クリニックに就職したものの、働きづらさやストレスを感じる方もいるでしょう。

しかし、就職して間もない退職にためらうこともあります。

本記事では、クリニックで働く看護師が転職を考える悩みを解説します。

転職で得られるメリットや、クリニックで働く看護師におすすめの転職先も紹介するので、転職への迷いや現職の悩み解消に役立ててください。

以下の記事では看護師におすすめの転職エージェントを紹介しています。

関連記事：看護師向け転職エージェントおすすめ19選を徹底比較

クリニックで働く看護師が転職を考える悩みとは

クリニックを辞めたいと思っていても、今の悩みで退職を決めるのは「考えが甘いかも？」と不安になる方もいるでしょう。

しかし、大きなストレスを抱えてまで働き続けるのは心身に悪影響が及びます。

ここからは、クリニックで働く看護師が転職を考える悩みを5つ紹介するので参考にしてください。

業務量が多い

クリニックで働く看護師の悩みとして、業務量が多いことが挙げられます。

クリニックは病院と違って看護師の配置人数が少ないこともあり、業務量が多岐にわたります。

看護業務はもちろん、受付や電話対応、清掃などを看護師が担当するケースも珍しくありません。

看護業務に集中したい場合、事務作業や雑務が増えることに抵抗感を持つ方もいるでしょう。

人間関係に問題がある

クリニックで働く看護師のなかには、人間関係に問題を抱えるケースが少なくありません。

大人数の方が働く病院と違って、クリニックは関わる人が少ないため、スタッフとの相性が悪いとストレスになりやすいのです。

人間関係のトラブルは仕事に支障が出ることもあり、次第に退職を検討するようになります。

以下の記事でも、クリニックの看護師がつらいと感じる原因について解説しているので参考にしてください。

参考記事：クリニックの看護師がつらいと感じる理由は？対処法やおすすめの転職先を紹介！

希望休が取りづらい

休みたい日に希望休が取りづらいのも、クリニックで働く看護師がストレスを抱える原因です。

看護師の数が少ないクリニックは、代わりのスタッフの確保が厳しいため、休診日以外の休みが取りづらい傾向があります。

反対に看護師の数が多い大きな病院であれば、自分が休んでも代わりのスタッフがフォローしてくれるでしょう。

希望休が取りづらい職場は急な予定変更が難しいため、自身や家族が体調を崩したときも臨機応変な対応が難しく、ストレスにつながります。

知識や技術の向上が難しい

知識や技術の向上が難しいことで、やりがいを感じられなくなる看護師もいます。

クリニックは急患の受け入れや急変対応などが少ないため、精神的なプレッシャーは病院よりも抱かずに働けるでしょう。

しかし、急性期病棟や救急外来での看護に慣れている方にとっては、命に関わる処置をする機会の少なさや、高度な専門知識・スキルを求められる業務がほとんどないことは物足りなさを感じます。

