高卒で就職する方は、多くの不安を抱えているのではないでしょうか。高卒は学歴の観点で、どうしても大卒の人と比べられがちです。

しかし、高卒でも問題なく就職できるおすすめの職業は多数あります。

高卒での就職がうまくいくか心配な方は、ぜひ本記事で紹介する仕事を参考にしてください。

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高卒での就職にもおすすめの仕事の特徴

高卒で就職する場合、大卒と比較されがちですが、おすすめできる仕事は多数あります。しかし、高卒の就職は、大卒と比べると厳しいと聞いたことがある方もいるでしょう。

就職率を例に挙げると、高卒の就職はさほど難しくありません。

厚生労働省が発表した「令和4年度大学等卒業者の就職状況調査」によると、2023年4月1日時点で、大卒者の就職内定率は97.3％です。

引用元：令和5年3月大学等卒業者の就職状況（4月1日現在）を公表します｜厚生労働省

一方、大卒の就職内定率に対し、文部科学省が発表した2023年3月末時点の高卒就職希望者の就職内定率は、98.0％という結果が出ています。同年の大卒者の就職率が97.3％であるのと比較し、ほぼ同じ数値が出ました。

引用元：新規高等学校卒業（予定）者の就職（内定）状況｜令和5年3月新規高等学校卒業者の就職状況
（令和5年3月末現在）に関する調査について｜文部科学省

上記の調査結果からわかるように、高卒と大卒ともに、95％以上が就職内定を獲得しています。高卒だからといって、就職が一気に難しくなることはないのです。

また、高卒におすすめできる仕事にはいくつかの特徴があります。特徴を満たしている業界は、より就職できる可能性が高まるでしょう。

以下に、どのような仕事がおすすめできるかを解説します。就職先に迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

人手が足りていない

高卒にもおすすめできる仕事の特徴のひとつは、人手が足りていない業界です。

人手が足りていない業界では、応募の人数や条件を幅広く設定していることが多いため、高卒でも就職の機会を得られやすい傾向があります。

厚生労働省が発表した2023年8月調査の労働者不足状況によると、人材不足が深刻な業界が複数見られます。とくに、医療と福祉業界は労働者不足率が65％と人手が足りていないことが分かります。また、運輸業・郵便業は56％、建設業は58％と高い数値が出ており、人手不足が懸念されています。

引用元：産業別正社員等労働者過不足状況及び労働者過不足判断D.I.｜労働経済動向調査（令和5年8月）｜厚生労働省

各業界の知識やスキルをある程度有している方は、人材が不足している業界を選べば、就職しやすくなるでしょう。非正規社員としての採用だったとしても、入社後に実力を認められれば、正社員への登用も難しくありません。

成果主義を採用している

成果主義を採用している業界も、高卒におすすめできる仕事です。職種や業界によっては、学歴よりも成果を重視しているところがあります。

成果主義を採用している企業は、高卒でも就職できる可能性は十分にある傾向です。成果の例として、営業でほかの人よりも高い成績を出した、商品販売の売り上げに誰よりも貢献したなどが挙げられます。就職先の会社で一生懸命に努力し、結果を残すと、収入増やキャリアアップにもつながりやすいはずです。

注意点として、自分が苦手としているスキルが求められる仕事は控えましょう。苦手な分野は成長が難しく、キャリアアップが厳しいためです。

就職先での実力を優先的に考える業界は多数あります。どんなスキルが問われるか、どんな働き方を求められるのかを事前に調べておくことが大切です。

学歴が求められない

就職において、学歴が求められないことも、高卒におすすめできる特徴です。業界や職種によっては、ある程度の学歴がなければ就けない仕事もあります。

しかし、学歴に関係なくはじめられる、専門的な知識を使う仕事も数多く存在するのです。

学歴を条件として提示していない企業は、ほかの条件やスキルを必要としていることが多いので、企業が出している募集要項を確認してみてください。また、応募先の企業を選ぶ際は、自身のスキルでどんな仕事ができるかを入念に考えて決めましょう。

