経理職の平均年収は450万円|市場価値と年収を上げるためのポイント・有効な資格を紹介

編集者
CUS編集部
株式会社アシロ
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経理職として働いているものの、現状の年収に満足しておらず、「転職したら年収が上がるのかな」「年収を上げる経験やスキルはあるの」と気になっている方もいるのではないでしょうか。

転職をせずとも年収を上げる方法はありますが、スキルや実務経験によっては転職することで大幅な年収アップが期待できます。

今回は経理職の平均年収を多角的に紹介した上で、年収アップに必要なスキルや実務経験などを紹介します。

目次

経理職の平均年収は?世代別や男女別など多角的に紹介

厚生労働省が運営する職業情報サイトjobtagによると、経理職の平均年収は450万円となっています。

ここでは、経理職の平均年収を以下の4つに分けて紹介します。

  • 世代別の平均年収
  • 男女別の平均年収
  • 地域別の平均年収
  • 求人内容別の平均年収

参考:職業情報提供サイトjobtag

世代別の平均年収

同じく厚生労働省が運営する職業情報サイトjobtagによると、世代別の平均年収は以下の表の通りです。

年齢平均年収
~19歳226.36万円
20~24歳300.87万円
25~29歳380.73万円
30~34歳422.33万円
35~39歳462.21万円
40~44歳485.02万円
45~49歳492.29万円
50~54歳506.76万円
55~59歳522.86万円
60~64歳418.83万円
65~69歳368.56万円
70歳~366.11万円
参考:職業情報サイトjobtag

経理職は年齢と共に年収が上がっていき、50~59歳の522.86万円が最も高くなっています。他の一般的な職業と同様に、年齢が上がるごとにスキルや実務経験が身につくことで年収が上がります。

男女別の平均年収

厚生労働省 賃金構造統計調査 2022(令和4年)によると、男女別の平均年収は以下の通りです。

性別平均年収
男性526.63万円
女性384.49万円
参考:厚生労働省 賃金構造統計調査 2022(令和4年)|会計事務従事者

経理職の男女別平均年収は、男性の方が約140万円高く、男女で大きく年収の差があります。これは、派遣社員やパート、契約社員などの給与が低い雇用形態で働いている女性が多いからだと考えられます。

左右にスライドできます
非正規の職員・従業員

総   数

15~24歳

25~34歳

35~44歳

45~54歳

55~64歳

65歳以上

パート・アルバイト

男女計

1474

236

139

229

318

274

278

349

111

38

25

25

38

111

1126

126

101

203

293

236

166

労働者派遣事業所の派遣社員

男女計

149

10

31

32

40

19

16

59

5

13

11

12

8

11

90

5

18

21

28

11

6

契約社員

男女計

283

13

45

43

54

75

53

150

6

20

17

20

45

42

133

7

25

26

35

30

11

嘱託

男女計

112

1

5

7

11

53

35

71

0

2

2

2

37

29

41

0

3

5

9

16

7

その他

男女計

83

7

13

11

13

17

23

40

3

7

5

5

8

13

43

4

6

6

9

10

10

参考:総務省統計局 労働力調査

地域別の平均年収

厚生労働省が運営する職業情報サイトjobtagによると、地域別の平均年収は以下の通りです。

都道府県平均年収
北海道390.8万円
青森県321.5万円
岩手県378.1万円
宮城県388.5万円
秋田県366.7万円
山形県354.7万円
福島県380.5万円
茨城県419.9万円
栃木県442万円
群馬県385.6万円
埼玉県471.1万円
千葉県456万円
東京都537.5万円
神奈川県486.9万円
新潟県392.8万円
富山県429万円
石川県421.4万円
福井県423.1万円
山梨県403.9万円
長野県394.5万円
岐阜県457.6万円
静岡県427.1万円
愛知県458.1万円
三重県447.8万円
滋賀県462万円
京都府462.1万円
大阪府463.6万円
兵庫県401.2万円
奈良県444.8万円
和歌山県410.9万円
鳥取県382.1万円
岡山県430.9万円
広島県448.9万円
山口県429.9万円
徳島県374.8万円
香川県413.2万円
愛媛県371.3万円
高知県392.5万円
福岡県394.8万円
佐賀県388.4万円
長崎県406.4万円
熊本県403.4万円
大分県401.2万円
宮崎県357.8万円
鹿児島県388.7万円
沖縄県338.6万円
参考:職業情報サイトjobtag