また、クリニックはルーチンワークの割合が多く、病院に比べると教育体制や研修が充実していません。

そのため、看護師として新しい知識や技術を得たい方や、成長を続けたい方は転職を考え始めます。

院長と合わない

院長と合わないことも、クリニックで働く看護師の悩みのひとつです。

方針やマニュアルを院長の意志で変更するワンマン経営や、院長の機嫌でクリニックの雰囲気が悪くなるなどの場合、看護師は振り回されることになります。

高圧的な院長もいれば、独特な考え方をする院長もいるため、慣れるまでは大変に感じるでしょう。

看護師長などの上司が院長の言いなりであれば、退職を検討するのも無理はありません。

クリニックで働く看護師が転職で得られるメリット

クリニックを辞めようか悩んでいる最中は、退職のデメリットばかり考えてしまう傾向があります。

ここからは、以下5つのクリニックで働く看護師が転職で得られるメリットを紹介します。

現職の悩みから解放される

現職の悩みから解放されるのは、転職で得られる大きなメリットのひとつです。

人間関係のトラブルや業務への悩み、休日の取りづらさなどは転職することで解決できる可能性があります。

我慢して働き続けると、ストレスが蓄積し、精神面に大きなダメージを与えるので注意しましょう。

現職の悩みから解放されるには、今の悩みをクリアできる職場に転職することが重要です。

そのためには、本記事後半で解説する「クリニックで働く看護師が転職に失敗しない方法」を参考にしてください。

幅広いスキルや経験が身に付く

クリニックから転職することで、幅広いスキルや経験を身に付けることが可能です。

また、方針や設備は医療機関ごとに異なるため、適応力も磨かれるでしょう。

看護師はクリニック以外にも活躍できる職場が多く、転職によって新しい分野や仕事にチャレンジできます。

新しい職場で研修や教育プログラムがある場合は、活用することで専門看護師や認定看護師などの資格取得を目指せます。

そのため、希望の看護スキルを高めることができるのも、転職で得られるメリットです。

自分に合う職場を見つけやすい

転職活動では給与や勤務時間、職場の雰囲気など、優先したい条件を明確にする必要があります。

自分に適した職場環境を見極める力を養えるため、自分に合う職場を見つけやすくなります。

例えば、現在のクリニックが激務で働き方に不満があるなら、ワークライフバランスの改善が可能な職場を選択すると良いでしょう。

現職の経験があるからこそ、転職によって自分に合う職場を見つけやすいのも、転職の大きなメリットといえます。

給与アップが期待できる

転職によって、給与アップが期待できるのも転職で得られるメリットです。

給与アップを目指すには、現職よりも給与が高水準の職場を選ぶことで実現できます。

また、看護師の転職では、看護の経験年数によって給与の向上が見込めます。

看護業界では新卒よりもスキルがある人材を採用したいと考える施設も多く、中途採用を積極的におこなっているケースが珍しくありません。

さらに、看護業界は売り手市場の状況になるため、条件の良い職場へ転職できる確率が高いといえます。

人間関係をリセットができる

クリニックで働く看護師に限った話ではないものの、人間関係をリセットできる点も転職のメリットに挙げられます。

転職によって新しい職場で人間関係がリスタートできるため、前職での人間関係の不満やトラブルの解消が可能です。

新しい職場で苦手な方に出くわす可能性はありますが、反対に相性の良い方に出会えることも十分あり得ます。

人間関係の悩みは大きなストレスになるため、我慢をし続けている方は転職をおすすめします。

クリニックで働く看護師が転職することのデメリット

転職に後悔しないためには、メリットだけでなくデメリットも理解することが重要です。

クリニックで働く看護師が転職することで、起こり得るデメリットは以下の通りです。

新しい職場には各ルールや規定があるため、今までの業務経験が活かせないこともあります。

そのため、仕事を最初から覚える必要もあり、デメリットに感じる可能性があります。

転職で起こり得るデメリットを回避するには、転職先選びが重要です。

労働環境や人間関係については、事前に転職先を念入りに調査することで回避できます。

しかし、退職金は基本的に勤続年数が影響するため、勤続年数が短いと前職の退職金が受け取れないケースもあるでしょう。

転職先で退職金制度がある場合でも、ゼロからのスタートになる点はデメリットです。

他にも、転職するには転職活動が必須であり、転職活動に疲れてしまうこともデメリットに挙げられます。

とはいえ、転職活動のデメリットは、転職エージェントを活用することで負担の軽減が可能です。

また、転職先の詳細な情報を教えてもらえるため、転職に失敗するリスクを軽減できます。

クリニックを辞めるデメリットについては、以下の記事でも詳しく解説しています。

参考記事：クリニックの看護師がつらいと感じる理由は？対処法やおすすめの転職先を紹介！

クリニックで働く看護師におすすめの転職先

ここからは、クリニックで働く看護師におすすめの転職先を6選紹介します。

訪問看護

訪問看護とは、病気や介護が必要な方が自宅で療養できるように、看護師が自宅に伺ってケアをする仕事です。

仕事内容は健康チェック・療養指導、医療処置、身体介護、緊急時の対応など多岐にわたります。

看護を受ける本人だけでなく、家族からの相談に乗ってアドバイスをすることも業務のひとつです。