研修制度が整っている

研修制度が整っている点も、高卒におすすめできる仕事の特徴です。研修制度が整っている企業は、「未経験者が立派に成長できるように」という考えが浸透しているともいえます。

研修内容に沿って学んでいけば、少しずつ仕事の効率がわかるようになり、将来的にキャリアアップのチャンスがつかめます。

研修制度が整っている企業へ応募する際は、ポテンシャルの高さやコミュニケーション能力、やる気などの印象をアピールしましょう。

人柄のよさが伝われば、企業側から素直な人という印象をもたれ、教えがいのある人材だと思われやすくなります。

体力が求められる

高卒におすすめできる仕事の特徴として、体力を重視しているところも挙げられます。体力のある人や、機敏に動ける人は若い世代に多く、とくに高卒者が注目されやすくなるためです。

体力がいる仕事として、肉体労働がメインの仕事や、外回りが多い仕事が考えられます。体力重視の仕事に就きたいと考えている方は、フットワークの軽さや高い持久力、力に自信のあることをアピールしましょう。

高卒の就職におすすめの職種や仕事10選

高卒でも、幅広い仕事で十分に活躍できます。具体的に、どのような職種や仕事が存在するのかを紹介します。

以下の職種と同時に、前述した高卒におすすめできる特徴が備わっている仕事を選ぶと、より企業に貢献できるようになるでしょう。

営業職

高卒の就職におすすめの仕事として、営業職が挙げられます。営業職は、学歴に関係なく、実力が重視される傾向があります。また、自分に知識がともなっている商品を扱う場合は、とくに活躍できるでしょう。

男性であれば自動車保険のサービスやビジネス用の製品、女性であれば化粧品などの営業で活躍しやすくなります。

営業職には、高いコミュニケーション能力や体力、向上心が必要です。選考の際には、営業職に必要なスキルが備わっていることを全面的にアピールしましょう。

技術職

技術職は高卒での就職におすすめの職種のひとつです。

技術職とは、専門的な知識を活かしてものづくりに携わる仕事のことで、鈍器などの製品をつくる職人のような仕事から、パソコンスキルを必須とするWeb業界などジャンルは多岐にわたります。

全般に共通しているのは、高い専門性や豊富な経験が求められるという点で、スキルや経験があれば学歴はそれほど重視されないケースも珍しくありません。

とくに現場系の仕事をはじめとした「職人」と呼ばれるジャンルにおいては、学歴より択力や忍耐力が重視されるため、高卒でも十分に就職を狙えます。

ただし、ひとつの分野に対してひたむきな努力が求められるため、自分の興味関心を把握したうえで就職先を選ぶことが大切です。

事務職

高卒におすすめの職種として、事務職も該当します。事務職は、おもにオフィス内で業務に従事する、デスクワークが中心の仕事です。複数の仕事を同時におこなうこともあるため、てきぱきと仕事を処理する力とミスの少ない正確性が問われます。

周囲の人たちと連携してタスクをまわしたり、営業職のサポート役になったりすることもあるため、高いコミュニケーション能力も必要です。

丁寧に、かつ集中して業務に向き合える自信がある方は、事務職を選んでみてもよいでしょう。

販売職

販売職も高卒の就職におすすめできる職種です。

お客様の接客が必要な職種であることから対人スキルは求められますが、学歴はそれほど重視されないケースが多い傾向にあります。

ちなみに販売職は接客だけでなく、在庫管理、商品の補充、ディスプレイのレイアウト変更などさまざまな業務を兼任することが多い職種です。

幅広い業務を適切にこなすためには一定の経験が求められるため、学歴がなくても地道に努力していけば、責任のあるポジションに昇格することも可能でしょう。

また、柔軟な顧客対応ができるかどうかは向き不向きがあるため、アルバイトから入って現場を経験したうえでそのまま正規雇用に移行するパターンが多いのも販売職の特徴です。

