大手企業の経理に転職するためには?業務内容の違いから有利な資格まで紹介

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CUS士業・管理部門担当

佐藤 達也

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現在経理の業務に携わっていて、より大きな企業への転職を検討される方も多いのではないでしょうか。

この記事では、大企業の経理職に転職を考えている方に向けて、企業規模による業務の違いや転職に必要となってくる資格、メリット、転職に際してやるべきことなどを詳しく解説します。

目次

大手企業と中小企業で経理の業務内容は異なる?

一口に同じ経理職といっても、業種や企業規模によって仕事内容は異なってきます。具体的にどの点が変わるのかを以下で解説します。

大手企業の経理の業務内容

大手企業では、中小企業と異なり、経理部が独立している場合が多いといえます。そのため、経理の業務に集中できるというメリットがありますが、その分より専門的な知識が要求されます

特に、金融庁や投資家、株主などの外部へ公開する書類は、どんな小さなミスも許されません。そのため、業務の正確さが強く求められるでしょう。

また、上場企業では、決算短信や有価証券報告書などの書類の作成も求められます。加えて、外部に向けた開示書類を作成する際には、社内の他の部署からも情報収集が必須です。したがって、他部署とのコミュニケーション能力・調整能力も求められます。

中小規模の経理の業務内容

中小企業の経理部は、総務部や人事部と一緒になっていることが多いです。そのため、従業員の給与計算や人事・総務業務にも対応する必要があります。

特に小規模な会社では、経理職が一人で総務や人事系の仕事を回さないといけないケースもあり、オールラウンドな対応スキルが求められます。

このように、中小企業の経理は業務範囲が広いため、時には経理の業務と並行してクレーム処理や給与計算などもこなさないといけない場面も多くあります。さらに、中小企業は経営者との距離も近いため、場合によっては経営にまつわるアドバイスを求められることもあるでしょう。そのため、幅広い業務知識や臨機応変な対応力が求められます。

外資系企業での経理業務

外資系企業とは、外国法人や外国人が一定以上の出資を行っている日本企業のことを指します。外資系企業での経理業務は、日本と会計基準と違う場合があり、しっかりと内容を理解する必要があります

また、日本語以外の財務書類を扱うケースもあるため、語学の知識もある程度要求されるでしょう。加えて本国の親会社と決算期が異なる場合や、使用通貨の違いによる損益の発生などもあるので注意が必要となります。

大手企業の経理に求められるスキル

経理に限らず大手企業の人材には、即戦力になる人材が求められがちです。以下では大手企業の経理に求められるスキルを解説します。

単体・グループの連結決算業務経験

大手企業では、グループ全体の経営状況を把握するために、連結決算を行うことが一般的です。連結決算業務の経験者には、グループ全体の財務諸表を作成・分析する能力が求められます。

また、海外に子会社がある場合は、外貨の知識も必要です。

税務申告

税務申告業務とは税務に関する業務をまとめたもので、国に納付する税金の額を計算し申告する一連の流れを指します。例を挙げるなら、確定申告・法人の決算・給与計算などを指します。会社が納めるべき税金を正確に算出する重要な業務です。

大手企業では、法人税や所得税などの税務申告業務が重要な役割を担っています。税務申告業務経験者には、正確かつ迅速に税務申告を行う能力が求められます。

M&A・企業会計のスキル

M&Aでは、対象会社の企業価値を評価し、買収を検討します。企業会計では、企業の経済活動を記録・集計・報告します。M&A・企業会計のスキルを持つ人材には、企業の財務状況を分析する能力が求められます。

管理会計

管理会計とは、これからの経営を進める上で役立つ情報をまとめたものになります。M&Aや企業会計が外部に向けたものであることに対し、管理会計は内部報告用となっています。

管理会計では、企業の経営戦略を立案するために、コストや売上などのデータを分析します。管理会計経験者には、企業の現状を把握し、分析する能力が求められます。

企業会計は法律に則った形式で行われていますが、管理会計を行う際には特に決まったルールや法律による制限は存在しません。そのため、管理会計は会社ごとの独自のルールで運用されています。

IFRS・IFASSの知識

IFRS(国際財務報告基準)とは「International Financial Reporting Standards」の略称であり、世界中で利用できる単一の会計基準になります。これに以前からあったIASを合わせたものがIFASSです。

大手企業では、IFRSへの対応が進んでいます。IFRS・IFASSの知識を持つ人材には、高度な会計知識と分析力が求められます。

海外取引・外資系企業での経理経験

大手企業では、海外事業の拡大が進んでいます。そのため、海外取引や外資系企業での経理経験を持つ人材が求められています。

海外取引や外資系企業での経理経験を持つ人材には、高い語学力やコミュニケーション能力、海外マーケットへの知見などが求められます。

また、日本とは異なった環境で培った価値観やビジネススタイルは、今後のキャリアを積んでいくうえで役立つことでしょう。

大手企業の経理職に転職した際の年収は?

