文部科学省	こども家庭庁
根拠法令	教育職員免許法	児童福祉法
活躍の場	幼稚園 認定こども園	保育園 認定こども園 児童福祉施設
保育目的	集団生活を通した子どもの教育	子どもの預かり保育
子どもの年齢	満3歳〜小学校入学前	0歳〜小学校入学前
保育時間	1日4〜5時間	1日〜11時間

仕事内容の違い

幼稚園は満3歳からの入園になり、子どもが集団生活の中で成長・学びを得る機会をサポートしていきます。

園内で遊ばせるだけでなく、お絵描きや文字の書き方なども一緒に学んでもらいます。

他にも脱いだ衣服の畳み方や箸の使い方、トイレのし方などの生活力を学ぶための教育やサポートをおこないます。

保育園では0歳からの入園があるため、乳児クラスでは、授乳やおむつ交換などをおこなうことも多いです。

3歳以上になった子どもたちは、幼稚園児と同じように、文字の読み書きをしたり、簡単な工作をしたりするなどして、園児の成長を促します。

働く時間の違い

幼稚園と保育園では、子どもを預かる時間に大きな違いがあります。

幼稚園の場合、1日原則4〜5時間のみですので、幼稚園教諭の勤務時間も安定しやすいです。

土日祝日と夏休み等の長期休暇もありますので、休日数も十分にあるでしょう。

保育園の場合、1日11時間開園しているところが多く、保育士が全ての時間対応することが難しいため、シフト制になることが多いです。

日曜祝日は休みの保育園が多いのですが、土曜と長期休暇がないため、幼稚園教諭に比べると労働時間が増える傾向にあります。

給料の違い

2019年の賃金構造基本統計調査によると、幼稚園教諭と保育士の年収は次のようになっており、給料に大きな違いがないことが分かります。

ただし、上記でお伝えした労働時間の違いを考えると、幼稚園教諭の方が働いた時間に対して多く給料を貰えることが多くなると考えられます。

たとえ幼稚園教諭に向いている人が幼稚園で働いたとしても、長年務めていると大変に思うことも、辞めたくなる場面も出てきます。

そのような時に、辞めることを踏みとどまらせてくれる内容が給料や労働環境になることも多いです。

働く幼稚園を探す際は、やりがいだけではなく貰える給料や労働環境にもしっかりこだわって選ぶことをおすすめします。

幼稚園教諭と保育士はどちらがおすすめ？

ここまでお伝えした内容をまとめると、労働環境の面で言えば、幼稚園教諭の方が働きやすいことが多いでしょう。

1日の働く時間も長くなりにくく、休日も確保しやすいです。

しかし、近年では共働きによる保育士のニーズが高まっています。

「仕事の見つけやすさ」という点では、保育士資格の方が役に立つことも多いでしょう。

保育園以外にも、他の児童福祉施設や企業内の保育所など、保育士が求められる職場が多くあります。

幼稚園教諭の場合、どうしても幼稚園で働くことが基本になってしまうため、選択肢が狭まってしまいます。

2006年からは、幼稚園と保育園の両方の性質を持つ「認定こども園」の運営も開始されました。

認定こども園では、幼稚園教諭と保育士資格の両方の資格が求められるため、いずれかは両方の資格を持っておくこともおすすめです。

幼稚園教諭に転職するときにおすすめの転職エージェント

幼稚園教諭に転職や復職をする方は、保育分野の求人に特化した転職エージェントを活用していきましょう。

特に転職エージェントを利用すれば、登録後にキャリアコンサルタントと面談をおこなうことができます。

面談によって客観的に幼稚園教諭に向いているかどうかも判断してくれますので、ぜひ転職エージェントの面談やカウンセリングも有効活用してみてください。

こちらの項目では、幼稚園教諭の転職におすすめの3つの転職エージェントをご紹介します。

【関連記事】幼稚園教諭におすすめの転職エージェントランキング10選

保育士ワーカー

保育士ワーカーは、保育や児童福祉業界に特化した転職エージェントで、全体で2万件以上の求人数を保有しています。

幼稚園教諭の求人も1,500件以上ありますので、幼稚園教諭を含めた子どもに携わる仕事に転職したいと考えている方におすすめの転職エージェントです。

保有している求人の質も高く、一般の求人情報では知りえないような「実際の残業時間」「有給消化率」「職場の人間関係」なども共有してもらえるので、入職後に「思っていた職場と違った」とミスマッチを起こす可能性が少ないでしょう。

保育のお仕事

保育のお仕事も保育・児童福祉分野に特化した転職エージェントです。

求人数は5万件以上と非常に豊富で、好条件の非公開求人も多く取り扱います。

求人の多さだけでなく、転職サポートの手厚さにも定評があり、幼稚園から他の児童福祉施設に転職を考えている方におすすめできる転職エージェントです。

最新の求人情報をLINEで受け取ることができるなど、在職中で忙しい方でも転職活動を気軽に進められるようになっています。

保育士人材バンク

保育士人材バンクは、東証プライム市場に上場している株式会社エス・エム・エスが運営する保育分野に特化した転職エージェントです。

求人には独自のルートを有しており、他の求人サイトでは入手できない「保育観」「働きやすさ」「求める人物像」などを共有してもらえるのが強みといえるでしょう。

スピード感がある転職サポートに強みを持っており、公式サイト内では最短3日での内定獲得実績も掲載されていました。

転職活動の時間や期間に限りがある方におすすめの転職エージェントです。

まとめ

本記事では、幼稚園教諭に向いている人の特徴を中心にご紹介しました。

幼稚園教諭に向いている人の特徴は次の通りです。

一方で、幼稚園教諭に向いていない人もおり、次のような特徴がある方は、幼稚園教諭として仕事を続けることに苦労してしまう場面も出てきやすいと考えられます。

少子高齢化が続いてはいますが、小さな子どもの保育や教育は、子どもが減ってきているからこそより重要にもなってくるでしょう。

特に保育士資格まで視野を広げれば、夫婦の共働きによってニーズも高まっています。

幼稚園教諭に向いているかどうかの一番大事な要素は、やはり子どものことが好きで、子どもの成長を心から望めるかどうかでしょう。

これから幼稚園教諭を目指す方も、幼稚園教諭の仕事を探している方も、今一度自分を振り返ってみて、幼稚園教諭として向いているかどうかを考えてみましょう。