高卒の人のなかでも、フリーターとして販売職の経験がある方は過去の経験を活かしやすいため、販売職をメインとした就職活動をしてみるとよいでしょう。

介護職

さまざまな仕事のなかでも、介護・福祉業界はとくに学歴だけでやっていくのが難しい業界です。

介護職の主な仕事内容は高齢者や障害者などの身の回りのサポートであり、体力や忍耐力がなければ務まりません。さらに思いやりやコミュニケーション能力も求められる職種であるため、学歴は二の次と考える企業がほとんどです。

また、介護職は高齢化によりニーズが高まる一方で働き手が減っている影響により、慢性的な人手不足に陥っている業界でもあります。

たとえ高卒であってもやる気や熱意があれば歓迎する企業も多いですから、福祉の分野に興味がある場合は積極的にチャレンジするとよいでしょう。

ただし、資格の有無によって給与や将来的なステップアップのチャンスが左右されるため、資格取得制度を導入している企業がおすすめです。

公務員

公務員は、大卒者にも多く見られますが、高卒にもおすすめできる仕事です。公務員は、おもに国家公務員と地方公務員に分けられます。公務員として有名な職業は、消防士や警察官、社会福祉士などです。

公務員になるためには、公務員採用試験に合格する必要があります。高卒の場合、国家公務員の場合は高卒者試験、地方公務員の場合は地方初級公務員試験を受けなくてはいけません。

また、試験には年齢・学歴などの制限があり、受験資格が得られない場合もあるため気をつけましょう。

配送ドライバー

配送ドライバーも、高卒で就職できるおすすめの仕事です。難しい資格は必要なく、入社後に免許を取得できる会社もあるので、運転できなければ就職は不可能ということはありません。

2017年以降、準中型免許が導入されたため、20歳未満の高卒者も準中型トラックの運転が可能になりました。

配送ドライバーには、運転の技術と十分な体力が問われます。トラックの運転に興味のある方、体力に自信がある方にとくにおすすめの仕事です。

プログラマー

高卒におすすめの仕事として、プログラマーが挙げられます。プログラマーは、未経験の方や高卒の方でもはじめられる仕事です。ゲームやアプリ開発などに携わり、設計と開発をおこないます。

おもに、入社後のスキルや実力が重視されるため、学歴がなくても十分にキャリアアップが可能です。プログラマーには、地道に仕事をこなせる力と、高い集中力などが求められます。

製造職

高卒におすすめできる職種として、製造職も挙げられます。製造職は地道な作業が多いイメージですが、商品開発やアイデア企画、品質管理などあらゆる場面で活躍できる可能性もあります。

製造業は、未経験でもはじめられる仕事です。

単純作業が得意な方、体力に自信がある方は、ぜひ検討してみてください。

施工管理

施工管理職も、高卒におすすめできる職種のひとつです。施工管理職は、資格がなくても就ける仕事が多く存在します。建設関係に興味のある方や、体力に自信のある方に十分おすすめできる職種です。

また、施工管理職には、「施工管理技士」という国家資格があります。請負金額が一定以上の建設現場において、建設業者は主任技術者、または管理技術者を配置しなくてはいけません。

施工管理技士の資格を有していると、これらの技術者資格を取得できる要件を満たせ、現場で欠かせない存在となれるのです。

国家資格を取得すると、収入の大幅アップだけでなく、建設現場で活躍できる機会を得られるでしょう。

高卒の就職におすすめできる業界

職種や仕事だけにとどまらず、高卒の就職におすすめできる業界についても解説します。業界にはさまざまな種類があるので、興味のある方は広い視野で見てみるとよいでしょう。