大手企業で経理をする場合、20代は年収300~400万円、30代は450~550万円程度が一般的です。また、役職に就くと、年収はさらに高くなります。

そのほか、需要が高まっている業界や、収益性の高い業界では、年収も高くなる傾向があります。特にIT・不動産業界などは、年収をアップさせるチャンスがあるといえるでしょう。

大手企業の経理職に転職するメリット

大手企業に転職するとさまざまなメリットがあります。転職するメリットが複数あるのは経営規模の大きい大手企業ならではです。以下では大手企業に転職した際のメリットを詳しく解説します。

一定以上の給与がもらえる

大企業に転職すると、高い収入を得られる可能性が高まります。特に大企業は基本給が高く、ボーナスも充実しています。

厚生労働省の調査によると、大企業の平均月収は365.7万円で、中企業は318.2万円、小企業は287.1万円です。大企業と中小企業の月収差は、47,500円~78,600円です。以上のことから、収入面の安定を求めるなら、大企業が有利といえるでしょう。

福利厚生が充実している

福利厚生が充実しているのも、大手企業への転職のメリットといえます。入社後の手厚い研修や、家賃補助、産休制度などのさまざまな制度が充実している場合が多いです。

福利厚生は法律で定められた部分と、企業の裁量で決めることのできる部分に分けられています。大手企業では企業規模が大きい分、従業員の不満が出やすいために、会社が決められる部分の福利厚生にも力を入れていることが多いようです。

長く勤められる

大手企業は、その規模や資産規模から、中小企業や個人事業と比べて倒産リスクが低い傾向にあります。そのため、安定した職場環境で長く勤務できる点も魅力の一つです。具体的には以下の要素を兼ね備えています。

豊富な資金力

中小企業に比べて豊富な資金力を有しています。そのため、不況や災害などのリスクに備えることができ、倒産リスクを低減できます。

多様な事業分野

大手企業は、さまざまな事業分野に進出しているため、景気や社会情勢の変化に柔軟に対応することができます。

大手企業の経理職に転職するデメリット

大手企業に転職するメリットについては上記で触れましたが、当然ながらデメリットもいくつかあります。大手企業に転職した際のデメリットを以下で解説します。

仕事に裁量権がない

大手企業は規模が大きいため、中小・ベンチャー企業などに比べて仕事の裁量権が小さい場合があります。大手企業では、従来のルールや慣習を守ることが重視されるため、自分の考えやアイデアを自由に発揮しにくい一面があります。

また、メンバー一人ひとりの裁量に限りがあるため、一つのプロジェクトを進めるためには、多くの人の協力や承認が必要になるケースもあるでしょう。

組織の人間関係が複雑になる

大手企業は、社員数が多いため、組織の人間関係が複雑になることがあります。

例えば、社内にライバルが多く、競争意識が強いため、人間関係がシビアになることがあります。また、部署や職種によって文化が異なる場合があり、人間関係が安定しづらい一面もあるでしょう。

転勤や異動がある

大手企業は、国内外に支店や拠点を展開しているため、転勤や異動の可能性も少なくありません。例えば、会社の成長や事業拡大に伴い、社員を配置転換する必要があることがあります。

また、ジョブローテーションという教育制度により、社員のスキルアップやキャリアアップを図るために、異動を命じることがあります。

経理職として大手企業への転職を成功させるポイント

大手企業への転職を成功させたい場合、いくつか気を付けるべきポイントがあります。以下では大手企業の経理職として転職したい場合、押さえておくとよいポイントを解説します。

キャリアプランを明確にする

キャリアプランとは、将来のキャリアをどのように進めていくか、目標や計画を立てることです。キャリアプランを明確にすることで、自分の強みやスキルを生かして、どのようにキャリアを積んでいきたいのか、具体的なイメージを持つことができます。

キャリアプランを立てるには、まず自分の興味や関心、強み、スキルを整理しましょう。そして、将来どのような仕事をしていきたいのか、どのようなキャリアを積んでいきたいのか、具体的な目標を設定します。