訪問看護師は需要の高い仕事であり、働き手が少ないことが問題になっているので求人には困らないことが伺えます。

土日祝休日で夜勤もないため、ワークライフバランスを重視している方におすすめです。

介護施設

介護施設は看護師の経験や医療スキルが活かせるため、ブランクのある看護師にも注目されている転職先です。

介護施設では、介護士と連携しながら入居者のサポートをおこないます。

入居者の健康管理や医療行為が看護師の主な仕事であり、バイタルチェックやケガの処置、カテーテルの準備などが該当します。

高齢者化が進む現代において、介護施設や高齢者向け施設での看護師の需要は高まる一方です。

保育園・幼稚園

看護師の転職先は、医療機関だけでなく保育園や幼稚園などの児童施設もあります。

保育園や幼稚園では、園児のケガや病気のケアといった応急措置をおこないます。

また、園児の健康管理として、保護者からの相談に対応するのも仕事です。

保育園や幼稚園として働く場合、保育士の補助的な役割を兼ねる必要があります。

そのため、児童家庭福祉や保育・教育に関わる知識があることが好ましいです。

子供が好きな方には向いていますが、医療分野のスキルを磨きたい方には向いてない可能性があるので慎重に判断しましょう。

美容クリニック

美容クリニックも看護師が活躍できる職場です。

近年美容クリニックの需要は高まっているため、看護師の求人も増加傾向にあります。

患者さんの悩みや希望に関するカウンセリング、注射、専用機器での施術、アフターフォローなどが仕事内容です。

小規模の美容クリニックであれば、電話対応や受付などの業務に携わることもあります。

顧客対応が重視されるため、高いコミュニケーションスキルが求められますが、美容に関心のある方はやりがいを感じられるでしょう。

医療機器メーカー

看護業務を続けたくないのなら、医療機器メーカーへの転職を検討してはいかがでしょうか。

医療機器メーカーの営業職であれば、看護師としてのスキルや経験を活かすことができます。

医療機器メーカーは一般企業となるため、夜勤などのない規則正しい勤務形態で働ける点が魅力です。

生活リズムが安定し、土日祝日に休めるので、クリニック勤務よりもプライベートな時間を確保できる可能性があります。

検診センター

採血が好き・得意という方は、健診センターへの転職をおすすめします。

健診センターとは、各種健康診断や人間ドック、PET健診などをおこなう機関です。

看護師は身体測定、視力・聴力検査、血圧測定、心電図検査、採血、超音波検査などを担当します。

検診センターに訪れる方のほとんどに採血をおこなうため、1日に100人以上採血をする現場も少なくありません。

検診センターの求人は人気が高く、採血スキルが必要なので、苦手な方は採用が厳しいでしょう。

クリニックで働く看護師が転職に失敗しない方法

クリニック勤務に悩みがある場合、転職は多くのメリットがありますが、転職に失敗するとデメリットが多いと感じる可能性があります。

ここからは、クリニックで働く看護師が転職に失敗しない方法を解説するので実践してみてください。

転職理由を明確にする

転職に失敗しないためには、転職理由を明確にすることが重要です。

転職理由が曖昧な場合、自分に合う転職先を選ぶことができません。

転職先を選びを誤ると、現職で抱えている悩みを解消できない可能性があり、転職に失敗する要因となります。

なぜ転職したいのか理由を分析し明確にすることで、自分に合う転職先を絞り込むことが可能です。

例えば、閉鎖的な人間関係がストレスなら、看護師の数が多い職場を選ぶと良いでしょう。

転職に求める条件をいくつか出し、優先順位をつけるとさらに絞り込みやすくなるので試してみてください。

また、転職理由を明確にするには、次で紹介する自己分析がポイントです。

自己分析をおこなう

転職活動において、自己分析は欠かせません。

自己分析とは、自己理解を深める作業であり、これまでの経験から自分の長所や短所、価値観、スキルなどを整理することです。

自己分析をおこなえば、転職理由が明確になるため、ミスマッチのリスクを軽減できます。

また、自分の強みを把握できるので、自己PRや志望動機の作成に役立ちます。

自己分析をおこなうには以下の手順を参考にしてください。

看護師としての経験や看護観を整理することで、自分の理想とする転職が見えてくるでしょう。

職場見学をする

転職先の調査不足はミスマッチにつながるため、転職の失敗を防ぐには職場見学が役立ちます。

求人票や公式サイトからでは、一部の情報しか知ることができません。

実際に現場を歩いてみてわかることは多いため「思っていた職場とは違った」と思わないためにも職場見学を依頼しましょう。

また、転職のミスマッチを防げるだけでなく、応募先に意欲をアピールできるなどのメリットもあります。

転職エージェントを利用する

転職エージェントを利用することも、転職の失敗を防ぐ方法として挙げられます。

転職エージェントは求職者が無料で利用できるサービスです。

サービスによってサポート内容は異なりますが、一般的なサポートは以下の通りです。

自分ひとりで転職活動を進める場合、すべて自分でおこなわなければなりません。

転職エージェントを利用すると上記のサポートを受けられるため、転職活動の手間を軽減できます。

さらに、登録しなければ出会えない非公開求人を紹介してもらえるのも、転職エージェントを利用する大きなメリットです。