建設業界

高卒の就職でおすすめできる業界として、建設業界が挙げられます。建設業界には、営業職や点検・補修、おすすめの職種でも紹介した施工管理職まで幅広く存在します。

建設業界では、現場仕事で活躍できるための体力や、企画と進行などに関連する管理能力が求められます。

建設業界の年齢層は幅広く、あらゆる世代の人たちとコミュニケーションがとれる方にもおすすめです。

IT業界

IT業界は未だ急速な発展を遂げており、今後も一定のニーズが見込めるため高卒での就職におすすめです。

一言でIT業界といっても、エンジニア、ソフトウェア、アプリ、インターネット関連など、幅広いジャンルが存在するため、選択肢が多いメリットがあります。

専門性が求められる職種ではあるものの、未経験からチャレンジできる企業も少なくありません。

逆に未経験からでも一定の学習や経験を積めば、専門的なスキルやノウハウを習得できるため、将来的なステップアップが望める業界でもあります。

既存の技術はもちろん、日々新たな技術が生まれる業界ですから、好奇心旺盛、継続的な学習が得意、デジタル分野に興味がある、といった特徴をもつ人におすすめです。

学歴には関係なく、IT技術のスキルややる気が備わっていれば活躍できる可能性のある業界であるため、ITに興味のある方は目指してみてもよいでしょう。

アパレル業界

高卒者の就職には、アパレル関連もおすすめの業界です。アパレル業界には、商品開発から販売まで、多くの職種が存在します。求められるスキルは職種によって違うため、アパレル業界に就く際は、自分がどの職種で活躍できるかを見極めることが大切です。

発想力を活かしたい場合は商品開発、コミュニケーション能力を活かしたい方は来店客と関わる販売職が向いています。アパレル業界を検討している方は、自分がどの分野で活躍できるかを考えて決めましょう。

飲食業界

飲食業は調理、接客といった特定の能力が求められる専門職であるため、高卒でも活躍できるチャンスのある業界です。

大きな特徴はアルバイトから始めやすい点で、学生自体のアルバイト経験を活かしながら就職活動できるメリットがあります。

とくに高卒の場合、本格的な社会人経験がない点が障壁となりがちですが、飲食業界なら比較的学生でも経験を積みやすいでしょう。

ただし、就職先が個人経営かチェーン経営かによって将来的なキャリアは異なる点に注意が必要です。

個人経営の場合、基本的には店長が最終的なキャリアとなりますが、チェーン店の場合、エリアマネージャーや本社勤務など現場から離れるポジションにキャリアが変わる可能性もあります。

どちらが良い悪いはありませんが、将来的な担当業務や習得できるスキル・ノウハウには違いがあるため、将来的なビジョンを見据えて就職先を選ぶとよいでしょう。

保険業界

保険業界は、未経験者歓迎、学歴不問の求人が多いため、高卒での就職におすすめの業界です。

主な業務は保険商品の営業であり、顧客に保険商品を提案して契約獲得を目指します。

ただし、取り扱う保険の種類は生命保険、医療保険、自動車保険など多種多様であり、求められる知識や特性は異なります。

また、店舗勤務なのか、外勤なのかによって働き方は大きく異なり、とくに外勤の場合は体力が求められるケースが多い点は覚えておきましょう。

保険業は基本的に、顧客とやりとりしながら相手のニーズをくみ取り、ニーズにあわせて柔軟に提案する能力が求められるため、人の話を聞いたり相手に説明したりするのが得意な方に向いています。

多くの場合、成績に応じて給与が変動する歩合制を導入しているので、「成果を給与に反映して欲しい」「自分次第で大きく稼げる業界がよい」という方はチャレンジしてみるとよいでしょう。

製造業界

製造関連も、高卒で就職する人におすすめできる業界です。製造業界は学歴に関係なく、高卒の人でも就職できます。学歴よりは、就職後の実績を重視している企業が多い傾向です。

製造業界とはひと言でいっても、自動車関連や半導体関連、電機や電子部品などさまざまな種類が存在します。

製造業界は、早く正確に作業ができる方や、高い集中力をもつ方に向いているといえるでしょう。

運送業界

運送業はおもにドライバーとして働くケースが多い業界であり、高卒でも就職しやすい業界です。

物流は人の暮らしに欠かせないライフラインであるため中長期的に需要が見込める業界ですが、昨今ではインターネット通販が普及している影響もあり、労働力が不足している状態でもあります。