目標を設定したら、目標を達成するために必要なスキルや経験を身につけるための計画を立てましょう。そのためには、転職などを含めた「人生全体を通しての職歴」の目標を考えていくのが有効です。

自身のスキルや強みを洗い出す

転職活動では、自分のスキルや強みをアピールすることが重要です。自分のスキルや強みが何なのか、客観的に把握できていないと、転職先に効果的にアピールできません。

自身のスキルや強みを洗い出すためには、以下の3つのステップを踏みましょう。

①自分のこれまでの経験を振り返る

自分のこれまでの経験を棚卸しし、どのような経験をしてきたのかを振り返ります。

②自分の強みやスキルを書き出す

経験を踏まえて、自分の強みやスキルを書き出します。

③客観的に評価する

②で書き出したスキルや強みを、客観的に評価します。

スキルや強みを客観的に評価するために、オンラインツールや転職エージェントのコンサルタントに相談することもおすすめです。

経理特化の転職エージェントを利用する

大手企業の経理への転職を希望する場合は、経理に特化した転職エージェントを利用するのも有効的です。経理に特化したエージェントの活用は、以下の3つのメリットがあります。

  • 経理関係の求人に多く出会える
  • 経理の専門アドバイザーのアドバイスがもらえる
  • 自分の希望する転職先に強いエージェントを利用できる

経理に特化したエージェントを利用することで、経理の求人に精通したアドバイザーから、自分に合った求人の紹介や、面接の対策などのアドバイスを受けられます。

また、自分の希望する転職先に強いエージェントを利用することで、転職活動を効率的に進めることも可能です。

大手企業の経理転職に役立つ資格とは

大手企業の経理部は、中小企業と違い独立しているのが一般的です。経理業務に専念するため、より深い専門知識を必要とします。

また、上場企業や外資系など、企業によって求められるスキルが変わります。経理に関わる資格をできるだけ多く取得することで、応募できる企業の幅も広がるでしょう

簿記1級

簿記1級は一般的に「日商簿記1級」を指します。商工会議所が主催する検定試験のひとつで、経営活動の「記録」「計算」「整理」を行い、「財政状態」と「経営成績」を明らかにするスキルです。

日商簿記には1級~3級があり、商工会議所は1級を極めて高度な会計スキルと評しています。合格率は10%前後と非常に高い難易度なので、その希少性を武器に、他の応募者と差別化を図れる資格です。

簿記1級レベルの知識を持っていると、連結会計や税効果会計、資産除去債務など、入社後もほとんどの論点に対応できます。

FASS検定

FASS検定は、経理・財務分野において、どのくらいの実務知識やスキルが備わっているかを測る試験です。日商簿記などの資格と違い、より実務でのスキルが問われます。出題範囲は、資産・決算・税務・資金と、非常に広い4分野です。

評価方法は合否ではなく、A~Eの5段階に分かれています。それぞれの評価基準は、「A:業務全体を正確に把握している」「B:ほとんどの業務を理解している」「C:日常業務の基本スキルがある」「D:分野によっては理解が不十分」「E:不十分な部分が多い」です。

この試験は、NTTコミュニケーションズや森永乳業、日産自動車などの有名企業が導入しています。この試験自体の評価が高まっており、人材採用の場で活用する企業が増えています。

TOEIC800以上

TOEICは、英語のコミュニケーション能力を判定する世界共通のテストです。海外出張や海外企業との取引、海外企業への就職では、経理の仕事でも英語力が求められます

経理関係の書類を専門の部署で管理する企業がほとんどなので、英語を自力で翻訳する力が必要です。また、会議などで日常的に使用するケースも考えられます。

TOEICのスコアが800点以上あれば、希望する大手企業に転職できる可能性が広がります。800点取れる人は英語力が高く、高い難易度の英文や会話も理解できるレベルなので、企業が欲しがる実力を持っているといえるでしょう。

さらに、簿記などの資格と合わさると、経理として頭一つ抜けている証明になり、より高い評価が得られます。

公認会計士

公認会計士は、企業に対して監査業務を行える唯一の国家資格です。試験は、経済系の国家資格のなかで最難関と言われています。

この資格は、経理として働くには十分な知識を蓄えている証拠となり、入社後も重宝されるでしょう。応用範囲がとても広いため、経理業務のみならず、監査役などの重要なポジションを任されるかもしれません