東京都の537.5万円が最も高く、青森県の321.5万円が最も低くなっています。都心に行くほど平均年収が高くなり、地方に行くほど平均年収が低くなる傾向にあります。

求人内容別の平均年収

一般社団法人人材サービス産業協議会が発表している転職賃金相場2022によると、経理職の求人内容別の平均年収は以下の通りです。

求人内容平均年収
・役職なしの担当者 ・簿記3級もしくは2級以上300~399万円
・経理のリーダー候補や担当者、経営分析の担当者 ・経理財務、IRなどで3年以上の経験 ・簿記2級以上 ・英語力が求められる場合もある400~599万円
・経理の部長候補、課長、リーダー、スペシャリスト候補 ・経理財務、IRなどの経験3年以上 ・上場企業での経験 ・管理職経験 ・簿記2級以上 ・英語力が求められる場合もある600~799万円
・経理やIRの責任者、マネージャー、リーダー候補 ・経理経験5年以上 ・決算経験、IR経験、管理職経験 ・公認会計士資格 ・簿記2級以上 ・英語力が求められる800~999万円
・財務、リスク管理、IRの責任者や部長以上 ・経理経験10年以上 ・上場支援上場企業での決算経験、管理職経験、監査法人・会計コンサル企業での会計関連業務経験 ・公認会計士資格1000万円~
参考:転職賃金相場2022

対応可能な業務が増える、役職が付くなどによって年収が大きくアップします。規模が大きい企業であるほどIRやIFRSなどの業務を担当しやすく、年収が上がる可能性が高まります。

経理の年収アップにつながる知識や実務経験

経理の年収アップには、主に以下の4つの知識や実務経験が必要です。

  • 税務の知識
  • 管理会計の知識
  • 資金調達の実務経験
  • 開示書類の実務経験

それぞれの知識や実務経験について詳しく解説するので、自分の現状と比較して年収アップする方法を考えましょう。

税務の知識

経理職では、税務関連業務の知識や実務経験が年収アップに影響します。法人税の申告書をはじめとした税務関連業務では、財務会計とは異なるルールへの対応が必要だからです。

以下の5種類の税金は税務関連業務を行う上で必要な知識ですので、しっかり理解しておきましょう。

  • 消費税
  • 所得税
  • 事業所税
  • 法人税
  • 固定資産税

一方で税務処理にミスが発生してしまうと、企業イメージへ悪影響を与えるだけでなく、最悪の場合は企業が倒産してしまう可能性もあります。税務の知識をつけ対応できる業務範囲を広げることで年収アップにつなげましょう。

管理会計の知識

自社の経営判断を行う際に必要となる知識や実務経験が管理会計です。具体的には、事業計画や中長期計画の分析や資料作成を行い、会社全体や各部署の数字を見える化し、目標や戦略を設定する手助けを行います。

また、部署ごとに管理会計を行うと、成果を出している部署や苦戦している部署が把握しやすくなり、業績の評価もしやすいです。予実管理や原価管理、経営分析や資金繰り管理などの実務経験を積むことで、市場価値が高まり、年収が上がりやすくなります。

資金調達の経験

資金調達は会社の立ち上げから拡大フェーズまで幅広い期間で必要です。銀行やベンチャーキャピタルなどから融資を受けるために、財務状況を整理・分析し、決算書を作成するスキルや経験が求められます。

分析や決算書の作成が正しくできないと、返済計画を立てられず、資金調達が希望通りに行えません。ベンチャー企業や拡大フェーズに入った企業であるとより重宝される実務経験であり、年収アップが期待できます。