ドライバーの場合、基本的には必須となる運転免許と体力があれば、学歴はほとんど重視されません。

ただし、運転免許は種別ごとに以下のように受験資格が異なる点に注意が必要です。

免許種別	年齢	免許経歴（停止期間を除く）
普通	18歳以上	免許経歴は必要ありません。
準中型	18歳以上	免許経歴は必要ありません。
中型	20歳以上	準中型、普通、大特免許のいずれかの免許を取得しており、経歴が通算2年以上の者
大型	21歳以上	中型、準中型、普通、大特免許のいずれかの免許を取得しており、経歴が通算3年以上の者
けん引	18歳以上	二種、大型、中型、準中型、普通、大特免許のいずれかの免許を現に取得している者

ご覧のとおり、免許種別によっては高校を卒業した18歳の時点で取得できないものもあるため、求人の募集要項はしっかりチェックしておきましょう。

ちなみに運送業界には、商品の仕分けをおこなう荷役業務、保管をおこなう保管業務、倉庫作業員、配車係など多様な業務が存在するため、ドライバー以外で就職することも可能です。

内勤の場合は一定の学歴が求められることもありますが、慢性的な人手不足に悩んでいる業界ですから、高卒や未経験歓迎の求人を探してみるとよいでしょう。

介護業界

高卒へのおすすめとして、介護業界も挙げられます。介護業界には体力が必要な仕事が多いため、高卒の若い人材が歓迎されやすいのが特徴です。

介護業界のおもな職種として、介護士やホームヘルパー、ケアマネジャーが該当します。

学歴も関係なく、未経験からおこなえる仕事もあるので、少しでも興味のある方は検討してもよいでしょう。

高卒で就職するデメリット

高卒で就職する方におすすめの仕事は多数ありますが、大卒と比較するとどうしても不利になる部分が出てきます。

高卒で就職する方は、デメリットが自分にとって重荷にならないかを知っておくことが大切です。

以下に、高卒の方たちが就活するデメリットを説明します。

選べる企業の範囲が狭くなる

高卒で就職する場合、大卒と比べて選べる企業が限られてしまう場合があります。企業によっては、求める最終学歴を大卒以上に設定しているところも少なくありません。とくに、大手の企業は学歴を基準のひとつとして考えるところが多い傾向です。

高卒でも就職できる業界で、すでに希望している進路がある方は問題ないでしょう。

しかし、とくにやりたい仕事が見つかっていない方は、選択の幅が狭くなってしまうことをあらかじめ把握しておいてください。

生涯賃金に差が出てしまう

高卒で就職する場合、大卒と比較して一生のうちに稼げる賃金に差が出てしまいます。

労働政策研究・研修機構は、2022年度の高卒者と大卒者の生涯賃金を以下のように発表しました。

引用元：生涯賃金など生涯に関する指標｜ユースフル労働統計 2023｜労働政策研究・研修機構（JILPT）

高卒の生涯賃金は、男性が2億300万円、女性が1億4,920万円という結果です。また、大卒に関しては男性が2億4,740万円、女性が1億9,800万円という結果が出ています。

上記ふたつのデータは、いずれも60歳まで正社員で働く場合の生涯賃金として算出されたものです。当グラフを見てもわかるように、大卒と高卒では、生涯の賃金に大きな差が出る可能性があります。

高卒での就職を検討している方は、大卒に比べて収入面で不利になることを把握しておきましょう。

人脈が少なくなる

高卒で就職する場合、人脈が減ってしまうことも懸念されます。大卒の人たちは、大学を通して同級生や先輩、教授との出会いがあり、ある程度は人脈の構築が可能です。

しかし、高卒の場合は、大学に行かないぶん出会いが少なくなります。出会いが少なければ少ないほど、企業の紹介や就活に関する相談相手が限られるため、就活で不利になるかもしれません。