応募者では言いづらい年収交渉なども代行してもらえるため、より好条件で転職できる可能性があります。

クリニックで働く看護師が利用すべき転職エージェント

ここからは、クリニックで働く看護師が利用すべき転職エージェントを3選紹介します。

各エージェントの特徴を解説するため、登録時の参考にしてください。

レバウェル看護（旧：看護のお仕事）

レバウェル看護は、圧倒的な求人数を誇る転職支援サービスです。

都心部だけでなく全国の求人を取り扱っているため、地方でも問題なく利用できます。

年間4,000回以上職場訪問をおこなっており、応募先のリアルな情報を教えてもらえる点が特徴です。

応募前に職場の雰囲気などを把握することで、転職後のミスマッチを回避できるでしょう。

求人情報はLINEやメールで届き、相談もLINEで対応可能です。

退職相談もサポートの一部なので、現職の悩みにも相談に乗ってくれます。

ナース専科 転職（旧：ナース人材バンク）

ナース専科 転職は「ナース専科」の会社が運営する、看護師専門の転職エージェントです。

年間10万人以上の看護師が利用しているため、人気の高さが伺えます。

キャリアパートナーは地域担当制かつチーム制を導入しており、地域に根差したリアルな情報を把握している点が強みです。

幅広い視点で求人を提案してくれるため、気になる求人が見つかりやすいでしょう。

ナース専科 転職に在籍しているキャリアパートナーは、70時間を超える研修プログラムを履修しています。

社会保険や各種手当などの労務知識だけでなく、看護業務なども理解しているため、安心して任せることができます。

看護roo!転職

看護roo!転職は、10年以上の転職実績を誇る転職エージェントです。

未経験・ブランク歓迎の求人が豊富なので、スキルに自信がない方にもおすすめです。

エージェントからの求人紹介だけでなく、直接応募求人にも対応しています。

気になった求人にそのまま応募できるため、条件に合う求人を効率よく探せるでしょう。

履歴書や職務経歴書などの応募書類は、スマホから簡単に作成できます。

指示に従いながら項目を埋めるだけであり、看護師専用のフォーマットなので登録が簡単な点もポイントです。

看護師向け転職エージェントの利用手順

ここからは、看護師向け転職エージェントの利用手順を紹介します。

1.登録

転職エージェントを利用するには無料会員登録が必要です。

会員登録は、登録したい転職エージェントの公式サイトから可能です。

求人が少ないエージェントに登録する場合は、複数のエージェントに登録することで条件に合う求人が見つかりやすくなります。

2.面談

登録後は担当者からメール、または電話にて連絡がきます。

希望する雇用形態や診療科、勤務時間、転職時期、希望年収などを聞かれる可能性があるため、転職に関する条件をある程度まとめておきましょう。

転職エージェントを利用する際は、担当者との相性も重要になります。

合わない場合は変更を依頼できるため、担当者の対応に問題を感じたら遠慮なく申し出ましょう。

3.求人紹介

担当者と転職に求める条件が共有できると、求人紹介が始まります。

転職エージェントは非公開求人の紹介が可能なので、公式サイトには公開されていなくても、条件に合う求人を紹介してもらえるかもしれません。

条件に合わない求人を紹介された場合は断って問題ありませんが、少しでも興味のあるものは検討することをおすすめします。

4.職場見学

気になる求人が見つかれば、職場見学を依頼しましょう。

前述した通り、転職後のミスマッチを防ぐには職場見学がおすすめです。

担当者に見学の付き添いを頼めるエージェントもあるため、登録時に可能なのか確認すると良いでしょう。

5.応募

続いては、応募に進むために応募書類を作成します。

担当者はどのような書類であれば選考通過しやすいかを把握しています。

そのため、選考通過率を上げるには、書類添削のサポートを積極的に受けることがポイントです。

また、応募先への問い合わせや書類の確認、面接の日程調整は担当者に代行してもらえます。

6.面接

面接日までに面接対策のサポートを受けましょう。

面接対策では、面接で多い質問や自己PRの伝え方などをアドバイスしてもらえます。

十分に面接対策をすることで、本番で自信を持ってアピールできます。

本番の面接に担当者が立ち会ってくれるケースもあるため、立会い希望の方は確認しましょう。

7.入職

選考終了後は、転職エージェント経由で結果が伝えられます。

入職時の条件交渉などは担当者が代行してくれるため、希望や質問があれば伝えておきましょう。

転職エージェントによっては、現職の退職サポートや入職後のサポートにも対応しています。

クリニック勤務に悩みがある看護師は転職を検討しよう！

クリニックは看護師の配置人数が少ないことで、業務量が多い、希望休が取りづらいなどの不満が溜まる方もいます。

また、狭い人間関係のなかで働くため、院長やスタッフと合わない場合は大きなストレスとなるでしょう。

現職の悩み解消や、スキル向上を目指したいなら、転職活動を始めるのをおすすめします。

看護師が活躍できる職場は、訪問看護や美容クリニックなど多岐にわたるため、現職よりも自分に合う職場が見つかるかもしれません。

自己分析や職場見学などをおこなうことで、転職に失敗するリスクを軽減できるでしょう。

転職エージェントの利用は、効率的な転職活動に役立つため、本記事で紹介したエージェントの利用を検討してみてください。