開示書類の経験

開示情報やIRに関する知識や業務経験があると、上場を目指している企業へ高年収で転職しやすくなります。開示業務とは株主や投資家に向けて上場企業が提示する決算書などの書類であり、実務経験がある経理担当者は少ないでしょう。

他にも有価証券報告書や決算短信などの種類があり、部門だけでなく経営陣や顧問弁護士などの他部署と連携が必要な業務です。IPOと呼ばれる上場を経験したことがある場合、上場準備中の企業から大幅な年収アップを提示されるほど重宝される実務経験です。

経理の年収アップにつながる資格

経理の年収アップにつながる資格には、以下の5つがあります。

資格概要
簿記基礎から応用までの会計知識を身に付けるための資格
FASS検定経理・財務スキルを測る検定
ビジネス会計検定 損益計算書や貸借対照表などの財務諸表に関する検定
公認会計士公認会計士になるために必須な資格
USCPA米国公認会計士として外資系企業で働くには必須な資格

これらの資格を取得すると、経理職としてのスキルが身につくだけでなく、年収アップを狙った転職時に有利に働きます。資格を持っていないとできない仕事もあるため、ぜひ参考にしてください。

簿記2級以上

簿記は初級・3級・2級・1級の4レベルに分かれており、経理の基礎から応用まで学べます。2級は転職時の応募要件にも多いため、まずは2級の取得を目標としましょう。

1級の合格には連結決算の知識が必要であり、上場企業やその子会社をはじめとした企業が高年収求人を出しています。そのため、年収アップを狙うためには2級で満足せずに1級の取得まで目指しましょう。

FASS検定

FASS検定は資産・決算・税務・資金の分野の知識が試される、経理や財務の実務に特化した検定です。合否ではなくA~E段階で評価されるため、受験時の経理や財務スキルを明確にでき、キャリアアップの目標立てることにも活かせます。

C評価以上が評価されるため、C評価以上を取れるように実務経験を積みましょう。

公認会計士

公認会計士資格を取得するとCFOや社外取締役、社外監査役として転職ができ、大幅な年収アップが可能です。実務補習所で3年間の研修と筆記試験の合格が必要であり、公認会計士登録には長期的な目線で勉強する必要があります。

令和4年(2022年)公認会計士試験の合格率は7.7%と難易度が高い資格なので、取得を目指す方は数年単位で合格までの計画を立てましょう。

USCPA

USCPAとは米国公認会計士のことであり、外国企業を相手に働きたい場合や外資系企業で働きたい場合に必要となる資格です。2022年度のUSCPAの合格率は52.8%と高いですが、会計知識に加えて英語力が求められるため難易度が高い資格として位置づけられています。

経理業務に慣れており、日本語であれば合格できる知識があったとしても、英語力がなければ合格ができません。1年以上の実務経験と筆記試験の合格に加え、英語力が必要なので、ビジネス英語の学習が必要です。

USCPAを取得すると年収1,000万円以上も狙えるため、英語が得意な方におすすめです。

ビジネス会計検定

ビジネス会計検定は、財務諸表に関する知識や分析力を測るための試験です。会計基準や法令を理解し、損益計算書や貸借対照表を分析することで企業状況が把握できる力を身に付けられます。

3級~1級までの3つのレベルに分かれており、以下のような違いがあります。

  • 3級:財務諸表を理解するための基礎
  • 2級:財務諸表を分析する能力
  • 1級:財務諸表を含む会計情報を総合的かつ詳細に分析し企業評価できる能力

1級を目指しつつ、実務で必要な力が身に付けられるレベルの受験がおすすめです。

経理で年収アップするための方法4選

経理で年収アップをするための方法には以下の4つがあります。

  1. マネジメントを経験する
  2. 管理職を目指す
  3. 違う業種の経理職に転職する
  4. 都心企業の経理職に転職する

それぞれの方法について詳しく紹介するので、年収を上げたい方はぜひ参考にしてみてください。

マネジメントを経験する

数人単位のチームなどのマネジメント経験を行い、チームで仕事をする力を身に付けることも年収アップする方法の1つです。個人で仕事ができることは前提であり、マネジメントスキルがあると転職時に評価が得やすくなります。