高卒で就職する方は、企業に関する情報収集と、必要であれば学校以外で人脈づくりをおこなっておくことをおすすめします。

高卒で就職するメリット

高卒の場合は、大卒に比べて就職に不利になる部分がありますが、逆にメリットになる要素も存在します。

高卒での就職を考えている方は、メリットも十分に理解し、可能な部分は就活に活かせるよう工夫してみてください。

大学に通うための経済的負担がない

高卒で就職するメリットとして、大学に通うための経済的負担がないことが挙げられます。大学へ通う場合、学費や教材のほかに、一人暮らしをする人には生活費や家賃もかかってしまいます。

日本政策金融公庫の教育費負担の実態調査では、高校入学から高校・大学の卒業までにかかる平均費用について、以下のような結果が出ています。

※高校1年生、大学1年生の費用には入学金を含む

引用元：令和3年度「教育費負担の実態調査結果」｜日本政策金融公庫　

結果を見てもわかるように、高卒者、大卒者の間には、かかる費用に3倍以上の差がみられます。

高卒で就職をする場合、経済的な負担を大幅に抑えられるのです。

10代のうちに社会人経験が積める

22歳から社会に出る大卒の人たちと比較して、高卒の場合は18歳で社会人になれるところもメリットです。

大卒者よりも若い年齢から仕事をはじめるため、お金を稼ぐ大切さをより早く知ることができ、どう使うべきかを考えるようになります。無駄な散財もせず、貯金や投資など、10代のうちからあらゆる使いかたを勉強するようになるでしょう。

また、高卒で就職する人は10代のうちに社会経験を積めるため、仕事や実力によっては大卒よりも早いキャリアアップが見込めます。高卒で就職すると、早いうちからの社会人経験によって、大卒と差をつけられることもあるのです。

若い年齢を強みにできる

高卒で就職するメリットとして、若い年齢を強みにできるところも挙げられます。高卒の場合は18歳、大卒では22歳で就職するので、両者には4歳の差がうまれるのです。

若い年齢で仕事をはじめられるぶん、おもに体力を使う仕事や力仕事などで大きく貢献できます。宅配業者や消防士、引っ越し業者などがおもな例です。

高卒での就職を考えている方は、肉体労働がメインの仕事を選んでもよいでしょう。

高卒で就職する人におすすめの仕事探しの方法5つ

高卒や大卒問わず、一人だけで就活を進めるのは危険です。得られる情報がどうしても限られてしまい、自分がよいと思える仕事や企業に出会えないかもしれません。

以下に、どのようにして仕事探しをおこなえばよいか、おすすめの方法を5つ紹介します。仕事探しの方法で迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

知人に紹介してもらう

高卒で就職を考えている人におすすめできる仕事の探しかたとして、身近な知人に紹介してもらう方法が挙げられます。親しい知人への相談は、手っ取り早く、気軽に相談できる点がメリットです。

とくに、自分の性格や価値観をよく知っている家族や友人に相談すれば、自分に合う仕事を紹介してもらえる可能性が高くなります。

あまり時間が取れない方や、自分にふさわしい仕事を見つけたい方は、周囲の知人に相談してみましょう。

就職エージェントを利用する

高卒で就職する人の仕事探しの方法として、就職エージェントを利用するのもひとつの手段です。就職エージェントに登録することで、プロの担当者が自分に合った求人を紹介してくれます。

応募先の企業が決まった際は、選考対策から面接の日程決めまでおこなってくれるため、安心して利用できます。就活の対策法がわからない、自信がない方は、ぜひ就職エージェントを利用してみましょう。

ハローワークに相談する

ハローワークへの相談も、高卒で就職する人におすすめできる仕事探しの方法です。ハローワークは、国によって運営されている機関です。

利用料などはかからず、おもに地域密着型の中小企業の求人情報を収集できます。また、ハローワークは自分で仕事を探すだけでなく、職員のサポートがつくところもポイントです。

どの求人が自分に合っているのかを職員と相談しながら進められるため、より効率的に仕事を探せます。高卒で就職可能な求人も多数揃っているので、ぜひ利用してみてください。