特に、新規上場を目指す企業では、監査法人が指摘するところを事前に修正させ、上場のために必要な作業をスムーズに進められます。

また、監査法人から大手企業の経理へ転職するとき、ワークライフバランスを安定させた上で高水準な収入を得るなど、自分に合った働き方を実現しやすくなります

公認会計士の資格はさまざまな役割を担えるため便利ですが、資格取得の難しさが問題です。これから取得を考えている人は、長期的な転職プランを立てる必要があります。

大手企業の経理転職に役立つ転職エージェント5選

前述したように大手企業の経理へ転職するためには、経理に強い転職エージェントを利用することが有効です。以下では大手企業の経理転職に役立つ転職エージェントを詳しく紹介します。

BEET-AGENT

BEET_経理
公式サイト:https://beet-agent.com/

BEET-AGENTは、管理部門やバックオフィス系の職種に特化した転職エージェントです。

経理の求人を多数取り扱っており、上場企業からベンチャー企業まで幅広く対応しています。新規上々をねらう企業や大企業の非公開経理など、それぞれの求職者が活躍できる求人の紹介を受けられます。

また、アドバイザーによる面談対策や給与交渉サポートなどもしてもらえるので、自身の強みや志向性を考慮した就職活動が可能です。扱う職種を限定しているため、全体の求人数は少なくなりますが、アドバイザーとの綿密な面談により、入社後のミスマッチを防げる特徴があります。

サービスの登録から内定・入社までの流れは以下のとおりです。

  • 新規登録・アドバイザー面談
  • これまでの経歴と希望条件を確認
  • アドバイザーから求人の提案
  • 書類選考・企業との面接
  • 内定通知・入社

公式サイト:https://beet-agent.com/

ハイスタ会計士

ハイスタ会計士

ハイスタ会計士は、経理・財務職や会計士の転職支援に特化したサービスです。公認会計士・税理士の有資格者や科目合格者に特におすすめの転職エージェントです。

ハイスタ会計士に所属するアドバイザーは、求人先の企業情報や業界動向を詳しく調査しています。そのため、他では得られない情報を提供し、転職成功をサポートしてくれます。

ハイスタ会計を用いた転職フローは以下のとおりです。

  • 無料登録
  • 非公開求人の紹介や業界動向をふまえた提案
  • 履歴書の添削や面接対策
  • ご希望の企業と面接
  • 内定

公式サイト:https://hi-standard.pro/cpa/

MS-Agent

ms-japan

MS-Agentは、経理や法務などの管理部門、公認会計士や弁護士などの士業の転職に特化したエージェントです。また、女性へのサポートにも力を入れており、キャリアアップや家庭との両立を希望する女性にもおすすめです。

ただし、求人は首都圏とその他の都市部に集中しているため、地方で転職を検討する際は注意しましょう。

公式サイト:https://www.jmsc.co.jp/

SYNCA

synca

SYNCAは、バックオフィスに特化した比較的新しい転職エージェントです。

ベンチャー企業やスタートアップの求人も多く、多角的な働き方やマルチなスキルを生かしてみたい人におすすめです。また、一定以上の規模の企業の求人も掲載されているため、一つの分野を極めたい人も利用できます。

求人は都心部周辺に集中しているため、都心部への転職を考えている人におすすめです。

公式サイト:https://synca.net/

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリア

ジャスネットキャリアは、公認会計士などを始めとした会計・税務系の求人に強い転職エージェントです。大手エージェントのため、求人数が多く、専門知識に詳しいエージェントと二人三脚で転職を進められます。

また、経理・財務の実務に役立つノウハウ動画の視聴や、セミナーへの参加が無償でできる点も魅力です。

公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/

まとめ

経理は、企業の経営を支える重要な仕事です。経理は求人数が豊富ですが、採用数が少なかったり専門性が高い経理求人は「非公開求人」として特定の転職エージェントのみが取り扱っている場合があります。

転職エージェントを利用すれば、非公開求人に応募できたり、転職のプロにサポートしてもらえたりするので、よりよい転職を実現できます。

経理で大手企業に転職を考えている人は、ぜひ転職エージェントをご活用ください。

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CUS士業・管理部門担当

佐藤 達也

弁護士・公認会計士・管理部門特化の転職サポートを行う人材紹介会社に在籍。士業・バックオフィスに特化した転職ノウハウ・企業調査を担当しています。分野特化だからこその、勘所を押さえたリアルな情報を発信できるよう心がけています。