チーム単位で工夫したことやマネジメントする上で気を付けたことなど、業務以外のエピソードを伝えられると、役職者としての転職も可能となり、年収アップを目指せます。

管理職を目指す

企業規模によって差があるものの、管理職として昇進すると年収が上がります。上場企業の場合は課長クラスになれば600万以上、部長クラスになれば800万以上も期待できるでしょう。

さらに、管理職として担当していた業務がIRやIPOなどの業務である場合、転職時に大幅な年収アップが狙えます。中小企業の場合は管理職が少なく、昇進しにくい場合もあるため、出世が望めない場合は管理職を目指すための転職もおすすめです。

違う業種の経理職に転職する

経理としての経験をもったまま違う業種への転職も年収アップが期待できます。経理の実務経験やスキルは業種が変わっても、大幅に仕事内容が変わらないため、業種を絞らずに募集を探すこともおすすめです。

違う業種に転職をしたあとに税務や管理会計業務を行う場合は、あらかじめ業界構造を勉強しておくとスムーズに働き始められます。

都心企業の経理職に転職する

地方よりも都心企業の方が経理の年収が高いため、都心企業へ転職するだけでも年収アップが期待できます。たとえば、東京都の平均年収は537.5万円ですが、青森県の平均年収は321.5万円と200万円以上の差があります。

働く地域にこだわっていない方は、都心企業の経理職への転職がおすすめです。

経理で年収アップを目指すなら転職エージェントに相談しよう

転職後の働き方や目指す年収によって、必要な知識や実務経験、資格が異なります。転職を考える際は1人で考えるのではなく、転職サポートのプロである転職エージェントに相談がおすすめです。

転職エージェントを利用ことで、将来のキャリアプランから身に付けるべき能力を明確にできます。転職したいけど何をすればいいかわからない方は、ぜひ1度転職エージェントに登録し、キャリアプランを含めて相談してみましょう。

経理職の転職に強いおすすめの転職サイト・エージェント3選

最後に、経理職の転職に強い転職エージェント・転職サイトを3社ご紹介します。

BEET-AGENT|経理・財務特化の転職サイト

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まず、経理・財務等の管理部の転職に特化した転職エージェント「BEET-AGENT」を紹介します。BEET-AGENTは、管理部門特化の転職エージェントで、経理財務、経営企画等の転職に強いサービスです。

経理/財務、経営企画、会計管理の実務経験がある方に、キャリアアップできる求人紹介。IPOを狙う企業への転職支援サービスを展開しています。

公式サイト:https://beet-agent.com/

SYNCA|管理部門のキャリアアップに特化した経験者向けのエージェント

転職SYNCA

次に、管理部門に特化した転職エージェント「SYNCA」を紹介します。

SYNCAは、経理や総務、経営企画といったバックオフィス・管理部門の求人に特化した転職エージェントです。2017年設立の株式会社WARCが運営する比較的新しいサービスで、東京都付近を中心に転職サポートをしています。

公式サイト:https://synca.net

ジャスネットキャリア|経理職特化の転職エージェントならココ

ジャスネットキャリア

公認会計士・税理士・経理の転職に特化した「ジャスネットキャリア」を紹介します。

ジャスネットキャリアは、1996年に公認会計士により設立された公認会計士・税理士・経理の転職に特化した転職エージェントです。99%が非公開求人なので、どんな求人があるかについては登録後に確認できます。

幅広い求人を有しているので、20代後半までの若手層から40歳以上の管理職求人までキャリアステージに合った転職活動をサポートしてくれます。

公式サイト:https://career.jusnet.co.jp/

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