求人誌を読んでみる

高卒の就職者におすすめできる仕事探しの方法として、求人誌を読んでみることが挙げられます。求人誌は、近くのスーパーやコンビニなどで入手しやすく、手軽に読めるところがメリットです。

求人誌は、おもに地元での求人が揃っているので、近場で仕事を見つけたい方に向いています。高卒で就職できる企業も多数紹介されているため、ぜひ手に取ってみてください。

求人サイトを利用する

求人サイトの利用も、高卒で就職する方におすすめできる仕事探しの方法のひとつです。求人サイトに登録するだけで、幅広い求人を見ることができます。

また、自分が求める条件などを入力すると、指定した条件に合う求人のみが表示されるところもポイントです。

自宅のパソコンやスマートフォンですぐに探せるので、手軽に求人を検索したい方は、ぜひ活用してみましょう。

高卒の就職を成功させるためにおすすめの対策3つ

高卒の場合、就職を成功させるためには大卒とは違う対策をとらなければいけません。どのように活躍できるか、どう貢献できるかなどを企業に伝えることが大切です。

以下に、高卒の就職がうまくいきやすくなるおすすめの対策を紹介します。有利な就活の進めかたが今ひとつわからない方は、ぜひ参考にしてください。

学歴の固定観念にとらわれない

高卒で就職する場合、学歴の固定観念にとらわれないように気をつけましょう。「学歴が低い自分はいい仕事には就けない」のように考えるのは、自分にとって損にしかなりえません。

固定観念は、ときに自分の可能性の幅を狭めてしまうことにもつながります。

高卒者でも活躍できる仕事は多数あるので、学歴のことは気にせず、自信をもって就活に励みましょう。

情報収集を徹底する

高卒で就職を成功させるには、情報収集の徹底にも努めましょう。高卒で就職する場合、大卒よりも求人数は限られてしまうため、より多くの企業情報を集める必要があります。

近年はインターネットの普及もあり、あらゆる情報を簡単に調べられますが、ときには企業説明会へ出向く行動力も大切です。

情報収集を入念におこなうことで、自分がよいと思える業界や企業に出会える可能性が高まります。高卒で就職する方は、徹底した情報収集を念頭においてください。

できるだけ幅広い条件を設定する

高卒での就職を成功させるおすすめの対策法として、できるだけ幅広い条件を設定することも挙げられます。

高卒で就職できる仕事は限られるので、細かい条件を設定してしまうと、応募する企業が決まらなくなるかもしれません。

細かく設定しがちな条件として、年収や休暇日数、福利厚生などが考えられます。

まずは、最優先にしたい条件を3つ挙げ、それら3つの条件を満たしている企業を選んでみましょう。

高卒の方におすすめの就職エージェント

ここでは高卒で就職を目指す方に、おすすめの就職エージェントを3社紹介します。

関連記事：20代高卒におすすめの転職エージェント14選｜選び方や活用法も紹介

ノビルキャリア

えーかおキャリア

ハタラクティブ

【飲食業界向け】フーズラボ

最後に｜高卒の就職でおすすめの仕事を見つけよう

高卒で就職する場合は、大卒者と比べて不利だと思われがちです。しかし、就職率に大きな差はなく、どちらも厳しさは変わりません。また、高卒の就職率は98％と高いので、就職が難しいこともないでしょう。

ただ、高卒で就職する場合、選べる仕事が限られている部分には注意が必要です。おすすめの仕事や方法、対策をいかに知っていて、きちんと行動に移せているかが就職の結果を左右します。

幅広い視野で徹底して就活をおこなえば、必ず自分に合った企業に出会えるので、就職先が決まらずに悩んでいる方は最後まで諦めないでください。高卒で就職するメリットを十分に活かし、就活に励んでいきましょう。

【参考記事】令和5年3月新規高等学校卒業者の就職状況（令和5年3月末現在）に関する調査について｜文部科学省